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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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オンライン✕手話で留学体験をしよう!2025[2025年02月14日(Fri)]
ひらめき参加者募集ひらめき
オンライン✕手話で留学体験をしよう!2025

2.jpg

留学奨学生同窓会による第3回目の体験ツアー開催です!
みなさんを海外留学の世界へご案内します!
今回は、オンライン(Zoomミーティング)に加えて、待望の会場視聴(東京・代々木)を加えました。東京の会場では同窓会メンバーや事業担当者が相談にも応じます。
留学に対するイメージや目標の具体化に繋げていきませんか。
海外留学に関心を持つろう者、難聴者のみなさま他の参加をお待ちしています。

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オンライン✕手話で留学体験をしよう!
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1、日 程:2025年3月8日(土)午後5時30時〜8時40分

2、方 法:東京会場:国立オリンピック記念青少年総合センター センター棟308室
            東京都渋谷区代々木神園町3−1
      オンライン:Zoomミーティング *カメラオンでのご参加となります。

3、内 容:@フロントランナーズの先生の講演 *オンライン生中継*
      A留学体験ツアー(奨学生の一日)*オンライン生中継*
      この他に、留学奨学金事業の説明や質疑応答等の時間もあります

Flip__300.jpg
@世界中のろう者が集まるフロントランナーズで組織学を担当されているFlip(フィリップ)先生からの授業を体験します。

4、対象者:海外留学に興味を持つろう者・難聴者及びその関係者

5、参加申込条件:・自分の考えや意見を日本の手話で話すことができる
         ・<オンライン参加>パソコンでZoomができる環境がある

6、定 員:東京会場  15名程度
      オンライン 40名程度

7、参加費:無料

8、申込方法&申込締切:
  申込画面(クリックすると申込画面に変わります)からお申込みください。
  *3月5日(水)まで*(定員に余裕がある場合は〆切後も受付けします)
  お申込頂いた後に、アクセス方法等をご案内いたします。

  ぴかぴか(新しい)〆切を延長して、参加申込みを受付中!ぴかぴか(新しい)


9、その他:全体を通しては日本手話で話します(日本語音声通訳なし、文字通訳なし)
      フロントランナーズの先生の時間は国際手話を使います
      (国際手話⇔日本手話通訳あり)

*オンラインのため、回線トラブルの場合はご容赦ください。
*アーカイブ配信ありません。

ひらめき東京会場を担当する同窓会メンバーはこの3名!
7-1.jpg

flyer20250308.jpg
(写真をクリックすると、チラシPDFが開きます)

■お問い合わせ先/ 本事業専用Email:ryugaku★npojass.org
 (ご利用の際は、「★」記号を「@」に置き換えください)


留学奨学を修了した奨学生の様子は…
かわいいホップ・ステップ・ジャンプ!〜日本財団聴覚障害者海外奨学金事業の成果〜かわいい
支援修了した奨学生達へのインタビュー記事を掲載しています。
留学で何を学び、何を目指し活動しているのかなどを読むことができます。
合わせてご覧ください。

事業担当:根本
Posted by 事業担当者 根本和江 at 16:49 | 事業担当者よりお知らせ | この記事のURL
2025年1月 バンクーバーでの生活@ 菅原鑑(20期)[2025年02月08日(Sat)]

みなさん、こんにちは!

バンクーバーでの生活が始まって早1ヶ月が経ちました。この1ヶ月は新しいことの連続で、あっという間に時間が経ったように感じます。


まずは、生活のメインとなる学校の紹介をしていきたいと思います。

現在、Sprott Shaw College(スプロットショーカレッジ)という学校に通っています。僕の専攻は、Education Assistant(通称EA)の資格取得を目指した約11ヶ月のコースになります。このコースでは、聴覚障がい児童・生徒だけでなく様々な障がい種の支援について学んだり、教育実習のように実際に学校現場に行って彼らの支援に入ったりすることで資格取得を目指します。

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カナダでは、特別支援教育を廃止し、障がいの程度に関わらず全員が同じ学級で学ぶインクルーシブ教育へと移行しています。この点が、日本の特別支援教育とは大きく異なる点ですね。そこで、学習困難を抱える障がい児童・生徒のサポートに入るのがEAの役割となっています。

僕は、日本とカナダのインクルーシブ教育の違いを比較し、日本でも現実可能な支援であるのかということや、聴覚障がいの他にも障がいを併せもつ児童・生徒の通常学級での支援はどのようになるのかというところに重点を置いて学びを進めていきたいと考えています。今はまだ、日本の分離教育にも良さを感じる点が多くあるので、今後、学び進めていく中で、感じたことや僕自身の考えの変化などをこちらに記載していこうと思っています。


さて、ここからは生活の様子です。

@色々な手続き電話3銀行病院

携帯電話の電波開通、銀行口座の開設、現場実習に向けた健康診断などなど、早速こっちに到着してからやることがたくさんありました。「全部英語だよな・・・」って不安に思っていたのですが、銀行口座の開設に関しては、頼まなくても日本語の文字通訳で対応してくれました。また、他の手続きに関しても聞こえないことを伝えると、当たり前のように文字情報を打ち込んでくれたり、筆談してくれたりしたので、困ることは全然ありませんでした。感動です!!


A学校でaccommodationについて相談学校

日本でいう情報保障のようなもので、クラスでは僕しか聴覚障がい学生がいないので授業をどのように進めていくか相談しました。手話ができる先生がいたのですが、もちろんASLということで手話通訳という選択肢は断念(今後の実習のためにも覚えないと・・・)。結果として、基本的に授業の内容はスライドで表示していき、大事な情報やディスカッションでは全て文字化してくれることになりました。一緒に考えてくれた先生たちには感謝です!


B引っ越し家

これまでホームステイに住んでいたのですが、シェアハウスに引っ越しました。ホームステイでは、カナダの生活や英語力をあげるためのミートアップなど、たくさんのことを教えてもらいました。みんなとても優しく、何よりもご飯が美味しい!

↓ある日の夕食🍽️

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なんの不自由もなかったのですが、学校からの距離や自炊、金銭面などを考えた上で日本人、韓国人と一緒に住むことにしました。引っ越してから思うのは、やはり、なんだかんだ母国語が通じることや同じアジア人が一緒という安心感は大きかったです。


C旧正月のイベント🧧

友人に誘われて、Lunar New Year Paradeのイベントに参加してきました。日本では馴染みのない旧正月ですが、中国だけでなく韓国や他のアジア圏の国でお祝いされる行事になっています。今年は、1月29日が旧暦の元旦でした。日本では絶対に見られない催しで、とても新鮮でした!

↓パレードの一部🐉

IMG_7226.jpeg


今回の投稿は以上となります。

英語力のなさに日々落ち込んでいるので、学校の勉強と並行して英語の学習も今後頑張っていきます!

Posted by 菅原 at 12:20 | 奨学生生活記録 | この記事のURL
2025年1月「旧正月」森本恵実(20期生)生活記録[2025年02月07日(Fri)]
みなさん、こんにちは。1月の生活記録を書きます。

さっそくですが、「ソルラル(설날)」とは何のことか分かりますか?

 ソルラル(설날)とは、日本ではあまり馴染みがないですが、
韓国の旧正月のことです。中国では「春節」と呼ばれています。

 日本では新暦の1月1日にお正月のお祝いをしますが、韓国では旧暦の1月1日を正式なお正月と定めているため、毎年日付が変わります。 今年2025年のソルラル(설날)は 1月29日(水) でした。旧正月当日と前後1日の3日間は祝日になるため、1月25日(土)〜1月30日(木)の大型連休となりました。
※1月27日(月)は平日だったのですが、臨時休日に指定されました。


 ちなみに、新年のあいさつは韓国語で「セヘ ボク マニ パドゥセヨ(새해 복 많이 받으세요)
これは、「新年の福をたくさん受け取ってください」という意味で、日本の新年のあいさつ「明けましておめでとうございます」のように使われます。この新年の挨拶は旧正月以外、新暦の1月1日にも「セヘ ボク マニ パドゥセヨ」と言います。
韓国手話ではこのように表します。「新しい+日+幸せ+多い+もらう+ください」という感じです!
旧正月手話.png

 また日本では、新年を迎える前に「良いお年を」と挨拶しますが、韓国では新年を迎える前にも「セヘ ボク マニ パドゥセヨ(新年の福をたくさん受け取ってください)」と挨拶をします。そういうわけで、この挨拶は、1回や2回どころではなく、1月1日や旧正月の前後ではたくさん使われる言葉なのです。
 ただいま私は長期休暇中であり、この大型連休の影響は特にありませんでしたが、町中では旧正月垂れ幕が飾ってあったり、お供物を販売していたりしていました。

ちょうど旧正月の日、仁川空港に行ってきたのですが、『王家族の散策』というテーマでパレードが行われていました。

突然現れたので、あまり上手く撮れませんでしたが、こんな感じですあせあせ(飛び散る汗)
旧正月.png

日本ではあまり馴染みのない旧正月についてお話しいたしましたが、
日本にいるみなさんも、この1年間より多くの福をたくさん受け取ってくださいね!

以上です。
Posted by 森本 at 08:39 | 奨学生生活記録 | この記事のURL
2025年1月「辻井伸行さんのコンサートに行ってきました」金本小夜(19期生)[2025年02月04日(Tue)]
みなさんこんにちは。

1月があっという間に過ぎてもう2月ですね(私だけ?)

先月は「日本におけるイギリス児童文学」の講演会に行ったら登壇者の先生も同じ学会に行くとのことで連絡先を交換できたり、日本の食品会社に務める方と知り合いになれたおかげで安く日本米を売ってもらえたりと、いろいろ充実した月でした。
また、勉強も割合順調で、現在読んでいるLennard Davisという人の本は、「ノーマル」(規範、基準)とは何なのか、いつ作られた価値観なのか、といったことを聴覚障害を中心に掘り下げている障害文学研究でとても面白いです。

ついでながら、イギリスのイベントの話をしますと、1月はイギリス、中でもスコットランドで詩人ロバート・バーンズの命日の25日に、バーンズの好きだったウィスキーを飲みながら、ハギスという羊の内臓入りソーセージを食べ(好き嫌い別れます。私は好きです笑)、集まった人たちでバーンズの詩を朗読して、バーンズの死を悼むという日本で言うところの桜桃忌のような文学オタク用のイベントがあり、ちょっといいウィスキーを買ってみたりしました。(私は下戸なので5cl飲み切るのに3日かかったりしますが…)

さて、今回はピアノのコンサートにいった話をさせてください。
私は両親ともクラシック音楽がとても好きで、CDが数百枚あるような家で育ちました。子供の頃は結構コンサートにも連れて行ってもらっていましたが、大人になってからは聴力が落ちたこともあり、長いこと行っていません。ですがロンドンはとにかくコンサートホールが多く、あちこちから音楽イベントの情報が流れてきます。今回、気になって、行こう!と思い立ったのは全盲の日本人ピアニスト、辻井伸行さんのコンサートでした。
私が自分の障害について考える時、ついでに他の障害についても思いを巡らせることがありますが、特に目が見えない、ということはとりわけ難聴者の私にとっては絶望的な状況に感じます。というのも私は難聴が進んでからも変わらず口話で人とコミュニケーションを取っているため、耳で聞き取れない分を、相手の表情や目の動き、口の形、体の向き、手の動き、いろいろな視覚的な情報を駆使して相手の言う言葉を理解し、補っているからです。それを思えば、視覚障害とは、ある意味で聴覚障害の対極に位置するものかもしれません。
コンサートが始まり、辻井伸行さんは指揮者に手を引かれ舞台に登場すると、体を曲げてピアノの椅子の位置を確かめ、一度だけ(!)両手でピアノの両端を触って鍵盤の位置を確かめると、オーケストラに合わせてピアノを弾き始めました。
私の耳では聞こえない音もあるし、補聴器を通しての音質は実際の音とは違うものですから、おそらく音楽の真価は理解できていないと思いますが、それは見ていても繊細なのに力強い、本当に素晴らしい演奏でした。
それにしても普通、複数の演奏者が指揮者を通して一緒に演奏する場合には指揮者を視覚的に見てタイミングを測るのだと思うのですが、辻井伸行さんのタイミングは本当に完璧でした。周囲のバイオリニストたちが弓を構えるわずかな動作や息遣いなどの、音の気配のようなものを感じているのかもしれません。最後に観客席に向かってお辞儀をする時も、観客席があるすべての方向に正確にお辞儀をしていました。(今回コンサートがあったロイヤルフェスティブホールはオーケストラの後ろにも観客席がある珍しい作りなのですが、そちらにも迷わず頭を下げていました。)
最近、多様性という言葉が流行している中、小説や映画でも障害を持つキャラクターの数が格段に増えたように感じていますが、よくある演出で、目が見えないから、耳が聞こえないからという理由で他の人が持っていない力を持つキャラクターが私は嫌いです。例えば耳は聞こえないけれども、完璧に読唇術をマスターしていて、口話での会話に困らないキャラクター。目は見えないけれど、音の反響で物の位置を完璧に把握して動くキャラクター。おいおいおい!とツッコミを入れたくなります。
でも、辻井伸行さんの演奏を見ながら、ただ目が見えないから聴覚が優れている、というわけではなく、もとより聴覚が優れていて、目が見えないからより研ぎ澄まされた、という部分はあるのではないかな、と感じました。
私もよく(段違いのレベルの話ですが)「なんでそんなところまで人を見てるの?」と言われることが時々あります。もちろん好きでやっているわけではなく、会話に必要だからやっています。そうした細かいけれども当たり前の動作を意外と人は見ていないのです。
こうやって毎日の生活の中で自然と少しずつ研磨されていく感覚というものはやはりあって、それは障害の有無に関係なく、私たちが磨いていけるものなのではないかな、と思わせてくれた素敵な経験となるコンサートでした。

では私も1秒でも早く本が読めるように、自分を磨いていきましょうかね(課題が終わりません…)
今月も、来月書くネタがたくさんできるように頑張ります。
日本は大寒の季節の頃と思いますが、皆様どうかお身体に気をつけてお過ごしください。

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テムズ川沿いにあるサウスバンクセンターのコンサートホール、ロイヤルフェスティブホール。
Posted by 金本 at 18:16 | 奨学生生活記録 | この記事のURL