CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
« 2013年10月 | Main | 2013年12月 »
2006/4/28ブログ開設時からのアクセス数
UL5キャッシング
最新記事
カテゴリアーカイブ
リンク集
最新コメント
月別アーカイブ
https://blog.canpan.info/deaf-ryugaku/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/deaf-ryugaku/index2_0.xml
2013年9月生活記録 第7期生 川口聖[2013年11月04日(Mon)]
8月26日に秋学期が始まった。9月に入るまで、外でちょっと歩いただけで汗ばんでしまうほど、蒸し暑い日が続いた。10月が近づくにつれて夜が寒くなり、秋がそろそろ始まったと思ったら、10月に入れば、日中の最高気温が30度近くに上がるなど、天気の起伏が激しく、せきをする人をよく見かけるようになっているこの頃である。

BISON.JPG
(ワルシャワ動物園で見つけた、Gallaudet UniversityのマスコットでもあるBISON)

クラスメートが、昨年新学期が始まった時は11人だったが、前学期に1人減って、2年目に入る今学期は更に2人減って、8人でスタートした。アメリカの大学では学年が上がる度に、学費や適性などの様々な理由でクラスメートが減っていくのが普通のようである。その8人全員でそのまま一緒にMA修業できたらすごくいいなと思っている。今学期は4つのクラスを受けることにした。
DST703 Deaf Culture Studies
LIN771 Field Methods
LIN827 Cognitive Linguistics III
INT720 Discourse Analysis for Interpreters
必須科目はLIN771 Field Methodsのみ、あとは自由科目であり、それぞれのクラスについて、11月生活記録までに3つ分けて報告したい。

記念塔工事.JPG
(修復中のワシントン記念塔)

☆DST703 Deaf Cultural Studies
「ろう文化学」、Deaf Studies学部の科目の1つであり、まずはDeaf Studies学部について紹介したい。Deaf Studiesを日本語に変えると、デフ・スタディ、ろう学、ろう者学などいくつかあるようだが、ここでは「聾人学」と使わせていただきたい。これまでクラスを受けてきて、他人によって認定されたというイメージが残る「ろう者」より、自らろうであると言える「ろうの人」という存在価値や存在意義を見出す目的があることで、「聾人学」という言葉こそふさわしいように感じたからである。聾人学部は、主にろうの人による歴史、文化、社会、言語などについて研究するところだ。

実に、小生の2013年3月生活記録で、言語学とは国語の先生みたいに「こうあるべきだ」という考えを示すための学問ではないと述べた通り、ろう文化とは何か、聾人学部ではどんな研究をしているか、言語研究をすすめるためにも知っておきたいと思って、受講申し込んだのである。クラスメートは、ろうの人と見間違えるほどASLが堪能な聴者3人を含めて11人、小生を除いて、聾人学部の院生、そしてろうの教授というクラスだ。やはりカルチャー・ショックというものを味わった。日本でろう文化とは何かといろいろ耳に(“目に”)入ってきたが、まだ知らないことが多すぎると感じたほどである。「ろう文化とはこうあるべきだ」と唱えるための研究ではなく、人類学、狭義的には文化人類学もしくは社会人類学を基本にした研究手法ですすめられている。

例えば、ろうの人と会話をするときはお互いの目と目で見合わなければならないなど、ろうの人に接する時のマナーというものが日本での手話講習会などによく出されているが、こちらでは必ずしもろうの人全体にあてはまることではないという言い方になっている。ろうの人同士でも目をそらすことはよくあるし、会話相手の手語を”聴く”時はどうしても相手の顔を見なきゃわからないなどの自然体がある。その自然体がろう文化の一部であると言えるのだ。

また、Deaf Family(デフ・ファミリー)という言葉について、聴覚障害者、難聴者、中途失聴者などは医療や福祉分野でできた言葉になっているのと同じように、「デフ・ファミリー」は言語学者によってつくられた言葉である。手語が堪能でない言語学者が手語を研究するために、デフ・ファミリーの人を呼んだほうが手っ取り早い、研究発表するときに説得しやすいからなのだ。デフ・ファミリーの人が使う手語こそ“本物の手語”だと、ほとんどの言語学者は思っていない。なのに、そういう誤解が広まったのはなぜなのか、ろう文化を研究する意義が出ている。

このように、「ろう文化とはこうあるべきだ」という言い方は間違いであると思い知らされた。難聴者、中途失聴者、ろう盲者などに関係なく、耳が聞こえないことから起こる様々な文化的・社会的問題事象を、学術的に多角的に捉えることが「聾人学」とあり、ろう社会を実態調査しながら研究発表されて初めてろう文化とは何かを知ることができるのだ。

やはり、この分野については日本ではやらなければならないことが多いなとすごく感じた。幸いに、聾史のほうで頑張っている、ろうの方が多くいらっしゃるようで、日本のろう文化とは何か知るためにも必要なので、陰ながら強く応援したい。また、日本に人類学関係を専攻した、あるいはしているろうの方がいらっしゃれば、是非ともろうの人についてどんどん論文を出してほしいなと願っている。本当に、これまで得てきた知識を大きく見直すほど、いろいろ考えさせられるクラスである。
2013年9月生活記録 第7期生 中川美幸[2013年11月03日(Sun)]

こんにちは。9月も多くの宿題に追われて多忙でしたとしか言えません(笑)この大学は教科書の値段が一冊一万円台なので、借りるか、買うか悩む時期でもありました。結局はほとんどアマゾンで買いましたが、古本でも6万円を超えてしまいました。なので、今学期は教科書が恋人になりそうです。今月は大学院の宿題の多さについていけず、毎週泣きながら勉強していました。本当に、大学院の大変さを実感しています。
IMG_1521 のコピー.jpg

☆ 授業が本格的にスタート!☆
★ リサーチ:Introduction to Research
これはこれからリサーチするためのいろいろな方法を学ぶクラスです。今学期授業の中で一番難しいクラスだと思います。予習しても復習しても全然理解できていないので、クラスメートの個別指導に頼る日々です(汗)
・ なぜリサーチするのか?
・ リサーチの意味は?
・ リサーチするときに何に注意しながらやるのか?
などを話し合うことが多いのです。

★ ろう者の学習と教育:Deaf Learners & Education I Bilingual Communities
いろいろな本や記事を読み、毎週ディスカッションします。改めて考えさせられたのは、やはりビデオですよね。印象に残ったビデオのタイトルは「For a Deaf Son」です。また、「善意の仮面」という本も自分の聾学校経験や講師経験と合わせながら読んでいます。時間があるときに読んでみてくださいね。

「善意の仮面」
http://books.google.com/books/about/善意の仮面.html?id=2Ai4PQAACAAJ

「For a Deaf Son」
http://www.dcmp.org/media/2565-for-a-deaf-son

★ 幼稚部から高等部までのカリキュラム技術:Curriculum & Instructional Technology
これも難しいクラスです。提出するものや読む本が結構多いので、週末個別指導や準備にかなり時間をかけなければなりませんが、case studyというテーマをやるのが一番面白いですね。ある事件が起きて、わたしが先生なら、アシスタントなら、どう対応するかをレポートに書くのです。先生の経験はあっても、アシスタントなど他の立場を考えたことがないので、勉強になりました。ブログも初めて作ったり、アメリカで流行っているパワーポイントみたいなソフトを勉強したりと技術も身に付くことができるので、難しいけれども、これからの指導にとても役に立つのではないかと思っております。

★ 小学校の読み書きの指導と学習:Literacy Teaching and Learning: Elementary
教科書がなんと1万6千円と、、、、一番高いクラスでした。アマゾンで探してようやく1万円の教科書を購入しましたが、これでも中古の教科書なのです(笑)このクラスもディスカッションがかなり多いので、毎回分厚い教科書を読んでいます。このクラスは私以外みんな大学生なので、面白い発想に笑えます。アメリカの絵本読み聞かせのスタイルはやはり、まずアメリカ手話で表現してから、絵本を見せる形が多いです。

★学校見学:Field Experience & Seminar
 毎月様々な学校を見学するクラスです。9月はギャロデット大学の校内にあるケンダルろう学校を見に行きました。すごい環境でした。生徒の数は幼稚園から小学部まで100人なので、思ったより少なかったのですが、環境設定や考え方の共通など、いろいろな工夫がされていました。例えば、幼稚部のみんながのんびりするスペースにオレンジ色の明かりをつけたり、みんなが集まりやすいスペースにはいろいろなおもちゃをおいて自由に遊べるようにしたりしていました。私のイメージと合っているので、勉強になります。日本の聾学校では、物はいらないという考え方と物はあったほうがいいという考え方に分かれてしまいます。このアメリカでいろいろ見学する中で、自分のクラスについて考えたいと思います。見学しない日は先生としての基本や見学した学校の様子をみんなで話し合いました。
・ 今までですばらしい先生は?
・ すばらしい先生の条件は?

9月末の聾学校見学の様子
CIMG4237 のコピー.jpgCIMG4246 のコピー.jpgCIMG4286 のコピー.jpg

☆ 個別指導(tutor)にお世話になっています!☆
9月7日からやっと個別指導が始まりました!クラスの教科書や宿題が半端ではない量なので、英語が完璧に読めない・書けない私はクラスについていけません。なので、ディスカッションについていくために毎日個別指導を2回以上受けています。水曜日はなんと3回も。私の個別指導の先生は同級生や先輩たちです。オーロニ大学の時の個別指導の先生は主に教授だったので、かなり違いがありますが、それでもこの指導のお蔭で私は1ヶ月クラスについていくことができたのです。私の英語力のなさに辛抱して指導してくださった先生に感謝しております。


 寮からみた素敵な景色☆
IMG_1501 のコピー.jpg

 大学の動物たちにいやされます☆
CIMG4127 のコピー.jpg