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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2017年2月生活記録 第10期生 山本綾乃[2017年02月27日(Mon)]


今年のワシントンDCは驚くほど暖冬です。
雪が全く降らず、とても暖かく、桜が春を待ちきれんとばかりに顔を覗かせています。
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(先月の生活記録で少し触れたチューターでお世話になっている友達が、この写真を送ってくれました。プライベートでも仲良くなれて嬉しいです)

今月は二つの講義についてお話しします。
1、EDU 711: Literacy Applications in ASL/English Bilingual Classrooms K-12
これは留学生のために、教授からゆっくり丁寧な説明が受けられるよう設けられた特別な講義です。このスタイルの講義こそ、入学後すぐに欲しかったと思うほど、とても理解しやすいです。

 以下の図は、言語獲得の流れを説明しています。
Screenshot 2017-02-23 14.59.39.png

通常は英語(日本語)かアメリカ手話(日本手話)のどちらかの話し言語を先に学び、2年から5年後に学習言語を学びます。これはちょうど小学校就学時と重なりますね。その後、第二言語を学びます。第二言語の学習言語を身につけるには、更に最低7年から10年は必要となります。
理想的な言語獲得の流れは、青の矢印です。つまり生まれた直後から英語とアメリカ手話(日本語と日本手話)両方の話し言葉を同時に習得し始めれば、小学校就学時には学習言語も自然に身につけられ、同時に使い分けることができるようになるという意味です。

2、EDU 731: Home, School, and Community for Diverse Learners
スリランカ出身の男性が来訪され、自身のアメリカでの経験について話してくださいました。彼はろう者、奥さんや子ども二人も全員ろう者です。
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(学長と会談する家族:ギャロデット大学のホームページより)

彼はギャロデット大学の存在を知らないまま、とにかく英語の勉強が必要でアメリカへ。空港の職員から聞き初めて知ったとのこと。一年間家族と離れて暮らし、一緒に住めるようになるまでの大変な過程などを聞きました。現在彼の子どもたちはケンダル聾学校の小学部に楽しく通っていますが、子どもたちの希望があれば、いずれ自国スリランカへ帰国することも視野に入れているそうです。
課題の中に、事例研究というものがあります。これは様々な子どもたちの実例をもとに適切な対応方法を分析するものです。今までに宗教、文化、LGBTなどの課題を持った実例が出されました。日本にも外国人児童生徒が在籍しています。LGBTの子どもたちも密かに在籍していると思いますが、未だカミングアウトが難しい状況です。例えば、アメリカの高校には”GSA”というLGBTの生徒のためのクラブがあり、彼らのコミュニティを大切にしているそうです。彼らの実態把握やさまざまな課題への理解を深めることは、学校運営をしていく上で大切であることからこの講義はとても勉強になります。


○修論
IFSP(個別家族支援計画)会議に参加しました。この日はIFSPからIEPへ移行する話し合いでした。
まずIFSPとIEPの違いを簡単に説明します。法に基づいて行う基本的な考えは同じですが、IFSPは誕生後から3歳までの児童が対象で半年ごとに会議を開き、家族のニーズをどんどん取り入れます。一方IEPは3歳から高校卒業時までの期間において年一回開かれ、子供のニーズに着目し必要な能力を伸ばすことを目的としています。
当日集まったのは、担任の先生、学部の先生、言語聴覚士二人、両親で一時間ほど話し合いをしました。内容は IEPの説明、対象児の実態、家族の背景、補聴器、通学方法でした。
この会議には”みんなで共有する、見える学校”がそこにあり、効果的な教育を進めるいい機会となります。緊急用のテレビ電話やメール、連絡帳よりも具体的・現実的であり、改めて会議の必要性を実感しました。
 
○放課後プログラム
この活動にもすっかり慣れて来ました。
毎週火曜日は外部からスポーツインストラクターが来て、子供たちにサッカーやラクロス、野球等を指導してくれます。
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(遊んだり、おやつを食べたり、保護者のお迎えを待ったりする場所)
子どもたちの人気な遊びは何と言ってもUNO(ウノ)。これは世界共通の遊びなんですね!

現場は様々なハプニングが起きると言いますが、まさにその通り。
泣いたり、お漏らししたり、鼻血が出たり、力加減が調整できずお友達に迷惑をかけてしまったり。子どもへの迅速な対応はもちろん、スタッフ同士のコミニュニケーションも必要不可欠です。はじめはアメリカ人スタッフの素早いASLの読み取りに戸惑いましたが、だいぶ慣れて来ました。子どもたちの名前も覚え、たくさんのコミュニケーションをし、私自身も活動を楽しんでいます。
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(廊下には様々なスタッフのサインネーム付き顔写真と簡単な紹介の紙が貼られています)
2017年2月生活記録 第9期生 瀧澤泉[2017年02月26日(Sun)]

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安倍昭恵夫人のフェイスブックから


2月10日(土)に安倍総理夫人である安倍昭恵さんがギャロデット大学に来訪し、20~30分程度に招待された6人と面談する機会を頂きました。昭恵さん本人と会って、短い時間でしたが、日本の身体障がいを持つ人たちを支援したいという気持ちを持ち、自然と平和を考えている方だなと感じました。

その日は日米首脳会談がありました。そのため、安倍昭恵夫人とメラニア・トランプ米大統領夫人はワシントンDC近郊の幾つかのところを訪問したそうです。

詳しくはそちらの記事から
PM of Japan's Wife Mrs. Akie Abe Visits Gallaudet Univeristy
https://www.dailymoth.com/single-post/2017/02/15/PM-of-Japans-Wife-Mrs-Akie-Abe-Visits-Gallaudet-Univeristy

2月に入ってから、絵本や身体障がいを持つ人たちのためのプロジェクトの準備が入りました。そのため、研究倫理審査委員会(Institutional Review Board---IRB)を受からないといけないので今懸命に受かるまで頑張ります。

2月16日(木)に教授と私が「Deaf Leadership in International Development (国際開発におけるデフリーダー)」のワークショップを実践しました。ギャロデット大学国際開発学部或いは他の学部から卒業生の方や他の大学の卒業生たちが幾つかの団体に働いており、以前と比べて増えてきています。パネリスト(議論に参加して討論する人のこと)七人、聾/難聴者たちが経験話や質問応答する形でギャロデット大学の学生や教師たちとデフリーダーとして何が重要なのかを奥深く議論し合いました。   
宣伝するためにフライヤー作成や動画でイベントについてアピールするなど懸命に準備しましたが、非常に残念ながら緊急で司会をやるべきだった私が行けずに…代わりの方と教授にやって頂き、無事に終えることができました。
その場にいなかったのですが、友人にお願いしてFaceTimeを通して最後の少しまでに見ることができました。司会、団体の職員たち、参加者たちからのエネルギーに溢れた素敵なパネルディスカッションでした。成功できて嬉しかったです!次回も新しい企画がどんどんくるのでその時は是非とも頑張っていきたい!

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2月16日(木)の様子
内容の詳細は後ほどに載せます。


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★ルナーニューイヤー★
もともとAPIAでお世話になった元委員会の人たちと★


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快晴な日々が続き、春が近づいてきた感じでした。
小さい子供が飛行機を追いかけてました。


それでは3月に会いましょう。
留学生活記録 第11期生 <牧谷陽平>[2017年02月25日(Sat)]
Rochester は今冬,2月に雪がほとんど降らず,春のような季節でした。雪が降るといっても1日中降って積もって,次の日には晴れて雪は解けてなくなってしまうことなんか4~5回ほどありました。異常気象ですね…

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2月頭に,スケートのフェスティバルがありました。大学生でにぎわっていたのですが,スケート靴が限られていて靴をゲットするのにかなりの時間を費やしました。ここでも盗難が起きました


さて,今回は月曜と火曜のクラスの紹介をします。

月曜日 ASL Instructional Delivery
私のお気に入りのクラスです。クラスでASLをどう使うかのクラスです。もっというと,ASL探究といったところです。このクラスのルールは,2つあり,次のものが禁止されています:
1. 指文字 (人名などは構わないが,クラス内で使う単語は指文字禁止)
2. 指文字を取り入れた手話 (環境という手話を,左手親指を立てて,右手はカの指文字で左手を囲む手話など)

1回目のクラスでは,Literacy (リテラシー) とは何か,から始めていきました。リテラシーとは何か,を議論してそれを頭に入れて1学期間,学習していくとのことでした。
先生によると,ASLは英語に依存している部分が多いとのことでした。確かに私は英語があまりできません。なので,アメリカに来て指文字を見るたびにイラッとするのは,そのせいなのかもしれません。日本は手話を30 ~ 40ぐらい表現したら指文字が1つ出てくるのですが,アメリカは8~10ぐらい表現すると必ずと言っていいぐらい,出ます。先生はこれを問題視し,教科内で使う単語を手話で表していこうとのことでした。たとえば,生物では眼球の周りにある筋肉4つの名称から始まり,脳への信号を伝えるメカニズムを説明した3分の動画を見て,“単語” はいくつ出てきたか?を話し合いました。

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登下校中に雪の上を歩くのは楽しいですが,もっと楽しいのは動物の足跡を見てどんな動物か予想することです。リスだったり犬だったりするのですが,鹿の足跡まであります

火曜日 Foundations of Educational Research
統計学のクラスです。大学院に行くと,アンケートを取ってその結果を集計するのですが,その集計の仕方や,結果の出し方を学ぶクラスです。私は数学が専門なのですが,このクラス…さっぱりわかりません…。先生の説明がとても複雑すぎて,私をはじめ,他のクラスメイト達はみんな統計において初心者です。基本の “き” を 知っているかどうかのレベルです。先生がパワーポイントを使って説明しているのですが,1スライドの中の,たった1段落で私がどんどん質問してそれに誘発されたクラスメイトも先生を質問攻めにして,この1段落だけで90分も費やしてしまいました。これからどうなるか,クラスメイトの皆も先生にわからない,わからない,例を出してほしい,と理解しようと頑張っています。

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自分たちの部屋から見える,真っ白な平原。朝はクラスがないので,映画を見て英語を勉強するときにはこの白銀の世界も癒してくれます

Language Acquisition Learning
1月の生活記録でも報告しましたが,実はあの後,大学側で事情があり先生が変更になりました。先生が変わったので,宿題やクラスの内容も変更になったのですが,一番大きいのは宿題が変わったことです。前の先生は学期末のレポートを一人10冊読んで,15ページのレポートだったのですが,新しい先生は “これは量が多すぎる” と言って,4人1組のグループワークにし,本の量も一人2冊にまで,1グループで15ページという量に減らしてくれました。クラスメイト全員喜んでいました (笑) 変更後の先生はとても説明が分かりやすく,核をついていて頭にスポスポ入ってきます。

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担当の教授の変更後のクラス。雰囲気もやわらかくなりました

◆今回のひとこと◆
アメリカ人の運転はとても荒いです。例えば信号が赤に変わると急ブレーキになり,信号が青になるとアクセル全開する人が多いです。さらには,カーブのときはスピードを落とさず,そのままカーブするので,力を入れておきます。ひどいのは買い物のときです。袋いっぱいに詰めた食糧が,このカーブでトランク内に散ります…。友人にゆっくり曲がって,と言ってそのときはゆっくりしてくれるのですが,しばらく日が経つと忘れてしまって,また同じことの繰り返しになってしまいますね…
2017年2月生活記録 第11期生 山本芙由美[2017年02月20日(Mon)]
学期がスタートして1ヶ月過ぎました。ここワシントンDCでは日々の気温差が激しく雪が降り始めたと思ったらすぐ快晴で、不思議な感じです。

さて、本来、1月の生活記録で報告すべきことなのですが、1月20日〜22日までの3日間、フィラデルフィアで開催された全米のLGBTQ関係者が集まる大きな会議 Creating Change Conference 2017(主催;LGBTQ Force Task)に参加してきました。
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Creating Change ConferenceのHP https://www.creatingchange.org

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(会議のプログラムブック全155ページ、多くの企業からのサポートが目立っていました)

この会議は全5日間でワークッショップが250超、参加者が4000人超、というように全米で一番大きな会議といわれています。今年で29回目だそうですが、全米からLGBTQ当事者、アクティビスト、研究者、団体組織関係者などが集まって、LGBTQに関連した多様なプレゼンテーション、ワークショップを実施します。
ワークショップは、それぞれ初級、中級、上級、だれでも参加可能の4つのレベルに分かれていて、選ぶのに大変迷いましたが、日本でも活用できそうな内容を優先して選びました。ろうLGBTQからも何人かが発表されていました。

私が参加したワークショップは以下の通りです。

「Closing the Gaps; HIV prevention With the Deaf communities」
(ギャップを無くそう;ろうコミュニティーとHIV予防)
「What’s It take? Living and Loving in Long term Relationships」
(長期的なパートナー関係を築くためにはどうやって?)
「Hanging Out & Hooking Up in Trans* Communities」
(トランスコミュニティーで何かやろうよ)
「Low Spoons*, Full Heart: Navigating Relationships with Chronic Illness/ Disability」
(少量のスプーン、フルハート:慢性疾患/障害とナビゲートの関係)
「Inclusive Movement Building: Deaf LGBTQ Solidarity」
(建設的な運動を含むために:ろうLGBTQの連帯)
「But I am Queer! What does Disability Have to Do With it?」
(でも、私はクイアです! 障害を何とかしなくちゃいけない?)
「We Define Family! Stories of Alternative Family Models」
(私たちの家族定義!代替ファミリーモデルのストーリー)
「Two spirits, One Heart」
(二つの精神、一つのハート)

タイトルから分かるように、どれも大変興味深いワークショップでした。

NQAPIA(The National Queer Asian Pacific Islander Alliance)というアジア系の集まりにも参加しました。そこで、Marsha Aizumiさんとお会いしました。彼女は日系アメリカ人でトランスジェンダーの子どもを持つ母親です。彼女はアジア系アメリカ人のLGBTQ親の会で活動していて、興味深いメッセージ動画を発信しています。また、彼女はトランスジェンダーの子どもとの経験を通して書いた本を出版しています。

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(Aiden Takeo AizumiさんとMarsha Aizumiさん)
https://www.youtube.com/watch?v=JZ-2mnp0s94
(Marshaさんへのメッセージ動画、日本語字幕あり)

また、ろうトランスジェンダー活動家のひとり、Drago Renteria氏(生活記録2016年6月号参照)もサンフランシスコから参加され、「今すぐサンフランシスコに戻ってきてくれ!」などと嬉しい言葉をかけてくださり、約8ヶ月ぶりの感慨深い再会を果たすことができました。

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(子ども向けの多様な性を題材とした絵本もたくさん売られていました)

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トイレも一般的な「All Gender Restroom」ではなく、「Gender Inclusive Restroom」と表示されていました。一つの単語が違うだけで、トイレの概念自体も大きく変わってしまうものなんだなと感じました。切り抜かれた”Inclusive”を貼り付けているところがシンプルでかっこいいと思いました。
私自身、大学のクラスの関係で、3日間しか参加できませんでしたが、ろうLGBTQに対する情報保障がきっちりと用意されていて、ろうの参加者1名に対して2名のASL通訳者が付いて一緒に回るスタイルでした。途中で他のワークショップに変えることも可能です。私自身のこれまでの経験で、一度決めたら、ずっとその場所にいなければならないという拘束スタイルが多かったので、とても自由で新鮮でした。

大会のための情報保障で精力的に動いてくださったTamarさんは聴者でギャロデット大学院の通訳学部を卒業された方でした。日本ではLGBTQ関連の大会でなかなか情報保障がなされていないところが多いので、彼女のコーディネートの方法には参考になりました。

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(ろうLGBTQのためのアクセシビリティールーム、ここで通訳内容などのフィードバックや、待ち合わせ場所として使われるなど多機能でした)

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(プログラムブックの拡大文字版も用意されていました)

大会終了後、ろうLGBTQ当事者たちとASL通訳者を囲んでの反省会というものに参加しましたが、とても活発なフィードバックがなされていました。一番印象に残ったのは、参加者の一人が、Color(有色)で同じColorの人を通訳者として付いてほしいという意見でした。また同じセクシャリティーの通訳者も付いてほしいという意見もありました。アメリカではインターセクショナリティーが重要視されていて、気持ちよく通訳を受けたい!という権利がはっきり主張されていました。
大会全体が一方的なものではなく、多様な立場の人たちと一緒に作り上げていこうという雰囲気があって、とてもエンパワメントを感じました。
今大会の反省点として、白人の通訳者が圧倒的に多かったので、Color+LGBTQの通訳者を増やしていこうということになりました。来年はワシントンDCで開催されます、最後に皆さんと大きなハグを交わしながらバイバイしました。

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(ろうLGBTQA当事者、ろうLGBTQアクティビスト、ASL通訳者たちと)


て、春学期で履修しているクラスは以下の通りです。

【DST 101】Introduction to Deaf Studies (ろう者学入門)
ろう者学部のクラスです。「ろう」や手話が人間の多様性においてどのような側面から不可欠なのかを学ぶクラスです。社会的、文化的、時間的な視点から、ろう社会がどのように変化、そして多様性に対応してきたかを理解することが可能となります。

【DST 301】Dynamics of Oppression(抑圧の動力学)
ろう者学部のクラスです。様々な文化やコミュニティーにおいて、様々な形の「抑圧」について学びます。また、ろうコミュニティー内での「抑圧」についても検証、議論をするクラスです。これらの「抑圧」には、Raisism(人種差別)、Sexism(性差別)、Heterosism(異性愛主義)、有能主義、Agesism(年齢主義)、自言語自文化主義、聴覚口話主義などがあります。また「抑圧」の構造について理解し、識別するためのトレーニングも受ける予定です。

【DST 401】Black Deaf People’s Studies(黒人ろう者学)
これもろう者学部のクラスです。アメリカ黒人ろう者の歴史、教育、文化、コミュニティー、言語、心理的社会的な動きについて焦点を当てています。このクラスを受け持っているキャロライン先生自身も黒人で、黒人ろうコミュニティーで使われているASLについて専門的に研究していて、それらに関する本を出版しています。黒人ASLが一般的なASLとどう異なっているのかを学び、ろうLGBTQコミュニティーで使われている独特な手話単語を分析するための手立てとして学ぶことができるかもしれません。

【SWK 495】LGBT Studies(LGBT学)
ソーシャルワーク学部で初めて立ち上げられたLGBTQを専門的に学ぶクラスです。LGBTQに関連した書籍や文学、記事、映画、ワークショップを通して彼らの文化やコミュニティーについて学びます。また、多くのろう/聴者LGBTアクティビストや研究者たちをゲストスピーカーとして招き、お話が聞けるのも、このクラスの魅力です。LGBTQそれぞれの個人的経験も共有しながら、インターセクショナリティー(交差)理解に向けて取り組みます。Human Sexuality training programも組み入られていて、それぞれのスキルアップを目指すことができます。

【GSR 230】Human Sexuality Research in Deaf Community(ろうコミュニティにおける人間のセクシャリティー研究)
さまざまなセクシャリティー研究方法論を学びながら、ろうコミュニティーにおけるセクシャリティーについて研究するクラスです。研究にはろう者/難聴者の性自認や性指向について、ろうLGBTQに関する文献分析、ろう者への性教育、ろうコミュニティーにおける性への肯定的なアプローチ、ろうコミュニティーにおける性暴力/性的虐待、性への健康問題などがあります。毎週土曜日、午後1時から5時までの長時間クラスですが、LGBTQ当事者のろう学生が多く、それぞれが関心を寄せるトピックは様々で、いつも熱い議論が交わされています。現在、セクシャリティーに関する研究のIV(独立因子)DV(依存因子)の分析について学んでいます。リサーチの方法は多種多様ですが「Deaf friendly reserch」は大変参考になっています。

それでは、また。
第10回留学生帰国報告会、開催[2017年02月13日(Mon)]
第10回留学奨学生帰国報告会、開催

去る1月7日(土)、4名の帰国奨学生による報告会を実施しました。
当日は、100名を超える参加者が集まりました。
朝10時開会から午後4時半まで、報告に、交流会にと盛りだくさんの内容となりました。

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後方にいても手話や資料が見えるように、会場には6つのモニターを設置

帰国報告@川俣郁美(第5期生)
「障害者の、障害者による、障害者のための国際開発」
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帰国報告A川口聖(第7期生)
「言語学って何だろう?」
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帰国報告B中川美幸(第7期生) 
「米国のろう教育〜手話による言語習得のアプローチ」
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帰国報告C福田桂(第9期生)
「盲ろう(ろう盲)当事者主体のコミュニティの形成づくり」
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左が福田奨学生(右は通訳介助を担当した川俣奨学生)

●奨学生パワー!
今回も同窓会が中心となり、企画を進めてくれました。
参加者、情報保障者と会場内に多くの人が集まった会場内でしたが、手際よく誘導し、混乱もなく、滞りなく終えることが出来ました。さすがのチームワークです。
お疲れさま&協力、ありがとうございました。

最後はやっぱりお決まりの日本財団の手話で締めくくり
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(左から)
(後列)川上4期生、武田4期生、太田1期生、岡田3期生、橋本13期生
(中列)福田9期生、ナヴォア(福永)4期生、管野3期生
(前列)川口7期生、中川7期生、川俣5期生、山田13期生

参加してくださったみなさま、ありがとうございました
今後とも、ご支援のほど、よろしくお願いします。


事業担当:根本
Posted by 事業担当者 根本和江 at 18:51 | 事業担当者よりお知らせ | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
【自己紹介】 13期生 山田茉侑[2017年02月07日(Tue)]



こんにちは。
13期生の山田茉侑と申します。

将来は、ろう学校の乳幼児教育相談の先生になりたいと思っております。

日本では、ろう学校と産科の連携が十分ではない県もあり、親が動かないとろう学校にたどり着きにくい状況にあります。さらに、乳幼児教育相談で働いているろうの先生も少ないです。
一方、アメリカでは、聴覚障害が発見されたときから親支援が始まるまでのシステムが整っており、乳幼児教育相談で働くろうの先生も多いです。

なので、アメリカに留学したら、乳幼児教育相談で実際に働いているろう者と関わりながら、親支援やシステムについてたくさんのことを学びたいと思っております。

皆さま、今後も応援、ご協力のほど、どうぞよろしくお願い致します。
【自己紹介】 第13期生 橋本重人[2017年02月06日(Mon)]


こんにちは。第13期生の橋本重人です。

発達障害を併せ持つろう児のサポート方法を学ぶことが今回の留学の目的となります。

私の10年間という、ろう学校教員の経験を通して、今まで関わってきたろう児の中には、聴覚障害だけではなく発達障害を併せ持つ児童たちとも出会いました。彼らからは、よく「自分はできないんだ」「頑張っても無理」という諦念の声が聞かれます。友達や周囲の人との関わりに戸惑いを感じたり、どのように学習を進めていけば良いのかが分からずに、自信を失うケースが少なくありません。

アメリカでは、発達障害の対応方法や教育についての研究が多々なされていると聞きます。そうした環境の中で、発達障害を併せ持つろう児やその保護者のサポート方法を学び、ろう教員としてのより良い技術を習得し、日本に帰ったらアメリカでの経験を生かすことができるよう研鑽していきたいと思います。

今後とも応援・ご協力よろしくお願いいたします。
2017年1月 生活記録 【第12期生 西 雄也】[2017年02月06日(Mon)]

冬休みが1月23日に終わり、ここフリーモントでは、まだ冬なのに朝晩は約10℃〜15℃の寒さであり、昼間は春のように暖かい時があるので、日本とのギャップを感じています。

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↑現在のオーロニ大学(たくさんの緑がみられます。)


◆オーロニ大学の通訳者事情
春学期は英語のメインストリームクラスを一つ受講することにしました。そこで手話通訳者が2名配属され、ノートテイクが1名(学生の中からノートテイクをしてくれる人を選ぶ)付くという形で授業を受けています。ここオーロニ大学の手話通訳者は外部へ依頼するのではなく、学内に手話通訳者のオフィスが設置しているため、学内にある書類の手続きやヘルスセンターへ行く時にわざわざ、外部へ連絡しなくても直接オフィスへ行くと迅速に依頼できます(全員常時在籍するわけではないので、必ずとは言えませんが比較的手配はしやすいです)。オフィスに在籍している通訳者はパートタイムで在籍している者も居るため、合わせて約10〜20名の通訳者が在籍しています。そして、何人かの通訳者にあたったことがあるのですが、通訳者によってステータスが様々であり、重要なクラスでは誰が読み取りやすいか、通訳が適切であるかの相性が大切だと思っています。


◆TOEFL試験のハプニング
先月の生活記録で述べたように冬休み中にTOEFLの試験を受けました。進学に向けてTOEFL試験の準備を着々と進めていたのですが、運悪く色々なハプニングに見舞われてしまいました。TOEFLの準備や申し込みを終えた後、配慮事項(通訳者、時間延長、リスニングとスピーキングの免除)については約三ヶ月かかるので、日程が近づいた時に配慮事項についての準備ができているかどうかの確認を取りました。しかし、準備するためにまだ時間を要すると返事が返ってきたので待つことにしました。そして、約束の日になっても一向に連絡が来ないのでカウンセラーと一緒に確認の電話を入れましたが、まだ確認中なので一週間待ってほしいと言われました。これが二回繰り返され、更にテスト希望の日が近づいていたので、焦りを感じ、進学のために冬休み中に受ける必要があると強く促しました。しかし、準備が終えていた時にはすでに受験を希望していたサンフランシスコとサンノゼの会場がどの日も会場が一杯になってしまった(以前会場確保について心配だった為電話を入れた時は問題ありませんという返事でした)という問題に出くわしました。この問題について問い合わせたところ、どうしようもないという対応をされたので面食らってしまったが、冬休み中に終える必要があるので、少し遠くの場所にあるロサンゼルスについても問い合わせがそこも一杯。どうしても冬休み中に受ける必要があるのでカリフォルニア内で受け入れることができるところを探してもらったところ(カリフォルニアを外れたところは受けられない)、サンディエゴの会場が空いてるということなのでそこまでテストを受けに行く羽目になってしまいました。そして、急いで航空券や宿泊の手配をし、当日サンディエゴの会場へ行ったのだが、事前に電話で配慮事項等の確認をし、受付でも確認を済ませたのだが、試験が始まると時間延長の配慮がきちんと出来ていないという問題に直面し、唖然となってしまいました(TOEFL-IBTなのでPCで試験を受けるというシステム)。その後、会場の担当者と口論になってしまい、担当者からETS担当の方へ電話してもらいましたが、どうしようもないということになり、そのまま不完全燃焼なままテストを続けることになってしまいました。その後カウンセラーと一緒にこの問題に対する改善策を図っているところです。色々ヘルプを頂いている人達に感謝です。
そして、今回のことやこれまでのことで、ADA法によってつくられた様々なシステム自体は素晴らしいのですが、アメリカの仕事に対する姿勢の一片を垣間見せられたものです。

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↑サンディエゴのTOEFL試験会場

現在、トランプ大統領による政策から、様々な場所でデモが生じたり、留学生やアメリカに在籍している異国から来た人たちの不安や混乱が生じています。
今後、良い方向へ進むことを祈って、引き続き春学期も前向きに頑張っていきます。


2017年1月生活記録 12期生 福島愛未[2017年02月03日(Fri)]
こんにちは、12期生の福島です。

長い旅行から帰宅したあとのFremontは雨が続いていました。ホームステイ先の家族や友人によると、近年のカルフォルニア州はほとんど雨が降らなかったそうでこのように連続雨が降るのは珍しいそうです。恵みの雨と言われている反面、土砂崩れなどの災害も起こっているそうで通行止めにより通勤や通学に支障を来している場面もあるそうです。とはいえ、連日の雨のおかげでFremontではグリーン色が映えたきれいな景色を見る事が出来ます。


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■□Studies■□
1月23日に長い冬休みが終わり、ようやく春学期が始まりました。
春学期に履修するクラスは下記の通りです。

■162 Reading
このクラスではReadingの力を伸ばすこと、アカデミックな語彙力を伸ばすことを中心に授業が進められます。秋学期と異なり、このクラスは聴者のクラスです。そのため渡米後初めて手話通訳を付けたクラスなので不安と好奇心でいっぱいです。日常生活では友人との会話に支障はないレベルまでASLを身につけることができましたが、聴者クラスとなると話すスピードも早いため自然とASLも早くなり、毎クラスごとに新しいASLを学んでいます。今年度の大学院に進学後、聴者クラスを取る可能性が高いので春学期でこのような環境に慣れていこうと思っています。


■151B Writing
秋学期よりもさらにWritingのレベルを上げるためにこのクラスを履修しました。162 Readingと同様にこのクラスも聴者クラスです。教授の話し方がとても早いため、ASLも今までにない早さです!読み取るだけで精一杯なのでまだ理解に繋げることが難しく、その上ろう学生が私一人なのでこのクラスは春学期一番苦労しそうな予感がします。秋学期のWritingは1週間に30ページ程度の本を読み進めた上でエッセイを書くという流れだったのですが、このクラスではクラスに参加するまえに動画と本を読んだ上でクラス内でディスカッションを行い、その結果と自分の考えを書いていくというスタンスのようです。クラス内では積極的な発言が求められるために、予習を怠っているとすぐに置いていかれそうです。


■189B Reading
このクラスは秋学期Readingの引き続きです。受講生は全員ろう者で教授も手話を用いて授業が勧められます。秋学期、このクラスを担当していた先生が本を書くために春学期のみ休むそうで代わりの先生がクラスを担当してくださっています。この先生も教え方が丁寧で且つ学生の表情をよく観察しているため、わからない表情をしている学生がいればさらに詳しく解説するなど理解度を高めるための工夫がみられます。Readingは私にとってもっとも苦手な分野なので春学期でできるだけ克服したいと考えています。



■312 Linguistics of ASL
このクラスはASLを言語学の観点から学びます。このクラスはまだ1度しか出席していないため詳細は来月!



■□
1月は留学生活約6ヶ月の中でも最も悲しい月になりました。なぜなら…春学期が始まる少し前に交通事故に遭ったからからです。幸運なことに命に別状はなかったのですが、右足の甲を骨折してしまいました。骨折した箇所が不運にも治りにくい場所で急遽手術することになり、心配した母が日本から駆けつけてくれ、1週間ほど滞在し助けてくれました。異国にたった一人で駆けつけてくれた母には頭があがりません。完治するまでには2~3ヶ月かかるそうで、しばらく不便な生活が続きそうです。



米国で交通事故に遭うという非常に珍しい体験をしたので、いくつか学んだことを報告します。人生で初めて交通事故に遭ったのはもちろんですが、救急車にのったのも、手術を受けたのもすべてのことが初めてだらけで不安がとても大きかったのですが、それを緩和してくれたのがVRIと手話通訳の存在です。

交通事故に遭った後、救急車で救急外来 に運ばれました。そこでお医者さんや警察の方と話す際、英語が話せないので筆談をすることになりましたが、事故のショックでいつも以上に英語の筆談が難しく感じました。そこでVRIと呼ばれるテレビ電話による手話通訳のおかげでスムーズに話し合いを進めることができました。
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手話通訳を呼ぶと到着までに時間がかかるデメリットをVRIが補ってくれます。機械の操作も単純で、すぐに通訳を始めることができるのが最大のメリットです。ただ、待っていても病院側はVRIを迅速に起動してくれません。通訳が必要だと何度も訴えることが大切でした。(実際にこのときも病院側はなかなかVRIを起動してくれなかったのでホストマザーが自分で起動していました笑)
また警察の方もiPhoneでVRIを起動させた上で事情聴取を行っていました。事故によるショックが大きかったときだったのでASLでコミュニケーションが取れる環境に感動しました。

さらに病院での診察や手術の際も手話通訳者がしっかりと手配されており、手術室の中にも手話通訳者がきてくれ100%の情報保障が行われたことにも感動しました。またこの手術の際、ASLの手話通訳者だけではなく、Certified Deaf Interpreter(CDI)と呼ばれるろうの手話通訳者も希望しました。CDIは単に手話通訳をするだけなくろう者の微妙な表情や動作の変化に気づきやすく、麻酔後のうまく表現できない手話も読み取ることが可能なため、友人に強くすすめられました。実際に手術後麻酔が残っており、うまくASLで伝えることができなかったのですがCDIのおかげでお医者さんとスムーズにコミュニケーションをとることができました。日本では体験する機会がなかったので、良い経験になりました。



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家族をはじめ、事業関係者の皆様や友人に心配をおかけすることになってしまいましたが、それでも皆様からたくさんの励ましの言葉をいただけたことでなんとか頑張れそうです。また留学先の友人達が本当に親身になって買い出しや学校でのサポートをしてくれ感謝の気持ちでいっぱいです。皆様、本当にありがとうございました。