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民間公益の増進のための公益法人等・公益認定ウォッチャー (by 出口正之)

日本の民間公益活動に関する法制度・税制は、10数年にわたって大きな改善が見られました。たとえば、公益認定等委員会制度の導入もその一つでしょう。しかし、これらは日本で始まったばかりで、日本の従来の主務官庁型文化の影響も依然として受けているようにも思います。公益活動の増進のためにはこうした文化的影響についても考えていかなければなりません。内閣府公益認定等委員会の委員を二期六年務めた経験及び非営利研究者の立場から、公益法人制度を中心に広く非営利セクター全体の発展のためにブログをつづりたいと考えております。


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公益法人のガバナンスの更なる強化等に関する有識者会議の「最終とりまとめ案」の公表 [2020年12月01日(Tue)]

 パブリック・コメントの募集が実施されていた「公益法人のガバナンスの更なる強化等に関する有識者会議」の「最終とりまとめ案」が公表されました。


 96件のパブコメが寄せられていることが記されています。その内容については近日中に公表されるのではないかと思います。

 内閣府としては当初の予定を変更してまで、拙速を避け十分に検討したものと思います。


 もちろん、「中間とりまとめ案」から大きく変わってはおりませんが、変更した部分からは拙速を避けようという意図が読みとれます。


 公益法人協会が詳細でかつ説得力のあるパブコメを寄せています。存在感を強く示したものと思いますし、主張はどれも的を射ています。


 他方で、十分に反省されたとは言えないかもしれませんが、パブコメの段階での修正としては内閣府はそれなりに頑張ったのではないかと思います。


 内容面でも手続き面でも非常に問題の多かった「新公益法人制度10年を迎えての振り返り」報告書が公表され、自民党行政改革推進本部の公益法人等のガバナンス検討チームが「新公益法人制度10年を迎えての振り返り」報告書の影響もあってか、規制強化の提言を当時の片山大臣に提出しています。さらに、「経済財政運営と改革の基本方針2019」( 令和元年6月21日閣議決定)されてから、有識者会議が立ち上がっています。


 タイトルも「公益法人のガバナンスの更なる強化等に関する」ですから、このような外堀が埋まった状態で、内閣府としては公益法人の声もしっかりと聞きながらも、それを反映できる余地は非常に小さかったものと思います。その中で、しっかりと時間をかけギリギリの最終案ができ上がったように思います。


 残念ながら「新公益法人制度10年を迎えての振り返り」報告書が公表された段階である程度今回の流れは既定路線だったのではないでしょうか。



 「公益の増進」という立法趣旨にもとづいて税制で応援しているのに、「税が優遇されているのに」「公益法人はガバナンスが十分ではない」「規制が十分ではない」という、小山裕氏が恐れていたストーリーに乗ってしまって、10年が振り返られてしまったことが、そもそものボタンの掛け違いでしょう。その上、「10年の振り返り」には、事実関係の表現は非常にあやふやで、EBPMといった点から、問題を指摘できる個所はたくさんあったのに、これを放置していたことが今回の事態を招いたものと思います。

 小さな立法趣旨の取り違いをそのままにしていれば、いずれ公益法人は改革前と何ら変わらないものになってしまいかねません。



 「公益法人のガバナンスはなっていない」という印象論が社会に幅広く蔓延してしまっては、いつまでたっても「公益の増進」にギアをチェンジできないままになってしまうのではないでしょうか? 



 ただ明るい兆しがないわけではありません、96件ものパブコメは制度を共によくしていこうとする公益法人などの次への大きな光となるものと信じています。まずは、公益法人に対するパブリック・イメージを実態に合わせた形で変えていき、さらに、「公益の増進」に対して存在感を増すことに期待したいと思います。


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