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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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オンラインでアメリカ留学を体験しよう!2022、無事終了[2022年10月31日(Mon)]
オンラインでアメリカ留学を体験しよう!2022、無事終了

【留学奨学生同窓会による初企画】
10月8日、9日の2日間計5時間にわたり、Zoomミーティングを利用して、アメリカ留学体験を実施しました。当日は高校生を中心に大学生や社会人の方々が参加しました。
Photo2-2.jpg
1日目は、交流や講義で使用するASL学習に始まり、ギャロデット大学構内や奨学生達の学生生活を紹介したキャンパスツアー、現在ギャロデット大学にいる現役奨学生や同窓会メンバーとの交流を行いました。初めて学ぶASLに、難しい〜、覚えるのが大変、でも楽しい等といった感想も。
この日の学習を踏まえて、2日目はいよいよ現地ろう学生との交流。昨日覚えたASLを駆使して、時には通訳サポートする同窓会メンバーの手を借りながら、ドキドキしながら積極的にコミュニケーション。その後にオーロニ大学のThomas Holcomb教授のミニ講義「ろう文化について」(下写真)をASL-JSL通訳付きで受講してグループディスカッション、と盛りだくさんの内容となりました。
Photo3-1.jpg

終了後には、参加者同士の輪も出来、全国にいる同じ目標を持つ人同士の情報交換にも繋がりました。
ご参加いただいたみなさん、2日間のプチ留学を満喫していただけたでしょうか。
次回の企画もお楽しみに。


第16回留学奨学生帰国報告会は、11月23日(水・祝)に開催します。
会場は、京都・全国手話研修センター、およびオンラインです。
これから留学をする/留学を希望している方、アメリカの状況を知りたい方など、多くのみなさまの参加をお待ちしています。
かわいい参加申込み、ただいま受付中ですかわいい
詳細はこちら
https://blog.canpan.info/deaf-ryugaku/archive/1379


事業担当:根本
Posted by 事業担当者 根本和江 at 12:04 | 事業担当者よりお知らせ | この記事のURL
2022年9月 第18期生 鈴木美彩 生活記録[2022年10月08日(Sat)]
2022年9月 第18期生 鈴木美彩 生活記録
言語学とは?-音韻論-

↓動画はコチラから↓
https://www.instagram.com/reel/CkCkiCDg5G7/?utm_source=ig_web_copy_link
https://youtu.be/GBTPrAEZ8GU


こんにちは、鈴木です。
初学期が始まって早1ヶ月です。

私生活も学業もてんやわんやの状態が続きましたが、ありがたいことに今日も健康体で過ごしております。

さて、今回は ”言語学とは何か” という話をしたいと思います。

現在、私は3つの授業を取っています。

Dr. Deanna Gagne による Phonology (音韻論)
Dr. Deborah Pichler による Generative Linguistics (生成言語学)
Dr. Paul Dudis による Cognitive Linguistics (認知言語学)

どの先生方も素晴らしく優しくて友好的です。

すべての授業において、言語学とは何かという導入から始まりました。

Dr. Deanna Gagne による Phonology、音韻論 では言語の最小のレベルである音について学びます。

言語を分解していくと文法レベルから語彙レベル、そして音のレベルと小さく分けていくことができます。これが言語で最小の単位です。手話にも音があり、手形・場所・動きの3要素は有名です。

人間が日常的に使っている日本手話や日本語、アメリカ手話、英語などが言語であると言えるのは、最小の単位に分解できることが大きな意味を持っているからです。

世の中には様々なコミュニケーションが存在し、情報を送ったり受け取ったりするのは人間だけではありません。遠く離れたエサの位置を教えるミツバチの8の字ダンスや擬態や威嚇に役立つイカの模様七変化などは明確な意味を持ち、それを他者に伝えています。

しかし、コミュニケーションがあるだけでは言語とは言えません。言語だけが持っている要素を見つけ、それを研究することで言語の本質を追求するのです。だから、世界中の言語が持つ重要な要素の一つである音素を音韻論では研究します。

まず、私たち言語学修士課程の1年生は、この授業で音声言語すなわち英語の音から学び始めます。英語を話している様子を観察すると、表面的には唇が動いているだけですが、MRIを通して見てみると唇のみならず口腔内の舌や声帯などありとあらゆる筋肉が総動員していることがわかります。初めてその様子を動画で見たときは、まるでびっくり人間のスゴ技を見たような気分でした。

Dr. Deanna GagneがMRIの動画を見せる前、私たち学生に対して以下のように念を押していたのが印象強く残っています。

「これから見せるものはろうコミュニティで育った人間にトラウマを思い出させるリスクがあります。ですが、私たちは発音方法を学ぶのではなく、驚くほど模様が目まぐるしく変わるイカの皮膚模様を研究するように、英語話者がその驚くべき身体能力をもっていかに発音しているかに着目し、あくまでも言語としての音を見るのです。決して口話教育の過ちを繰り返したいわけではありません。」

言語学に対する面白さを存分に語りながらも、ろうコミュニティへの敬意を忘れないその姿勢に感銘を受けました。

1ヶ月が経った現在は、手話の音について音声言語の音素から発想を得たストーキーの記述法を学んでいるところです。
Posted by 鈴木 at 01:19 | 奨学生生活記録 | この記事のURL
2022年9月生活記録【第18期生 田村誠志】[2022年10月07日(Fri)]
皆様、おはようございます、こんにちわ、こんばんわ

ギャロデット大学院、言語学のプログラムが始まって早5,6週間が過ぎました。少しASL手話による講義も慣れてきたかと思います。それでも先生方のASLはとても早いのですが、やはりここは第一言語、第二言語の差というような壁があるのだなぁと感じてしまいました。


今回のブログの記事は、私が現在受講している「Generative Linguistics」について投稿したいと思います。

この「Generative Linguistics」は偉大なる言語学の父とも呼ばれたNoam Chomsky氏が1951-1955年に開発し、統語論に対する科学的アプローチを行いました。「Generative」とは日本語で「生成」であり、どのような言語や文法を無意識に生成するのかそのルールを着目しています。その科学的なアプローチから「Phonology」(音韻論)、「Morphology」(形態論)「Cognitive Linguistics」(認知言語学)などの研究分野が広がりました。
現在は御年93年であり、まだ生きているのですから生きる伝説だな...とは思いました。

Noam Chomsky氏の持論は「言語は人間に特有の生物的な才能と見なされ、人間は生まれながらにして同じ言語知識を持っているとされる」とあり、要するにそれぞれ異なる外国言語でも、言語や文法を作るための知識は全ての人類は有していると唱えています。

しかしその科学的なアプローチを導入するためにはデータ収集作業が必要です。そのデータを収集するには反証可能性と実証を得る為の仮説をブレインストーミングを行いながら立て、変数調整を行いつつどのような言語構造の違いの影響が生じるか慎重に見極めなければいけません。

Universal Grammarと呼ばれる全ての人類が持つ言語の設計図というものがあり、私たちは第一言語や第二言語を話すための言語設計図があります(文法や言葉など)。この設計図は第二言語も第三言語も学べるための設計図もあるのでスペースは無限にありますが、必ず「原則」と「パラメータ」があるのです。
従来人々はどのように言語を学ぶのかを無意識に行っていると言われております。親や兄弟、学校の先生、友人などの会話にて正しい文法、間違っている文法などの判断が培われていきます。この言語を見たり聞いたりすることで自分の言語知識能力が増えていくことをI-Language Linguistics Competenceと、発話や手話表現によって相手に伝えることをE-Language Linguistics performanceと呼ばれています。「Generative Linguistics」はE-Language Linguistics performanceを中心に学んでいきます。
ここで私たち人間たちは、いついかなる時もフォーマルな場で話しているのでしょうか?答えはNoだと思います。(家族や友人にいつもかしこまった会話を話す?)この発話や書き言葉によるルールはPrescriptive RulesとDescriptive Rulesがありどのような違いがあるかを説明していきます。
Who did you meet?
John is fatter than me.
一見こちらはきちんとした英文法ですが実はきちんとした英文法のRuleで作られてはいないのです。でもなぜか意味が把握できますよね?不思議だと思いませんか。他の例では日本語では「自分、遊びに行くわ、あなたんとこに」と話していても意味が掴めますね。このように文法では主格や所有格などのRuleを崩しても意味が伝わるようになるのをDescriptive Rulesと呼ばれます。
では先ほどの英語のPrescriptive Rulesではどのようになるのか。
John is fatter than I.
Whom did you meet?

本クラスは文法の違いやさまざまな外国語の文法構造化のルールをより明確にするための知識を学ぶことができます。そのため文法構造をどのように調査するかその練習をNoam Chomsky氏が考案した「tree」で学んでいきます。その内容は別のブログでより細かく説明したいと思います。

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ギャロデットのコンピュータラボで勉強しております。

ここ現在2022/10/6、ワシントンD.Cはとてもめっきり冷えてくるようになりました。
一日過ぎただけで急激な温度差が出ており、体調を崩しやすい日々が続いています。
日本の皆様もお気をつけてください。
Posted by 田村 at 01:05 | 奨学生生活記録 | この記事のURL
留学奨学生帰国報告会、11月23日(水・祝) 京都で開催です![2022年10月03日(Mon)]
留学奨学生帰国報告会、11月23日(水・祝) 京都で開催です!

毎年、秋から冬にかけて開催している留学奨学生の帰国報告会。
3年ぶりの対面開催に加え、東京以外の地域・京都での初開催が決定しました!

今回の報告者は、米国のギャロデット大学大学院でろう教育(ろう生徒のための英語教育や教材研究)を学んだ第16期留学奨学生の大西啓人さん。英語教育や米国留学体験事例などをお話しします。

会場参加が難しい方のためのオンライン中継も行います。
これから留学をする/留学を希望している方、アメリカの状況を知りたい方など、多くのみなさまの参加をお待ちしています。

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大西16期生(ギャロデット大学チャペルホール前で)   

●大西さんからのコメント●
アメリカで二年間、「英語教育」をテーマに学び、研究してきました。学んだことを皆さんと共有しながら、日本における英語教育に対する考察をお話しします。ろう学校で第二言語として英語を習得させるためにはどのように教えるとよいのか、教員はどんなことを意識しなければならないのかなどについて一緒に考えてみませんか?
また、英語教育のことだけではなく、留学で経験した異文化理解の事例などもお話しして、楽しく聞いてもらえる報告会になるよう努めます。ご参加をお待ちしています!


1、日時
2022年11月23日(水・祝)午後1時30分−4時

2、会場
全国手話研修センター(京都市右京区嵯峨天龍寺広道町3-4)
オンライン視聴あり(アーカイブ配信なし)
*感染拡大など対面リスクが高い場合は、オンラインのみに変更することがあります。

3、留学報告 
テーマ:「日本におけるろう生徒のための英語教育」
報告者:第16期生 大西 啓人
(ギャロデット大学大学院 教育学部修了)
*当日行う留学報告の発表資料の配布はありません。

4、参加費
無料

5、定員
京都会場 :80名程度
オンライン:80名程度
*先着順。定員に余裕がある場合は、〆切以降も受付します

6、その他
・日本手話で報告します。
・日本語音声通訳、文字通訳が付きます。
・見逃し配信(アーカイブ配信)はありません。

かわいい参加申込み、ただいま受付中ですかわいい
申込画面(こちらをクリック)からお申込みください。
またはFax、Eメールで@氏名、Aメールアドレス、B参加方法(京都会場/オンライン)を明記の上、下記までお申込みください。
〆切:11月20日(日)まで
ryugaku@npojass.org(日本財団助成事業・専用受付)
03-3264-8977(Fax)


【ご注意】
お申込み頂いた方には、申込み後2日以内に「受付完了メール」をお送りしています。受付完了メールを受け取られてない方は、お申込み時のアドレスに誤りがあり、メール不達になっている可能性がありますので、お手数ですが、上記アドレスまでご連絡ください。


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(写真をクリックすると、チラシPDFが開きます)

協力:
日本財団聴覚障害者海外奨学金事業留学奨学生同窓会

事業担当:根本
Posted by 事業担当者 根本和江 at 08:15 | 事業担当者よりお知らせ | この記事のURL