
2019年9月生活記録【第13期生 橋本重人】[2019年10月08日(Tue)]
みなさん、こんにちは。前学期に続けて、今学期もOSWD(Office for Students With Disabilities / 障害学生のためのオフィス)という学生支援室で働かせてもらっています。今は特に盲ろう学生への支援を行っています。今までは、支援機器(拡大器、拡大印刷など)を使って読むことができる盲ろう学生が多かったのですが、今学期は点字教材を必要とする盲ろう学生が増えてきました。
これまではリーディング用テキストをスキャンして当該学生にメールしてきましたが、それを点字文書化するためには、スキャン→PDF化して、Googleドキュメントで読み取った文章のチェック作業を行わないといけません。単語が間違っていたりすることもあるので、私たちスタッフが正誤チェックをするのです。確認作業が終わったら、学生本人に添付ファイルとしてメールします。受け取った学生はそのデータを自動点訳ソフト(JAWS)を使って点字化にして読み始めるという流れになります。

⑴テキストをスキャンする。

⑵PDF化する。

⑶Goodleドキュメントで文章チェックを行う。
最近は、e-bookといわれる電子書籍が増えてきており、盲ろう学生本人が自ら点字化することができますが、クラスで使うリーディング用テキストがたまたま1990年〜2000年に出版されたもので、まだ電子化されていないものばかりでした。OSWDのスタッフが出版社に電子化するように依頼しても、断られる場合があるそうです。そこで、スタッフが地道にスキャンしたり、文章チェックを行ったりしなければなりません。1冊300〜500ページもあるテキストに対して、完成まで4〜6日はかかります。それでも、クラスはどんどん進んでいってしまうので、必要な分だけ役割分担して行っています。でも、いちばん大変なのは盲ろう学生本人です。ちなみに、2018〜2019年の盲ろう学生は全員で16名だそうです。


電子化されていない教科書の山。
もうひとつ、OSWDが困難に陥っていることはSSP(Support Service Providers / 支援サービス提供者)の数が足りないことです。OSWDが提供しているSSPとは盲ろう学生、車いすのろう学生などの学生生活の支援を行うことです。たとえば、入学してきた盲ろう学生はギャロデット大学にどんな設備があるか(階段、教室、トイレ、郵便局、売店など)、どのような建物があるかを覚えないといけません。SSPの学生と行動を共にして場所を覚えるようになったら自分で行動できるようになります。また、日が沈む頃に視野が極端に狭くなる盲ろう学生のサポートを行うこともあります。SSPの学生が足りずに、そのサービスを利用したくても利用できない学生が数名います。
夜になるとSSPサービスを必要とするアッシャー症候群のろう学生のある出来事に衝撃を受けました。

こちらです。何か気づきましたか?そうです、スクーターが道路の真ん中に置いてありますね。
2年前あたりからか、アメリカの都市では電動スクーターや自転車を使ってシェアするようになってきています。ワシントンD.C.では、自転車シェア(CapitalBikeshare/LimeBike/Mobike/Spinなど)、電動スクーターシェア(Lime-S/BIRD)、カーシェア(Car2Go/Zipcar)などがあり、最寄り駅から目的地まで距離がある場合などに活用するようになってきています。ギャロデット大学内でもそれを利用する学生があちこち見られます。便利になったことはいいことですが、道の真ん中に置いてあったため、その学生はその存在に気付かずぶつかって転んでしまい、ケガを負ってしまったそうです。
また、車いすの学生がそこを通ることができず途方に暮れてしまうこともあります。悲しいことですね。乗り物をどのように停めたらいいか、その配慮がないことで他の人たちの障壁になってしまいます。
以上のことから、多様な人たちのことが考慮されていない社会は、様々なバリア(障壁)を生み出しています。障害の有無にかかわらず、どんな立場でも、安心して自由に生活をするためには、一人ひとりが様々な人のことを思いやる心をもつことが大切だと思います。
これまではリーディング用テキストをスキャンして当該学生にメールしてきましたが、それを点字文書化するためには、スキャン→PDF化して、Googleドキュメントで読み取った文章のチェック作業を行わないといけません。単語が間違っていたりすることもあるので、私たちスタッフが正誤チェックをするのです。確認作業が終わったら、学生本人に添付ファイルとしてメールします。受け取った学生はそのデータを自動点訳ソフト(JAWS)を使って点字化にして読み始めるという流れになります。

⑴テキストをスキャンする。

⑵PDF化する。

⑶Goodleドキュメントで文章チェックを行う。
最近は、e-bookといわれる電子書籍が増えてきており、盲ろう学生本人が自ら点字化することができますが、クラスで使うリーディング用テキストがたまたま1990年〜2000年に出版されたもので、まだ電子化されていないものばかりでした。OSWDのスタッフが出版社に電子化するように依頼しても、断られる場合があるそうです。そこで、スタッフが地道にスキャンしたり、文章チェックを行ったりしなければなりません。1冊300〜500ページもあるテキストに対して、完成まで4〜6日はかかります。それでも、クラスはどんどん進んでいってしまうので、必要な分だけ役割分担して行っています。でも、いちばん大変なのは盲ろう学生本人です。ちなみに、2018〜2019年の盲ろう学生は全員で16名だそうです。


電子化されていない教科書の山。
もうひとつ、OSWDが困難に陥っていることはSSP(Support Service Providers / 支援サービス提供者)の数が足りないことです。OSWDが提供しているSSPとは盲ろう学生、車いすのろう学生などの学生生活の支援を行うことです。たとえば、入学してきた盲ろう学生はギャロデット大学にどんな設備があるか(階段、教室、トイレ、郵便局、売店など)、どのような建物があるかを覚えないといけません。SSPの学生と行動を共にして場所を覚えるようになったら自分で行動できるようになります。また、日が沈む頃に視野が極端に狭くなる盲ろう学生のサポートを行うこともあります。SSPの学生が足りずに、そのサービスを利用したくても利用できない学生が数名います。
夜になるとSSPサービスを必要とするアッシャー症候群のろう学生のある出来事に衝撃を受けました。


こちらです。何か気づきましたか?そうです、スクーターが道路の真ん中に置いてありますね。
2年前あたりからか、アメリカの都市では電動スクーターや自転車を使ってシェアするようになってきています。ワシントンD.C.では、自転車シェア(CapitalBikeshare/LimeBike/Mobike/Spinなど)、電動スクーターシェア(Lime-S/BIRD)、カーシェア(Car2Go/Zipcar)などがあり、最寄り駅から目的地まで距離がある場合などに活用するようになってきています。ギャロデット大学内でもそれを利用する学生があちこち見られます。便利になったことはいいことですが、道の真ん中に置いてあったため、その学生はその存在に気付かずぶつかって転んでしまい、ケガを負ってしまったそうです。
また、車いすの学生がそこを通ることができず途方に暮れてしまうこともあります。悲しいことですね。乗り物をどのように停めたらいいか、その配慮がないことで他の人たちの障壁になってしまいます。
以上のことから、多様な人たちのことが考慮されていない社会は、様々なバリア(障壁)を生み出しています。障害の有無にかかわらず、どんな立場でも、安心して自由に生活をするためには、一人ひとりが様々な人のことを思いやる心をもつことが大切だと思います。