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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2014年8月生活記録 第7期生 中川美幸[2014年09月16日(Tue)]
暑かった夏ももう終わりですね。
ここは暑くなったり寒くなったりして体温調整に苦労しています。
アパートも大学院も冷房がガンガン効いているので寒いです、、、、、
今年から映画の字幕を読み取る練習を始めました。
少しずつ読み取れるようになったけれど、まだまだですね、、、、

☆あっという間の2年間☆
8月で、アメリカに来てから2年経ちました。
たったの2年ですが、その間に大切な祖母を亡くし、
一番近しかった伯父も亡くしました。
私は両親が共働きだったので、祖母に数年間育てて貰い、
叔父は毎週毎週お寿司を食べさせてくれました。
沢山の愛情を注いでくれた二人を失い、すごく寂しいです。
しかし、多くの家族や友人達、日本財団関係者の励ましのお陰で、
2年間頑張ることが出来ました。
皆さん、有難うございます。

☆ボランティア☆
8月は予定していた子どもキャンプが事務局の不備で参加できず、
(それに合わせて早く帰ってきたのに、、、、、)
その代わりギャロデット大学附属聾学校高等部を卒業したばかりの
17歳の高校生に日本語と日本手話を教えました。
彼はとても優秀な生徒でした。
医者を目指しているそうです!!

アメリカの朝食.jpeg
生徒のお母さんが作ってくれた朝ごはん


☆授業☆
8月25日から授業が始まりました。
授業を迎えるためにアドバイザーや先生と打ち合わせしたり、
テキストも注文しました。
やはり高いです!高いです!
あるテキストは古本でも一冊80ドルもしました、、、

テキスト80ドル.jpg
一番難しいクラスのテキスト

予定しているクラス
☆Classroom based Assessment 評価を基にしたクラス
☆Integrative Methods for Early Childhood Education 幼少期教育の統合メソッド
☆ECE Curriculum 幼少期教育カリキュラム
☆Field Experience 実習

9月からは
メリーランド州のフレデリック聾学校で
実習が始まります!
希望していた学校なので、とても楽しみにしています。
小学部を希望していましたが、満杯で幼稚部になりました。

☆初めてのニューヨーク☆
実は、、、、
ワシントンDCに引越してきてから1年間、
勉強、見学、会議ばかりで、
自分のために出掛けることがなかったので、
1泊だけニューヨークへ遊びに行ってきました。
(カンザス州は会議だったしね、、、)
初めてのニューヨーク、デカかったです!
ビルビルビルだらけでした。
自由の女神のポエムを作ったのに、
見たことがなかった私。
やっと自由の女神を見られて感動しました。
これからは勉強漬けになりますが、
聾学校の様子を書きますね。
3年目も応援よろしくお願いしますm(_ _)m

自由の女神.jpeg
ニューヨークの自由の女神
2014年8月生活記録 第10期生 辻功一[2014年09月14日(Sun)]

こんにちは、今日も生きています。
10期生の辻 功一です。

Ohlone College裏の山(Mission Peak)の頂上から眺める、サンフランシスコ湾の向こうの太平洋に沈みゆく夕日は同時に日本での昇りゆく太陽なんだと思うと、地球のスケールと自分の存在の小ささを思い知らされます。

Mission Peakから望む夕日
<Mission Peakから望む夕日>

米国到着早々、Nancy教授の元で英語の個人指導を受けてきましたが、その間、世界各国からの留学生も続々とOhlone Collegeに集まり、そして8月25日から秋クラスが始まりました。

現時点では英語の習得が最重要課題なので、英語の勉強に集中できるように Reading、Writing、Grammarの英語3コースと、Deaf communityを選択しました。
自分自身、英語力とASLのスキルがまだ足らないので、なかなか授業に追いつけていませんが、勉強方法を工夫しながら出来るだけ早くステップアップできるよう、目下努力中です。

ブロッケン現象Fremontの夜景
<写真左:通学路でまさかのブロッケン現象に遭遇/写真右:Fremontの夜景>

Deaf プログラム(通訳を介せず教授がASLを使って授業を進める形式)を受けて感じた事は、授業では生徒から積極的に質問が出されるのですが、生徒のレベルがまちまちで、その質疑応答が自分自身の糧になるかと言うとそうでもなく、どちらかというと授業は宿題や勉強の進め方の確認が中心です。
やはり重要なのはTutor(個人指導)や宿題を通して英語力を高めることだと思っています。

以上です。
日本ASL協会から8,320km離れたOhlone Collegeからの報告でした。
ありがとうございました。
今月のコロンブス
路駐で普通に車の個人売買が行われていることを発見
路肩の縁石の色分けで路駐の可否を示しているのですが、ほとんどの場所で路駐可です。

2014年8月生活記録 第10期生 山本綾乃[2014年09月13日(Sat)]
留学生活が開始してから1ヶ月が過ぎ、25日から講義が始まりました。

夏休み期間は、ナンシー教授のチューターを受け
本番の講義に向けて英文を読んだり、Essayを書いたりするなどの準備をしました。
Essayは、初めから文章を書くのではなく
まずプランを箇条書きにし、自分の考えをまとめます。
そうすると、主張と根拠、まとめが一貫し、修正もしやすくなります。
IMG_0304.JPG
(ナンシー教授によるチューター:ほぼ毎日丁寧な指導を頂く)

オーロニ大学は、聴者の大学ですが、ろう学生もたくさんいます。
ろう学生だけの講義もあれば、ASLクラス、手話通訳養成プログラムもあります。
そのため、フリーモントの町至る所にASLのできる聴者がたくさんいます。
カフェやスーパー、レストランどこに行っても、必ずと言っていいほど
一人はASLのできる人がおり、ろう者にとって住みやすい町だと感じています。


秋学期、私は5つの講義を履修しました。
Grammar、Writing、Reading、Deaf culture、Deaf community
すべてろう学生だけのクラスです。
IMG_0949.JPG
(講義の様子1:馬蹄型に並べられている机)

アメリカの大学は、私が通っていた日本の大学と異なり、
一つの講義が週に2回ずつあります。
そのため、狭く深く学べる魅力があります。
Grammar、Reading、Writingの3つの講義がすべて同じ教授であるため、
学生の実態を把握した上で講義が進められます。
ろう学生のみのクラスに在籍しているため、机も馬蹄型に並べられており
ろう学校の延長線という印象を受けました。
チューター制度があり、授業で分からないことを
個別対応で質問できる環境も整っており、教授と学生との距離が近いです。

英語をASLで読み取り、英語で考えるということは
日本語で考えるよりも分かりやすいです。
ここでは、日本語の辞書を使うことは好ましくないとされています。
知らない単語が出てきたら、全体の概要から大体の意味をつかむか
英英辞書で知っている英単語から理解するという方法でやっています。

○Grammar
英文構造について学びました。
主語、動詞をまず探し、そのあと補足語が何を補足しているのか探し出す課題です。
シンプルで、論理的思考が特徴の英語にも
このような複雑な構造があると知りおもしろいです。

○Reading&Writing
Essayの書き方についての説明を受け、
今後自分の好きなテーマで、2〜3ページの文章を書き始める予定です。

○Deaf Culture
ろう者であるTom教授の講義です。最初の問いかけは、
”なぜろう者である私たちがデフカルチャーを学ぶ必要があるのか?”ということでした。
その目的はいくつかあります。
聞こえなくてもできることを知る
Why?と分析する
I think からYes or Noで答えられるようにする
Yes or Noと答えた根拠を伝えられるようにする
つまり、
ろう者ができることは数多くあると知り、
できるorできないと思う、から これはできないけど、これはできると
根拠をもって答えられるようにすることが大切なのです。

自分は、今まで”〜と思う”といった自信のない説明しかできず
悔しい思いをたくさんしてきました。
しかし、根拠をもって、周囲に伝えられるように
必要な知識をここで身につけたいと思います。

○Deaf Community
Deaf Cultureと同じくTom教授のクラスです。
ここでは、GrammarやASL、Deaf Communityについて
基礎的な内容を幅広く取り組んでいます。
今後、ろう学校やろう者がいる施設を見学する予定です。
実際に足を使って学ぶので、とても楽しみです。
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(講義の様子2:からだ全体で豊かに語るTom教授)

今年のろうの新入生は40人と今までで一番多いそうです。
国も言語も全く違う仲間が、ASLや英語を通して連絡を取り合い、
集まって時間を共有するひとときに感動しています。
つたえあう、そのことに国や言語は関係ないのだと実感しています。
しかし、学問を深めるためにはもちろん語学が必要です。

週末は、勉強だけでなくカリフォルニア周辺探索も楽しんでいます。
新しい仲間とオーロニ大学の裏にあるMission Peakに登ったり
ステイ先の近くにある広大な湖を歩いたりしています。
IMG_0738.JPG
(Mission Peak:仲間とのきずなを深めるひととき)

とある週末、ステイ先でパーティがありました。
ホストマザーが元教師であるため、学校関係の奥さまが
たくさん集まりました。ASLでお話をしながら、手料理を頂きました。
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(ホストマザーの手料理)

アメリカはろうのきょうだいがいる場合、
聴の子どもも満3歳までろう学校に通うことができる体制があります。
そのため幼い頃から、聴児やろう児関係なく
ろう文化やASLに触れる機会が多く用意されています。
アメリカはにぎやかなパーティのイメージがあるので
これから多くの人と積極的に交流して情報交換していきたいです。


9月になり、講義も本格的に始まりました。
勉強や友達、生活のバランスを保ちながら
有意義な留学生活を過ごしていきたいと思います。
第11期留学奨学生 募集締切済[2014年09月06日(Sat)]
第11期留学奨学生 応募を締め切りました

9月6日(土)午後6時をもって、
第11期留学奨学生の応募を締め切りました。

ご応募、誠にありがとうございました。

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事業担当:根本和江
Posted by 事業担当者 根本和江 at 18:00 | 事業担当者よりお知らせ | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)