みなさんこんにちは,5月中旬でOhlone College の春学期も終わりました。
今学期は秋学期と同様,5クラス取ったのですが,英語以外のクラスは宿題もそれほど多くなくて,自分のペースで進めることもできました。
1. Grammar(文法)春学期は Noun Clauses, Past Perfect, Parallel Structure, Gerund & Infinitive, The Passive の5つの単元をしました。秋学期の基本的な内容を身に着けたうえで,応用文の作成の仕方を学びました。春学期はGrammarのクラスを2つに分けていたのですが,月水のクラスは学生が7人と少なく,クラスはどんどん進んでいきました。意外とネイティブのアメリカ人でも文法がきちんとできていない人が多いことにはびっくりしました。とくに Parallel Structure は名詞,形容詞,副詞のスペルを覚えていなければならず,少し難しかったです。Gerund & Infinitive は高校の学習で曖昧だったところを,Nancy教授にどんどん質問し,疑問点を明確化しました。
あとにくる動詞が不定詞のみしか使えない動詞(ask, love, need など),
動名詞しか使えない動詞(admit, avoid, enjoy など),
あとにくる動詞が不定詞か動名詞かで意味が全く異なるもの(remember, forget, regret, try, stop, used)を問題演習をして身に着けていきました。
2. Reading(読解)春学期は3つのグループに分かれ,アメリカで有名なブランドの調査をし,そのプレゼンテーションをしました。パワーポイントを作成するのは大変でしたが,各自で調査したことをまとめてスライドを作成しました。パワーポイントを作成するときは,次のことに留意してスライドを作ります:
@ 説明文は載せない。説明文を載せてしまうと聴衆がスライドを見てしまい,メインであるプレゼンター(発表者)を見なくなる
A 写真やイラストをたくさん盛り,スライドを「読む」から「見る」ものにする
B 発表をするときはスライドを見ず,聴衆のほうを見て,はきはきと発表する

私は昨年にこの本を買って "いい"プレゼンとは何か,を学んでおいたので,このプレゼンテーションでもこの知識は活かせました。

↑この本にはパワーポイントの『死』を避ける方法が載っている。DVDつき
3. Writing(記述・エッセイ)黒人の Frederick Douglass が奴隷から自由人になるまでの過程を,自身がつづったもの。ページ数が122と,分厚くないので英語をこれから学ぼうという方は読んでみるといいです。ただ,中学3年までの基本的な文法が身についていないと,この本を読むのはちょっと大変かもしれないです。Chapterは全部で16あり,これを6回に分けて先生からの出題があり,本を読んで答えを自分の言葉で説明をしました。高校のときに現代文のテストでいつも30~40点を取っていた私にとっては,洗練でした。ですが,日本語の本を読むよりも楽しかったです。私は日本語の読書が好きではなくて,英語の読書は好きなんです。国語の問題って,筆者と出題者の意図が完璧に一致することなんてなく,出題者の答えに納得がいかないときがしばしばあるんですね。筆者が出題したら答えに納得するのですが。。。なので,この宿題で満点を取ったことはないんです。満点を取らせないというのが国語の「皮肉」な側面であると私は思っています。
この学期ではEssayを3つ作成しました。Essayは今学期は家で作成するのではなく,クラス内で作成する方針で進めていったので,前日までにしっかりと家で計画や修正をして,クラスに挑んでいきました。
4. Educating the Deaf (ろう教育)このクラスは学期の最初は歴史とか法律とかつまらなかったのですが,春休みが明けるころから,教育現場の動画を見たり,現在の問題点をどう解消していくかを議論したりしていったので楽しくなりました。が,テストはかなり難しく,聴者でも60~80点しか取れない人が多いんです。最後のレポートが
『新たな法律を作る動きが国会であります。そこであなたは国会に呼ばれました。国会議員の前であなたが以下の2つの選択肢のどちらを支持するか選び,その根拠をデータを添付して示しなさい。』というものでした。選択肢は以下の通りです:
選択肢
聴者向け
1. すべてのろう学校を閉鎖し,ろう者や難聴者は全員,普通の学校にインテグレーションする
2. すべてのインテグレーションしている人を,ろう学校に通わせる
ろう者向け
a. すべての0歳のろうの赤ちゃんに,必ず人工内耳の手術をさせる
b. 15歳まで人工内耳の手術をしてはいけない。15歳になってからその人の選択肢にゆだねること
San Francisco図書館まで足を運び,司書に手伝ってもらって本を漁ったのですが,私はbを選んだのですが,bを支持する根拠やデータを探すのが難しく,なかなかいいレポートを作成することができず,悪評価をいただきました(25点満点中の10点だった)。


↑1枚め: San Francisco図書館にあるろうのコーナー。このエリアの責任者は難しい人でした
2枚め: 図書館でレポート作成のために漁った本。人工内耳の賛否両論が載ってある本は,写真右の緑の本だけです(by Thomas 教授)
今や人工内耳がよりよくなってきている社会ですが,その暗黒な面に聴者は気づいておらず,それを知らないまま人工内耳の手術を施してしまうという親が多いということが,世界中で広まっています。このクラスで印象に残ったのは,ある人工内耳をつけた幼児の動画を見たのですが,その幼児の母親は口話が必要!手話はいらない! 父親は手話も口話も使って,息子とコミュニケーションをすることが大事であるという動画でした。ですが,息子さんが小学生になってもの発音はきれいにならず,家族や友人とのコミュニケーションもままならず,わがままな性格のまま,成長していってしまったのです。成長していくにつれ,周りと調和しにくくなり,孤独になっていきました。しかし,あるとき,手話が使える人を家庭教師として呼んで手話で会話したところ,みるみるうちに手話を習得していったのです。以下に動画をのせておくので興味のある人は見てください。約1時間です。
この動画を見た後にある人がトム教授に「この子は今どうしているの」と聞くと
「この子は自殺しました」
トム教授は,人工内耳をつけたろう者は孤独になっている人が少なくない。なかには孤独に耐えられなくて自殺した人もいる。子どもときちんとコミュニケーションをとって,子どもの言いたいことを親は汲まなければならない,と話していただきました。人工内耳をつけたら聞こえるから一人でやっていける,ではなくて,周りの人のコミュニケーションをきちんとしてその人のいいところを伸ばしていくことが大事であると学びました。
5. Introduction to Multimedia (マルチメディア入門)このクラスは学期の中で5つのプロジェクトをしました。5つのうち4つは Adobe Photo Shop を使い,最後の1つは Adobe Premiere Pro で動画を作成しました。
2,3月の生活記録でも報告しましたが,手話通訳者の手話がなかなか読み取れなくて(このクラスは英語のクラスと違って先生の説明が大部分ではないので,手話通訳者を見るよりもコンピュータを見ることが多いので読み取り能力が伸びなかったのかも…),宿題の再提出を何回も命じられました。しかし,先生の助けもあって,最終的にはいい作品を提出することができました。先生のろうに対する理解もよく,有意義に学習することができました。
◆今回のひとこと(アメリカの交通事情2)◆
アメリカに来て,車に乗っていると不可解なことに気付く。信号が感知式なのだ。夜に道を走っていると,ほぼ6kmの直線の大通りの信号がすべて青になっていることがよくある。交差方向に車が一台もないということだ。もし交差方向で車が待機していたら,感知して数秒の間だけ信号の色が切り替わる。ここでさらに不可解なことは,信号付近に感知センサーがどこにも見当たらないことだ。1年間,ずっと探してきたが,日本みたいに,上にセンサーがあるわけでもなく,道路のどころ探してもセンサーは見当たらないのだ。しかしこのセンサーのおかげで,日本みたいに,交差方向に車が全くないのに信号の色がなかなか青に変わらないというストレスは全くないのだ。ほぼ高確率で,信号の色が切り替わってくれるのだ