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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2013年9月生活記録 第9期生 福田桂[2013年10月25日(Fri)]
 相変わらずここは朝晩冷え込み、昼間は30度以上にもなるほど気温差が激しいが、温暖で雨が少なく、まるで猛暑続きの日本から逃避行してきたように過ごしやすい気候です。
 
 まず、オーロニ大学について簡単に紹介したい。
大学内のひとつのビルに DEAF STUDIES(ろう者学部)があります。高卒から社会人(就労しながら通う)のろう学生が在籍しており、学生自身の能力に適した学習環境が整っています。さらにDEAF CENTER(ろう学生センター)にはろうのカウンセラーが2名配置されていますので、同じろう者としては大変心強いです。ほかに、障がい学生センター、国際学生センターとの連携が強く充実しているのが印象良い。また、JASSとのパトーナーシップを結んでおり、奨学生への強力な支援もあります。

- 初めての大学生活
 私自身、初めての留学生活であると同時に大学のクラスなどもすべて、アメリカに来て初めて体験することであります。渡米までにASLや英語は最低限必要なことを準備してきましたが、現地に来てからは英語力のなさを痛感し、しばらく精神的に不安定な状態が続いていました。カウンセラーと教授、周囲の人達の支援があって、留学奨学生同窓会メンバーで私たちの先輩でもある2名のメンターに助けられながら、心の支えにもなってもらっています。

- 履修クラス
 秋学期で履修したクラスは3つ。担当カウンセラーと日頃からお世話になっているNancy教授と相談した結果、アメリカ手話と英語中心のクラスになりました。いずれもろう者のクラスで最初から基礎的なことを学び始め、勉強に取り組んでいます。
クラスは週2回、月曜日と水曜日。以下の3クラスを一日中ぎっしりと組んでいるため、とても忙しい時間割です・・・。火曜日と木曜日はクラスがない日なので、自習とtutoring(個別指導)を受けています。

 @アメリカ手話(略:ASL)
英会話の基礎を身につけるための、初心者向けクラスです。受講生は聴者が約25名とろう留学生の私一人、ろう学生4名も加わり多人数でありました。ろう者の両親を持つコーダ同士で結婚したBunny教授の個性的な講義は興味深い。まだコミュニケーションのスキルがきちんと身についていないので、自分のペースで上達していきたい。
 A英語 READING
これも基礎から始めるべく、中学校レベルのような内容でありますが、英語を読解するためのスキルを学びました。学生全員が構文の読解や英単語の意味をきちんと理解できるように授業を進めています。英単語を覚える方法として、指文字で5回ずつ表すことを覚えました。これは良い練習方法だと思っています。
 B英語 GRAMMAR
こちらも同じく、中学校で学んだ文法を復習しているような内容です。今月は現在形、進行形を学びました。応用問題が多いので、どうしても理解できない点はtutoringで他の問題を出してもらって繰り返しの練習をしています。英語と日本語では文を組み立てるルールが根本的に違うので、アメリカ式の文法をしっかり理解して苦手な部分を克服したい。


ろう盲者(盲ろう)について

はじめに、
 ろう盲者とは、耳(聴覚)と目(視覚)との両方に障害を併せ持つ人のことをいいます。日本では現在「盲ろう」といわれることが多いが、この障がい名は法的に定義づけられているものではなく、一般的に呼称されているものであります。しかしながら、世界では英語の”Deaf-Blind”をそのまま訳して「ろう盲」といい、アメリカでもそう言われています。私はろうの環境で育ってきたので、ここでは、ろう盲と言わせていただきたい。
 ろう盲者の中では、アッシャー症候群と思われる方が多く存在しています。私もその一人です。聴覚障がいを伴う網膜色素変性症という眼の病気で、視野狭搾と夜盲症、平衡感覚障がいがあります。日本では多くの場合、弱視(少し見えて聞こえない人)と説明されており、アッシャー症候群という言葉さえ当事者が理解していないこと、アッシャー症候群について研究した文献も少ないのが残念な現状です。
 ろう盲者とのコミュニケーション方法は、触る(触手話・指点字・点字要約)・見る(接近手話・文字要約)・聞く(音声)など、障がいの程度や生育の環境によって実に様々であり、個々のろう盲者に合った方法で通訳する必要があります。

北部カリフォルニアろう盲者との交流会

 オーロニ大学のろう盲学生は、私が出会った人の中で私を含め4名。全員アッシャー症候群です。その学生の紹介により、Northern California Association Deaf-Blind (NCADB) 北部カリフォルニアろう盲者協会主催の交流会に参加してきました。アメリカでろう盲者同士交流ができることが一番嬉しい!
  NCADBはベイエリアを中心に集まり、Deaf Community Centerにて月1回交流会を開催しています。朝9時から2時間ほど役員会、11:30〜17:00まで交流会が行われました。内容はランチ(手作りバイキング形式)、役員による活動報告、余興(ゲームなど)。この日はたまたま70歳になったろう盲者がいて、誕生祝いとクイズがありました。参加者数は約50名、ろう盲者とろう者がほとんどでした。比較的弱視ろう者が多いが、通訳者を利用せず自分だけ見る方法は少なくない。会場は通訳者というよりSSP(日本でいうと介助者)が多いように見えました。日本の場合、通訳と介助を一つとして利用できますが、アメリカでは通訳、SSPと別々に行われています。交流会では、会長の弱視ろう盲者は通訳者の支援を受けずに自身で司会進行され、他の重度ろう盲者に通訳するなど自ら進んで行っていることが、さすがアメリカらしいと感じました。今後もろう盲者との交流を続けて、たくさんのことを吸収していきたい。

IMG_0023.jpg
【交流会の様子】舞台に立っている2人、会長の弱視ろう者(右)と全体通訳をしているろう通訳者(左)

〈参考リンク〉
全国盲ろう者協会ホームページ http://www.jdba.or.jp/
東京盲ろう者支援センターより「盲ろう者について知ってください」http://www.tokyo-db.or.jp/?page_id=43
2013年9月生活記録 (第5期生 川俣郁美)[2013年10月14日(Mon)]
sky.jpg
10月初旬。台風が去った後の夕焼け。

◆◇履修クラス◇◆◇
今学期の履修クラスは以下の通り。

1企業・組織再編成 Redesigning Organization
時代の変化にともない、人々のニーズも変化してくる。それを見据えたうえで企業・組織を運営し、ニーズにあったサービスを社会に提供できなければ、生き残ることができない。また、企業・組織内の構造が効率的・効果的に機能していない場合も同様のことが言える。このクラスでは、組織の分析方法、社会的ニーズの特定方法、再編成の方法、再編成する際の課題点とその対策などを学ぶ。

2研究法入門 Introduction to Research
このクラスは、大学4年生の時に履修した研究法と同様、様々な研究方法や評価方法、仮説の立てかた、データの収集方法、データの信頼性や妥当性の測定方法、グラフの書き方、既存データや文献の分析方法・解説方法などについて学ぶ。このクラスでは、特にリサーチ過程における倫理性に重点を置いている。ある民族またはコミュニティの研究をすることになった時、研究者メンバーの中にその研究対象となる民族またはコミュニティの一員が含まれているか、また、研究者メンバーのその民族・コミュニティの理解度によって、研究結果が異なってくる。例えば「ろう者におけるうつ病の発症率は聴者よりも低い」とした研究があったとしよう。うつ病症状診断は口話で行われたのか?手話で行われたのか?研究者は聴者とろう者間に文化の違いや言葉の解釈のズレがあることを理解していたか?この小さなズレを見逃すと、リサーチ結果の妥当性が低くなる。

3国際開発入門 Introduction to International Development
国際開発に関する様々な理論と策略を学ぶ。貧困、男女不平等、所得不均衡、環境、資源、戦争・紛争、宗教、民族、ガバナンス等、開発の妨げとなっている課題について学び、それに対する各国際開発組織の活動の効果を分析する。


4国際関係と開発 International Relations and Development
現代、グローバル化が急速に進み、国々は密接な関係を持つようになり、遠い外国で起きた出来事さえも私たちの生活に影響を与え、他人事ではなくなっている。このクラスでは、国際関係の成り立ちや展開、経済的・社会的・政策的開発に関わる国際関係の様々な理論、また国際組織の役割や国際法などについて学ぶ。



◆◇国際ろう者週間−アメリカでの障害者権利条約批准に向けて◇◆◇
9 月の最後の週は国際ろう者週間(International Week of the Deaf)であり今年は9月23日〜27日であった。アメリカはまだ国連障害者権利条約を批准していないため、批准に向けての運動がなされている。国連障害者権利条約の理解と認識を深めるため、ギャロデットでも、条約についてのワークショップや、各自出身地の参議院議員に電話又はメール、またはオフィスを訪ねて国連障害者権利条約批准の重要性を訴える活動を呼びかけた。


CRPD relay.jpg
障害者権利条約ワークショップ 
奥に立っているのは全米ろう協会会長のHoward Rosenblum氏


CRPD workshop.jpg
アメリカ障害者評議会からRhonda Neuhaus氏
条約とアメリカでの批准プロセスについて詳しく解説


AZ senator visit.jpg
アリゾナ州参議院議員 Jeff Frake氏訪問
2013年9月生活記録 第9期生 瀧澤 泉[2013年10月14日(Mon)]

9月中旬あたりから冷たい風が吹き、肌にひんやりと感じる季節となりました。私はもともと冷え性で、いつも手足が冷たいので早く手袋使いたいほどです(まだ秋なので季節に合わないような…)。

クラスが始まって2ヶ月になり、なんとか自分に合った勉強方法を見つけて毎日勉強をしています。
分からない所は先生や友だちに聞いたり、クラスが終わった後に何度もTutorを受けたりしています。日本にいたときと全く違って宿題や疑問をなんとか理解したくて突っ走っている自分を見て驚いています!笑

クラスの進み具合や内容を少し紹介します★*。*

*ASL/102A*
日本で学んだ内容と大体同じですが、大人数と一緒に受けた事がなかったので同じクラスの人と出されたテーマの会話をして練習することがほとんどです。自分の言葉でASLを表現することができるまで時間がかかり、本当にASLは第二言語だなと感じています。

*Reading/189A・IUPP*
IUPPとは進学準備のためのクラスであり、Spring classにランクアップのクラスでスムーズに英語学習が出来るようにするためにこのクラスを取った。普段に論文やエッセイの中で知らない英単語が多いと何度も辞書を使い、なかなか進まないため速読で理解できるコツを学びました。

*Writing/188A・IUPP*
「The Story Of BLIMA」という小説で、実際にあった残酷な内容が書かれています。読んだ後に小テストを受けたり、エッセイを書くことが中心です。心が痛む話で忘れることが出来ない内容です(この本を1ヶ月半位で読み終える予定で後少しで終わります)他に実際にある文章を自分の言葉(他の単語)に変えて書くなど練習して、スキルを上げるように頑張ります!★

*Deaf Culture*
クラスの中で一番大好きなクラスです!教授が出版した「Introduction To American Deaf Culture」を前もって読んでクラスに参加しています。クラスの中で生まれつき耳が聞こえない人、途中から聞こえなくなった人、人工内耳の人などの学生が集まっているのでそれぞれの価値観が違って驚きました。そして、今まで「ろう者」と「難聴者」の価値観や区別に納得できないまま過ごしてきた自分でも教授は学生の皆を理解してくれます。このクラスを取って良かったと心から思っています!
ろう児は生まれてすぐ、どこの学校へ行くのか、人工内耳をつけるかどうか、手話を学ぶかどうかは日本と同じく親や医者が決めることが多いようです。その状況の中で無くてはならないものがDeaf CommunityとDeaf Cultureである。驚いたことは、スウェーデン出身の学生によるとスウェーデンは幸いに生まれてろう児であると分かった時点で直接にDeaf Communityへ行って相談を受けるというルールがあるそうだ。

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左側「Introduction To American Deaf Culture」/ 右側「The Story Of Blima」
(Deaf Culture class / 188A Writing class)

今後、Deaf Communityやろう学校へ見学しに行く予定なのでろう児と出会うことを楽しみにしながら調査と勉強をしています。


おまけ♫

★Ohlone Day★

9月14日に先生からの誘いでFremontから車で1時間位にかかる所にOhlone Dayというイベントへ連れて行ってもらいました。かつてインディアン(ネイティブアメリカン)が暮らしていた所でFremontが中心だったということでその名をCollegeに名付けたと言われています。
そこで、伝統的なダンスや歴史、船など紹介されていました。
早速、プチ船を作ってみました!結構力が要ります笑
実際に生活で使われていた船は右側。自然の物を使った知恵が豊富なんだねー・・・!

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「Ohlone」の手話表現です。


★Deaf National EXPO★

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ろう・難聴者のためにコミュニティ場の集まりがあった。10~15以上の展示会があり、ビデオ電話やニュース報道のサービス、ろう文化の紹介、ニーズなど展示されていました。
私はOhlone collegeの紹介をするためのボランティアを行った。ASLに関心を持ってくれる人が特に多かったでした!嬉しい気持ちですね●^^●ほっこり。