
2024年2月「文献解題 -参考文献一覧-」鈴木美彩(18期生) 生活記録[2024年03月08日(Fri)]
2024年2月 第18期生 鈴木美彩 生活記録
文献解題 -参考文献一覧-
言語学部生として最後の学期も折り返し地点にやってきました。日毎に学位取得のその日が確実に近づいてきているのをひしひし感じます。そんな今回は Annotated bibliography、参考文献一覧についてお話ししたいと思います。日本語では文献解題とも言うようですが、一言で説明すると「参考文献に要約と自分の意見を加えたもの」です。その形式は人まちまちですが、基本的にAPAスタイルのような論文の引用とその論文の要点、それに対する自分の意見、の3つが要です。研究する上で論文を読む行為は大変重要で、研究における肝とも言えるほどです。だからこそ、研究において必要になった時にすぐに引用できるよう、これまでに読んだ論文をしっかり整理して自分の保管庫にしまっておかなければなりません。そこで役立つのが参考文献一覧です。私はこの参考文献一覧をGoogleドキュメントで作成しています。引用の形式がすでにあるので、引用したいと思った時にすぐコピーして貼り付けることができます。また、過去に読んだ内容でも、要約があるので何について書いた論文なのかをすぐに理解できます。自身の意見の部分はどう自分の研究課題に結びつけるかの考察に役立ちます。
私はこの文献解題すなわち参考文献一覧をEEEクラスの課題で取り組んでいます。このクラスはDeanna Gagne 先生による授業で、規模の小さい言語に関する研究に着目した授業です。EEEは Emergence (発生), Ecology (生態), & Evolution (進化) の略で、規模の小さい言語といっても様々あります。最近生まれた言語、村落手話、島の手話、プロタクタイル (触手話の進化版) などなど。毎週様々な研究者の論文を読んでクラス内でディスカッションを行います。毎週新しい論文を色々読んでいくのは楽ではありませんが、毎回興味深いテーマなので刺激のあるクラスです。Gagne 先生が作った格式に従って1ページに納める必要があります。たった6ページの論文でも、30は超えるページ数の論文でも関係なく1ページに納めなくてはいけないので、そこがまた大変です。また、Gagne 先生はその論文の著者の背景も重要視するべきとの考えをお持ちで、ちょっと ”追っかけ” になったつもりで情報を集めることと教えられました。その著者の見解がどのようなものなのか、そしてそれはどのような背景からきているのか、この ”Positionality (ポジショナリティ)” つまり立場をはっきりさせることでその論文の理解も異なってきます。
この課題に関しては、まず形から入る方が私は集中力が高まるので、最初はAPA式引用に取り組みます。そして研究者の情報をGoogle Scholar や Linkden,著者の在籍している機関のホームページをチェックして情報を集めます。1ページしかないので、この情報は3−4行くらいに納めます。ここでの Googleドキュメントの強みはリンク機能やコメント機能があることです。名前の部分をウェブサイトにリンクさせて後から振り返ることができます。この部分のコメントにはその他のYouTubeなどのリソースをメモしておきます。そして、論文読みに入ります。ここでは辞書と翻訳機能が欠かせません。軽く文章をたどって、意味がわからない箇所にぶつかったら、単語を辞書で調べます。単語が理解できても文章全体の意味が掴めない時はその部分を翻訳機能でタイプして日本語を見ます。ここで気をつけなければいけないのは、プラスにもなるかもしれないしマイナスにもなるかもしれないということです。翻訳がうまくいくと、英語ではこの表現になるのかと学習に大変利益的ですが、翻訳がうまくいかないときはより混乱をきたします。気をつけながら論文の主張など重要なポイント箇所をマークしていき、要約の作成に入ります。
最後に自身の意見を書きますが、これまたGagne 先生の挑戦状で、論文に対する評価は良い面と悪い面とを両方含むことと言われています。全ての論文は確かな質を持っていると同時に完全なる論文はない、というのがGagne 先生の常套句で、学生はよりクリティカル、批判的な思考をトレーニングできます。決して簡単な課題ではないですが、自分の弱みを発見でき、成長を感じさせてくれるので今の所楽しく取り組めています。
文献解題 -参考文献一覧-
言語学部生として最後の学期も折り返し地点にやってきました。日毎に学位取得のその日が確実に近づいてきているのをひしひし感じます。そんな今回は Annotated bibliography、参考文献一覧についてお話ししたいと思います。日本語では文献解題とも言うようですが、一言で説明すると「参考文献に要約と自分の意見を加えたもの」です。その形式は人まちまちですが、基本的にAPAスタイルのような論文の引用とその論文の要点、それに対する自分の意見、の3つが要です。研究する上で論文を読む行為は大変重要で、研究における肝とも言えるほどです。だからこそ、研究において必要になった時にすぐに引用できるよう、これまでに読んだ論文をしっかり整理して自分の保管庫にしまっておかなければなりません。そこで役立つのが参考文献一覧です。私はこの参考文献一覧をGoogleドキュメントで作成しています。引用の形式がすでにあるので、引用したいと思った時にすぐコピーして貼り付けることができます。また、過去に読んだ内容でも、要約があるので何について書いた論文なのかをすぐに理解できます。自身の意見の部分はどう自分の研究課題に結びつけるかの考察に役立ちます。
私はこの文献解題すなわち参考文献一覧をEEEクラスの課題で取り組んでいます。このクラスはDeanna Gagne 先生による授業で、規模の小さい言語に関する研究に着目した授業です。EEEは Emergence (発生), Ecology (生態), & Evolution (進化) の略で、規模の小さい言語といっても様々あります。最近生まれた言語、村落手話、島の手話、プロタクタイル (触手話の進化版) などなど。毎週様々な研究者の論文を読んでクラス内でディスカッションを行います。毎週新しい論文を色々読んでいくのは楽ではありませんが、毎回興味深いテーマなので刺激のあるクラスです。Gagne 先生が作った格式に従って1ページに納める必要があります。たった6ページの論文でも、30は超えるページ数の論文でも関係なく1ページに納めなくてはいけないので、そこがまた大変です。また、Gagne 先生はその論文の著者の背景も重要視するべきとの考えをお持ちで、ちょっと ”追っかけ” になったつもりで情報を集めることと教えられました。その著者の見解がどのようなものなのか、そしてそれはどのような背景からきているのか、この ”Positionality (ポジショナリティ)” つまり立場をはっきりさせることでその論文の理解も異なってきます。
この課題に関しては、まず形から入る方が私は集中力が高まるので、最初はAPA式引用に取り組みます。そして研究者の情報をGoogle Scholar や Linkden,著者の在籍している機関のホームページをチェックして情報を集めます。1ページしかないので、この情報は3−4行くらいに納めます。ここでの Googleドキュメントの強みはリンク機能やコメント機能があることです。名前の部分をウェブサイトにリンクさせて後から振り返ることができます。この部分のコメントにはその他のYouTubeなどのリソースをメモしておきます。そして、論文読みに入ります。ここでは辞書と翻訳機能が欠かせません。軽く文章をたどって、意味がわからない箇所にぶつかったら、単語を辞書で調べます。単語が理解できても文章全体の意味が掴めない時はその部分を翻訳機能でタイプして日本語を見ます。ここで気をつけなければいけないのは、プラスにもなるかもしれないしマイナスにもなるかもしれないということです。翻訳がうまくいくと、英語ではこの表現になるのかと学習に大変利益的ですが、翻訳がうまくいかないときはより混乱をきたします。気をつけながら論文の主張など重要なポイント箇所をマークしていき、要約の作成に入ります。
最後に自身の意見を書きますが、これまたGagne 先生の挑戦状で、論文に対する評価は良い面と悪い面とを両方含むことと言われています。全ての論文は確かな質を持っていると同時に完全なる論文はない、というのがGagne 先生の常套句で、学生はよりクリティカル、批判的な思考をトレーニングできます。決して簡単な課題ではないですが、自分の弱みを発見でき、成長を感じさせてくれるので今の所楽しく取り組めています。