• もっと見る

川北秀人on人・組織・地球

「地球上のすべての生命にとって、民主的で調和的な発展のために」を目的に、市民団体(NPO)・社会事業家(ソーシャル・アントレプレナー)や社会責任(CSR)志向の企業のマネジメントの支援や、市民・企業・行政の協働の支援などに奔走する、IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]代表者の毎日の、ほんの一部をご紹介します。


Google

Web全体
このブログの中
カテゴリアーカイブ
リンク集
最新コメント
プロフィール

川北 秀人さんの画像
https://blog.canpan.info/dede/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/dede/index2_0.xml
中小企業におけるSDGsへの取り組み推進についてご質問いただきました。 [2022年08月01日(Mon)]
高校生の方から、下記のご質問をいただきました。

【以下、いただいたご質問】
初めてメールさせていただきます。
本日事務の方にお電話させていただきました、神奈川県にあります★高等学校3年の
★と申します。

私は、中小企業におけるSDGsの取り組みについて学習しております。
「見せかけのSDGsの取り組みをどのようになくしていけるか」に着目し、中小企業や自治体の活動を中心に調べてきました。その中で「マネジメント」という職が大きな役割を果たしていることを知り、川北様の活動報告等を拝見させて頂きました。
「マネジメント業の役割と課題」の観点から、質問させて頂きたくご連絡いたしました。
お忙しい中お手数をおかけしますがよろしくお願い致します。

<質問事項>
1.今まで活動するにあたって、苦労したことはなんですか?
(法律、コスト、意識、知識、人材不足等)

2.HPにあります「社会責任への取り組みについての宣言」を拝見しました。
企業等の機密事項に接する事もあるかと思いますが、情報の取り扱いや、中立的であるために特に注意していることはなんですか?

3.自治体や中小企業をマネジメントをする上で工夫したことはありますか?

4.「 1歩先の視野を持ち、半歩先のプログラムをつくる」NPOを支援する者として、「2歩先の視野を持ち、1.5歩先のプログラムをNPOや企業・行政に提案する」とありましたが、最新の情報を知るために工夫されている点はなんですか?
またその情報が正しい(有用)かを裏付けるためにどんなことをされていますか?

5.経済産業省の調査でも、中小企業のSDGsについて認知度は急速に高まっているとありますが、まだまだ未取り組み・未認知度が大半を占めております。
行政・銀行・業界・取引先等からのアプローチ等があると思いますが、多くの企業が取り組みへの第一歩を踏み出すためには、何が一番必要だと思われますか?

6.これから力を入れていきたいことはありますか?


まず、大切なテーマに、踏み込んで学習してくださっていることを感謝します。
当方も考えや実践が十分ではないので、お答えとして不十分な部分もあろうかと思いますが、ご容赦ください。以下、順にお答えします。

1.今まで活動するにあたって、苦労したこと

社会責任(※注:Social Responsibility/Responsibilitiesは、日本では「社会的責任」と訳されてしまっており、それゆえ「社会っぽいこと」と勘違いされてしまいやすいため、法律に基づく責任を含む「社会に対する責任」であることを明確にするために、私は「社会責任」と訳しています)に関する取り組みに限定してお答えすると、法律やコスト、知識や人材の不足より、環境や人権への配慮・対応を通じた持続可能性の向上は、自社の外の社会のためであるより、自社の顧客や従業員、ひいては株主や経営者自身といった、自社にとって必要不可欠かつ有効である、ということが理解されていないことが、難しいことであり、自分自身の力不足でもあると感じている点です。
この「持続可能性の向上は、自社の外の社会のためであるより、自社の顧客や従業員、ひいては株主や経営者自身といった、自社にとって必要不可欠かつ有効である」という点について、理解し、その取り組みを進めることができていないのは、企業だけではなく、NPOやボランティア団体なども同様です。規模の大小を問わず、企業も、非営利組織であるNPOやボランティアも、持続可能性の向上が必要不可欠かつ有効であることを体感できるよう、事例やデータの共有ができるよう促し続けることが、私の最も重要な役割であると心得ています。

2.情報の取り扱いや、中立的であるために特に注意していること

情報の取り扱いについては、相手方が希望される場合には、秘密保持契約書を交わします。
ただし、IIHOEが企業と接する際には、相手方の企業の「言いなり」になるのではなく、課題があれば率直に指摘して改善策を提案し、そのやりとりも、可能な限り公開しています。
中立的であることは、必要不可欠な場合と、必要かもしれないが不可欠ではない場合があると考えますが、「地球上のすべての生命にとって、民主的で調和的な発展のために」を設立目的とするIIHOEにとっては、中立性が必要不可欠であることはあまりなく、多くの場合は、地球の未来の観点から、お話や提案をし、取り組みを促しています。
例外的に、中立的であることを心掛けるのは、すでに対立状態にある二者の取り持ちをする際です。
この場合には、中立的でなければ、双方から信頼されません。このため、どちらからも謝金などもいただかずに、また、自分の考えや価値観を双方に伝えることを極力控えて、双方それぞれの主張や考え方をたずね、その結果を相手方に伝えるとともに、対立が厳しいときこそ、プロセスの共有が重要であると伝えて、そういった機会づくりを促すよう心がけます。

3.自治体や中小企業をマネジメントをする上で工夫したこと

自治体や中小企業のマネジメントを「支援」するうえで心掛けているのは、自分の目の前にいる担当者の方やその同僚、部下、上司(行政ならば議員も含む)の方、さらにはその顧客(行政ならば住民)や取引先なども視野に入れて、「誰にどう働きかければ、現場レベルでの主体的な取り組みと、その改善が続くか」について、自分の目の前の担当者の方たちと、一緒に考えること。ただ、これは、規模の大小を問わず共通のことで、「教える」のではなく、「どうすればできるようになるか、一緒に考え、やってみて、改善も含め続くように促す」ように心がけています。

4. 最新の情報を知るために工夫されている点、
またその情報が正しい(有用)かを裏付けるためにしていること

「しらべる」ことは、「かぞえる」「くらべる」「たずねる」と「さがす」という4つの行為から成り立っています。
今、起きていることをすべて把握するのは難しいですが、これまで起きてきたことを多面的に把握し、その要因や構造を理解することで、これからどういうことが起きそうかについて仮説を持つことができます。ここで大切なことは、仮説づくりも、その検証も、日常的に積み重ねることです。情報を集める、決めてみる、やってみる、その結果を確認しながら次の判断をする、ということが、組織としての判断力と、実践の改善力を高める重要なポイントです。

5.多くの企業が取り組みへの第一歩を踏み出すために、一番必要なこと

企業のみならず、行政でも、学校でも、「決めてみる・やってみる・ダメならやり直してみる」という「3つの『てみる』」を積み重ねることです。大きな方向転換をいきなりしようとするのではなく、試しながら進めることは、内発的なチャレンジを促すためにも、大切です。

6.これから力を入れていきたいこと

これまでの取り組みが完了できているわけではないので、引き続きがんばりますが、加えて、非営利セクターにおけるガバナンスの拡充や、行政における「社会責任調達」のしくみ化、そして、NPO/NGOや地域づくりなどの活動の現場における、さまざまな「ハラスメント」への対応のしくみづくりも、点から線へ、さらに面から基盤へと、促し続けたいと考えます。

ご質問ありがとうございました。
コメント