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民間公益の増進のための公益法人等・公益認定ウォッチャー (by 出口正之)

日本の民間公益活動に関する法制度・税制は、10数年にわたって大きな改善が見られました。たとえば、公益認定等委員会制度の導入もその一つでしょう。しかし、これらは日本で始まったばかりで、日本の従来の主務官庁型文化の影響も依然として受けているようにも思います。公益活動の増進のためにはこうした文化的影響についても考えていかなければなりません。内閣府公益認定等委員会の委員を二期六年務めた経験及び非営利研究者の立場から、公益法人制度を中心に広く非営利セクター全体の発展のためにブログをつづりたいと考えております。


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国際学会ISTRにおける理事選任手法とガバナンス [2020年11月06日(Fri)]
国際学会であるISTR(International Society For Third Sector Research)についてはたびたび本ブログで紹介していますが、理事選任方法については これまで日本で紹介しておりませんでした。日本の手法とは全く異なり、日本においても参考になると思いますので、体験をお知らせしたいとおもいます。ガバナンスを考える上でも面白いと思います。あくまで体験談としてお読みください。

同学会は米国に本部があり、いわゆる内国歳入法501条(c)3の免税・所得控除対象団体です。つまり、日本の公益法人と同等のものと考えてよいでしょう。また、会員制度に基づきますから、公益社団法人と似ている組織とお考え下さい。


理事の選考に当たって指名委員会制度を有しています。指名委員会の委員については会員からの推薦・自薦を受け付け、理事3名と会員から非理事会員5名となるように選任します。また、議長は非理事会員が務めます。


指名委員会は、自薦・多選の候補者の中から「次期会長」(President-Elect)候補及び理事候補を定数の二倍の候補者を指名します。この作業も大変な作業となります、その上で選挙を行います。ここで「次期会長」の任期は2年で、他の理事は4年(二年ごとに半数ずつ選任)と異なっています。


「次期会長」は2年が経過すると自動的に会長になります。選挙は次期会長の時だけです。会長は任期2年です(かつてはさらに2年間の「前会長」(Past President)として議決権無しの理事となっていましたが、現在の定款ではこの部分は記載がありません)。


このようにして組織の継続性を保ちながら、特定の人の影響力を持ち続けないような仕組みになっています。理事の任期そのものが異なっています。


また、選出される理事は7名ですが、その他の理事(選出されない理事)として、追加で1名を理事候補者の中から理事会が選任します。これは8名の理事全員を選挙で選ぶと、専門、国、地域、ジェンダー、宗教、年齢等で偏りが生じる可能性があるからです。その偏りを見て、得票数が下位のものであっても、1名を理事会が追加的に選任します。


この方法と比較すると、日本の制度は理事選任の方法についてこのような多様性を認めておりません。言い換えるとこのような国際組織の日本誘致は不可能だということです。国際組織でPresident-Elect制を採用しているところは多いと思います。


また、理事会は2日または3日間かかります。「2時間が相場」と言われる日本の理事会とは随分異なるものですね。制度と文化というものを考えさせられます。


ISTRは設立後30年くらい経過しています。この方法になったのは設立後7−8年がたった頃でした。当時は理事会はもっと長く行われており、この制度についても口角泡を飛ばす議論が行われました。


また、理事会は理事の解任をすることができます。


なお、ISTRはこのところオンラインミィーティングを頻繁に活用していますので、選挙制度もポストコロナ時代に合うようにする等の理由から変更があるかもしれません。また、関連法規まで調べたわけではありませんのであくまで体験談の範囲とご了承願います。



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