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民間公益の増進のための公益法人等・公益認定ウォッチャー (by 出口正之)

日本の民間公益活動に関する法制度・税制は、10数年にわたって大きな改善が見られました。たとえば、公益認定等委員会制度の導入もその一つでしょう。しかし、これらは日本で始まったばかりで、日本の従来の主務官庁型文化の影響も依然として受けているようにも思います。公益活動の増進のためにはこうした文化的影響についても考えていかなければなりません。内閣府公益認定等委員会の委員を二期六年務めた経験及び非営利研究者の立場から、公益法人制度を中心に広く非営利セクター全体の発展のためにブログをつづりたいと考えております。


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新型コロナウイルス対策その1:信頼回復は「公益の増進」で [2020年02月08日(Sat)]

 新型コロナウイルスの猛威によって大変な事態が生じています。

その影響は感染者の拡大、感染者家族の苦難、医療関係者の過剰労働、風評被害、経済への悪影響、差別拡大など数えだしたらきりがないでしょう。このような不特定多数への悪影響 があります。このような時はどんな分野にどんな悪影響があるかわからないわけですから、不特定多数への悪影響はいろんな分野で拡大していきます言い換えれば、公益(不特定かつ多数者の利益)のニーズが高まっている状態だと言えるでしょう


 考えてみたら、ロックフェラーのフィランソロピー(公益活動)のうち最も重要なものの一つが感染症対策でした。ロックフェラーは公益法人としての医学研究所を設立し、世界各地の伝染病の対策を立てていきます。病原菌を確認しワクチンを素早く作るということでした。世界各地の伝染病で大きな成果を与えていました。公益活動の原点が感染症に対する対応だったといってもいいかもしれません。


 日本では偉人として有名な野口英世は米国でもお大変署名です。それはロックフェラーのフィランソロピーの実行者としてアフリカで発生した黄熱病を克服するためアフリカに派遣されて、その地で殉職したからです 。


 公衆衛生を重視するロックフェラーのフィランソロピーはWHO(世界保健機関)などに継承されていきます。


 公益法人とは公益のための組織、言い換えれば、不特定かつ多数者の利益のための組織です。「政府でも企業でもできないことができる」ということから公益法人制度の改革がなされ、税制上の優遇措置が与えられました。


 すでに、ビル&メリンダ・ゲイツ財団が1億ドル(約110億円)の対策費の拠出を表明しています。



  このような巨額の寄付だけでなく、それぞれの公益法人が自らの得意分野でできることがないか理事会で検討してみてはいかがでしょうか?影響がどのような分野にまで及ぶかわからないからこそ、公益法人がその潜在的ニーズを理解し、政府や企業ではできないことができることがあるかもしれません。政府としては実施しなければならないことはわかってはいるけれども各種の法律の下で拠出しにくい資金も出てくるでしょう。小さなことでもいいと思います。ほんの小さなアクションが起こせる公益法人も少なくはないと思います。


 もちろん、自分たちの公益法人として何もできないということもあるかもしれません。実際に、ロックフェラー財団は関東大震災の直後に理事会を開いて日本への対応を検討しています。最終的に、その時の日本への支援は断念しています。政府とは異なり、民間ですからすべてに対応できなくてもよいのです。実際にロックフェラー財団が理事会でそのことを議論し、議事録が現存していることも、大事なことではないでしょうか?


 「一部の公益法人が不祥事を起こしているため、信頼回復のためガバナンスの強化を」と考える向きもあるそうですが、公益法人の活動がそもそも社会にほとんど知られていない日本にあっては、信頼の回復はガバナンス強化ではなく、「公益の増進」によって果たしてほしいと思っています。


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