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川北秀人on人・組織・地球

「地球上のすべての生命にとって、民主的で調和的な発展のために」を目的に、市民団体(NPO)・社会事業家(ソーシャル・アントレプレナー)や社会責任(CSR)志向の企業のマネジメントの支援や、市民・企業・行政の協働の支援などに奔走する、IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]代表者の毎日の、ほんの一部をご紹介します。


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エコプロ2016で「環境とエネルギーの未来像」セッションでした! [2016年12月09日(Fri)]
昨日はエコプロ(環境とエネルギーの未来展)にお招きいただき、
環境とエネルギーの未来像」と題して、
実行委員長を務めていらっしゃる山本良一先生のお話を受けて、
経済産業省 産業技術環境局長の末永広行さんと対談させていただきました。

お忙しい中、ビッグサイトまで足を運んでくださっただけでなく、
700以上もの出展者のブースをご覧いただく合間を縫って
このセッションにご参加くださった300名近いみなさま、
本当にありがとうございました。
会場でお示しした資料を、下記に添付しますね。
1612_eco_pro.pptx

何年も同じお話を繰り返してしまっていますが、
企業がどんなに研究や製品・サービスの開発に力を入れても、
政府がどんなにそれを支援しても、
消費者が、目先の損得だけで決めるのではなく、
自らが持続可能な社会と未来の担い手である市民として、
意欲的・積極的にそれを使ってくださらない限り、
社会も未来もより良いものにはなりません。

高齢化と人口減少が同時に進む日本において、大切なのは、
維持するだけでも進化や拡充が求められることを忘れないこと。
しっかり前へ、より良い社会づくりのために、進み続けましょう。
国民投票までに、どこまで市民を育てられるか。 [2016年07月10日(Sun)]
この記事を書き始めた時点では、まだ開票速報も始まっていない。
しかし、今回の結果がどうあれ、次への備えを進めなければならない。

現在の衆議院議員の任期は、解散がなければ18年(2年後)の12月中旬まで。
それまでに国民投票が行われることになれば(場合によっては総選挙と
同時に実施されるとすれば)あと2年しか残っていない。
私たちは、それまでに、どれだけ市民を育てられるか。

私たちは、「社会を変えよう」と、ここまで汗をかいて進めてきた。
ここまで、自然体験に触れる子どもたちも、自然体験を仕事にする人も、
有機・減農薬などで栽培・生産された食品を食べられる人も、
その生産や販売を仕事にする人も、
子育ての支援を受けられる人も、それを仕事にする人も、
介護や障碍者の支援を受けられる人々も、それを仕事にする人も、
施設の利用や助成など支援を受けられる市民団体も、それを仕事にする人も、
着実に増えてきた。

確かに、私たちが切り拓いてきた、これまでにないサービスや基盤を
享受できる人たちは、着実に増えている。社会は、少し動きつつある。
しかし、それだけでは、つまり「新しいサービスの利用者」を増やすだけでは、
市民社会は実現しない。
誰かが与えてくれるのを待ち、選ぶだけの消費者がどんなに増えても、
消費のパターンがどんなに多様化しても、社会はより良くならない。
社会を支え、進化させるのは、自らが担い手となる市民に他ならないからだ。

残された時間はわずか。
市民を育てるために、事業だけでなく、しっかり運動もしよう。
持続可能で、平和を追及する未来を、自らの判断と行動で担える人々を、
増やそう。
熊本の被災地は、東北の被災地に、どう似ているか?(第3報) [2016年05月06日(Fri)]
4月24日同28日にお示しした図
(高齢者率(横軸)×損壊住居率(縦軸)×損壊住居数(球の大きさ))
について、4月24日時点と、5月5日 付の情報と対比する形で更新しました。
(解説を付記したいところなのですが、時間がないので、ご容赦ください!)

【4月24日】時点
160506_1.JPG
【5月05日】時点
160506_2.JPG

【4月24日】時点 縦軸拡大@
160506_3.JPG

【5月05日】時点 縦軸拡大@
160506_4.JPG

【4月24日】時点 縦軸拡大A
160506_5.JPG

【5月05日】時点 縦軸拡大A
160506_6.JPG
熊本の被災地は、東北の被災地に、どう似ているか?(第2報) [2016年04月29日(Fri)]
発災から2週間以上を経て、まだ続く大きな余震と天候不順のもと、
不自由な生活をお続けのみなさまに、重ねて心よりお見舞い申し上げます。
今回の熊本県内の被災地が、5年前の東日本震災で被災された岩手・
宮城の両県内の被災地と、どのように似ているかという前回の記事
から
数日を経て、建物の被害状況の把握が進んでいるようなので、昨日の県の
対策本部で発表された資料をもとに、図を更新しました。

下記のグラフの横軸は、岩手・宮城両県内(2010年国勢調査)と
熊本県内(2015年3月 住民基本台帳)の各自治体の高齢者率、
縦軸は損壊した住家(全半壊と浸水、熊本県内は4月24日現在)を
一般世帯数で割ったもの、球の大きさは損壊した住家の数を示します。
1604_kumamoto_65_house_damage1.png

この図に28日の情報を重ねると、こうなります。
1604_kumamoto428_1.jpg

おわかりいただけるように、状況把握が進むにつれ、東日本で
大きな被害を受けた地域に、状況が似ているといえるところが
増えていることがおわかりいただけるかと思います。

また、今回の被災地も、被災時点ですでに高齢者率が全国平均を
上回っている市町村も少なくありません。
中でも住家の損壊が1割を超えるような甚大な被害を受けた地域では、
避難所にいらっしゃる方々が、もともと地域などの支援を受けて
くらしていらっしゃったため、その基盤を失われたことで、
避難所に長期に滞在せざるを得ない、つまり、避難所が発災後
2週間程度から、食事の提供だけでなく、健康管理や、介助など
生活を支援するサービス、さらに生活再建の相談も求められる
「福祉避難所化」が避けられません。

以下は、横軸は15%から45%までに固定したまま、
縦軸の範囲を徐々に絞り込んだものです。

1604_kumamoto_65_house_damage2.png

28日の状況を重ねると、
1604_kumamoto428_2.jpg

さらに縦軸の範囲を絞り込むと
1604_kumamoto_65_house_damage3.png

28日の状況を重ねると、
1604_kumamoto428_3.jpg

前回も申し上げましたが、福祉職をはじめとするNPOやボランティアの
みなさまには、ぜひ、この図の右側やより上側に位置付けられている
自治体に対して、行政や地域のリーダーの方々の置かれた状況も
把握しつつ、優先順位を決め、支援していただけるようお願いします。

球の大きさは、避難所から仮設住宅、そして、復興公営住宅へと
住まいの支援を要する人々の数を示します。
これが大きい自治体では、被災された方々が孤立することによって
体調などを深刻化されないよう、コミュニティ自身はもちろん、
外部からの支援者も長期に継続して関係づくりができるよう、
備えておく必要がありますね。

ただ、誤解のないように補足すると、この球の大きさが小さく
なったからと言って、避難所への避難者は減っても、被災者が
減ったわけではない、ということです。
5%が、一部であれ損壊しているということは、20軒に1軒、
それが10%となると10軒に1軒が、深刻な被害を受けて
いらっしゃるということに、変わりはありません。

もうひとつ、facebookではお伝えしましたが、ブログでは
紹介していなかったので、改めて。
こちらは横軸に、各市町村における0歳から14歳までの人口比率、
縦軸に全住民に占める避難者(=避難所にいらっしゃる人数にすぎず、
在宅被災者を含まない)が全住民に占める比率をとり、
球の大きさは避難者数を示します。
1604_kumamoto_u15_evacuation.png

28日の状況を重ねると、こうなるのですが、球の大きさは、
上記の表とおなじ「ものさし」ではなく、少し大きめに表現されています。
1604_kumamoto428_4.jpg

言わずもがなですが、子どもや、その保護者の支援に携わって
いらっしゃる方々は、右側または上側にある自治体、ないしは
各自治体内の同様の状況にある地域を優先されることを願います。
熊本の被災地は、東北の被災地に、どう似ているか? [2016年04月24日(Sun)]
発災から10日以上を経て、まだ10万人を超える方々が、断続的な雨の中、
断水が続く、とても不自由な避難所での生活をお過ごしとのこと、重ねて、
衷心からお見舞い申し上げます。
まだお手伝いにうかがえていないことを、誠に申し訳なく存じつつ、
しかし、引き続き準備を進めておりますので、今しばらくお時間をいただけ
ますよう、お詫び申し上げます。必ず伺います。

すでに被災されたみなさまご自身による、生活の助け合いが各地で始まって
いると伺い、本当にうれしく思います。よりよい復旧と復興は自治に他ならず、
自ら決め、自ら動ける地域は、必ずやコミュニティの再生や進化を遂げられる
ことと確信いたします。

被災されたみなさまの現状については、すでに被災者ご自身や、
お手伝いに赴かれた方々から発信していただいていることかと思います。
では、これから復旧や復興は、どう進めていくことになるのでしょうか。
ご批判を受けるかもしれませんが、東日本大震災の被災地と熊本県内の
被災地域の状況を、高齢者率と、住宅の損壊状況を組み合わせることで、
対比してみたいと思います。
(被災地はそれぞれに状況が異なることは、十分に存じ上げていますが、
しかし、被災をやけどにたとえるなら、やけどを受けた経緯や状況は異なっても、
やけどの程度や、負傷者のもともとの体力などに基づいて、今後の治療や
リハビリテーションをどのように進めていくか、という点については、
ある程度の一般化ができる、と考えます。)

1604_kumamoto_65_house_damage.png

上記のグラフの横軸は、岩手・宮城両県内(2010年国勢調査)と
熊本県内(2015年3月 住民基本台帳)の各自治体の高齢者率、
縦軸は損壊した住家(全半壊と浸水、熊本県内は4月24日現在)を
一般世帯数で割ったもの、球の大きさは損壊した住家の数を示します。
(作図を急いだため、表記にばらつきがありますが、ご容赦ください)

これに市町村名を入れたのが、下記です。
(ただし住家被害について宇城市・八代市では「調査中」のため表記されず、
南阿蘇村では概数が示されているだけなので、実際はより高いと考えられます。)

1604_kumamoto_65_house_damage1.png

おわかりいただけるように、今回の被災地でも、被災時点ですでに
高齢者率が全国平均を上回っている市町村も少なくありません。
中でも住家の損壊が1割を超えるような甚大な被害を受けた地域では、
避難所にいらっしゃる方々が、もともと地域などの支援を受けて
くらしていらっしゃったため、その基盤を失われたことで、
避難所に長期に滞在せざるを得ない、つまり、避難所が発災後
2週間程度から、食事の提供だけでなく、健康管理や、介助など
生活を支援するサービス、さらに生活再建の相談も求められる
「福祉避難所化」が避けられません。

以下の5枚は、横軸は15%から45%までに固定したまま、
縦軸の範囲を徐々に絞り込んだものです。

1604_kumamoto_65_house_damage2.png

1604_kumamoto_65_house_damage3.png

1604_kumamoto_65_house_damage4.png

1604_kumamoto_65_house_damage5.png

こうしてご覧いただくと、
深刻な被害が伝えられる西原村や益城町は塩竈市や亘理町から、
高齢者率が高い産山村、南阿蘇村や玉東町、氷川町は、
住宅の損壊状況は多少異なるものの、釜石市や丸森町、山田町などから、
住まいと生活の支援・再建をどのように支えて来られたかを学んで
いただくことが有効であることがおわかりいただけるかと思います。

福祉職をはじめとするNPOやボランティアのみなさまには、ぜひ、
この図の右側やより上側に位置付けられている自治体に対して、
行政や地域のリーダーの方々の置かれた状況も把握しつつ、
優先順位を決め、支援していただけるようお願いします。

球の大きさは、避難所から仮設住宅、そして、復興公営住宅へと
住まいの支援を要する人々の数を示します。
これが大きい自治体では、被災された方々が孤立することによって
体調などを深刻化されないよう、コミュニティ自身はもちろん、
外部からの支援者も長期に継続して関係づくりができるよう、
備えておく必要がありますね。
新常態(New Normal)社会を生きる [2016年04月17日(Sun)]
熊本県内をはじめとする各地で被災されたみなさまに、心からお見舞い申し上げます。
折悪しく去る13日早朝から昨晩まで中国本土に出張しており、Gmailとfacebookには
つながらない状況だったため、何のお手伝いもできず、本当に申し訳ない限りです。
今までも、最も多くの方々にとって、生命にかかわる重大な局面である初動段階での
お手伝いができておらず、またしても忸怩たる思いでおりますが、しかし、それを
補うために、今回も長期的にお手伝いしたいと思います。どうかお許しください。

中国では杭州に2日と上海に1日、それぞれ伺いました。
前回、中国本土に訪れたのは2011年の深圳(シンセン)でしたので、5年ぶり。
いろんなことを学び、気付きましたが、一番大きかったのは、荒々しいほどの
成長や開発がひと段落したという実感でした。
大気汚染も、収まったとまでは言えないものの、悪化は緩やかになっていますし、
環境をはじめとする社会的な問題に関心を持つ人の比率も、高まったと感じました。
確かに、「新常態」(New Normal)と呼ばれる状況へと、変化しつつあります。

世界的に見れば、新常態を迎えているのは、中国の経済でだけではありません。
テロの脅威が身近になり、コミュニケーションは高速かつ個人的・多元的なものとなり、
市場の世界化の進展により所得は向上しても、格差の拡大に歯止めが利かなくなる。
ゆっくり、しかし着実に進む変化の経過を見据えながら、その流れに抗ってでも、
より良い社会づくりを進めることこそ、私たち社会事業家の役割です。

日本においても、人口の4人に1人は65歳以上、7.5人に1人は75歳以上となり、
格差の拡大が世代を超えて及ぶようになり(いわゆる「貧困の世襲」)、
遠くの仲間とは日常的につながっていても、地域内の人「交」密度は保たれず、
税収以上に、未来世代からの借り入れで国家財政をまかなう。

そんな日本の新常態に、今回の熊本での大規模地震災害によって、
「2つ以上の大規模被災地とともに生きる」ことも、加わりました。

21年前の阪神・淡路大震災から5年前の東日本大震災まで、繰り返し襲う
大規模自然災害に、その時々の総力を挙げて、被災された方々の力に
なりたいと願って動き続けてきた私たちにとって、2つ以上の大規模被災地を
支えることは、想定外でもあり、また、その負担を考えれば、決してたやすく
挑めることでもありません。

しかし、私たちは、それを新常態として受け止めるしか、ありません。
NPOや社会事業家のみなさんには、新年度の事業計画に、
2つ以上の大規模被災地を支えるために、資金や人材の提供はもちろん、
日常的な人材育成や連携のしくみづくりなどを、織り込んでください。
また、この機会にぜひ、定款に掲げる組織・事業の項目に、
「被災地・被災者の支援」も加える変更も、ご検討ください。

今回の被災地・被災者支援も、被害が甚大な南阿蘇村の2015年の
高齢者率(予測)は34%、後期高齢者率(同)も19%、
西原村でも高齢者率(同)28%、後期高齢者率(同)15%で、
合わせて千軒以上の住宅再建を要するという、東日本大震災の被災地と
同様の、高齢な被災者のくらしの再建であり、長期化は免れません。

しかし、私たちは、阪神・淡路大震災以降の経験から、学んでいるはずです。
被災者も行政職員も首長も議員も、被災「初体験」者であること。
発災から数日後の避難所では、高齢者・障碍者やその家族をはじめとする
「継続的(=日常的)に支援を要する人々」の比率が、徐々に高まること。
行政サービスの維持・再開、罹災証明の発行から復興計画の立案・実施まで、
行政職員の仕事が信じられないぐらい忙しくなること。
もともと人「交」密度が低い地域では、合意形成が遅れ、復興の進展も
遅れてしまうこと。ときにはその「空気」を破る役割やきっかけも必要なこと。
「住民の希望どおりにする」だけでは、未来に備えられないこと。

だから私たちは、それぞれの強みや経験を最も効果的に、それも継続的に
発揮できるように、長期的な支援ができる体制を、新常態としておかねば
ならないのです。
今回、被災されたみなさまには、お手伝いに伺うのが遅くなってしまうことを
重ねて深くお詫び申し上げるとともに、改めてお約束します。
必ず、しっかりお手伝いします。もう少しだけ、準備させてください。
氷見市役所で「小規模多機能自治」勉強会でした! [2015年06月29日(Mon)]
昨日午後は、市民活動サポートセンターとやまの能登さん、
Nプロジェクトひと・みち・まちの大坪さん、
そして、氷見市の谷内さんにご協力いただき、
IIHOEも共催者としてかかわらせていただく形で、
川北さんを呼んで小規模多機能自治に学ぶ会」を
開催していただきました。

開催期日まで1か月を切る時点でのご案内で、しかも、週末の午後にも
かかわらず、富山県内各地はもちろん、県外からも合わせて定員を上回る
40人以上の方々にご参加いただきました。
ご参加くださったみなさま、そして、主催してくださった能登さん、
大坪さん、谷内さん、本当にありがとうございました!
会場でお示しした資料を、下記に添付しますね。
1506_shokibo_takino_jichi_basic_himi.pptx

どうすればうまくいくか、いかないか、というご質問に改めてお答え
するなら、
「成功の要諦は、成功するまで続けることにある」
(失敗の多くは、成功するまでにあきらめてしまうことに
 原因があるように思われる。
 最後の最後まで、あきらめてはいけないのである。)
松下幸之助さんの言葉に尽きると思います。
つまり、「できない」とあきらめるのではなく、
「できる(はず)」と、あきらめ悪く、しかししたたかに、
適切な努力を積み重ねること。

ここで大切なのは、ただ闇雲に、続けること(正確には、続けている
自分に溺れること)ではなく、真摯に謙虚に、成功しない理由を
正確に捉え、成功するための要件を冷静に見極めること。
うまくいかない人や状況に共通するのは、結局は、自分の好みや美学を
捨てられずに、うまくいかない状況が続くことを容認していること、
さらにわかりやすく言えば、うまくいかない理由を自分以外に求める人。

精神論に聞こえるかもしれませんが、しかし、人為的な事象には、
心理的な要素も原因や背景の大きな要素であり、それを正確に捉えて
対応することも、重要かつ有効だからです。

自分が好きで済み続けている地域だからこそ、主体のおひとりとして
難しいとお感じになることだと思いますが、ならば、自分以外の人々の
力を、地域の外からでも積極的に借りることで、メンツよりも成果を
大切に、変わらないことより進化することを喜び合える状況や関係を
つくりだすしかありませんよね。

みなさんの地域でも、ぜひ。

なお、同日も(公社)チャンス・フォー・チルドレンへのご寄付
お願いしたところ、510円お寄せいただきました。
ありがとうございました!!
プレゼンテーション大会で、社会は変わるか? (社会に挑む事業は、エンタテイメントじゃないよ。) [2013年07月28日(Sun)]
夏から秋にかけて、各地でさまざまなイベントが催されるようです。
facebookに登録していると、たくさんご案内をいただきます。

最近、とても気になっているのは、社会的な事業、または、アイディアに関する
コンペティションや、中には、プレゼンテーションだけを行わせる機会が
増えつつあることです。

社会の課題の解決や理想の実現に挑む取り組みが紹介される機会が増えることは、
大切なことだと思いますし、まったくないのも困ります。
しかし、プレゼンテーション大会では、社会は変わりませんし、
ましてや、より良い社会づくりに挑む事業は、エンターテイメントではありません。

残念なことに、主催者・運営者や来場者の満足を満たすためだけに、
本来なら、課題解決や理想実現のために現場に集中して割くべき時間や労力を
事業家(の卵)から奪っているケースを、よくみかけます。

もちろん、本気で社会を変えたいのではなくて、自分がやってることを
人に認めてもらいたい・誉めてもらいたいという気持ちでやってらっしゃる方が、
その気持ちを満たすために、プレゼンテーションの準備にいそしまれるのなら、
それも、個人の自由だと思います。

しかし、より良い社会を実現するために、本気で取り組んでいるなら、
そんなことしてる暇は、ないと思うよ。
審査員さんや主催者さんに受けるために頭や時間を使うんじゃなくて、
課題の解決や理想の実現のために、誰をどう動かせばいいか、
どんなしくみをつくるか、考え抜いて、やり抜こうよ。

支援者を自認される方々にも、重ねてお願いしたいのですが、
支援や認知の向上は、支援者にとっても、目的ではなく、手段です。
どんな社会をいつまでに、どう形作るのか。
そのために、どんな人・団体や事業を、どう支援すれば、それが加速するのか。
自分たちの提供するサービスや機会が、そのためにどう機能しているのかが
ちゃんと問われていることを、忘れないでください。
国政選挙の投票日に [2013年07月21日(Sun)]
何時間後に、どんな結果が出ようが、
それが投票率を含めて、そのときの「民意」というものであったとしても、
私たちは、よりよい社会づくりに向けた気持ちや力を、決して緩めたり
止めたりしてはならない。

図らずも20歳代の半ばから、国会議員さんたちと一緒に
お仕事をするようになってわかった、とても簡単で大切なことは、
いわゆる政治とは、政策と選挙で成り立っている、ということ。
選挙には、力も大切だけど、流れも風もある。
しかし政策には、流れや風があっても、力、それも、考え抜き、
決め、しくみをつくり、実現し、改善し続けるという、
気が遠くなるような力が、ずっとずっと必要。

よりよい社会をつくりたい人にお願いしたいのは、
選挙ではなく、政策で社会を変えること。
経験に基づいて、いやらしく言ってしまえば、
誰が選ばれても、私たちが、考え抜き、決め、しくみをつくり、
実現し、改善し続けることに違いはないし、小学校が毎年
入学式を行って子どもたちを育て続けるように、私たちは、
民主主義にのっとってよりよい社会づくりを一緒に進める
人たちを、育てたり、励ましたり、鍛えたり、競い合わせたり
し続けなければならないのです。

目の前の選択肢を選んでるだけなら、消費者。
自分たちでしくみをつくり続けるから、市民。
21世紀こそ、日本を市民社会にしましょう。
【必読!】バングラディシュの繊維産業、公教育の質、チャリティガールズ!? [2013年05月17日(Fri)]
タイトルをご覧になっても、意味がわからないですよね。

届いたばかりのBusinessWeekが、久々に、読みどころ満載でした。

まず巻頭の「The Paradox of Bangladesh」。
1000名を超える死傷者を、たった一つのビルで、それも、実質上、
ひとつの産業(アパレル・衣類)で、しかも、絶望的な不正や不適切な
事業環境(待遇も、労働時間も、監督者のハラスメントも、衛生環境も)
のもとで出してしまった、という問題。
インドのボパールでのユニオン・カーバイドの事件や、
メキシコ湾でのBPの原油流出事故のように、特定の世界企業が
直接の原因でないために、ほとんど日本では話題にされていませんが、
欧米の主要誌では、継続的に報道されており、もちろん、主要企業が
どのように対応しているか、対応すべきかも、紹介されています。
同誌が言っているように、バングラディシュと取引をしないことが
大切なのではなく、不正を排除し、不適切な事業環境を是正することしか、
サプライチェーン・マネジメントを通じた世界の人権向上はあり得ません。
日本企業の取り組みも、しっかり促しましょう。

2つめは、「This is How to Fix Public Schools」。
コネティカット州ニューヘイヴン市の教職員組合は、教員の指導業績を
管理する指標を確立し、それに満たない教員の任期切れや解雇の際には、
支援しない、というお話。
全米でも珍しい事例ですが、でも、そうしない限り、まっとうな先生が
不まっとうな先生の尻拭いをし続けなきゃいけない、ということが
続いてしまうわけですよね。
解雇権は、誰が持つべきか、という問題ともつながりますが、大切なのは、
この記事で紹介された同市の教職員組合の代表も言っているように
「給料も待遇も福利厚生も、絶対守らなきゃいけない。それはずっと基本だ。
でも自分たちは港湾労働者じゃない。自分たちには、責任を持たなきゃいけない
子どもたちが、ここにいるんだから」、つまり、まずは子どものために、
しっかり成果を出すことが、教員であることの目的であって、
その成果を高める手段として、給与も待遇も福利厚生もある、ということを
先生たちだけではなく、公務員さんたちすべてに、決して忘れてほしくないなぁ
と、改めて思います。

3つめは「The Giving Girls」!?!
断言します。日本にも、必ず近いうちに、出てきます。


チャンス・フォー・チルドレンのアドバイザー会議でした! [2013年02月03日(Sun)]
公教育の質的な課題が(他国に比べて)小さい日本において、
子どもの育ちや教育に関する最大の課題は、
親の所得の格差が、部活動・学習塾・習いごと・自然体験など、
放課後の格差としてあらわれてしまうこと。

この問題に、募金や寄付で資金を集め、「学校外教育バウチャー(クーポン)」
を子ども一人当たり25万円を提供し、学習塾や自然体験活動団体などに
協力を求めて「放課後の学びの機会」を保障する、という取り組み
チャンス・フォー・チルドレン」。
そのアドバイザー会議が開催され、2020年までのビジョンや基本的な戦略について
話し合われました。
その席で、私がお話しさせていただいた際の資料を、下記に添付しますね。
1302_chance_for_children.ppt

前半の報告の部が終わり、いよいよ意見交換が始まりました。
内容はお伝えできないんですが、面白いですよ!!
「海洋ごみ問題への対応についての3つの原則・7つのルール」がすばらしい! [2013年01月02日(Wed)]
年末年始は、お電話もメールもいただかない、とっても貴重な時期。。。
なので、溜めてしまった資料の整理や、締め切りを過ぎてしまった原稿の執筆など、
この時期にしかできないことを、たっくさんさせていただいています。

「いつか時間ができたときに!」と願っていたことの1つが、
ずっと前にいただいていた「海洋ごみ問題への対応についての3つの原則・
7つのルール」をみなさまにご紹介することです。

検索しても見つけられず、事務局の方々のお許しもいただいていないのですが、
とても重要な内容なので、ご紹介させていただきます!

海洋ごみ問題への対応についての3つの原則
・7つのルール

(みずとみどり研究会 1993年提唱)

【原則1】自由な発言:自由な発言を最大限尊重する
(ルール1)参加者の見解は、所属団体の公的見解としない
(ルール2)特定の個人や団体のつるし上げは行わない

【原則2】徹底した議論:安易な妥協は求めず、徹底した議論から相互信頼の土壌をつくる
(ルール3)議論はフェアプレイの精神で行う
(ルール4)議論を進めるにあたっては、実証的なデータを尊重する

【原則3】合意の形成:合意に基づく実効性のあるプランづくりをめざす
(ルール5)問題の所在を明確にした上で、合意形成をめざす
(ルール6)現在係争中の問題は、客観的な立場で事例として扱う
(ルール7)プログラムづくりにあたっては、長期的に取り組むものと
      短期的に取り組むものを区分し、実現可能な提言をめざす


まさしく、多様な価値観を持つ人々や組織が集まる際に、尊重され、
実践されなければならない原則とルールがまとめられてますよね。
地域で円卓会議を開催される際にも、ぜひ、ご参考になさってください!!
エコポイント制度を続けよう・拡げよう! [2012年12月30日(Sun)]
一村一品も、母子健康手帳も、日本で生まれ育ったノウハウが、
今では、世界の人々のよりよいくらしづくりのために、
ODAの支援を受けて、数十の国・地域で活用されている。
それ以上に他国に自信を持って拡げるべき政策が、エコポイントです。

最近、その制度の恩恵を存分に受けながら「需要の先食いだ」などと
否定的なコメントを吐いている人
が見受けられますが、では、
そういう方々に伺いたい。
エコポイント以上に、日本国内(その波及効果はもちろん世界規模!)の
CO2排出抑制と、電機産業(当然ながらその販売者を含む)の需要拡大を
同時に実現できる制度を提案できますか?

正しく理解されていないので、本当に残念ですが、
昨年度で終わった家電エコポイントだけでも、個人からの申請件数は4549万件。
延べ数で言えば、国民の3人に1人以上、世帯数なら7軒に6軒(87%!)が
利用したことになります。
確かに、批判されることが多いテレビについては、環境性能が必ずしも高くない
ものまで当初は含まれてしまっていたり、地上デジタルへの買い替え需要が
もともとあるのに、それを値引いただけだといった指摘は、その通りだと思います。

ただ、テレビ3230万台、エアコン729万台、冷蔵庫521万台が、
すべて無駄だったなんてことは、絶対にありません。

環境省・経産省・総務省が、家電エコポイントの効果についてまとめていますが、
ここには、省エネによって節約された化石燃料の金額は織り込まれていません。

ちょっと計算してみたのですが、仮に、省エネ効果が、環境省が主張する水準の
半分だったとしても、テレビで年間6.5億kWh、エアコンで同10.9億kWh、
冷蔵庫で同10.4億kWh、計27.8億kWhの節電にはつながったはず。

それを2011年と12年の、発電量と電源構成の試算に当てはめると、
火力発電(LNG・石油・石炭)で約8割をまかなった2011年で約145億円、
その比率がほぼ9割になった2012年は、資源価格の高騰や円安もあって
約216億円になるはずです。

もちろん、2011年の火力発電の燃料費が約5兆円、12年は7.5兆円という
総額に比べれば、ほんのわずかな金額にしかならないことは確かです。
しかし、年間200億円の黒字を貿易で生み出すことの現実の難しさから言えば、
国民と国家の中期的な財政に、しっかりと効果を生んでいると言えるでしょう。

さらに住宅エコポイントも、すでに新築93万戸、リフォーム75万戸の
計168万戸で利用されており、その効果を加えれば、中長期の燃料費削減効果は
さらに大きくなります。

そんなエコポイント制度を、どう続けるべきか。
中長期的なエコ(エコノミー+エコロジー)貢献効果を高めるためには、
地中熱(温泉などの地熱ではなく、地下15mほどの持つ地域の平均気温の熱)、
氷熱(動かさなきゃいけない雪ではなく、その場で凍らせればいい氷)、
木質バイオマスなど、日本の風土と技術の蓄積を存分に生かすとともに、
海外にノウハウやシステムの輸出の可能性が大きいものに絞って、
戸建て住宅だけでなく、集合住宅や公共施設にも積極的に適用を拡げていくことが
とても大切です。

エコロジーもエコノミーも、家電といった個別の道具・モノだけではなく、
住宅や公共施設といったインフラのレベルに展開していかない限り、
日本の持つ可能性を世界で生かし切ることはできません。
せっかくここまでできたんだから、次はもっとしたたかに行きましょう!
【必読!】Businessweekが、とうとう温暖化を特集に! [2012年11月19日(Mon)]
「何を今さら」と思われるかもしれませんが、
とうとうアメリカのビジネス誌が、地球温暖化
(正確には気候変動ですね)の影響について、
踏み込んで紹介し始めた、という意味では画期的です。

先々週発行されたBusinessweekの特集は、
It's Global Warming, Stupid」ですからね!!

ハリケーン・サンディが東海岸を襲ったことにより、
温暖化によって海水温も湿度も高まったことで、
ハリケーンの勢力が維持・強大化される確率が高まり、
結果として、この30年間に被害が5倍近くになったことや、
大統領選でロムニー候補が「オバマ大統領は、海水面の上昇を
抑え、地球を救うと約束した。私はあなたとあなたの家族を
守ると約束する。」と言ったものの、ニュージャージーや
ニューヨークの沿岸部で救いが必要だったのは、まさにその
海水面の上昇による被害者だった、とまで言っています。

もちろん、アメリカ国民の意識がすぐに変わるとは思えませんが、
しかし、地球温暖化(気候変動)が、ビジネスと個人の生活の
リスクとなることを理解し始めた、というのは、大きなきっかけです。

日本も、世界に環境負荷削減技術をしっかり売るためにとても重要な
「マイナス25%」という目標が、普天間基地の「少なくとも県外」と
同じぐらいの軽さに扱われてしまっている今こそ、もう一度、
経済の持続可能性を(緩めることではなく)チャレンジすることで、
高める経済人を増やしたいですね。
【必読!】障碍がある「から」起業する、という選択 [2012年06月26日(Tue)]
少し前の話ですが、Economist 2012年6月2日号に「In praise of misfits: Why business needs people with Asperger’s syndrome, attention-deficit disorder and dyslexia」という記事が。
直訳すれば「アスペルガー症候群、注意欠陥・多動性、ディスレクシア(失語症)
などの障碍者が、なぜビジネスには必要か」というタイトル。
内容はぜひ、じっくり記事をお読みいただきたいのですが、上記の障碍を持ちつつ
起業や経営に成功した人がたくさんいる、というのがアメリカではよく知られており、
確かに日本でも、マネジャーの下で働かせるための訓練をするのではなく、
よいパートナー(や部下)とめぐりあわせて起業を促す、という方法もあり得るなぁ、
自分自身を振り返って思います。

枠組みの中にいてそれに従うだけが、働くということではなく、
よりよい枠組みをつくるために、常の別の切り口を模索したり、いったん壊したり、
というのは、日本では、まず受け入れてもらえません。
しかし、本当に大切なことは、空気を読むことじゃなくて、価値を生むこと。
その力をしっかり引き出せるかどうかが勝負、というのは、起業家支援の基礎ですから。
【必読!】所得税の寄付控除はどうあるべきか? [2012年06月10日(Sun)]
いろんな仕事を溜めてしまい、みなさまにご迷惑をおかけし、
本当に申し訳なくお詫びするとともに、体力や能力の低さや
衰えを体感する昨今ですが、喝を入れられる記事。

Economist の2012年6月9日号(手元では最新)の
Sweetned Charity」は、イギリス国会で議論が始まった、
「すべての寄付控除は、控除を受ける人への便益を
控除を受けない人の負担によってまかなっている」という
とっても古くて新しい問題への興味深い論考です。

そもそもイギリスで寄付控除が導入されたのは、なんと16世紀の
エリザベス1世の時代にさかのぼるそうですが、その後、1798年(!)に
フランス革命戦争への戦費調達の一環として拡充され、アメリカでも
連邦政府に所得への課税が認められたわずか4年後の1917年に、
本格的に導入されたとか。

問題は、高額所得者の寄付に対する(優遇的な)税制が、低所得者の
(控除の対象となる額を超えない少額の)寄付や、寄付をしない人への
課税に対して、優遇的すぎるのでは、ということ。
また、自らの所得税について優遇を受けているNPO(イギリスでは
チャリティといいますね)が、行政(国や自治体)から委託を受ける
ことが、同業の民間事業者の参入や競争力上の問題として不平等では
ないか、ということも。

これが日本で問題になるには、あと何十年かかるだろうと思いながら、
しかし、「NPOは寄付(と寄付者への優遇税制)や政府からの
資金提供に見合う成果や価値を、社会に生んでいるといえるか?」という
問題は、まさに足元の問題ですよね。
1998年度に「緊急経済対策」がスタートして以来、毎年数兆円に及ぶ
政府や民間からの資金を受けながら、事業の成果や、社会への価値や、
経営上の力や、働いてくれている人材の育成に、きちんと応えられていない
私たちNPOのセクターが、いつになれば、ちゃんと応えられるか。

すべての団体は無理にしても、できる団体を加速的に増やすことが、
支援に携わる私たちの責任だと、改めて感じました。

同号にはもう1本、
Philanthro-Journalism: Reporters without orders」という、
これもとっても興味深い記事が。
商業主義的に、販売部数や広告によってではなく、寄付や助成によって
支えられているメディアの現状や意義について紹介されています。
私たちIIHOEも、ジャーナリスティックではないかもしれませんが、
調査報道や政策提言・啓発に類する取り組みは、ずっと続けています。
昨年春まで12年間・72号に及んだ「NPOマネジメント」に続く
「ソシオ・マネジメント」というメディアを、近日中に創刊します。

あぁ、その原稿の執筆が、遅れに遅れていることを、今思い出しました。。。
【必読!】中前忠さんの十字路「財政再建と競争力の強化」 [2012年01月19日(Thu)]
このブログのプロフィールをご覧くださっている方はご存じのとおり、
僕が信頼してる経済の研究・分析者は、中前忠さんだけ、と
言ってもいいかもしれません。

その中前さんが、日本経済新聞の夕刊の連載コラム「十字路」を担当して
いらっしゃいますが、その昨日の回、「財政再建と競争力の強化」は、
必読中の必読です。
定期購読していらっしゃる方、引っ張り出して読んでください!
バックナンバーは、中前さんの研究所のウェブサイトに紹介されています。

日本経済って、わずか20年足らずで1000兆円近くの国債を
発行してるのに、GDPが変わらないのに、なぜ、市民の生活は
改善されず、企業の成長が促されないのか。
金融機関の預金は積み上がりつづけてるのに、なぜ地域に、
つまり、日本人の日々のくらしに循環する形で投資されないのか。

「雇用を守る」のではなく、「守るべきでない会社と経営者を守る」
ことに絞られてしまった、緊急経済対策と称されるバラマキが、
なぜダメだと言い続けてきたのか、その理由を、結果の数字を添えて
説明していただいている、すばらしいコラムです。

目先の優しさか、先を見据えて試練をともに乗り越えるか。
日本と、地域を、持続可能にするために、ぜひ後者で行きましょう!
【必読!】Harvard Business Reviewの「良い企業」特集! [2011年11月25日(Fri)]
Harvard Business Review(英文版)の2011年11月号の特集は
「The Good Company」!
エリザベス・モス・カンターによる「How Great Companies Think Differently」や
ユニリーバの社会責任調達などを紹介した「It's Hard to Be Good」、
そして「第4のセクター」としての「For-Benefit Enterprise」まで、
多彩な論文を紹介しています。

今の日本に最も必要で重要な意味を持つ論文ばかりですが、
さて、ダイヤモンド社はそれに気づいてくれるかどうか。。。
「ダイヤモンド社という会社の社会責任感覚」を問う意味で、
何か月後にこの翻訳記事が日本版に出るか、見守りましょう!
【必読!】中前忠さんの十字路「欧州危機からアジア危機へ」 [2011年10月24日(Mon)]
日経新聞夕刊の「十字路」(マーケット総合2面の左肩)の連載者の
お一人でもある、中前忠さん(僕のプロフィールや過去のブログ
ご覧下さった方は、よくご存知ですよね) の論評は、正確で深いものが
多いですが、10月21日の 「欧州危機からアジア危機へ」、
僕が申し上げるのもなんですが、 傑作の一つだと思います。
まだお読みでない方、必ず、必ずお読みください!

欧州危機、ギリシャの財政破綻と聞いても、よそごとのようにしか
感じられない日本人(特に議員・首長・行政職員と企業の経営者!)には、
この事態が及ぼす影響を正確に見抜いたうえで、どう対応すべきかを、
さっさと決めて、目の前の業務や選挙での得票などに目を奪われず、
社会にとって、本当に大切な対策を果断に進めてほしいと切望します。

なお、中前さんの研究所のウェブサイトには、
過去の「十字路」や「週目点」の原稿が紹介されています。
ぜひ、ご参照ください!
【必読】(12)「環境活動家との対話から学ぶ」「コスモポリタン企業」「アフリカ」 [2011年05月29日(Sun)]
Harvard Business Reviewの2011年5月号は、
「How to Get More Done - A complete guide to making yourself
- and your team - more productive」という表紙に惹かれて、
しっかり読まなきゃ、と持ち歩いていたのですが、その特集より、
すっごく面白い論文が3本。

On Learning to Work with Green Activist」は、アメリカでのCO2排出量
上位10社に入る電力会社で、全米最大の原子力発電事業者でもある
Duke EnergyのCEO James E. Rogers さんによるものですが、
氏が1988年に同社のCEOに就任して以来、環境活動家をはじめとする
多様なステークホルダーとどう接してきたか、を詳細に記しています。
「耳を傾ける100日間」は、日本企業のCSR責任者にも、肝に銘じてほしい!

The Cosmopolitan Corporation」は、「真にグローバルな企業として
生き残るには、マネジメントの多様性が最も重要」というお話。

そして「Cracking the Next Growth Market: Africa」は、
2008年の時点で、アフリカはインドよりも35%も大きな市場であり、
人材育成など適切な戦略を持って臨む重要性を説いています。

こういうとき、いつも感じるのは、ダイアモンド社刊の日本語版が、
こういう大切な記事の翻訳を後回しにしたり、もっとひどいときは、
そもそも翻訳しない、という感性の鈍さ。
Bill Draytonの「A New Alliance for Global Change」も、1年近く
経つのに、まだ訳されていません。。。

「今の日本では受けない」という記事だからこそ、しっかり伝えるのが
マスメディア、特に出版社の基本的な役割なのに、売れそうなもの、
それも、日本のオジサン経営者たちが好きそうなものしか出さない、
という、その感覚こそが、同社や日本の経営者をダメにしています。
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