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民間公益の増進のための公益法人等・公益認定ウォッチャー (by 出口正之)

日本の民間公益活動に関する法制度・税制は、10数年にわたって大きな改善が見られました。たとえば、公益認定等委員会制度の導入もその一つでしょう。しかし、これらは日本で始まったばかりで、日本の従来の主務官庁型文化の影響も依然として受けているようにも思います。公益活動の増進のためにはこうした文化的影響についても考えていかなければなりません。内閣府公益認定等委員会の委員を二期六年務めた経験及び非営利研究者の立場から、公益法人制度を中心に広く非営利セクター全体の発展のためにブログをつづりたいと考えております。


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公益法人協会太田達男会長の優れたコラム [2020年01月27日(Mon)]

 公益法人協会の太田達男会長が現在の公益法人政策上の問題をイギリスのチャリティ・コミッションと比較した重要なコラムを発表しています。現在の日本の公益法人行政の問題を端的に主張された優れたコラムだと思います。


 規模別に対応するという「比例原則」といわゆる指導のmust(法令上しなければならないこと)とshould(チャリティ・コミッションが法人に対してしたほうがよいと勧めること)の区分の紹介です。是非お読みください。




 嬉しかったことは「英国ではガイドライン上のこのMustとShouldだけでなく、定期提出書類の種類・記載項目や現金主義・発生主義等の会計基準も含め、チャリティの指導監督制度全般にわたり、Proportionate (均衡のとれた)という基本原則が内包され、規模や事業種類に応じた監督がされている」と会計のことにも触れていただいた点です。


 太田さんの主張はずっと読み続けているつもりですし、個人的なメールでも意見交換を繰り返していますが、会計の現金主義に触れていただいたのはこれが初めてではないかと思います。


 出口は実務家でも会計学者でもないので現金主義が良いか発生主義が良いかという点についてそれほど持論を強調したいわけではありません。ただ、学者ですから「欧米の非営利法人の会計は発生主義を採用している」というような誤った主張が繰り返されてきたことに対しては、中小法人には現金主義が適用されていて数の上でもはるかに多いという事実をこれまで繰り返し述べてきたところです。こんな単純な事実も共有されないままに、公益法人の政策とりわけ会計について議論されてきたことを強く憂慮してきたところですが、長らく孤軍奮闘の寂しさがありました。ようやく力強い援軍を得た心境です。


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