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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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日本財団笹川会長を表敬訪問[2023年07月19日(Wed)]
日本財団笹川会長を表敬訪問

6月26日(月)午前、6月に東京で帰国報告を行った山田茉侑13期生と、7月に大阪で帰国報告を行った橋本重人13期生が、2人揃って本事業の助成元である笹川会長を訪問し、ご挨拶に伺いました。
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●ろう教育(発達障害)を学んだ橋本奨学生
留学中の大学院や職場実践で、ろう+発達障害の児童・生徒と交流をし、指導教材や他の先生方の指導チームとの意見交換、親へのサポートの仕方を学んだ。帰国後は、ろう学校だけでなく、一般校にいる難聴児・生徒の指導にも活かしていきたいと報告。笹川会長からは「新しい分野ですから幅広く活躍してください」と期待の込められた言葉をいただきました。
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●ろう教育(乳幼児教育相談、親支援)を学んだ山田奨学生
0−5才児の親に対する支援でコミュニケーション方法、手話指導などをテーマに学び、現在は幼稚部クラスを担当するなど職場実践中。日本に帰国したら、この学んだ経験を活かして、ろう難聴児の親支援のシステムを確立していきたいと報告。笹川会長からは「日本でもぜひ普及して欲しい」と励ましの言葉をいただきました。
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ご挨拶終了後に、笹川会長とILY(アイラブユー)で記念撮影
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左から -橋本重人13期生、日本財団笹川会長、山田茉侑13期生


かわいい<日本財団聴覚障害者海外奨学金事業>かわいい
お問い合わせは本事業専用Emailへ:ryugaku★npojass.org
(ご利用の際は、「★」記号を「@」に置き換えください)


事業担当 根本
Posted by 事業担当者 根本和江 at 14:31 | 事業担当者よりお知らせ | この記事のURL
第20期留学奨学生 応募受付終了[2023年07月11日(Tue)]
第20期留学奨学生 応募受付終了!

7月10日(月)もって、第20期留学奨学生の全コースの応募を締め切りました。
ご応募、誠にありがとうございました。

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事業担当:根本
Posted by 事業担当者 根本和江 at 09:57 | 事業担当者よりお知らせ | この記事のURL
2023年6月「ポートフォリオ」鈴木美彩(18期生) 生活記録[2023年07月08日(Sat)]
2023年6月 第18期生 鈴木美彩 生活記録
ポートフォリオ


 早くも7月です。毎回このセリフで始めているような気もしますが、今月は特に時の進みが早いです。通常は学期を通して4ヶ月程度で学ぶ所を、今回の夏期集中講義は5科目を2ヶ月で行うからというのもありますが、先週に手話教育プログラムの学生全員でオハイオへ出かけたのが大きいです。土日休み無しで10日間授業ぶっ続けのあと、水曜の授業終わりにすぐオハイオへ。木金土はアメリカ手話教師会議に参加し、日曜日に帰ってきてすぐ月曜から授業でした。火曜日はアメリカ独立記念日で休めたのですが、かなりハードなスケジューリングでした。なんとか生き抜きましたが、興味深いことに疲れが言語運用に影響しています。アメリカ手話と日本手話をしっかり使い分けたいという個人的な強いこだわりがあって、人一倍気を配っているつもりなのですが、アメリカのろう者に対して思わず「違う」の手話を使ったり、疲れが目に見える状況が続いています。

 この週末はようやく休める・・と思いきや、マサチューセッツ州に行く鈴木です。ちょうどアメリカ言語学会がマサチューセッツ大学で夏期特別講義を行っていて、水曜か土曜、週に2回一般公開の講演やワークショップが行われています。同期の田村さんも今その真っ最中です。この土曜には我々奨学生の先輩である富田さんが登壇するとのことで、この貴重な機会を逃すまいと急遽参加することに決めました。せっかくの週末、DCでの学校生活から離れて新鮮な空気を吸って、最後の一週間を頑張れたらと思います。

 さて、今回は手話教育プログラムの肝でもあるeポートフォリオの一部をご紹介します。手話教師として働く上で大切な資源となります。これらの動画はまだ納得いかない物だらけですが、素人が勉強したての状態で良質の資源を作るのは不可能です。これは締切に沿ってベストを尽くした結果なので、自己分析も含めて投稿いたします。どのような内容を講義で行ったかが少し分かると思いますし、動画そのものをお楽しみいただけたらとも思います。さらに何らかのフィードバックを皆さんからもらえたらこの上ない喜びです。次回も夏の経験についてお話しする予定です。

よろしくお願いします。

BIO Misa Suzuki
https://youtu.be/__WvTG9FkcM

この動画はASL 709 メディアプロダクションの授業での最初の大きな壁でした。オンライン期間で基礎を学びましたが、現地での照明配置やカメラの設定は複雑で、撮影した素材は使えない出来でした。結局、夜10時を過ぎての再撮影。対面講義開始後2日目だったので、まだ緊張も解けていない状態で、同じチームのメンバーと思うようなコミュニケーションが取れなかったのが原因です。先生に助けを求め、メンバーの1人が最後まで付き合ってくれて、ようやく撮影が完了しました。しかし、いざパソコンにデータを移動させると画質が下がっていました。カメラを通してみた時は問題なかったのですが、内部に問題があり、掃除が必要な機体だったようです。時間もなく、全体的にはいい素材だったのでそのまま編集しました。手話は実際に使用するスペースと読み取りに必要なスペースはそのサイズが異なり、スペースを切り取ることで聴衆をひきつける効果もあるとのことです。唯一救いだったのは内容をすでに決めていて、スクリプトもあり、練習も十分していたことです。おかげでテイク2で済みました。

干支 Why does cat chase mouse?
https://youtu.be/_uibDSauQxA


 引き続き ASL 709 メディアプロダクションの授業から、クロマキーを使ったより高度な編集技術を学ぶための課題です。干支の手話を教える動画を作成することにしました。編集は元々趣味でやっていて得意な方だったのですが、条件の2分を超えてしまったので、冒頭の物語紹介にとどめました。
 位置を工夫して1人二役やるのは楽しかったです。とても短い1分半に感じたなら、人々を惹きつける編集ができたと思います。少々クロマキー効果が体のラインから見えるので自然に見えるように柔らかくする効果を使うといいとアドバイスをもらいました。

怪談 (KWAIDAN) -A Japanese Horror Story-
https://youtu.be/qxTSkExXn-w

 これも ASL 709 からで、最終課題です。手話の授業に使えるなにか1つの長いビデオを作成するというなんでもありの課題でした。日本特有のものに着目したいと思い、怪談を選びましたが、怪談の練習と撮影の調整を両立させるのがかなり難しかったです。編集は漫画をイメージして作成しました。字幕は日本語字幕のみの作成で時間切れとなってしまいましたが、必須ではなかったのでポイント減点にはならなかったのが幸運でした。改めて編集をもうすこし調整して、字幕も完成させたいです。

ASL 741 動画作成
ASL 741 Final Project Language Teaching Philosophy (ASL ver.)
https://youtu.be/ueGFNiB8_RE

ASL 741 最終課題 手話教授の方法論(日本手話版)
https://youtu.be/yzFFHXtf25c

 この授業では様々な教授法を学びましたが、実践への応用は経験皆無なのでどの教授法を選んだら良いのか悩みました。また、アカデミックASLの使用を厳しく評価されるので何度かドラフトを作成し、手話をチェックしました。アカデミックASLは英語や日本語ほどスタンダードが完成されてはいないので学生同士で意見がぶつかることもありました。その中で専門性、わかりやすさ、中立性を含めて、作成できたと思います。
Posted by 鈴木 at 09:11 | 奨学生生活記録 | この記事のURL
2023年6月「リーズ大学のキャンパス」金本小夜(19期生)[2023年07月08日(Sat)]
こんにちは。
7月ですね!日本は今年7月前半からだいぶ暑いようですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
リーズは相変わらず連日20℃を下回る気温の日が続いており、私は毎日図書館にもこもこしたパーカーを着て出勤しています。(家族とテレビ電話をするとファッションが暑苦しい、と言われます…)

そういえばまだ大学の紹介をしていなかったので、3回目の投稿で今更ですが、今回はリーズ大学の紹介をさせてもらいますね。

リーズ大学はイングランド北部、ヨークシャーにある、イギリス全土でも最も大きな規模の大学の一つです。正式に大学として設立されたのは1904年のことで、イギリスの中では比較的新しい方の大学になります。
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キャンパス内で1番古い建物の一つであるGreat Hall。

リーズ大学の特徴はなんといっても幅広い研究分野。中でもDisability Studies(障害学、社会学の分野の一つ)は有名で、国の内外から学びにくる学生がたくさんいます。私は文学部所属ですが、文学の中の病気や障害を専門にしたスタッフは多く、デフ文学を研究する私にとっては大変ありがたい、充実した環境です。

学生数も国内最大規模の約30000人。
キャンパスは街中にあるため100エーカー(くまのプーさんの森の面積と同じです!)しかなく、人口密度は高めです。5−6月にかけては学部生の試験期間だったようなのですが、みんなが一斉に図書館に通い出すため、勉強場所を探すのに苦労しました。。

でも幸いにも図書館はなんと校内に4つもあります。
私が見た限りだと、一番人気は24時間開業しているモダンなデザインのLaidlaw、二番人気は0時まで開いている、近未来映画に出てきそうなデザインのEdward Boyle、三番人気は20時までしか開いていない一番古い図書館であるBrothertonです。(もう一つのHealth and Scienceは医療系の本に特化しているので選外)
ちなみに私は断然アンティークなデザインが好みなので、Brothertonがお気に入りです。
左から、Brotherton、Edward Boyle、Laidlaw。


他にも学科の人たちだけで使える建物がそれぞれあり、英文科の建物もなかなか素敵です。Houseと呼ばれており、この言葉はハリー・ポッターでは寮と訳されていましたが、実際グリフィンドールやスリザリンのような、一つのチームのような感覚だなと思います。お互いの助けになりそうな本を教え合ったり、時には飲みのお誘いがかかったりと、うちは割と仲良しです。

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ヨークに比べるとだいぶ都会な印象のリーズですが、キャンパスは自然豊かで、フレンドリーなウサギが芝生に寝っ転がる学生の隣で草を喰んでる様子がよく見られます。
5月まではあちこちで地面が掘り返されていたり、草を集めるウサギがいたのですが、それからしばらくすると今度はあちこちでまだ10cmくらいしかない子ウサギが見られるようになりました。私は日本では東京に住んでいましたが、こちらに来てから思いの外自然が大好きだということに気づいてしまい、今では帰国した時またちゃんと東京に住めるのかちょっと不安です…笑

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今回はとりあえずキャンパスの全体像を書いてみましたが、またそのうち、キャンパスの面白い部分なども紹介できるよう、散策頑張りますね!

Posted by 金本 at 01:26 | 奨学生生活記録 | この記事のURL
オンライン留学説明会&座談会”留学のススメ” 留学奨学生に聞いてみよう![2023年07月07日(Fri)]
オンライン留学説明会&座談会”留学のススメ” 留学奨学生者に聞いてみよう!を開催

海外留学や留学奨学金事業をもっと知ってもらおうと留学奨学生と行なうオンライン座談会、今年度も4月23日(日)、5月28日(日)にZoomを利用して実施しました。テーマは、今年も「ろう×留学私にも海外留学はできる」。各回ともに参加者から寄せられた質問への回答を中心に進め、内容の濃いものとなりました。

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座談会の進行役、および募集説明:武田理事・4期生

4月23日(日)
川俣郁美5期生を迎えて

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英語学校〜大学〜大学院と7年半の間、米国に留学していた川俣5期生に、海外での生活や大学での様子、留学中に大変だったこと、英語学習方法などを伺いました。米国の大学では、授業内容を把握、理解した上で自分の意見を述べていく必要があり、日本の受け身型との違いに慣れるのが大変だったそう。英語は、読むことを繰り返して学んだ。わからない時にすぐに単語を調べるのではなく、前後の流れから意味を掴む。どうしてもわからなかった時に英英辞書を引く。難しい単語も簡単な英語で書かれているので、この方法は良かったそうです。「多くの情報収集することで留学への思いが明確化されていった。情報収集をオススメします。」とアドバイスいただきました。

5月28日(日) 
富田望3期生を迎えて

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米国で暮らして今年で16年目になる富田3期生。英語やASLの習得・学習、米国での居住先や生活(電話リレーサービス等)など、たくさんの経験の中から伺いました。英語を楽しく学び続けるには、例えばアニメが好きならアニメとか自分の好きなことに絡めて学ぶなど工夫するとよい。また、たくさんの人と会い、交流することが、勉強より必要なことかも、と実体験からの学習のコツを教えてくれました。「海外留学は、私の人生の岐路となった。留学そのものというより、人生を変えたのは、多くの人と出会い、意見や考え方を交わし、繋がりや視野が広がり、連鎖している。奨学生同士の横の繋がりもできた。人生を変えるチャンスかも。ぜひご応募を。」と激励のことばを頂きました。

各回にご参加くださったみなさま、ありがとうございました。


20期生応募〆切は、7月10日(月)です。
応募の準備は進んでいますか?不明な点等あれば、下記にいつでもご連絡ください。

本事業専用Email:ryugaku★npojass.org
(ご利用の際は、「★」記号を「@」に置き換えください)

たくさんのご応募をお待ちしています。
https://blog.canpan.info/deaf-ryugaku/archive/1398


事業担当:根本
Posted by 事業担当者 根本和江 at 15:16 | 事業担当者よりお知らせ | この記事のURL
■連載■海外留学奨学金 担当役職員のつぶやき<Part.10>[2023年07月04日(Tue)]
■連載■ 海外留学奨学金 担当役職員のつぶやき<Part.10>

『日本財団聴覚障害者海外留学奨学金』を知って欲しい!と担当理事と事業担当者の2人が、事業のこと、募集のこと等を不定期につぶやいています。

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Nami_吹き出しなし35.jpg今年も応募〆切が迫ってきたわね。

Nemo_吹き出しなし35.jpg7月10日〆切です。準備は出来ていますか?

Nami_吹き出しなし35.jpg応募のタイミングとか、今後の流れ、留学先のこととかもっと質問したい人は、どうしたらいいの?

Nemo_吹き出しなし35.jpgどんどん質問いただきたいです。私達も相談に応じていますよ。帰国報告会では、それぞれの立場から対面相談を受けています。

Nami_吹き出しなし35.jpg対面相談は良いわね!でも、帰国報告会に参加できない人もいるわよね。その場合は?

Nemo_吹き出しなし35.jpgメール頂ければ、別日に対面やオンラインで相談を受けています。関係者・機関を紹介したりもしています。お気軽にどうぞ。

Nami_吹き出しなし35.jpg手話で相談できるのは助かるわね。迷っている人はぜひ!


かわいい2023年度 第20期生 まもなく応募〆切(7/10)かわいい
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かわいいホップ・ステップ・ジャンプ!かわいい
〜日本財団聴覚障害者海外奨学金事業の成果〜として、支援修了した奨学生達へのインタビュー記事を掲載しています。こちらからご覧ください。
https://www.npojass.org/hopstepjump


事業担当:根本
Posted by 事業担当者 根本和江 at 15:26 | 事業担当者よりお知らせ | この記事のURL
2023年6月生活記録【第18期生 田村誠志】[2023年07月02日(Sun)]
皆様、おはようございます、こんにちは、こんばんは。

6月になりました。こちらのWashington D.CやVirginia州では、まだ肌寒い時期で、半袖や半ズボンではちょっと冷えます。日本はどうでしょうか?少し日本の季節の温度を忘れがちになっています。確かもうそろそろ梅雨だと思いますが、日本のニュースをあまり観ていませんので把握できていません。

現在私は6月半ばまでリサーチアシスタント(RA)の仕事業務を完了し、6月18日からアマースト校マサチューセッツ大学のサマークラスを4週間受講します。Washington DCからAmtrakという鉄道会社の電車に乗り、7、8時間かけてマサチューセッツ州のノーサンプトンという駅に向かいます。その後、大学までの直行バスに乗り、およそ1時間かかりました。合計で約9時間ほどの移動の旅になりました。窓の景色を眺めたり、友人とビデオチャットしながら鉄道の旅を楽しんだので、退屈はしませんでした。アメリカ大陸の電車の旅はかなりおすすめです。

アマースト校に到着し、私は四人で共同のアパートに住むための名簿にサインをしますが、受付が健聴者の学生であることを忘れてASLで話してしまいました。しかし、ギャロデット大学院の言語学の教授もその場にいたので、音声言語通訳していただきスムーズに登録を完了することができました。次の日からすぐにクラスが始まるので、荷解きを終えたらすぐにクラスの準備をし、就寝しました。

私が受講するサマークラスコースの4つのうち3つのクラスを紹介します。
1つ目は「Introduction to Computational Linguistics」です。ギャロデット大学院の言語学修士課程では、理工学やコンピュータ科学などの専門知識のクラスがないため、コンピュータ言語学を学ぶ機会がないと思っていました。しかし、この講義ではプログラミング言語Pythonによる言語学の文法や音韻論のデータ解析やパターン解析を行う内容であり、大変興味深く惹かれ、受講することに決めました。電子工学出身ということもあり、コンピュータ言語学から手話言語の分析ができるのではないかと研究意欲が湧いてきます。

二つ目は「Sign Language Acquisition and Human Rights」です。こちらはギャロデット大学院言語学の教授、コネチカット大学の教授(Connecticut)、コミュニティ大学の聾者の准教授の3人による手話言語習得者の言語権利問題について学んでいます。講義の様子では、3人とも手話言語のみで話し、音声言語通訳者が学生に通訳しています。1990年代では、まだ手話言語獲得に関する研究や論文が進んでおらず、医師や家族は産まれた聾児に補聴器や人工内耳を提供して音声言語を学習することを推奨する傾向にありました。しかし、近年の研究データでは、新生児期から幼児期にかけて言語発達のための脳神経が異常に発達しており、言語学習するときの反応も敏感であることが立証されています。この反応から手話言語と読み書きによる2つのモダリティが発達するようになります。2つの言語(手話言語と話し言語)の構文学習も聾児自身が自然学習し始めるようになり、習得方法も非常に優れています。非手話言語を話す親は、医師から聾児は音声言語の制限があるため、連邦政府や州によるろうコミュニティの紹介や手話学習のための援助を推奨しています。大事なのは子供たちの言語習得の権利であり、親は子供たちの言語選択権利を与えるためだとこのクラスから学ぶことができます。私は聾者で、健聴者の家庭で新生児や幼児期から手話言語を学ぶ経験がありませんでしたので、聾児の言語習得権利についての知識は有益になると確信して受講しました。

三つ目は「Introduction to Language Documentation」です。この世界には絶滅の危機に瀕している言語がたくさんあり、それらの言語が失われないように記録する方法を学びます。また、様々な言語コミュニティに介入するためには何が必要かを理解するための倫理観も重要であることも教わりました。昔は主に紙などで書き記す方法が一般的でしたが、現在は記録媒体が進化しており、撮影に特化したビデオカメラや音声を録音するためのマイクなど、さまざまな種類の装備があります。状況に応じた環境では適切な機器を扱う知識も必要です。教授は音声言語と手話言語のデータ記録方法は同じであるため、データベースシステムも共通であり、辞書やコーパスとして保存することができると説明してくれました。これは私にとって印象的であり、音声言語のデータベースに手話言語も加えられることに、何だか喜ばしくなりました。

四つ目は「Sociolinguistic Variation and Change in Game-Theoretic Pragmatics」と呼ばれるクラスですが、このクラスは7月の最後の2週間に行われます。このクラスに関する詳細は、7月の生活記録で説明します。

このサマークラス自体が、私にとって初めて健常者の大学の世界で手話通訳者による情報保障を受けながら授業を学ぶ経験であり、非常に新鮮でした。また、このサマークラスの学生にはASLクラスを受けた健常者も多く、彼らと手話でコミュニケーションできることが魅力的でした。私の3人のルームメイトも、手話について研究や勉強をした博士号の学生であり、彼らの経験やプロジェクト、仕事などを共有してくれました。このサマークラスで得られる経験は滅多にありませんので感激です。

サマークラスについて、長くなりましたが読者の皆様が楽しめるように願っております。もうすぐ7月ですが夏祭りなどの準備が始まる頃ですね。私の地元である京都の大文字山の送り火が見れないのは少々残念ですが、日本の皆様は楽しい夏祭りを過ごす計画を立ててみてください。

下のビルの画像はアマースト校マサチューセッツ大学の図書館の一つです。24階全部のフロアが図書館になっています…。自分のお気に入りの勉強スペースがあるので、そこで勉強しています。
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Posted by 田村 at 04:23 | 奨学生生活記録 | この記事のURL