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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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日本財団笹川会長表敬訪問[2018年10月16日(Tue)]
日本財団笹川会長表敬訪問

10月12日(金)、昨年6月に留学を修了し帰国した山本芙由美11期生が、本事業の助成元である笹川会長を訪問し、帰国の報告、お礼のご挨拶に伺いました。

帰国後の仲間たちと取り組み、まとめあげた今年5月発行の「ろう×LGBTQサポートブック」(下左)を手渡し、また、つい先日公開になった動画「多様な性をあらわす手話表現」(下右)を会長に紹介した山本奨学生。
LGBTQ.jpg

「LGBTQ当事者をサポートする側の人たち向けに作成しました。サポートブックには、アメリカ留学記も掲載しています。米国留学中は、さまざまな国の方々と共に学び、たくさんのロールモデルとの出会いがあり、LGBTQに限らず、多様性に触れ、一人一人の戦い方、権利の表明など大いに勉強になりました。」と報告。

Sasagakawa101201.jpg

笹川会長からは、「LGBTQの問題は、世界的に問題になっていること。日本財団でも、イベントでセッションするなど取り組みを行っている。これからの活動に期待している。」とLGBTQ活動に関心高く、激励のことばを頂きました。

ご挨拶終了後に、笹川会長と記念撮影
Sasakawa101202.jpg
左から -日本財団笹川会長、山本芙由美11期生

*表敬の前日の10月11日は、「ナショナル・カミングアウト・デー」というLGBTQ関連の
 世界的な記念日でした。


かわいいお知らせかわいい
<帰国報告会>
2019年1月5日(土)、東京で開催します!
報告者:瀧澤泉奨学生(9期)、牧谷陽平奨学生(11期)


事業担当 根本
Posted by 事業担当者 根本和江 at 11:15 | 事業担当者よりお知らせ | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
2018年9月生活記録 第10期生 辻功一[2018年10月08日(Mon)]

こんにちは、今日も生きています。
10期生の辻 功一です。

中華人民共和国へ留学した影響で、中国関連のニュースがあるとすぐ目に止まるこの頃です。
留学すると価値観が変わり、視野が広がるとよく言われていますが、本当にそう思います。
プロパガンダや世論操作だらけの世界、行って、住んでみないとその国の本当の姿は見えないし、日本を離れることによって日本の良いところ、悪いところを客観的に見ることができるようになると僕は思います。

ところで、タイムリーな情報をお届けします。

イーロン・マスク氏の宇宙ベンチャー企業が10月7日 19時ごろ(日本時間 8日 11時)にロサンゼルスからロケットを打ち上げ、成功させましたが、なんとここチコからも見えました。ちなみにチコからロサンゼルスまで直線距離で約700kmです。
マスク氏のスペースX、今年17回目のロケット打ち上げ成功 - Bloomberg

201809-1.jpg
<チコの空からロケット目撃>

201809-2.jpg
<大気圏離脱直前>

スペースXといえばZOZOTOWNの前澤氏が最初の搭乗客になると最近話題になっていましたね。
ZOZO前澤氏を月に送る巨大ロケット、写真から読み解く製造工程とその先進性

さて、本題です。

FINA 369 (Real Estate Finance and Investments)
「不動産ファイナンスと投資」
チコ大学卒業生で不動産ブローカー、チコエリアを含むビュート郡の評議員、チコの審査委員など多岐にわたって活動されている教授によるコースです。ファイナンスクラスなので数字とのにらめっこを覚悟していたのですが、今のところ主に不動産用語や法律を中心に講義が進んでいます。現役の不動産ブローカーということもあり、チコ周辺の実例を交えて解説するという進め方で、非常に興味深く聴講しています。

MGMT 489B (Practicum in Entrepreneurship and Small Business Management)
「起業家精神と中小企業経営の実践」
これまでの起業に関するコースでは、マーケットリサーチや分析、資金調達、予算管理などを学び、それをビジネスプランに落とし込んできましたが、このコースでは自分のビジネスプランを元に実際に起業するという、超実践的な内容です。教授の許可がないと受けられないので、受講生は8名だけという小クラスです。僕の場合、ビザ問題が絡んでくるので一筋縄ではいかなさそうですが、頑張りたいと思います。

MGMT 698 (Special Topics in Management)
「デザイン思考」
初日に教授がいきなりシラバスを受講生の前でゴミ箱に捨ててしまいました(笑)とても変わったコースで、何を学ぶか、どのように進めるか全くの白紙から始まりました。受講生同士でのブレインストーミングで学びたい内容を絞り、教授に提案する形で進めています。現在はクリエイティブシンキングとデザイン思考について講義を受けています。


以上です。
日本ASL協会から8,188km離れたチコ大学からの報告でした。
ありがとうございました。
2018年9月生活記録【第13期生 橋本重人】[2018年10月08日(Mon)]
 私の住んでいるCarlin Hall(カーリン寮)では、最近までの長期間の雨の影響で、至るところにカビが発生してきたようです。気が付いたら、私の部屋の壁にも黒いシミが…!毎朝寮を出るたびに、1階ロビーのフロントデスク担当者が、寮生からのクレームに必死に対応しているのを見かけます。先輩たち曰く、毎年このシーズンになるとよくあるとのことでした。Carlin Hallはかなり古いため、カビや水漏れなどハプニングが起こるのは当たり前のようです。

 さて、アメリカのワシントンD.C.にあるギャロデット大学に入学して1カ月が経ちました。まだ1カ月なので私自身に大きな変化はありませんが、本当に毎日が新鮮です。ここは聴覚障害者のための大学なので、そのキャンパスにいる限りどこに行ってもみんな手を動かしています。人工内耳や補聴器を装用している学生もいれば、していない学生もいます。英語対応手話・アメリカ手話で話す学生もいれば、(まれですが)口話のみで話す学生もいます。ろうのアイデンティティーが確立されている学生もいれば、まだ不安定で考察中の学生もいます。もちろん、様々な国から留学に来たろう学生もいます。日本はもちろん、ノルウェー、デンマーク、中国、韓国、ミャンマー、アフガニスタン、イエメンと非常に多彩です。そのため、それぞれが多種多様な話題を持ち寄り、時間を忘れてしまうほど夢中で話し合っています。

 この秋学期は全部で下記の5講義を受講しています。
@The Structures and Application of ASL and English in the Classroom(教室でのアメリカ手話と英語の構成と応用)
AIntroduction to Research(研究入門)
BField Experience and Seminar: Deaf Education(フィールド体験とセミナー)
CTrends in Special Education(特別支援教育の動向)
DTeaching functional Curriculum to Deaf Students with Disabilities(ろう重複障害の生徒への機能的カリキュラムの指導)
 そのうち、今回は3つのクラスを紹介します。

@The Structures and Application of ASL and English in the Classroom(教室でのアメリカ手話と英語の構成と応用)
 この秋学期で一番やりがいを感じるクラスです。この講義を通してギャロデット大学の教育方針であるバイリンガルろう教育について学びたいと思い、受講しました。担当の先生は手話があまりにも堪能なのでろう者かと思っていたら、驚くことに聴者でした。いつも髪型をばっちり整え服装も決まっていて、かっこいい先生です。また、ポイントを押さえながら話してくれるので、ネイティブな環境に慣れていない私でも分かりやすかったです。グループに分かれてアメリカ手話と英語のそれぞれの言語分析を行います。

IMG-6142のコピー.jpg
 写真のように、ELAN(動画分析ツール)を使って、子どもや大人の手話一つ一つに様々な観点からの注釈を書き加えて、細かく分析するという作業です。3人グループでそれぞれ研究をしています。日本手話と日本語もそのように分析すると思うので、今のうちにそのスキルを身につけていきたいと思います。

AIntroduction to Research(研究入門)
 第12期生の西さんの2017年9月生活記録にも書いてありますが、毎回ある小テストが何はさておき本当に大変です。剰え15問中5問以上を間違えたら点数がもらえなくなるので、いつもヒヤヒヤさせられます。担当の先生は英語対応手話で話しますが、時々分からなくなったら一緒に受講しているろう学生にアメリカ手話で説明してくれるので、なんとか授業についていっているという感じです。自分の興味のあるテーマを決め、その文献を探し、文献レビューの練習をします。文献レビューとは、特定のテーマに関する研究論文などの著作物を評価しながらまとめることです。かなり難しそうですが、少しずつ学習していきます。

BField Experience and Seminar: Deaf Education(フィールド体験とセミナー)
 様々な学校を見学する講義です。ワシントンD.C.だけでなく、メリーランド州やバージニア州の学校にも見学することができるそうです。州によって学校システムが違うため、とても楽しみにしています。見学のない日には、担当の先生が出すテーマ(ろう教育関係)についてみっちり話し合いを行います。グループディスカッションでは他の何ものよりも私が情報弱者のため、「Again, please!(もう一回言ってください)」「What did you say?(なんて言ったの?)」「I can’t understand what you said.(何を言っているのか分かりません)」といつも授業中みんなに質問しています。

 残りの2つのクラスは次回報告します。なんとか頑張ります!
2018年9月生活記録【第13期生 山田茉侑】[2018年10月08日(Mon)]
みなさまこんにちは。
毎日のようにあるホームワークやプロジェクトを追いかけているうちに、あっという間に10月になりました。美しい街ボストンで太陽が照らし出す日々は、引っ越して数日で終わり、現在はどんより曇りの狭間にちょこっと青空が顔を覗かせる程度です。カリフォルニアのつき刺すような日差しが懐かしくなってきました。



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こちらは、Boston Public Libraryです。夜の授業まで予定がないときはここで本を開いで勉強しております。飲食禁止と、居眠りのできない雰囲気は集中して勉強するのに助かっております。

今回は、ボストン大学の情報保障と今学期に受講しているクラスについて紹介したいと思います。

◆情報保障について
ボストン大学では、手話通訳からPCテイク、ノート提供まで様々な形の情報保障を受けられます。今回驚いたのは、CDI(ろう者通訳)を受けられることです。CDIとは、ネイティブのASLユーザー、つまり手話通訳の資格を保有するろう者が、主にろう者や盲ろう者のために通訳することです(聴者や講演者のための通訳でもありますね)。
わたしはろうの留学生ということで、ネイティブのASL(アメリカ手話)やSEE(対応手話)へのアクセスに困難を伴います。なので、現在全ての授業に2人のCDIをつけてもらいました。
クラスで話されているASLの80-90%は読み取れるけど、理解の鍵になるその10-20%がどうしてもわからない・・・、その勝負の10-20%で授業全体がわかるかわからないかの分かれ道になる、そういうところを、スライドごとに、また先生の話が変わるごとに話のポイントとして通訳してもらっております。また、アメリカ人であればわかるような一般常識、例えば派手な建物の写真がスライドに表示されたときに、カジノの中でも有名な建物であることなど、情報を膨らませて通訳してもらっております。翻訳のような感じです。
ちなみに、友達全員には事情を話しており、全員がわかるような手話を意識していただいております。ただ、見えているはずなのに、見えていなかった取りこぼしの情報が常にあるので、そういう面でもCDIの存在は非常に助かっております。



◆受講しているクラスについて
現在は5つのクラス+ろう学校でのインターンを受けております。
1. Expressive/ Receptive Vocal Processes (聴覚障害と病理)
2. Elementary Mathematics 1 (初等科算数)
3. Instructional Strategies (指導戦略)
4. Psychology and the Deaf world (ろうと心理)
5. Language and the Deaf Child (ろう児童生徒と言語)
6. Internship (インターンシップ)

1. Expressive/ Receptive Vocal Processes (聴覚障害と病理)
こちらは、現役の言語聴覚士の方2名から毎週特別講演という形で授業を受けております。現場の話からはじまり、聴こえ方や手話の構成など幅広く扱っております。

2. Elementary Mathematics 1 (初等科算数)
こちらは、一般科目です。数学の概念の理解の一歩となる10進法を、4進法に置き換えて10進法のシステムを改めて考えたりしました。例えば、わたしたちは1・2・3・4・5・6・7・8・9・10・11・・・と数え、それが当たり前の中で生きております。では4進法だとどうでしょうか。1・2・3・10・11・12・13・20・・・ややこしいですね。脇道にそれそうなので、この話は省略します。この話のポイントは、10進法のようにシンプルに1〜10で表現する数え方であっても、子どもたちにとっては理解が難しい、ということです。それを大人でも混乱する4進法に置き換えて、子どもの気持ちになり、どうやって子どもに数を教えるのかを改めて考えました。
ちなみに、このクラスで面白いと思ったことがあります。
ホームサイナー(言語を持たず、家族間のみで通じるサインで会話をする人たち)のうち、数というものを知らない人は、数えることができるだろうか、という実験検証ビデオを見ました。

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紙には15匹のお魚がおります。一人の男性が一生懸命お魚を数えます・・・が、彼は「12」と答えるのでした。もしかしたら、お魚が不規則に並んでいるので、それが混乱の原因になったのではないか、という意見が出たので、もう一つ別のビデオを見ました。
その男性の手首に軽く指を「4回」叩きます。同じように4回叩き返すようにいうと、その男性は「7回」叩いたのです。
つまり、数の概念がないと、数えることが難しくなるということですね。
また、数というものは実は難しく、1〜100まで数えられる7歳ぐらいの子どもであっても、「数」と「全部でいくつあるのか」が結びついていないことも多いそうです。例えば、赤いブロック7個、青いブロック3個を合わせて「1・2・3・・・・9・10」と数えていたにもかかわらず、全部でいくつあったかを聞くと「12」「29」と答えるそうです。最後の数字が、全体の数になることと結びついていないのです。意外な盲点ですね。現在インターンで5歳児クラスを見ておりますが、そこでは今週から2〜50の数字のASLを教えはじめたばかりです。ろうの子どもに、どうやって数字と概念を結びつけて教えるのか、これからしっかり見てきたいと思います。


3. Instructional Strategies (指導戦略)
このクラスは、わたしの一番のお気に入りのクラスです。前月の記事で「ASLの音韻分析が英語獲得に役に立つ」というのを軽く取り上げましたが、なるほどその答えがわかりました。長くなってしまいますので、近いうちにこのトピックに焦点を当てて報告したいと思います。


4. Psychology and the Deaf world (ろうと心理)
心理学を様々な焦点から学んでおります。現在は、アイデンティティ形成について学んでおります。「The colorizer and colorized」という抑圧者と被抑圧者について取り上げている本や、「The mismeasure of man」という、一昔前頭蓋骨の大きさで人類の優劣を測り、白人が一番優れていると主張していた時代のことを取り上げた本(実は頭蓋骨の大きさを人為的に選択していたというオチ・・・)を読みながら、ろう者の抑圧状況とアイデンティティ形成について学んだばかりです。


5. Language and the Deaf Child (ろう児童生徒と言語)
この授業では、毎週2つの論文を読んで、その論文テーマに合ったプレゼンを交代で行っております。前週は、「Language deprivation(言語剥奪)」について話し合いました。ろう教育にとって、最大の課題は書き言葉の獲得ですね。では、なぜ「言語剥奪」というのか。ろうの子どもにとって最も自然にアクセスできる言語は、手話です。その手話で育てた場合、確実に第一言語を獲得できます。しかし、手話が第一言語ではない聞こえる親にとって、手話の環境を作り出すことは、とても難しいことです。そのため、英語の話し言葉だけで育て、その英語が十分子どもの中に入っていなかった場合(つまり、英語に十分アクセスできていなかった場合)、第一言語として英語どころか手話までも獲得することができなくなってしまいます。そして、手話を与えられないまま書き言葉も獲得できず、結果的に第一言語が脆弱になってしまうことを「言語剥奪」といいます。
ちなみに、第一言語が脆弱だと、第二言語の獲得も難しくなります。つまり、後になって手話を与えたとしても、手話をネイティブレベルのように獲得できるかどうかは怪しいということです。
先週は、「言語剥奪」の概念を作り出したろう者の医師であるHall先生とテレビ電話で繋がり、質問する機会をいただきました。基本的に、9歳までであれば第一言語を獲得できますが、5歳までの脳が言語獲得のピークになります。Hall先生は最初は話し言葉のみで育ったそうですが、なかなか英語が出てこないことを心配した両親が5歳になった頃にASLに切り替えたそうです。第一言語としてASLを獲得した後に、英語を第二言語として獲得し「言語剥奪」を逃れたとおっしゃっておりました。
ちなみに、対応手話で育てた場合「言語剥奪」を防げるかどうか質問しましたが、微妙なお返事をいただきました。なぜなら、対応手話は、日本語や英語に手話の単語を当てはめて表す”方法”(method)であって、そこにある言語は、手話ではなくあくまで日本語、英語だからです。
そして、話し言葉の英語、日本語を読み取ることはろう者にとってかなり難しいことです。たとえそこに、補助手段として手話の単語を当てはめて話をしたとしても、その単語から話し言葉を類推することはかなり頭を使います。
実は、日々SEE(英語の対応手話)が全くといって読み取れず、苦戦しています。対応手話が英語の勉強になるかと思いきや、内容の理解の時点でかなり怪しいものがあります。そういう面も考えると、小さい子どもたちが対応手話を十分に理解できるかどうかは怪しいと思います。
つまり、補助として手話単語を添えても、そもそもその話し言葉(英語、日本語)に十分アクセスできていなければ、第一言語としての獲得は難しくなります。大事なことは、「その言語に十分にアクセスできているかどうか」です。
ちなみに、アメリカに来てから手話で育ち英語の音韻を持たないながらも第二言語として高度なレベルの英語を獲得したたくさんの友人たちと出会ってきました。第一言語としてASLをしっかり獲得しているかどうかが一つのキーですね(あくまでも、一つのキーです。どうやって書き言葉に繋げるかは、これからの課題です。)


※対応手話と日本手話の違いについて
日本語「車がゆっくりとハンプの上を通り、右に曲がった」
これを対応手話(話し言葉としての日本語+手話単語)で表すと、「車/ゆっくり/走る ハンプ/上/通る 右/曲がる/た(完了)」話を区切ってわかりやすく表しても、思いつくだけで5〜10ほどの手話の単語が必要です。長すぎて結局何を言っていたのかを忘れてしまいますね。これを言語としての日本手話で表すと、一発で表現できます。詳しくはろう者に尋ねてみてください。
上の文章を日本語で聞いた場合、すんなりと意味がわかります。日本手話の表現もすんなり頭に入ると思います。しかし、対応手話になった途端、何を言いたいのかわからなくなってしまいます。
つまり、日本語と日本手話は全く違う言語であり、かつ対応手話は話し言葉としての日本語に手話単語を並べただけで、分かりやすくなっているのかどうかというと、そうでもないということです。


6. Internship (インターンシップ)
毎週月曜日に、The Leaning Center for the Deaf (https://www.tlcdeaf.org)で修行をさせていただいております。基本的に小〜高等部のクラスに配属する決まりになっているのですが、交渉したところ熱意を感じ取ってくださったのか5歳児クラスと、乳幼児教育相談に配属してもらうことができました。乳幼児教育相談のHome visit(家庭訪問)もぜひとおっしゃってくださり、来週から参加することになりました。
こちらの学校、ボストン大学の卒業生が多く働いておりますので、クラスで学んだことをみなさんうまく使っております。そのため、学校で理論を学び、その応用として現場で実践を見ることができている、と感じております。詳しくはInstructional Strategies (指導戦略)のクラスの紹介の時に合わせて報告したいと思います。


それでは、翌月にまたお会いしましょう。
2018年9月 生活記録 【第12期生 西 雄也】[2018年10月07日(Sun)]

9月中旬から、毎朝5時には起床し、8週間の実習(インターンシップ)が開始しました。実習先はワシントンDCから少し遠く、Marylnd School for the Deaf (メリーランドろう学校)を車で行き来しながら通っています。実習時間は三時間行い、昼には、ギャロデッド大学に戻り、クラスやクラスの為のプレゼンテーションの準備やレッスンプラン、レポート作成などの課題に追われるという、多忙な日々を過ごしています。そして、健康面や睡眠時間に問題がないよう、自己管理に気をつけたいと思います。

◆インターンシップ◆


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↑実習先のメリーランドろう学校

メリーランドろう学校の実習で配属された場所は、全て図工・美術クラスであり、4、5歳の幼稚部と小学部三年を中心に見学やアシスタントをし、何度かクラスで教鞭を執る担当をさせていただくことになります。また、1時間空き時間があるので、その時間は中学部のアートクラスを見学したり、2、3歳の早期教育(絵を書いたり、お遊戯をしたりするクラス)を見学することにしました。
そして、9月の図工・美術クラスの期間はほとんど、De'VIAやデフアートを題材に授業を行なっているので、アシスタントや見学をしつつも学ぶことができています。
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↑幼稚部と小学部のためのアート(図工・美術)クラス

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↑中・高のアートクラス

メリーランドろう学校は、バイリンガル教育(ASLと英語)を中心に行われており、アメリカ手話で指導やコミュニケーションを図るのはもちろんのことですが、第二言語としての英語をどのように身につけさせるかを、指導する様子を見学しました。
また、今月は、小学部の3クラスが合同でASL drama (ASL劇)を行う期間があり、自分も指導教員と一緒に見本を実演する立場として参加し、表情や体での表現の仕方を中心に児童たちと楽しみながら練習しました。
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↑ASL劇の指導場面
※許可いただいています。

前学期はモデルろう学校の高等部の見学のみでしたが、メリーランドろう学校の教育現場で実習を行う中で、更にアメリカの教育方法と日本の教育方法の違いを一層感じながら見学しています。個人的な感想ですが、例えば、日本の場合、児童・生徒たちが何かを行う時、教員の出す指示に従いながら、学び、行動する傾向があります。そして、アメリカのろう学校の場合、教員が指示を出す場面もありますが、指示を出す前にこれまでの自分(児童・生徒)自身の知識や想像力を活用し、「どう思うか、またはどうなっていると思うか」を問うような場面が比較的多いように感じます。
日本とアメリカの教育方法の良い面を吸収し、教えていけると良いなと思ったものです。

10月からは、自分が幼稚部か小学部にアートを指導する機会が何度かでてくるので指導案作りや教材の準備もすることになるので頑張って行きたいと思います。


◆クラス◆

Literacy Applications in ASL/English Bilingual classroom K-12
(K-12のバイリンガル[ASL /英語]教室でのリテラシー(読み書き)応用)

バイリンガルのセオリーを中心に、バイリンガル教育の様々な背景や課題について学んでいます。
すなわち、今回学んでいることは、前回の生活記録でも記載したように外国からアメリカへ移住してきた人達の第二言語(英語)獲得の問題点に対して必要な教育システムについてです。例えば、一人の生徒がメキシコで育ち、スペイン語はできるのですが、突然中学生からアメリカに移住したが英語がほとんどできない状態です。アメリカの学校側としては、英語ができないことは言語力が低いとすぐ判断するのは間違っているので、どのように成績や言語力を評価すると良いのか。更に第二言語である英語をどのように指導するのが良いのか、また、その生徒にとって良いカリキュラムは何が良いのかについて議論しました。
他にも、話し言葉と書き言葉、アメリカ手話と英語の関連性の違いについてです。すなわち、音声言語による話し言葉と書き言葉は同じ文節や文法などが合ったりします。しかし、アメリカ手話と書き言葉(英語)は音声言語と同じ文法でなかったりします。この内容に対して、第一言語がアメリカ手話であるならば、どのように書き言葉を指導するかについて議論しました。


K-12 Classroom-Based Assessment
(K-12教室の評価)

現在、評価法について様々な方法やタイプがあることについて学んでいます。例えば、メインストリームクラスに中に障害のある生徒がいる場合、障害の内容によって、学力や成績に差がある場合、どのように評価すると良いか。また、障害の内容によって成績のスコアに差が出た場合、障害のある生徒は単位取得や学問面で、不利な状況になります。
従って、障害のある生徒は障害のない生徒と同様に評価するとはまた違う方法で、どのように対応・指導すると良いかを考える必要があります。
これらの理論をもとに、もし、メインストリームクラスにろう者や難聴者がいた場合のケースも取り入れて、どのような配慮や評価法が必要なのかについて議論を深めながら学びました。


◆Deafopia Expo

9月上旬にDeafopia Expoがギャロデッド大学内で開催されました。開催場所は天候(当日は雨になりそうな予報)の影響なのか、ギャロデッドの駐車場内で開催するという、少し珍しい状態でした。
駐車場内には、ろう者関係の企業やアート、衣類、またいくつかの食べ物など様々なブースが置かれていました。友人と一緒にブースを回り、また映画に出ているろう者の女優さんと会って少しお話することができる機会があったり、アメリカで有名なろう者のコントを鑑賞することができました。

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↑Deafopia Expoにて
2018年9月生活記録 12期生 福島愛未[2018年10月01日(Mon)]
こんにちは、12期生の福島です。

ここワシントンDCでは、日本の梅雨のように雨の日が続いています。ごくたまーーーーーに晴れた時は、勉強の疲れも吹き飛ぶほどテンションが上がります。そして雨の影響で、気温もぐっと低くなってきました。

食欲の秋です!どこもかしこもハロウィンの装飾が!
日本とは異なって本格的な装飾が多いので、通りすがりに見るだけでもワクワクします。
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ギャローのすぐそばにあるUnion Marketでも入り口にハロウィンの飾り付けが。そっと触って見たら本物のかぼちゃでした、美味しそう〜。



◆Studies◆
◇Language Atitude
このクラスは直接DeafSpace Designとは関わりがないのですが、自分が毎日使う手話という言語についてもっと知りたいと思いこのクラスを選択しました。また授業内ではデータを取り扱うことが多く、これもDeafSpace Designを学ぶ際に役立つのではないかと思っています。

◇Disabilities Studies
これまで私は、ギャローでろう者学などろう者に関する学問を中心に取り組んでいましたが、建築を勉強するにあたって他の障害にも知るべきだと思い、今学期はDisabilities Studiesのクラスを取ることにしました。アメリカでは、ろう者は障害者ではないという風潮が強い傾向にあるので、ろうの大学で行われているDisabilites Studiesは一体どんな内容なんだろうと興味津々です。このクラスはろうの先生と聴者の先生が共同で授業を行なっています。先生方の専門も、人類学と歴史学という全く違っているので、アプローチの仕方も異なり、面白いです。9月は基本的に、歴史学の観点から障害学を学びました。

◇DeafSpace Design
待ちに待ったDeafSpace Designのクラスです!春学期にもDeafSpace Designのクラスを取ったのですが、マンツーマンのクラスだったので、他の学生も参加する今学期のDeafSpace Designのクラスを楽しみにしていました。ギャローには建築という専攻がないので、このクラスには、ろう者学専攻、手話通訳者専攻、手話通訳者、デザインオフィスで仕事をしている方など様々なジャンルの学生が集まっています。またろう者、難聴者、聴者、コーダなど異なるバックグラウンドを持っており、それがDeafSpace Designの見方にも影響しているので、自分では思いつかなかった意見を知ることができて勉強になります。

◇Independent Study
9月の半ばからようやくインターンシップが始まりました。これまで英語やASLで建築の専門用語を使う機会が少なかったので、新しい単語に出会い辞書を引く日々です。また、ベルギーから来た同じインターンシップ生と話をするのが楽しみで、続けることができています。

◆◆
9月24日はInternational Day of Sign Languageでした。手話に対する認識を高める国際的な日です。私が初めて手話を覚えた中学生の時には考えられない出来事でした。ここギャローでも、International Day of Sign Languageに関わる講演会がありました。
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様々なスピーカーがいたのですが、中でもWFD(World Federation of the Deaf)の役員であるJoseph J. Murrayによる講演が特に印象的でした。世界中にいる約7000万人のろう者のうち教育を受けることができるろう者・ろう児はたったの2%だそうで、この事実に驚愕しました。

また2%のうち、手話で教育を受けれるろう者・ろう児はごくわずかです。多くのろう者・ろう児が100%の情報を受け取ることができません。

自身の使う言語について改めて深く考えさせられた1日でした。
スクリーンショット 2018-09-27 午後6.31.42.png





学校が始まり、毎日4.5時に起きる日々が続き、その上雨…少しストレスが溜まっていましたが、夜家に帰るとホストマザーの美味しいご飯があり、ホストキッズの笑顔をみると癒されました。特にホストキッズの毎日新しいことができていく姿を見るたびに、嬉しくなります。10月はもう少し、勉強とインターンシップ、休憩のバランスが取れるよう時間のコントロールを意識していきたいと思います。

では皆さん、また来週きらきら