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民間公益の増進のための公益法人等・公益認定ウォッチャー (by 出口正之)

日本の民間公益活動に関する法制度・税制は、10数年にわたって大きな改善が見られました。たとえば、公益認定等委員会制度の導入もその一つでしょう。しかし、これらは日本で始まったばかりで、日本の従来の主務官庁型文化の影響も依然として受けているようにも思います。公益活動の増進のためにはこうした文化的影響についても考えていかなければなりません。内閣府公益認定等委員会の委員を二期六年務めた経験及び非営利研究者の立場から、公益法人制度を中心に広く非営利セクター全体の発展のためにブログをつづりたいと考えております。


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迷走する公益法人「会計研究会」の下でのガバナンス強化の危険性 [2020年02月04日(Tue)]

 迷走する「公益法人の会計に関する研究会」が第40回の議事資料と議事要旨を公開しました。「寄付に指定があっても指定正味財産ではない寄付」とわけのわからないことを議論しています。

 公益法人のガバナンス強化の有識者会議が発足したことは、すでにお伝えしているところです。公益法人の場合には、企業のように利潤の追及のような共通の目的はありません。公益を目的とすることは共通していますが、その公益の種類・中身はそれぞれの法人で別個です。また、それを利益計算のように数字で共通に表すことができません。したがって、公益法人のガバナンスはミッションに対して発揮(ポジティブ・チェック)されるよりも、コンプライアンスに対して発揮(ネガティブ・チェック)されることが多くなります。言い換えれば、ルール違反に対するガバナンスがその中心といってよいでしょう。


 ところが、残念なことに、守るべきルールが公益法人の場合には明確ではなく現場で大混乱が生じています。法人の規模に比べても膨大なルールを押し付けられ、細部(のみ)を指導されているためです。とりわけ、非公開の「公益法人の会計に関する研究会」(会計研究会)が会計及び財務三基準の法律に関わる解釈(ルール)を、毎年のように変えてしまった結果、これまでも何度も混乱を誘発してきています。公益法人の指導的立場にあった公益法人協会の財政基盤安定化基金まで違法なのかどうか内部で判別不能な状態になったことは記憶に新しいことと思います。


ルールが不明確な状態で、仮に抽象論としてのコンプライアンス中心のガバナンス強化を行った場合に何が予想されるでしょうか?


現時点でもルールの解釈をめぐって組織内で不必要な対立を誘発してしまったケースも散見されます。とりわけ、一生懸命制度を勉強した人が組織から逆に追い出され、職を失ったようなケースすらあります。


 ガバナンス強化を行う有識者会議が議事録を公開しながら進行しているのに対して、それに並行して、議事要旨を公開するだけで「寄付者等からの使途の制約があるようにみえる場合であっても、指定正味財産として受入れ処理をしない寄付等には、どのようなケースがありますか。」などと、およそ現場に混乱を与えるようなFAQを用意し始めています。


 会計研究会の危険性は本ブログでもう6−7年間も一貫して主張しています。会計関係者が出鱈目を撒き散らしていることも判明しています。「財務三基準」のことをそれぞれを取り上げて弥縫策を繰り返した結果、ついに、「指定正味財産」の「指定の方法」を役所が判断せざるえないようなとんでもないルールの中で、ガバナンスが強化されれば大変なことになります。



 財務三基準財務三基準の相互連関性の中で監督していくべきものでしょう。


 これまでも会計研究会は「緩和策」を標榜して結果的に規制強化を行ってきた経緯があります。今回も「明確化」を標榜して、寄付者が指定したものを指定寄付ではないとおよそ判断の分かれるような「明確化」を目指しています。


 ここはぜひ公益法人の関係者をはじめ、内閣府公益認定等委員会委員の皆様、地方の合議制機関の委員の皆様、地方行政庁職員、わかっていながら声を上げられない内閣府職員の皆様が、今度こそ声を上げることに期待したいものです。


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