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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2023年度留学奨学生帰国報告会(大阪)、開催[2023年08月31日(Thu)]
2023年度留学奨学生帰国報告会(大阪)、開催

去る7月2日(日)、大阪城公園の近くに建つ大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター)に於いて、6月中旬に米国留学から帰国した第13期橋本重人奨学生による第18回帰国報告会を実施しました。橋本奨学生の出身地に近い大阪会場とオンライン(Zoom)も併用したハイブリット型で行いました。
当日の会場には、助成元である日本財団から公益事業部長の福田様にご出席いただき、また目で聴くテレビにも取材を頂きました。
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会場となったドーンセンター   日本財団・福田部長

●帰国報告 橋本重人13期生●
「発達障害を併せ持つろう児童生徒へのサポート」〜安心して学べる環境作りとは〜
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「米国のろう発達障害の児童生徒を担当する教員に必要なスキルは何かをテーマに、ギャロデット大学大学院で職業体験とろう学校の先生方へのインタビューを行った。見えてきた共通点は、指導方法を研究するモチベーション、待つ忍耐力、個々の状態に合わせて学習方法を変える柔軟性、一人ひとりの可能性を信じる希望。発達障害は一通りではない。児童生徒の実態をよく把握し、その児童生徒に合った方法を保護者やチームで話し合い、バランスを考えて作り上げていく。チームワークが大切。発達障害を併せ持つろう児にとって目から得る情報が重要なため、3秒以内で理解できるイラストや視覚的情報を提示するように工夫している。安心して学ぶ環境作りには、物的環境(教室内の配置や教材等)と人的環境(教員の資質やチーム支援等)のバランスが必要になる。あと数年、米国で経験を積みながら学習しやすい環境作りに努めていきたい。」

●ミニトークセッション/国際手話とアメリカ手話言語●
6月の帰国報告会(東京)に続く第2段。大阪会場では、留学奨学生として米国留学した川口7期生とのセッション。同じく“私たちの過去−現在−未来について“をサブテーマにトークを繰り広げました。国際手話とASLの表現の違いも紹介したり、当時を振り返りながら、時に笑いありの楽しい時間となりました。
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大阪会場のセッションは川口7期生(左)と秋山会長(右)

参加してくださったみなさま、ありがとうございました。
今後とも、ご支援のほど、よろしくお願いします。


*大阪会場の様子は、『目で聴くテレビ』 アーカイブで視聴!*
帰国報告会当日の様子プラス橋本奨学生へのインタビューも 加わった特集番組は、『目で聴くテレビ』のアーカイブから視聴可能です!
アイ・ドラゴンのアーカイブ、トップ画面の左端にあるカテゴリー一覧から「いきいきワイド」→「いきいきワイド2023 」を選択してご覧ください。
*目で聴くテレビを視聴するには、専用受信機アイ・ドラゴンが必要です。


*2024年度 第21期生 4月募集開始(予定)です*
2024年4月に日本財団からの助成が正式に決定後、事業実施が確定します。

事業担当:根本
Posted by 事業担当者 根本和江 at 23:48 | 事業担当者よりお知らせ | この記事のURL
2023年度留学奨学生帰国報告会(東京)、開催[2023年08月30日(Wed)]
2023年度留学奨学生帰国報告会(東京)、開催

去る6月18日(日)、東京・品川駅から程近い東京海洋大学品川キャンパスを会場に、6月初旬に米国留学から帰国したばかりの第13期山田茉侑奨学生による帰国報告会を実施しました。第17回目となった今回は、山田奨学生の出身地に近い東京を会場に、対面とオンライン(Zoom)のハイブリット型で行いました。
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東京海洋大学品川キャンパス   会場内の様子

●帰国報告 山田茉侑13期生●
「リズムを使って手話で言葉を育てる」〜幼稚部教員とデフメンターを経験して〜
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「ボストン大学大学院在学時に、乳幼児期からのASLと読み書き英語の二言語バイリンガル教育方法や生活言語から学習言語へ引き上げる指導方法を学んだ。現在、米国のろう学校早期教育部の現場で大学で学んだASLのリズムや韻を使った言葉遊びを日常の中で使っており、何よりも子どもたちが楽しみながら言葉と概念が膨らんでいっていることを実感している。大切なのは、毎日繰り返し行うこと。生活に合わせて言葉を一語加えたり、一語言葉を変えたりすることで、子どもたちの言葉が豊かに育っていく。家庭の中でも、毎日の決まった日課(ルーティン)に沿ってリズムを使った手話での言葉遊びを遊びを行なってみてほしい。早期教育部の教員やデフメンターの仕事を通して、手話を第一言語として獲得するろう難聴乳幼児の成長に合った保育や保護者支援の実践力を磨いている。もうしばらく米国の様々な専門部署での経験を積み、保護者向けの早期の視覚的なコミュニケーション手段の手引きを作りたい。また、ろう難聴乳幼児と保護者が笑顔でいられるように、大丈夫だと安心しながら手話でコミュニケーションがとれるように支援していきたい。」

●ミニトークセッション/国際手話とアメリカ手話言語●
今年度の初の試み、留学経験者たちの実体験を元に当時を振り返り、“私たちの過去−現在−未来について“をサブテーマにトークを繰り広げました。共にダスキン奨学生としてギャロデット大学に留学した経験を持つ秋山会長と後藤理事の2人が、ASLや国際手話をどのように身につけ、仲間と交流し、今に繋がっているか等を話しました。
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東京会場のセッションは秋山会長(左)と後藤理事(右)

参加してくださったみなさま、ありがとうございました。
今後とも、ご支援のほど、よろしくお願いします。


*2024年度 第21期生 4月募集開始(予定)です*
2024年4月に日本財団からの助成が正式に決定後、事業実施が確定します。

事業担当:根本
Posted by 事業担当者 根本和江 at 15:10 | 事業担当者よりお知らせ | この記事のURL
2023年7月「言語学のロードトリップ」鈴木美彩(18期生) 生活記録[2023年08月06日(Sun)]
2023年7月 第18期生 鈴木美彩 生活記録
言語学のロードトリップ


言語学のロードトリップ@ ~旅の総括~

 春学期のあと夏期講習が始まるまで1週間の休暇があり、言語学のロードトリップと称してクラスメートと北東部の様々な大学を巡りました。ニュージャーニー州はプリンストン大学から始まり、コネチカット大学、ボストン大学、ハーバード大学、マサチューセッツ大学、イェール大学、計6大学を巡りました。この旅の本来の目的は最後のイェール大学にて行われるSALT会議でした。意味論と言語学的理論(Semantics And Linguistic Theory)の英語の略称でS・A・L・T、塩の英語スペルと同じです。意味論はギャロデット大学言語学部のカリキュラムには組まれておらず、未知の領域でした。そこで会議に参加して学びを得ようではないかとクラスメートのボニーの声かけでこの旅が始まりました。小さい車なんだけど…と彼女は言いましたが、もともと北東部の車旅が夢だった私には願ってもないチャンスでした。二つ返事で計画が進み、言語学部のダイアナ先生が各大学にいる先生のお知り合いに繋げてくれることになりました。1週間の車旅では、普段の大学生活とは違ったアメリカの車文化や食文化、様々な街の雰囲気にどっぷりとつかることができました。各大学の教授や院生との交流を通して大きな刺激も受けることができ、忘れられない夏休みになりました。さらにボニーとの友情も深まり、ちょうどこの旅のあと、言語学部の有志で応募した学生向けの研究資金に受かったと知らせをもらいました。彼女とは共同リーダーとして活動します。今後お互いにいいパートナーとして力を発揮できそうで嬉しいです。この旅では本当に多くの経験をしたのでいくつかのパートに分けてお話ししたいと思います。

言語学のロードトリップA ~各大学の特徴~

 プリンストン大学はアメリカの名門私立大学の総称アイビーリーグの1つであり、とんでもない規模の大学です。プリンストン市の一部として多くの歴史的建造物が街の中に位置しています。それらは今も教室や寮に使われていて、まるでハリーポッターの世界でした。大学に面するナッソー・ストリートには様々なレストランやお店があり、いつまでも散策できそうなくらい魅力的でした。日本人の留学生やアジア系の学生も多く在籍しているそうで、日本食のお店やレストランもありました。マルイチというお店で久々の天むすをいただきましたが、とても美味しかったです。このお店は食料品から生活用品までかなりの品揃えで感激でした。言語学部に訪問してみましたが、残念ながら誰もおらず記念撮影だけして帰りました。

 そこからコネチカット州へ移動し、UCONN(University of Connecticut)へいきました。ユニバーシティ・オブ・コネチカットです。コネチカット大学もこれまた土地が大規模で、ストールズにあるキャンパスは綺麗な湖に、広大な青い芝など、美しい自然の中に様々な建物が点在しています。言語学部のあるビルはまだ真新しく、廊下の大きなガラスから見える外の景色が印象的でした。ダイアン・リロ=マーティン先生とマリエ・コッポラ先生にお会いし、先生方の研究や私たちの興味についてお話しさせていただきました。先生方はアメリカ手話ができるので直接会話しましたが、かなり緊張してしまいました。専門分野外の話にも積極的に耳を傾けてくださり、最後には「ろうコミュニティで言語学をやるとなると1つの役割では終われない」と深い言葉をいただきました。マイノリティならではの人材不足の問題から1人の人間が様々な役割を担うのも珍しくなく、その働きこそろうコミュニティへの貢献になるという意味です。今持っている多方面への好奇心は大切にしなさいと言われ、迷子になっているのではという思いがなくなり、むしろ大きなモチベーションとなりました。その夕方にはUConn Dairy Barに行き、学内で育てている牛の乳から作られたアイスクリームを頂きました。このアイスクリーム屋さんは牧場の目の前にあり、アイスになるまで搾乳してからわずか4時間以下のフレッシュさなんだそうです。元々のフレーバーも種類豊富で、さらにトッピングと混ぜてもいいし、ビスケットでサンドにもしてもらえます。私はレモンとストロベリーをカップに乗せてもらい、アイスクリーム元来の味を楽しみました。

 次にマサチューセッツ州はボストンの街へと向かいました。ボストンはアメリカでも歴史ある街で、多くの大学があり大学都市と呼ばれるほどです。私たちはまずボストン大学に訪れました。ボストンの都会に立ち並ぶビルの中にボストン大学所有のビルが数多くあり、そこで学生は学んでいます。ここにはろう者学とろう教育の専攻があり、多くのろう者が卒業しています。この奨学生の先輩である武田太一さんもここの卒業生です。ろう者学の学部で教えているエイミー・ライバーマン先生にお会いし、ろう児の言語獲得に関する先生の研究についてお話を聞かせていただきました。ライバーマン先生もアメリカ手話で多くの質問を投げかけてくださり、友好的で話しやすかったです。職員に手話教育学課程の卒業生もいて、いろいろお話しし有意義な時間となりました。ボストン大学では毎年カンファレンスが行われていて、その運営に関する話も聞くことができました。ギャロデット大学で学生主体のイベント運営の案も出ているので、大変ためになりました。

 4つ目の大学は、かの名門ハーバード大学であります。ボストン大学のように街中のビルに点在している他、メインのハーバードヤードという広場のあるキャンバスは都会の中にも関わらず結構な広さでした。午後には言語学部のキャサリン・デビッドソン先生と会うことになっていましたが、駐車場がわからず、とりあえずハーバードヤードの正門に車を入れると、警備員が15分だけの滞在許可証をくれ、学内の警備室らしきところへ行くように言われました。中は緑一面の芝生がある広場が多くの歴史ある立派な建物に囲まれています。学生や街の住人たちが歩いている中ゆっくり車を移動させ、警備室に向かうと、責任者のアリさんが対応してくれました。私たちの事情を聞くと、ハーバードヤード内への駐車を特別に許可してくれました。他に止まっている車は卒業生による引越しのトラックくらいでした。後から知ったことですが、このハーバードヤードはハーバード大学でも最も古い歴史を持つ土地で、駐車ができないことで有名でした。恥ずかしながら私たちは知る由もなく、ありがたく言語学部のあるビルのそばに停めさせてもらいました。デビッドソン先生はエネルギッシュな方で手話は下手なんだけどと言いつつアメリカ手話でご自身のこれまでの経歴や経験を次々にお話ししてくださいました。ギャロデット大学で認知言語学を教えてくださったライアン・レピック先生の同窓ということもあり、話が盛り上がりました。さらに、この後行くイェール大学でのSALT会議にもご参加とのことで意気投合しました。言語学部のあるビルの隣のワイドナー図書館も特別に案内してくださいました。ワイドナー図書館はハーバード大学を卒業したハリー・エルキンス・ワイドナーがそのわずが5年後に1912年のタイタニック号沈没に巻き込まれ亡くなったことを受け、遺族が彼の本3000冊と多額の寄付金を寄贈してできた図書館です。その歴史と立派なギリシャ神殿風の建物に感動しました。

 最後のイェール大学に向かう前、現代言語学の父と呼ばれるノーム・チョムスキーの本拠地であるマサチューセッツ工科大学が気になったので、予定にはなかったもののせっかくだからと行ってみました。ギャロデット大学で音韻論を教えてくださっているガラヴ・マシュー先生はこのチョムスキーの教え子でした。我らがマシュー先生の母校だ!と言語学部のある建物を前に私とボニーは気持ちが高揚しました。駐車場もなかなか見つからず、時間も迫っていたので学生センターの建物を少し覗いて、イェール大学へと向かいました。

 イェール大学もアイビーリーグのひとつで、プリンストン大学に似た雰囲気もありつつ、大学のあるニューヘイブンの街は古き良きアメリカ文化が根強く残っているという印象でした。アメリカで初のろう学校を設立し、初代校長を務めたトーマス・ホプキンス・ギャローデットが卒業した大学でもあります。石造の古い建物がたくさん立ち並び、アメリカで最も美しいキャンパスの一つと呼ばれているのにも納得でした。学内に自然史博物館もあり、建物の前に立ちはだかるトリケラトプスは6メートル以上はある実物大のブロンズ像でした。ここにSALT会議を含め三日間滞在した後、ニュージャーニーへと向かい、ボニーと別れ、DCへの特急に乗りました。私たちの夏の旅は幕を閉じましたが、言語学の冒険はまだまだ続くぞという心持ちでいっぱいでした。

Posted by 鈴木 at 15:24 | 奨学生生活記録 | この記事のURL
2023年7月「NHSからの補聴器の支給や、大学の障害サポートのことなど」金本小夜(19期生)[2023年08月03日(Thu)]
みなさん、こんにちは。
全然イギリスのことではないのですが、最近市川沙央の『ハンチバック』が芥川賞を受賞した!というのが私の中での一大ニュースです。読まれた方いるでしょうか。新人作家であることが条件の芥川賞はよく時代の意識を反映している、などとも言われますが、障害者の姿を障害者自身の目線を通して赤裸々に描いた作品が日本最高峰の文学賞の一つを受賞したのは、現代の人々の意識の中に何か新しいものが芽生えている表れでもないかなと思い、本作の芥川賞受賞、私はとても嬉しかったです。
ちなみに『ハンチバック』の主人公のセリフではないですが、紙の本ではなく電子書籍があるおかげで、私も芥川賞の速報が出たその瞬間に外国から本書を買えたのは本当にありがたかったです。なんでもデジタル化すればいい、というわけではないですが、やはり便利なんですよね。

さて今日はイギリスやリーズ大学で私が受けている保険や、障害者サービスについてお伝えしようと思います。
日本の国民健康保険は一定額を毎月払って、本来の3割の料金で病院に行って治療を受けられるシステムなのは当然ご存じと思います。一方、イギリスの国民健康保険、通称NHS(National Health Service)は一定額を払うところまでは同じですが、病院にかかることは大抵の場合完全無料です。ただし緊急の場合以外は一ヶ月以上待たされることが多いのが難点でしょうか。処方箋で買える薬は一律10ポンド程度の代金がかかります。ですがなんと、補聴器は完全に無料なんです。私は前回イギリスに行った時、ヨークの病院でオーティコンの補聴器をもらい、ずっとそれを使っていたのですが、今回リーズの病院に行くと、オーティコンはうちでは扱ってないから新しいダナロジックのものをあげるよ、と言われ、現在二つ補聴器がある状態です。しかもちょっと調子が悪いかな、と思うことがあると、点検ではなく新品のものにすぐ取り替えてくれる、というサービスの良さ!びっくりです。補聴器はメガネと同じように、随分と日常的に使われているんだな、という印象で、最近は道ゆく人の耳の上についつい目をやってしまうようになりました。

一方で大学ではどうか、というと、イギリスでは2010年にEquality Actという、社会・職場における差別を法的に禁止する運動が起こり、これ以降、少なくとも大学では必ず障害者をサポートする機関を作らなくてはいけないという決まりがあります。
どんな対応をするかは大学によりけりなのですが、ヨーク大学では専属のノートテイカーがつき、大学が完全に費用負担。ノートテイカーも、学生バイトではあってもしっかり研修を受けた子たちが担当するのでいつも安心でした。
リーズ大学では、私が今博士課程で、定期的に授業がないこともありますが、ノートテイカーは今のところいません。その代わり、指導教官や私が所属する英文科に、両耳感音性難聴はどんな症状があり、具体的にはどんなことができない/苦手なのか、ということをまとめて配ったりしてくれました。例えば、難聴者は人の口の動きに注意を向けるからノートを取るのが苦手な傾向にある、強いアクセントを持つ人物が話しているときは難聴者自身が追いつけないのはもちろん、文字起こしアプリも正常に作動しないため、聞き取りが追いつかない可能性が高い、など、具体的に示してくれたんです。自分でも、英語力が足りていないのか、聴力の問題なのかわからず、アウェイになることが多かったので、こうして第三者から専門的な意見をもらえるのはいいな、と思いました。
(ただし、今用心しなくてはならないのが、イギリス全体の経済が悪化して色々な機関でストライキが勃発しており、まともな手続きが完了するまで三ヶ月超かかったりすることです… ブレグジット以降、コロナや戦争の影響でイギリス経済は今結構悲惨な状況です… 元のイギリスに戻ったらいいなと願ってはいますが…はてさて)
ちなみに今私は指導教官とのミーティングはMicrosoft Teamsというアプリを通じて行っていますが、録画の許可をもらったので毎回ミーティングに字幕をつけ、それを録画しています。何度も見返せるしのは本当に便利。冒頭でも言いましたがデジタル技術、最高です。実は次回が録画ではなく初の対面のミーティングになりそうで、対面でいつも使っている文字起こしアプリがちゃんと作動してくれるか、ちょっとドキドキしています。

ついでながら、日本の大学は最近どうなのだろう、と思って調べてみると、大きい大学でのサポートはかなり充実しているみたいですが、一方で、ノートテイクはボランティアの学生だったり、そのノートテイカーも学生自身が探してこなくてはいけなかったりする大学があるなど、平均的に見るとまだまだサポートが足りないように思いました。

でも最近参加した、デフ教育に関するミーティングで出会ったBSL(イギリス手話)話者の方は、これでもまだ全然政府のサポートが足りていない、と力説していました。BSLの無料の教室の設置や、日本でもよく言われる、字幕や手話のサポートはもっと必要ではないか、という議論が大盛り上がりでした。やはりイギリスでも障害へのサポートは問題となっているようです。
経済が悪化すると、弱者へのサポートが手薄になるのは万国共通の問題かと思いますが、現在障害者の立場の向上が世界的にも注目されている中、国には頑張ってほしいし、自分もその力の一つになれたらなぁ、と思います。

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補聴器を貰いに行く病院までの道が素敵なんです♡
Posted by 金本 at 20:09 | 奨学生生活記録 | この記事のURL
2023年7月生活記録【第18期生 田村誠志】[2023年08月02日(Wed)]
皆様、おはようございます、こんにちは、こんばんは。

7月に入りましたが、Washington DC,Virginia, Maryland, Massachusetts, Maineと色々な州を移動してきました。これがまた面白いのが同じ東海岸でも緯度が異なると天候が大きく異なります。7月の中旬からMassachusettsとMaineの二つの州を過ごしてきましたが、ほぼ大雨だらけの天候でした。一方、DCやVA,MDはとんでもなく快晴だったそうです。アマースト校マサチューセッツ大学の寮に滞在中では降ったり止んだりの繰り返しの天気でしたので、早朝の雨が止んでいた空気はとても瑞々しく爽やかな空気でしたし、少し冷えていて快適ではありました。Massachusettsの近くのMaineで生活している友人宅に滞在することになり、私は大学からBostonまでの直行バスに乗ってBoston駅に降りて、友人と合流した後、彼の家に向かいました。この時、私はその友人の家について尋ねた事がなく、到着したのはキャンプ場でしたので、キャンプハウスに住んでることに驚き、つい笑みが溢れてしまいました。友人曰く、ここは一年中ほぼ雨が降ってるから退屈かも?と尋ねられましたが、都会の喧騒から離れて静寂な場所に移ったので気持ちがリラックスできるのでとても快適でした。

前回の6月の生活記録の続きですが、サマークラスの4つ目の「Sociolinguistic Variation and Change in Game-Theoretic Pragmatics」について、説明します。こちらの授業は、話者が公的な場、友好の場による「定式表現」などの語形変化を分析することを学ぶことを目的としています。公の場で話す単語が、社交場によって新たな語形変化する例は日本でも沢山ありますね。「本当に」を「マジ」に、より短く「マ」と変化が起きたこともあります。もちろん手話言語も「できる」と「でき」+「ます」のように場面によって使い分けることも同様です。

このサマークラスの他にも、特別講演が毎週月曜と金曜に行われているので参加しました。どれも内容が極めて複雑でしたので理解するのに大変でした。しかし講演者の一人、Enoch Aboh教授の研究題材にはとても興味が唆り、彼が教鞭している"The Syntax of Contact"のクラスを何度も見学しました。Enoch教授は私の存在に気付いていたのか、手話言語にも触れて講演してくれました。これはとても嬉しかったですね。Enoch教授の研究はマルチリンガル話者を対象として、生成文法のセオリーや形態学についての分析を説明してくれました。このマルチリンガル話者の言語構造は複雑なのですが解析する事ができるなら、手話言語も出来るのではないかと考えてしまいます。

この4週間のサマークラスの生活についてですが、正直とても楽しくて、滞在期間を延長したいぐらいでした。最初、このサマークラスの聾者学生は私一人だけであり、少々心細かったのですが沢山のの言語学学生の生徒が大学でASLを学んできたのだそうです。中には日本人の日本手話者もおりました。恐らくですが...私のような聾者が居なかったら、このサマークラスの学生たちはASLで話さないと思います。聾者に出会ってどんな風に会話をするかを初めて学んだ人も沢山居ました。そう考えると私に出会って、影響を与える立場になったと思うと恥ずかしいですが同時に幸せな気分です。授業が終わった後も、なぜか私を中心にASLレッスンが行われてました...。このような人の繋がりをきっかけにサマークラスが終わった後も、友人の通っている大学を訪れるなど良いきっかけもできるのが最高ですね。

写真はサマークラスの学生に配布されたTシャツです。言語学生として着れますね!笑
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Posted by 田村 at 07:35 | 奨学生生活記録 | この記事のURL