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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2022年12月 第18期生 鈴木美彩 生活記録@[2023年01月08日(Sun)]
2022年12月 第18期生 鈴木美彩 生活記録
学内の掛け合い

↓動画はコチラから↓
https://youtu.be/Omv4GwJ8VBg


あけましておめでとうございます。
昨年は動画を視聴いただいたり、応援の言葉をかけてくださったりと、皆様には大変お世話になりました。
無事に試験も通り、第1学期目の秋学期を終えることができました。
今年もここにこうしてアメリカの地に立って勉学を続けられること嬉しく思います。
今後も月に一度の投稿を続けてまいりますのでよろしくお願いいたします。

今回お話するのは、以前に少し触れたギャロデットのいいところ、ASLという共通言語があるおかげで他にない経験が得られるという話で面白いなと思った出来事です。

ある日、学習スペースで勉強していると他の学生がお手洗いにいくからちょっと荷物をみてくれないかと言ってきたので快く受けました。その後、逆の立場になり、「2,3時間で戻るから荷物を見てほしい」と伝えたらその学生は固まってしまいました。初対面の相手に冗談を言うような性格ではないのですが、その時はどういうわけか冗談を言いたくなってしまったのです。冗談だよと伝えると笑ってくれました。冗談の掛け合いは時に新たなコミュニケーションを生むこともあれば、そうでないときもあるのだななどと考えながら戻ると、今度は逆に「申し訳ない!すべての荷物が盗まれてしまった」と言われてしまいました。想定外過ぎて今度は自分が固まってしまいました。慌てて「え、何が!!」と答えると「知らない!」と。会ったこともない人で、どこの学部の学生かも知らなかったのですが面白いやり取りでした。

他にも、教室から出て、ポケットの中の携帯がないことに気がつくと、廊下のベンチに座っていた学生がこちらを見て「忘れ物でもした?」と声をかけてくれて、「そうみたい」と。無事携帯を見つけた後に戻ってくると「携帯あった〜」「良かったね」「忘れ物しがちなんだよね」「そうなの?出る前に忘れ物がないか確認するといいよ」「本当だね」なんてやり取りもありました。人同士のコミュニケーションはアイコンタクトなど様々な形がありますが、学内だと言語によるより具体的なやり取りが日常的に行われることが楽しいところです。

ある日、サウジアラビア出身の友人とこの話をしていたら、もっとすごい話が聞けました。彼女はとても明るい性格なのですが、ある日一人の学生に「久しぶり!!」と声をかけられました。流れのまま「久しぶり!」と答えたのですが
どこの誰か全く思い出せないまま話が進んでしまったそうです。ずっと会えてなかったけど元気にしてた?と聞かれ、もちろん元気してたよ!と無難な回答を返していたら、ふとその学生は「本当に自分のこと認識してる?」と聞いたそうです。やばい、知ったかぶりがバレてしまったかと焦ると「実は話すの初めてなんだ」と学生の衝撃発言。実は、以前から彼女のいるグループを何度か見かけて、明るい話し方や冗談好きな性格が気になり、声をかけてみたとのこと。面白い声の掛け方もあるもんだと感心しました。

こういう面白いやり取りがあることは、ギャロデットのいい所です。
Posted by 鈴木 at 06:49 | 奨学生生活記録 | この記事のURL
2022年12月 第18期生 鈴木美彩 生活記録A[2023年01月08日(Sun)]
2022年12月 第18期生 鈴木美彩 生活記録
各国の怖い話

↓動画はコチラから↓
https://youtu.be/uwxBEo89Bw0


冬休み中で、ゆっくり話せる時間も増えました。この前は怖い話の文化について友人と話しました。日本の怖い話はアメリカのゾンビや凶悪的な感じのホラー映画とは違って、後からゾクゾク寒気がくるような怖さが身近で、夏の暑さを飛ばすために怪談大会が行われたりすること、ろう社会では寄宿舎や学校で語り継がれる話もあるなど話しました。

サウジアラビアの友人によると彼女の国にも怖い話は色々あって、それらは宗教に根付いているそうです。イスラム教の信者、ムスリムの人達はなにかしら霊的な現象があると悪魔のせいだと考えます。幽霊という概念よりも、悪魔と天使の考え方が強く、悪魔の仕業による怖い話が数多くあると話していました。

アフリカのカメルーン出身の友人は、大家族が多く、その子供が何かしらやらかすとおばあさんが夜に呼び出し、子供のしつけとして怖い話をするそうです。外の暗い中、おばあさんの不気味な顔がろうそくの火に照らされ、しわがれた声で、杖に両手をおきながら神妙に話すものだからその怖さったらたまらないとのことでした。おばあさんの経験豊富な人生で培われた知識によって物語も膨らみ、子供は二度と悪さはしないと誓うんだそうです。

国際学生はお互いの立場を理解しやすく、仲良くなりやすい面もあり、色々お話することも多いです。信仰や文化が違う中、日本で生まれ育った私は無宗教の立場ながらも、根強く残る文化に宗教的なものもあることに気付かされます。

私はおみくじを信じがちなのですが、ムスリムの友人はイスラム教の教えでは未来は予知できないものとされ、将来の運命を信じるといった考え方はないんだそうです。私自身、本気で運命を信じることはないものの、未来を願ったりその運勢を気にする気持ちはどこから来ているんだろうかと不思議に思いました。

カメルーンでは恨みが募って、呪いをかけると実際に災いが降り掛かったという話が数多くあり、説明のつかないようなものがまことしやかに語られていることも興味深かったです。

怖い話を通して信仰や文化の違いを学べるので、楽しいです。
この楽しいおしゃべりの時間をパワーに変え、春学期も頑張ってまいりたいと思います。
また興味深い話を聞いたらここでお話させてください。
Posted by 鈴木 at 06:41 | 奨学生生活記録 | この記事のURL
2022年12月生活記録【第18期生 田村誠志】[2023年01月07日(Sat)]
皆様、おはようございます、こんにちわ、こんばんわ。

現在冬の真っ只中、たくさんのイベントが押し寄せてきており日々毎日がたくさん思い出に残ってしまいすぎて写真を見返しながら記憶を整理をしています。その中でも1番印象に残っているのはやはりFinal examとQuals examですね。二つの大きな試験がほぼ同時期に行われるものですから少しヒヤヒヤしましたが、無事合格通知をいただいた時は拳を握り締めていました。試験の合格発表もすでに地元へ帰った人たちにテレビ電話で報告して喜びながら踊ったほどでした…笑

冬休みが始まり、この期間はどうするか予定は決めていました。それは今月中にWashington D.Cの周りを観光することです。アメリカは広いのだから他の州も見て回ってもいいのではないかと思ったのですが、いざ学業が始まると近所のミュージアムに行けなくなるほど忙しくなるので今のうちにと思い立ちました。植物園や航空宇宙、アジアや日本、南アフリカ、現代美術館、ネイティブアメリカンの歴史などがたくさん詰まっているスミソニアン美術館は全部無料です。一つ一つの美術館が大きいので1日に一つだけ見回れるのが限界なぐらいです。足も疲れますしね…笑
クリスマスパーティでは三回に分けて楽しみました。一つは自分のルームメイトと同期の鈴木さんを招いてイタリアの伝統的なクリスマスの食事をいただきました。ルームメイトはイタリアの繋がりもあるようなのでそれにちなんで食事もイタリアンになりました。二つ目は鈴木さんにお呼ばれしてもらい、鈴木さんの家でクリスマスパーティをしました。鈴木さんのルームメイトは南アフリカの方々もいらっしゃいましたのでアフリカの食事もご馳走になりました。三つ目は学部生に言語学を教えている先生の家にお呼ばれしてもらい、日本の手巻き寿司と日本のクリスマスケーキを作ってクリスマスパーティをしました。ここアメリカでは冬至になると焚き火をする文化があるそうです。日本では柚子風呂ですね…。

新年祝いではWashington D.Cに残った学生や社会人、先生方などと一緒に交流していました。自分は新年祝いのパーティが三つありましたのでたくさんはしごして、挨拶回りに向かったりメールで祝いをしたりと何かと楽しく忙しくしていたような気がします。

2023年度ではCovid-19のような大きな事件が起こらないことを祈りつつ、平穏に大学院で勉強できたらと気をつけて生活していきたいと思います。 みなさまも良いお年をお迎えください。コロナなんかに負けないように。

ワシントンD.C.にある草間彌生さんの展覧会
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冬至に焚き火をする
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Smithsonian Institution National Air and Space Museum
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Posted by 田村 at 05:15 | 奨学生生活記録 | この記事のURL