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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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海外留学に関するアンケート調査(お礼)[2019年02月28日(Thu)]
海外留学に関するアンケート(お礼)

先日、実施いたしました「海外留学に関するアンケート調査」、
お蔭様で、多くの方々からご協力を頂くことが出来ました。

期間が短い中でご回答を頂き、誠にありがとうございました。
この場をお借りして御礼申し上げます。

Thank you.PNG


〜・〜・〜 <お知らせ> 〜・〜・〜
2019年度 第16期留学奨学生、2019年 4月募集開始(予定)
(4月に日本財団からの助成が正式に決定後、事業実施が確定します)


事業担当者:根本
Posted by 事業担当者 根本和江 at 11:17 | 事業担当者よりお知らせ | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
海外留学に関するアンケート実施中(ご協力のお願い)[2019年02月22日(Fri)]
海外留学に関するアンケート実施中(ご協力のお願い)

2004年から始まったこの「日本財団聴覚障害者海外留学奨学金事業」、
奨学金による聴覚障害者の海外留学の支援を行っています。

現在、日本財団から業務委託された調査団体による本事業の事業評価が行われており、
18〜45歳までの聴覚障害者を対象としたWEBアンケート調査を実施しています。

留学奨学金事業や海外留学に対するお考えなど、ぜひともお聞かせください。
アンケート回答のご協力をお願いいたします。(回答〆切:2月26日(火)

キャプチャ2.PNG

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1.アンケート調査名
日本財団・日本ASL協会「聴覚障害者海外奨学金事業」に関する調査

2.対象者
18歳〜45歳の聴覚障害者

3.回答方法
インターネットからのWEB回答
https://questant.jp/q/OWVZEBKF

4.回答〆切
2月26日(火)

5.その他
回答内容は、個別に公表されることはありません。
回答は、調査実施団体において厳格に管理するとともに、回答者が特定されないよう統計的に処理され、事業改善や今後のあるべき方向性を検討する際の貴重なご意見として活用されます。
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事業担当者 根本
Posted by 事業担当者 根本和江 at 09:59 | 事業担当者よりお知らせ | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
2019年1月生活記録【第13期生 橋本重人】[2019年02月08日(Fri)]
この生活記録を書いているここワシントンD.C.では、今、雪が降っています。私の故郷では雪が積もっても2、3日ですぐに溶けてしまうのに比べ、ここではなかなか溶けないため新鮮に感じられます。また、以前暮らしていた温暖な気候のカリフォルニアとは全く環境が異なるため、恋しくなる時もあります。さて、今回はアメリカ合衆国の首都であるワシントンD.C.ならではのことを書きます。

先月1月19日(土)に行われたWomen’s March(女性たちの行進)に参加しました。2017年にトランプ氏がアメリカ大統領に就任した翌日、ワシントンD.C.には何十万人もの人々が集まってトランプ氏に対するデモ運動が行われたのがこの行進の発端となります。それから毎年その行進が行われており、今年で3回目になるそうです。目的は女性の権利だけでなく、移民、医療改革、人種差別、DV、宗教、労働者の権利、LGBTの権利などをトランプ氏に対して抗議することです。

当日の朝、ギャロデット大学の最寄りの駅まで歩いていると、ピンク色の帽子をかぶった女性グループが、それぞれプラカードを片手に同じ電車に乗っていくのを見かけました。メトロセンター駅で降りると、先ほどの帽子と同じ形をした帽子(後でわかりましたが、いわゆる「プッシー・ハット」と呼ばれるこの運動に関するコモングッズでした)をかぶっている人たちがたくさんいました。また、路上にはTシャツ、バッジ、バングルを売るお店が並んでいました。
どんなことが起こるのだろうとワクワクしながらみんなが一斉に集まっているところに行ってみました。そこにはステージがありましたが、誰も出てきていませんでした。ステージの横には大きいスクリーンが置いてあり、『40.12』といった数字が表示されていました。その数字が少しずつ減っていったため、時間のカウントダウンだったと気づきました。こんなに人が集まっていてもじっとしたままだったので、何か起こるのか不安になってきた私は、思い切って隣にいる女性の方に声をかけました。
私「(携帯電話で)すみません、私は耳が聞こえませんが、ここにいる皆さんは何をしているのですか。何か放送でも流れていましたか」
女性A「みんな音楽を聴きながらダンスしているよ。またはおしゃべりをして待っているのですよ」「(大きいスクリーンを指差して)あのカウントダウンが終わったら、いよいよ女性のマーチが始まるのよ!」と興奮気味。
しばらくの間、その女性と携帯を通して簡単な会話をしました。彼女はテネシー州からはるばるこのためにやってきたそうです。

カウントダウンが残り20分を切った頃に、別の女性が後ろから私の肩をポンポンと叩き、「あなた、ろうなの?」とアメリカ手話で聞いてきました。そうであることを告げると「じゃあ、向こうにろう者たちのグループがいるみたいだから一緒に来ない?」と思いがけず誘われたので、手話で色々なことが聞ける!と思い、「はい!」と即答しました。女性はもう一人の友人と来ていて、二人とも手話ができる聞こえる人でした。

そのとき、音声言語(英語)だけの世界の中で、手話で話しかけてくれるのは本当に心強く感じました。音声情報だけだと内容がまったく分からず、非常に不安な気持ちになります。目に見える情報が入ってくると不要な緊張感もなくなり、安心します。手話は私にとって大切な言葉です。「元気?」「おはよう」「何食べたい?」と簡単な手話でも私にとってはものすごく嬉しい気持ちになります。

それはさておき、その女性たちとアメリカ手話で自己紹介をしたり、他のろう女性たちのグループに混じりながら行進したりしました。みなさんはそれぞれプラカードを掲げて何かを叫びながら行進していました。面白かったプラカードをいくつか紹介したいと思います。全てトランプ氏やトランプ政権に抗議するものなので、リアルな文章ばかりでした。

@ IKEA has better cabinets. (イケアにはもっといいタンス(大統領顧問団)がありますよ)
Cabinetは箪笥という意味ですが、同時に「内閣(ここでは大統領顧問団)」という意味でもあります。トランプ政権に対して、皮肉を伝えている文章です。

A Is this the best a man can get? (これは男にとって一番いいものなの?)
これはカミソリ会社(Gillette)のコマーシャルの宣伝文句だそうです。その決まり文句をトランプ氏への皮肉として用いています。
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B Feminist DAD (フェミニストの父)
父も自分の娘が大切で、女性を支えるという意味です。娘だけでなく、姉や妹、従姉妹、おばなども支えていくということです。何万人もの男性が一緒にそのデモ運動に参加していました。
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C Fuck the Patriarchy (家長なんかやめちまえ!)
なんと指文字で表示しているプラカードを見つけました。Patriarchyとは家長・男性支配という意味で、『男性中心の社会はもう終わり。これからは女性も平等に働く権利がある』ということを示しているのです。
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D We are not ovary-acting (over reacting). (私たちは大げさではない)
Ovaryとは女性器を指し示すものであり、女性はただ子供を産む道具ではないことを伝えるためのメッセージです。女性は家の仕事や子育てに専念するべきだという考えがこのアメリカにもまだ残っているところもあるそうです。
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プラカードにはダジャレのようなもの(Service→Cervix、Trump→Dumpに変えてみたり)、強いメッセージが込められたものなど、それぞれの思いを表現していました。女性二人にアメリカ手話で色々説明してもらい、本当に勉強になりました。私一人だけだとそれぞれの文章の面白みに気づくことは難しかったのでしょう。英語のイディオム(慣用句)やアメリカの文化をもっと知る必要があるなと痛感した一日でした。最後にお世話になった二人と一緒に写真を撮りました。またいつか、どこかで会えるのを楽しみにしています。
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政治に関する運動で賑やかになっていたワシントンD.C.からの報告でした。
2019年1月 生活記録 【第12期生 西 雄也】[2019年02月07日(Thu)]

一月下旬にアメリカを寒波が襲いましたが、ワシントンDCでは特に大きな被害はなく生活できています。そして、一月中旬ごろから春学期が開始しました。それまでの冬休み期間はニューヨーク州のロチェスターとカナダのトロントの二つの場所へ行き、この場所への訪問は、大変充実した日々となりました。

ロチェスター

ロチェスターでは、主にロチェスター工科大学・NTIDとロチェスターろう学校の見学をしました。ロチェスターにいる間、友人の助けもあり、様々な場所への訪問やろう教育やデフアートについての情報収集をすることができました。更に、去年の夏休みにデフアートに関するワークショップで関わった何人かの仲間とも再会し、少しの期間ですが、Deaf Clubの館内で行われたデフアートの合同制作に参加しました。
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↑お世話になった友人とDeaf Club前にて


・ロチェスター工科大学
ロチェスター工科大学は、聴者の大学ですが、学内にNTID(国立ろう工科大学)というろう者のための大学が併設されており、ろう者のための教育・技術習得の学科があります。
学内には、デフアート・De'VIAに関する作品がいくつか展示されているので、友人にその場所を中心に案内してもらいながら見学して回りました。更に、友人がセッテイングしてくれた、様々な分野のクラスに参加したり、マンツーマンでの授業をしていただきました。また、NTIDの教員から、日本のろう教育をテーマにした講演をしてほしいという依頼があったので、講演も行いました。学生の多くはASL上級者であり、ろう者に関する内容にも興味があるので、講演しつつディベートも行いました。

・ロチェスターろう学校
このろう学校では主にバイリンガル教育で行われています。ここでは、図書室やいくつかのクラスを見て周り、アートクラスの授業の様子も見学させていただきました。
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↑ロチェスターろう学校のマップ


・(デフ)アートセンター
NTIDの館内には、アートセンターがあり、デフアートに関する作品が展示されています。博物館の管理者いわく、デフアートのみを展示している施設はロチェスター大学だけだそうです。そこでは多くの作品が所蔵されており、展示されている作品だけでなく、倉庫に保管されている多くのデフアートの作品も観せていただきました。そこには多くのデフアート・De'VIAに関する作品があったので、大変多くの刺激をいただきました。
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↑NTID内の(デフ)アートセンター


カナダ(トロント)

・Deaf Cultural Museum(ろう文化博物館)
カナダにあるDeaf cultural museumへ行きました。このミュージアムではろう者に関する作品がいくつか展示されています。その時は、展示されていた作品の多くがデフアートの作品であり、ろう学校で作った美術作品やろう者をテーマにした絵本などがありました。
このミュージアムは、先月の生活記録で掲載したカンザスのミュージアムよりは小さめでした。カナダ内でろう者のための博物館はここだけだそうです。
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↑Deaf Cultural Museum


・ろう学校見学
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見学したろう学校は、トロント市内にあり、ここではバイリンガルバイカルチュラル教育で行われています。
Heather(ヘザー)さんと待ち合わせの約束をし、このろう学校で会いました。彼女はろう者であり、カナダの教育省(州ごとにある)のある部門の主任の経験や、ろう学校の小学校校長の経験があります。彼女にろう学校の中を案内していただき、夜からは彼女の友人たちも入れての交流を行い、カナダのろう教育や教育システム、このろう学校のデフアートに対する取り組みについてなど様々な会話や刺激をいただきました。
この交流を通して、アメリカや日本の状況だけでなくカナダの違いについて、新たな学びを得ると共に視野を更に広げることができたように思います。
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↑Heatherさんと。素敵な方でした!

1月生活記録【第13期生 山田茉侑】[2019年02月05日(Tue)]
雪の降らない、けれど−16度の世界を経験するなど、生まれて初めての極寒地での生活は、新しい人間関係とともに始まりました。今回お世話になる実習先のHorace Mann School for the Deafは、子どもたちも先生たちもみなユニークです。教員用の休憩室の壁にはこんなコメントが…。

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何かと思ってよく見てみると、

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先生はだいたいこんな風になる(上段)。
時計の針を戻して冬休みの初めに戻してくれないか(下段)?

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誰が教職がストレスだらけというの(上段)?
わたし39歳よ。気分はとてもいいわ(下段)!


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そうです。こちらの写真は、今学期からお世話になる実習先のHorace Mann School for the Deaf (HMS)です。アメリカで初めて建立された公立ろう学校で、かつ全米初の寮のないろう学校でもあります。

実は昔、こちらの学校はアメリカの中でも強固な口話主義でした。それがトータルコミュニケーション(生徒一人一人に合わせたコミュニケーションを追求する教育方針、例えばある生徒には手話を、ある生徒には口話で話す、など)に代わり、約2年前に校長が変わったことをきっかけにバイリンガル教育を軸とした教育方針に変わったそうです。まだまだ一部のクラスでは主に声が使われていたり、生徒同士の「わからない。声を消して手話だけで話して。」という言葉がけもありますが、パワフルな校長とともに徐々に、それもしっかり変わっていくだろうと想像します。

さて、実習について、今回は中学部2年生のクラスにお世話になることになりました。他クラスの生徒による授業妨害や、喧嘩、いたずらで非常ベルが鳴り響くなど、毎日なにかがある慌ただしい日々ですが、若返った気持ちになります。乳幼児教育相談や幼稚部は、昨年度新設したばかりでまだ安定していないため配属が難しいとのことでした。見学の機会をいただき行ってみると、たくさんのろうの先生が乳幼児教育相談に遊びに来ていた様を見たときは、みんな同じ気持ちなんだなあとホッコリしました。子ども4人に対して大人が11人もいたのはとてもおもしろかったです。みんな、ろうの子どもたちがとてもかわいいんですね。


今月は、今学期に受講するクラスをいくつか紹介したいと思います。
今学期は5つのクラスと、教育実習を同時進行でこなすことになりました。
・American Sign Language Structure
・Pre-Practicum: Initial Strategies
・Teaching English to Deaf Children
・Elementary Math 2
・Advanced Language and the Deaf Child


American Sign Language Structure (アメリカ手話の構造:ナオミ先生)
こちら、とても難しいですが、言語の構造について深く掘り下げながら学ぶ授業です。ASLだけではなくJSL、英語、スペイン語など他の言語についても考えながら、全ての基礎となるもの、言語ってなんだろうと考えながら授業を受けております。


Teaching English to Deaf Children (ろう児童生徒の第2言語としての英語教育:トッド先生)
前学期の「Psychology and the Deaf World」「Instruction Strategy」に引き続き、今学期も大好きなトッド先生のクラスがあり、これからの15週間がとても楽しみです。
先週読んだ論文によると、バイリンガルで育った子どもの語彙数は、一見モノリンガルの子どもよりも少なくみえて、実は2つの言語の語彙数を合わせると、モノリンガルの子どもと同じぐらいあることが証明されているそうです。つまり、子どもたちの言語脳はどんなときも学び育ち続けるのです。バイリンガルで育てると、他の子より言語面で遅れているように見える、どちらの言語も中途半端になるのでは…と心配になってしまうこともあると思いますが、見方を変えるとおもしろいですね。


さて、初回の授業でどのようにろうの子どもたちに英語を教えるかの全体的観点を見ました。
全ての本の60%に共通する語彙2000語を叩き込む、2つの意味を持つ文に慣れる (I am Mayu, He runs, Sushi is delicious, etc)、3-4つの意味を持つ文に慣れる(I like it, The rabbit ate a carrot, etc)など…順を追って英語を教えていくそうです。
バイリンガルは魔法ではなく…
その教育方針こそ最も書き言葉と向き合わなければならないものだなと思いました。この講義を受けて、早急に日本語の文法書を買わなくてはと思うようになりました。
※2, 3-4の意味を持つ文… am, is, the, a, 前置詞などそれだけでは抽象的な意味のものは語彙数としてカウントされません。


Advanced Language and the Deaf Child (言語とろう児童生徒:パトリック先生)
誇張ではなく、こちらの先生の手話、とても美しいです。熱々のパンにバターがなめらかに溶けていくように、スッと手話が頭に入ってきます。
こちらのクラスの先生、パトリック先生の本当の姿は、学校教員なのです。昼間はHorace Mann Schoolで指導をし、木曜の夜は大学まできて講義をしてくださるのです。発言や話し合い活動の組み入れ方がとても上手く、普段なかなか発言できない人でも発言しやすい雰囲気になっております。

そんな先生から、毎回名言または教義がポロッと出てきます。
例えば、疑問があったらまず先生に聞くのではなく、
「1に友達に聞く、2に身の回りにあるもので知ろうとする、3に先生に聞く。」
なぜなら、昼夜トイレシャワーまで先生は付き添うことができません。先生というリソースが使えるときは使いこなし、自分で答えを導き出せるよう自立することも推奨しているのです。


先週はLearning Environment(学習環境)について学びました。
2つクイズです。

1)もしもクラスを担当した場合、どれくらい壁に紙を掲示しますか。

壁の上から下まで膨大な紙が掲示されていると、子どもの頭には入りません。それは参観客の好感を買うための掲示になってしまいます。

2)授業中、足を椅子につけて座っている、姿勢の悪い子にどう言葉がけをしますか。

子どもは、「NO!ちゃんと座りなさい。」というように「NO」にますます反抗します。「 手話が見えないよ」という言葉がけには、わかった、と姿勢良くしてくれるかもしれません。



最後に…
ボストン大学の先生は、本当に大好きな方ばかりです。今学期もハードなスケジュールになりそうですが、学べるだけ学び倒し、入手した情報をみなさんに伝えていきたいと思います。
ボストン大学の授業料はとても高いです。そして、それに見合う、いや、それ以上に素晴らしい授業がなされております。そこで学び取ったものを、もっとみなさんに分かりやすく伝えるためにはどうすればいいか、悩んでおります。何か感じたことなどありましたら、ヒントを頂けますと嬉しいです。
それでは、翌月にまたお会いしましょう。
2019年1月生活記録 第10期生 辻功一[2019年02月03日(Sun)]

こんにちは、今日も生きています。
10期生の辻 功一です。

新年おめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。
正月休みは日本でゆっくりと過ごしてきました。そして日本への帰省もこれが最後になるでしょう。
渡米してから4年半が経過し、いよいよ最後の学期を迎えました。

BADM 495 (Applied Strategic Decision Making)
「戦略的意思決定」
前学期に受講したMBAクラス(MGMT 698)の時と同じ教授による講義で、キャップストーン・プログラム(全カリキュラムを履修した上で、総仕上げという形で実施されるプログラム)です。
戦略的な管理フレームワークを使用し、経済的、論理的かつ付加価値のある解決策に向けてすばやく意思決定を行う方法を学ぶといった内容です。

MGMT 389K (Internship in Entrepreneurship and Small Business Management)
「起業家精神と中小企業管理のインターンシップ」
ビジネス部門長の許可制によるインターンシップ・プログラムで、チコ市内にあるスタートアップのサポートをしているNPO団体のオフィスで週9時間のインターンシップをしながら、自身のプロジェクトを進めるといった内容です。

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<こちらでは練乳じゃなくてチョコなんですね。僕は何もかけない派ですけど>

最近、カリフォルニア州の電力・ガス大手 PG&E が米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)を申請して破産しました。
実は2017年のワイン産地で有名なナパ・ソノマ郡の山火事はPG&Eの設備不良による火花が原因とされ、PG&Eに対して多数の訴訟が起きているのですが、去年パラダイスで起きた大規模山火事も同様にPG&Eの設備不良が疑われています。それらの賠償で約3兆2千億円を超す負債が生じる可能性があるため、破産を決めたということですね。

余談になりますが、カリフォルニア州の面積は約42万km2あり、日本全土より約5万km2広いんですね。そのカリフォルニア一帯をカバーするPG&Eの売上高もすごいことになってるのかなと勝手に想像していたのですが、調べたら東京電力約6兆円の売上高に対し、PG&Eは1兆7000億円ほどでした。(桁を間違えたのかと何度も数えましたよ・・・) ちょうど九州電力と同じくらいでした。
さらに驚くことに、PG&Eの純利益は東京電力より若干多いんです。
つまり日本より広い面積で、九州電力と同等の売り上げで、九州電力どころか東京電力よりも高い純利益を出しているということです。
これが何を意味しているのかというと、やはり思いつくのはひとつですね。

以上です。
日本ASL協会から8,188km離れたチコ大学からの報告でした。
ありがとうございました。