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民間公益の増進のための公益法人等・公益認定ウォッチャー (by 出口正之)

日本の民間公益活動に関する法制度・税制は、10数年にわたって大きな改善が見られました。たとえば、公益認定等委員会制度の導入もその一つでしょう。しかし、これらは日本で始まったばかりで、日本の従来の主務官庁型文化の影響も依然として受けているようにも思います。公益活動の増進のためにはこうした文化的影響についても考えていかなければなりません。内閣府公益認定等委員会の委員を二期六年務めた経験及び非営利研究者の立場から、公益法人制度を中心に広く非営利セクター全体の発展のためにブログをつづりたいと考えております。


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新型コロナウイルス対策その15:データで見る公益法人の脆弱性 [2020年05月27日(Wed)]

本ブログでも新型コロナウイルスに関連しての公益法人の業績の悪化に対する対策については

新型コロナウイルス対策:その2

新型コロナウイルス対策:その3 でも触れていたところです。



公益法人協会の雨宮孝子理事長(元内閣府公益認定等委員会委員長代理)が、新型コロナウイルスに関連して、「公益法人」5月号及びJFCVIEWS(助成財団センター)において、公益財団法人を含む一般財団法人の二年連続純資産300万円未満の自動解散規定(一般社団財団法第202条第2項)について重ねて危惧を表明しています。


平成30年「公益法人の概況及び公益認定等委員会の活動報告」の集計データによれば、正味財産300万円未満の公益法人が276法人(うち公益財団法人9法人)もあります。


正味財産320万円未満だと公益法人316法人のうち公益財団法人が32法人となって、300万円ギリギリの公益財団法人が多いことがうかがえると思います。


公益目的支出計画中の一般財団法人も含めれば、300万円危機という目の前の危機に悩んでいる一般財団法人はさらに増えると思います。また、公益申請を検討している一般財団法人にも同様のことがいえるでしょう。


ただ、法人の財務状況が悪いときほど、寄付を募りやすいという米国での研究があります。是非、寄付金の調達には力を入れていただければと思います。


公益社団法人を含む一般社団法人には財産に関する同種の規定はなく、必ずしも正味財産の額で直ちに右往左往する必要はないとはいえ、コロナ危機で弱い立場にあることは間違いないことと思います。


そのほか公益法人には認定要件としての第5条2号の「経理的基礎」があり、気になっている法人も多いと思います。



正味財産1000万円以下の公益法人はちょうど1000法人となり、全公益法人数の10パーセントを超えます。これが公益法人のリアリティです。


休業補償にしても当初は「中小企業」のみを対象としていた都道府県がほとんどで、NPO法人関係者の努力で他の法人格も対象となったところもありますが、必ずしも徹底されておりません。


何しろ、中小企業担当(経産省)と公益法人担当(内閣府)は府省が異なるばかりではなく、NPO法人と公益法人も同じ内閣j府が所管しながら、担当大臣は異なることもあって十分な対策が取れない要因の一つでしょう。


これまで「税制上の優遇」を旗印に、一部上場企業をイメージしながら公益法人施策を考えていた人はいなかったでしょうか?端的に言えば、中小の公益法人は常に置き去りにされていたようにも感じます。


公益法人の実態に真摯に向き合うために、上記のデータが関係者の行動に影響を与えてくれることを強く望みます。


運営の厳しい公益法人の方々の情報もお待ちしております。

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