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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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オンライン留学説明会&座談会”留学のススメ” 留学奨学生に聞いてみよう![2025年05月19日(Mon)]
オンライン留学説明会&座談会”留学のススメ” 留学奨学生に聞いてみよう!<第1回>を開催しました

海外留学や留学奨学金事業をもっと知ってもらおうと留学奨学生と行なうオンライン座談会。去る5月14日(水)夜、ハイブリットで実施しました。東京・飯田橋にある東京ボランティア・市民活動センターからの会場参加とZoomミーティングからのオンライン参加合わせて、計8名の方々にご参加いただきました。

テーマ「ろう×留学 私にも海外留学はできる」
進行役を川俣郁美5期生、奨学生からは現在韓国の崇実大学へ留学中の森本恵実20期生が参加し、参加者から寄せられた質問への回答を中心に進めました。

Photo-1.jpg
今回も進行役を担当した川俣5期生、自身の経験も含めて座談会を進行

●「学部課程留学、韓国への留学」森本20期生を迎えて
「留学先を探す際、語学堂(語学学校)に自費留学したときは、先に留学されたろうの先輩に相談したことがある。しかし、大学へ正規留学を考えたときは前例がほとんどなく、自力でインターネットなどを活用して情報を収集し、目標に合ったコースのある現在の大学を選んだ。韓国語は、日本での独学に加え、韓国の語学堂でも学び、習得に努めた。大学にはろう学生は自分一人だけであり、必要な支援を理解してもらうことには苦労している。現在は、大学の費用でパソコン速記や手話通訳の支援を受けながら授業を受講している。社会人としての生活を経てから、韓国留学に踏み切ったのは一大決心であった。韓国留学は、自分にとって大きな挑戦であり、成長の機会を与えてくれている。語学力だけでなく、視野を広げる経験にもなっている。この経験をもとに、日本語を第二言語として学ぶ人々を支援する活動へと繋げていきたい。皆さんにも、ぜひ自分の夢に向かって、勇気を持って一歩を踏み出してほしい。」とアドバイスしました。

Morimoto-1.jpg   
韓国から森本20期生

当日寄せられたいくつかの質問の中から。
留学準備の一つとして、貯金をオススメします。お金がある方が心にも余裕ができます、と。
また、留学先での緊急時の対応では、森本奨学生が大学に確認したところ、学内の防災関係マニュアルには、ろう者への対応の記載がないことがわかり、修正しますと回答をもらったとか。ステイ先や日常生活の中でのサポートはどうなのか、いつ何時何が起こるかわからない、自分自身でも改めて考える時間になったようです。

K&M-1.jpg
座談会の締めはILYサインで記念撮影、時に笑いあり、楽しい雰囲気の座談会となりました


次回のオンライン座談会は…
6月8日(日)午前10時20分〜11時40分、開催
進行役:太田琢磨1期生/奨学生:菅原鑑20期生 
参加申込はこちら→https://forms.gle/eA5zehdwVAU8cq2m9
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22期生応募〆切は、7月10日(木)です。
応募の準備は進んでいますか?不明な点等あれば、下記にいつでもご連絡ください。
本事業専用Email:ryugaku★npojass.org
(ご利用の際は、「★」記号を「@」に置き換えください)

22期生募集の詳細はこちら https://blog.canpan.info/deaf-ryugaku/archive/1530
たくさんのご応募をお待ちしています。

事業担当:根本
Posted by 事業担当者 根本和江 at 10:32 | 事業担当者よりお知らせ | この記事のURL
2025年4月「オックスフォードリテラリーフェスティバル」金本小夜(19期生)[2025年05月08日(Thu)]
みなさんこんにちは。
5月に入りましたね。イギリスは今年は変なお天気で、先日史上最も暑い5月というニュースが流れたかと思いきや、その翌週は最低気温が一桁台に再び戻ったりと、お天気の変化が目まぐるしいです。
最近はTシャツの上にセーターを着て、ウィンドブレーカーと膝掛けと傘を持って図書館に行ったりするので、余計な荷物でリュックが重い…
ところで近頃いろんな図書館に通う中で思ったのですが、同じ石造りの建物でも、大英図書館みたいに空間を広く取っている図書館は寒いし、キングズカレッジの図書館のように小さな部屋がいっぱい入り組んでいる図書館は熱がこもって暑かったりと色々だなぁということに気がつきました。私が特に寒がりということもあるのですが、なかなか図書館ひとつに行くにも服装を考えなきゃいけないのが難しい今日この頃です…。

そういえば先月はオックスフォードで文学フェスティバルがあったので行ってきました。
その時はものすごく暑くて、ジャケットを着て行ったのを後悔するような快晴でしたが、おかげでオックスフォードの素敵な街並みを堪能できました。
ご存知の通り、オックスフォード大学は今でも世界の大学ランキングの上位に名前を連ねていますが、有名なのは学術レベルのみならず、その古い歴史で、創立は諸説はありますが1096年、英語圏では最も古い大学です。
今でも学生や教授陣が共にディナーを食べるハイテーブルという伝統や、『ハリー・ポッター』シリーズでお馴染みの寮制度といった、他のイギリスの大学ではなくなりつつある伝統を多く残してもいます。
また私が個人的に好きな『不思議の国のアリス』を書いたルイス・キャロルや、『指輪物語』を書いたJ .R .R.トールキン、『黄金の羅針盤』のシリーズを書いたフィリップ・プルマンなど、日本でもよく知られた文学者がたくさん卒業している大学でもあるんです。キャロルもトールキンも、オックスフォード大学でそれぞれ数学や古典を教えており、また『不思議の国のアリス』や『黄金の羅針盤』シリーズにはオックスフォードの土地そのものが舞台として使われたりするなど、作者たちが愛着を持っていた土地でもあります。
…話が逸れました。
さて、今回私が特に参加したかったのはフランシス・ハーディングという作家の講演でした。私が夏にある学会で扱おうと思っているDeeplight(2019)という本の作者でもあります。
彼女もまたオックスフォード大学出身の作家で、イギリスの民話や言い伝えをベースとした幻想的な作風で知られています。
トークの内容は主に彼女の最新作の宣伝で、どこからどういうふうにアイデアを得るか、イギリスの歴史が彼女の作品にどのように影響を与えているか、などの内容。
最後にサイン会もあり、色々喋れたのが最高の思い出になりました。Deeplightについて発表したい旨を伝えると、「当事者から見て聴覚障害者の描写は問題なかった?」と真剣な顔をして聞いてくれるなど、真摯に作品や読者に向き合われている様子が伺えて、ますますファンになってしまったり。
この後にもコーネリア・フンケやエマ・キャロルなど、人気の作家の講演が続いて、充実した1日となりました。

ちなみに今回活躍した文字起こしアプリは英語に特化したOtter.aiです。
やはり他のアプリに比べて断然精度がいいので重宝してますが、無料だと五時間しか文字起こししてくれないんですよね…
前にも書きましたがMicrosoftが出していたGroup Transcriptのサービスが終了してしまったのが悔やまれます。
相変わらず英語用文字起こしアプリ、探し中です。

今月はいつも通り論文の執筆もありますが、来月の学会に向けてそろそろ準備を始めなくてはいけないこともあり、ますます図書館にこもることになりそうです。
来月のブログ、何か面白いことが書けたらいいのですが…

写真はオックスフォードの植物園にいるチェシャ猫さんです(木の上)。IMG_3325.jpeg
Posted by 金本 at 19:26 | 奨学生生活記録 | この記事のURL
2025年4月 バンクーバーでの生活C 菅原鑑(20期)[2025年05月08日(Thu)]
みなさん、こんにちは!
バンクーバーにも春の訪れです。いろいろな場所で花が咲き始めていますひまわり

さて、今回は、絵カード交換式コミュニケーションシステム(PECS)を学校の課題で作成したので紹介します。これは、発語や他者とのコミュニケーションに困難のある人が使用したり、言葉の習得の学習に用いたりします。
@コミュニケーションの一部として使用する場合
「want」や「hear」などの自分の伝えたい文章の後に単語を選択して並べ、相手に気持ちを伝えるようにします。
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A言葉の習得の学習として使用する場合
文字カードと実物を用意し、正しい絵カードを教師に渡すことができたら、そのカードと引き換えに実物を渡して言葉の習得や絵カードのマッチングを促します。
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日本の教育現場でも絵カードの活用は有効で、障がいのある児童生徒に関わらず、視覚的に情報を絵やすい教材として私もよく活用していました。実際の実習現場では、生徒の実態に合わせて内容や言葉の選択を変えながら一人ひとりに合わせた支援ツールを作成していきたいと考えています。

4月の生活の様子も紹介します。
@桜がたくさん咲きました花見(さくら)
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日本と比べて木が低いですが、公園をはじめ、大学や街中など様々な場所で桜が咲き誇っていました。約2週間くらいで散ってしまいましたが、とても綺麗でした。

A野生の動物発見🦭
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バンクーバーは街から海が近く、たまに散歩で周辺を歩いています。すると、アザラシが顔を出していました。水族館や動物園でしか見たことがなかったので、衝撃でした笑

4月が終わり、4ヶ月が経ちました。実習の始まりが9月からなので、座学の方はちょうど折り返し地点にきています。長いようであっという間の日々、少し焦りを感じています。残り4ヶ月もしっかりと学んで、実習に全力で取り組めるようにしていきたいです。
Posted by 菅原 at 00:49 | 奨学生生活記録 | この記事のURL
2025年4月「ジャンバーでつながる大学生活 〜韓国ならではの文化〜」森本恵実(20期生)生活記録[2025年05月07日(Wed)]
 
 みなさん、こんにちは。4月の生活記録を書きます。
最近の韓国は、昼間はポカポカ暖かく、朝晩はまだ肌寒いという、少し着る服に悩む季節です。でも、そんな寒暖差の中で春が少しずつ近づいているのを感じられます。
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※大学構内の桜です。

韓国の大学生活で驚いた文化のひとつが『学科ジャンバー(학과 잠바)』略して『クァジャム(과잠)』です。学科ジャンバーとは、該当する大学に在籍している大学生のみ手に入れることができるジャンバーです。

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※崇実大学 日語日文学科の学科ジャンバーです。
左腕には学番(入学年度)、右腕には大学のロゴが入っています。

現在ほとんどの学校が学科ジャンバーを作っていて、「学校の制服」とも呼ばれているほど浸透しています。おそらく一人一着は必ず持っているかと思います。
昔の韓国は大学進学率が低く、ソウルの大学に通う大学生は社会的地位が高かったため、その特徴を強調するために学校のバッチを留めていたことが「学科ジャンバー」の始まりだそうです。韓国の大学生が当たり前のように着ている「学科ジャンバー」には、実はけっこう深い意味があるのだと感じました。ジャンバーには自分の大学名や学科名が書かれていて、誰がどこに属しているかが一目でわかります。これは、同じ学科の仲間同士の「つながり」や「一体感」を高める役割を果たしています。

日本の大学では、学科ごとにこうした共通の服を作って着るという文化はほとんど見られません。そのため、最初は「なぜみんなおそろいのジャンバーを着ているのだろう?」と不思議に思いましたが、時間が経つにつれて、これは単なるファッションではなく「自分のアイデンティティを外に示す」文化だということに気づきました。

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※左;崇実大学を代表するジャンバーのデザイン
※右;語学堂留学時代に通っていた高麗大学のジャンバー
(もはやこれらは学科ジャンバーではなく大学ジャンバーと言ってもいいかもしれません笑)

また、学科ジャンバーは授業の時だけでなく、サークル活動や試験期間中などにも活躍します。特に、学園祭や集まりでは、同じジャンバーを着ることで仲間意識が高まり、「一緒に頑張ろう」という雰囲気が自然と生まれるアイテムにもなっています。

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※崇実大学のマスコットキャラクターも学科ジャンバーを着用しています。

このように、学科ジャンバーは単なる衣類ではなく、「集団に属していること」を大切にする韓国文化の一端を象徴しているように感じました。たった1枚のジャンバーからでも、韓国の大学文化の一端を垣間見ることができました。

以上です。

Posted by 森本 at 21:57 | 奨学生生活記録 | この記事のURL