
2017年7月生活記録 第11期生 <牧谷陽平>[2017年07月30日(Sun)]
7月に入り暑くなるかと思ったものの,気温は20~28度で安定しており,13度になったり30度になったりする日も出てきたのですが,暑すぎず快適な日々を過ごす一方で,2つある夏学期のクラスも1つ終えるところです。たまに日本の友人と連絡を取るのですが,暑くて夜寝れないということを聞いて,こちらでの涼しい生活をかみしめながら,夜はぐっすりと暑さに苦しむことなく爆睡しています。日本の皆さんすみません。でも冬は厳冬ですので・・・
Special Education in the Social Context
6月から引き続きこのクラスを取っています。先生はこちらのペースに合わせてくれていて,本の内容が分からなくてもこちらが理解するまで例を挙げて,説明してくれます。このクラスは障害を4つの立場から考えており,それらは医学,社会,政治,文化の視点から見ています。6月の生活記録で紹介した本 “Stigma” の他に,Everyone Here Spoke Sign Language という本や,いくつかの記事を使ってクラスを進めました。
この Everyone・・・という本は,とある島の昔の話で,ヨーロッパからの訪問者が来たあとに,その島でろう者が増えていったのです。彼らがろうの遺伝子を持っていたため,ろうの子どもが生まれていき,島の中にろうがたくさん出てきたため,村じゅうの人々が手話で会話をしたのです。しかし,アメリカろう学校がコネチカット州にでき,村の中の人々同士でしか結婚しなかった文化が,村の外の人と結婚する文化に変わったことにより,ろう者が減っていき,今ではもはやその島にろう者はほんのわずかしかいなくなりました。その結果,手話がなくなってしまったのです。また,盲のことについて書かれた記事を読んだのですが,その中にある,とある言葉が印象深く残りました。そのことばは
“盲者は盲者で生まれてくるのではない。目が見えにくい人として生まれてきて,その後,出会っていく人や社会に直面して盲者になっていくのである”
かなり的を射ていた言葉でした。確かに,ろう者はろう者として生まれてくるのではなく,耳が聞こえにくい人として生まれてきて,その後の人生でその人が決まる,ということです。
今月は1つ目のクラスを終え,2つ目のクラスが始まりました。しかし先生の都合でなかなか先生に会えず,2つ目のクラスはどうやら,オンラインで課題を提出することが多くなりそうです。使う本は Cultural and Language Diversity and the Deaf Experience (文化・言語の多様性とろうの経験) です。
著者は Ira という人ですが,彼女はインド人で白人男性と結婚し,白人とインド人の文化の違いから,ろうについても言及したこの本を著したようです。中身は18章から成り立っているのですが,中にはMSSEのボスが書いたものや,去年Ohlone College でろうについていろいろ学んだ Thomas Holcomb 教授の書いたものまでありました。18章をすべて読めるはずがなく,先生が,学習するのにいい章を選んでくれました。昨年,このクラスを取ったクラスメイトによるとこの本はとてもいい本だと聞いたので,読むのが楽しみです。
<7月末にこんな気温になりました。。。ここでは梅雨の季節と初秋の季節が同時にやってきます>
Special Education in the Social Context
6月から引き続きこのクラスを取っています。先生はこちらのペースに合わせてくれていて,本の内容が分からなくてもこちらが理解するまで例を挙げて,説明してくれます。このクラスは障害を4つの立場から考えており,それらは医学,社会,政治,文化の視点から見ています。6月の生活記録で紹介した本 “Stigma” の他に,Everyone Here Spoke Sign Language という本や,いくつかの記事を使ってクラスを進めました。
<Everyone Here Spoke Sign Language の本>
この Everyone・・・という本は,とある島の昔の話で,ヨーロッパからの訪問者が来たあとに,その島でろう者が増えていったのです。彼らがろうの遺伝子を持っていたため,ろうの子どもが生まれていき,島の中にろうがたくさん出てきたため,村じゅうの人々が手話で会話をしたのです。しかし,アメリカろう学校がコネチカット州にでき,村の中の人々同士でしか結婚しなかった文化が,村の外の人と結婚する文化に変わったことにより,ろう者が減っていき,今ではもはやその島にろう者はほんのわずかしかいなくなりました。その結果,手話がなくなってしまったのです。また,盲のことについて書かれた記事を読んだのですが,その中にある,とある言葉が印象深く残りました。そのことばは
“盲者は盲者で生まれてくるのではない。目が見えにくい人として生まれてきて,その後,出会っていく人や社会に直面して盲者になっていくのである”
かなり的を射ていた言葉でした。確かに,ろう者はろう者として生まれてくるのではなく,耳が聞こえにくい人として生まれてきて,その後の人生でその人が決まる,ということです。
今月は1つ目のクラスを終え,2つ目のクラスが始まりました。しかし先生の都合でなかなか先生に会えず,2つ目のクラスはどうやら,オンラインで課題を提出することが多くなりそうです。使う本は Cultural and Language Diversity and the Deaf Experience (文化・言語の多様性とろうの経験) です。
<文化・言語の多様性とろうの経験の本
表紙の青は何を意味しているのでしょうか>
表紙の青は何を意味しているのでしょうか>
著者は Ira という人ですが,彼女はインド人で白人男性と結婚し,白人とインド人の文化の違いから,ろうについても言及したこの本を著したようです。中身は18章から成り立っているのですが,中にはMSSEのボスが書いたものや,去年Ohlone College でろうについていろいろ学んだ Thomas Holcomb 教授の書いたものまでありました。18章をすべて読めるはずがなく,先生が,学習するのにいい章を選んでくれました。昨年,このクラスを取ったクラスメイトによるとこの本はとてもいい本だと聞いたので,読むのが楽しみです。
<7月末に大学内の林に行きました。涼しかったのですが,
蚊がたくさんいてゆっくりできませんでした>
蚊がたくさんいてゆっくりできませんでした>
◆今回のひとこと◆
7月に入って,NTIDでExplore Your Future (あなたの未来を探検) というイベントが開催されました。アメリカにいるろう・難聴の中学生・高校生がNTIDに来て,いくつかのクラスを受けたり,他のろう・難聴の子と関わっていき,NTIDが自分に合っているか,また,自分に合う学科は何か,を探していくプログラムです。このプログラムのとあるスタッフが私に言ってきたことばが,ちょっと気になりました: 「人工内耳をした数人の生徒のグループが,手話を使わず口話で話をしているんだよね。」 NTIDはろう文化やろうの言語を大事にしていく場所であるが,そこに口話しか使わない難聴者が入ってくると,ろう文化がどんどん押されていってしまうのです・・・。口話しか今まで使ってきていない人はNTIDで手話言語を学んでいって,ろうとのかかわりを増やして,ろうのことを知る必要がある,と感じました。