ISTR(国際NPO・NGO学会)とバンコク その1
[2019年07月23日(Tue)]
来賓ご挨拶を述べられるシリントン王女 (2006年)
ISTR(国際NPO・NGO学会)のアジア太平洋地区大会に出席するためにバンコクへ行ってきました。
実はISTRとバンコクと言えば、2006年の世界大会以来の縁となります。今回は思い出話で申し訳ございませんが、2006年のISTR世界大会のことからまず記載させていただきたいと思います。
1992年設立のISTRは米国ボルチモアに本部を置く内国歳入法501条(C)3の資格を持つ国際学会です。現在の正確な国数までは承知しておりませんが、2006年当時で約90か国の擁する堂々たる国際学会で、国際ジャーナルVOLUNTASの発行主体でもあります。
ISTRは、偶数年に世界大会を開催していますが、その間の奇数年には、アジア太平洋地区大会をはじめ、アフリカ、中南米などでそれぞれ地区大会を開催しています。
出口は2005−06年にアジア人として初めて同学会の会長となり、現在でもアジア人としては唯一の会長経験者です。世界大会は毎年いろんな都市で開かれていますが、アジアへの誘致は難しく、2006年にバンコクへ誘致したのが、現在においても唯一のアジアでの開催です。
(学会員を代表して歓迎の挨拶文をシリントン王女に手渡す2006年)
(シリントン王女のお出迎え)
Juree Vichit-Vadakan元所長らとともに、世界大会を実施し、シリントン王女にご来賓としてお越しいただきました。シリントン王女は博士号を持ち、何か国語も理解される方です。
学会員を代表してのお出迎え、歓迎の挨拶などを緊張しながら、行ったこともよい思い出のひとつです。歓迎の辞はすべてタイ政府に確認いただきました。王室関係の英語の言い回しなどは慣用句も多く、こちらでは準備できませんでした。
また、お出迎えは、交通渋滞のバンコクの中で1分も狂うことはないと言われました。聞けば、すべて車道を通行止めにしたそうです。バンコクの方々にもご迷惑をおかけしながらの大会だったわけです。
日本学術振興会バンコク研究連絡センター長にもわざわざお越しいただきました。この時の学会で印象的だったのは、Key-note Speechに,思い切って、Mark Sidel教授にお願いしたことでした。
ISTRのキーノートはAmitai Etzion, Estelle James,Claus Offe, Theda Skocpolなどの大家が多い中で思い切った起用でしたが、Sidel教授の話は今聞いても十分示唆に富む、反テロリズムに関する話でした。
残念なことに、欧州で開催するときと比べると参加者数が少なかったこともあり、また、ホスト校の負担も大きいことから、その後、世界大会はアジアでは開催されていません。
それ以来のバンコクでのISTR関連行事でしたので、主催校のNIDAも冒頭のあいさつで2006年の世界大会のことを紹介していました。
(次回以降に、今回のアジア太平洋地区大会での発表内容について紹介いたします。)