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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2024年11月「クリスマス間近!」金本小夜(19期生)[2024年12月08日(Sun)]
みなさんこんにちは。
12月に入りましたね!師走という言葉通り、12月に入ると突然いつも忙しくなり、あっという間に時間が過ぎてしまう気がします。

イギリスではハロウィンが終わったあたりからちらほら出てきていたクリスマスのデコレーションやイルミネーションが、12月に入って一気に増え、リースやツリーがあちこちで見られるようになりました。
ところで最近知ったのですが、子供達にクリスマスプレゼントを配るサンタクロース像というのは19世紀、ヴィクトリア朝時代に発展した概念なのだそうです。
それまでイギリスのサンタクロース(イギリスではファーザー・クリスマスと言います)は、クリスマスを擬人化した、クリスマスを象徴するだけの存在でした。ディケンズの『クリスマス・キャロル』に登場するGhost of Christmas present (現代のクリスマスの霊。他に過去と未来の霊が登場して、主人公のスクルージにいい人間になれ、と諭します)がいい例としてよく挙げられますが、実際、当時の大人気小説家ディケンズのロンドン一般市民への影響は大きく、ディケンズとクリスマスについての論文もあるほどです。2017年の映画『The man who invented Christmas 』(邦題は『クリスマスに奇跡を起こした男』ですが、英語の原題を直訳すると、クリスマスを創った男、となります)にイギリスの当時のクリスマスとディケンズの関係がよく描かれていますのでぜひご覧ください。

大学の方は、副指導教官が変わり、前の日本文学専門の先生から、日本人の英文学専門の先生になりました。私個人としてはろう教育学の先生がいいな…とさりげなく推していたのですが、主任指導教官が絶対に日本語文献を読める先生がいい、というのでこういう結果になりました。でもろう教育学の先生に必要があればコンタクト取るのはいいかも、と言ってくれたので、チャンスを見てアプローチしてみたいです。

自分の研究の方は、とりあえず論文の第1章は今のまま少し寝かせておいて、第2章へと筆を進めることになりました。
そういえば研究の話を前に書いたかどうか忘れたのですが、第1章は文学理論、第2章は特にBetweenity(間性)について書く予定でいます。このBetweenityはアメリカ人の研究者、Brenda Jo Brueggemannの著書『Deaf Subjects: Between identities and spaces』(2009)で取り扱っている問題なのですが、ろうと聴者の間の人々、難聴者やCODAといったどちらのカテゴリにも分類できない立場の人々に焦点をあてた考えで、難聴者である私としてはとても興味のある問題でもあります。
今はこの本の考えをまとめている段階なので、次のブログはその紹介記事になりそうな予感です。

次ブログを書くのは1月ですね。
今年も残り数日、悪あがきとは思いつつ、大晦日の最後の1分まで勉強を頑張りたいです。
みなさまもどうか良いお年をお迎えください!


追記:
最近街に出ると、図書館に行くついでに大回りしてイルミネーションなどを見物しているのですが、その写真が結構溜まってきちゃったのでここでちょっと紹介させてください。
IMG_0947.jpegIMG_0936.jpegIMG_0969.jpegIMG_0989.jpeg
Posted by 金本 at 20:11 | 奨学生生活記録 | この記事のURL
2024年11月「大学での勉強」森本恵実(20期生)生活記録[2024年12月05日(Thu)]

みなさん、こんにちは。11月分の生活記録を書きます。

今月11月は特別な活動への参加はございませんでした。
中間考査が終わったかと思いきや、すぐに期末考査が近づいてまいりましたあせあせ(飛び散る汗)

期末考査は基本的に、12月9日(月)〜12月13日(金)の日程で行われます。
ですが、一部の授業では前倒ししたり後倒したりして行われる試験もございます。

私の場合は、12月6日(金)から期末考査です。
期末考査の科目は、以下の5教科になります。

・日本語文語文法
・映像日本語
・初級専攻日本語2
・中級日本語会話2
・実用日本語作文

今回は『中級日本語会話2』について、お話ししていこうと思います。

こちらの科目の試験内容は、なんと筆記試験ではありません

教科名から想像できるかもしれませんが、会話による実技試験となります。

実技試験の内容を簡潔に説明します。
・教科書本文の音読(日本人留学生:除外)
・教科書1課〜12課で出てくる単語を見て、日本語ですぐに答える。
(即答性重視、日本人留学生:音読除外の代わりに問題数を増加)
・丁寧な表現の文章を見て、友達言葉(タメ口)に変える。
・グループ会話、発表者と質問者に分けて一定の時間詰まることなく日本語で会話する。

ここでみなさま、ある一つの疑問が生じているのではないだろうか?

聞こえる人たちとどうやって会話しながらこの試験に参加するの?

はい、そうです。手話通訳者の方と同伴し、会話試験に臨みます。
韓国人の手話通訳者ではありますが、幸運なことに日本語と日本手話に精通している方でした。
おかげさまで、安心して明日の試験に臨むことができそうです。(執筆日:12月5日)

『中級日本語会話2』の授業では、グループ別によるプロジェクトも行われました。
グループ別で日本の映画やドラマを考察して動画にまとめる課題があり、
聞こえる方たちは日本語の音声で録音して制作を進めるのですが、
聞こえない私の場合は代わりに、手話によるワイプでの出演となりました。こんな感じです。

11月_2.png

実は、手話動画の経験があまりなく、音声や時間に合わせて手話で表現するのに苦戦しました。
全ての撮影と手話動画の編集にまるまる1日費やしてしまいました。

日本語と日本手話は、全く別の言語であると把握はしていたものの、
この手話動画の撮影で、日本語対応手話では表現しきれないことを知り、
日本語と日本手話はやはり別の言語であるということを再認識しました。

例えば「親たちは子供の成績に一喜一憂し、プレッシャーを与えることが多いです」
「親の教育への関与も韓国ほど強くなく」といった文章をどのように表現するのがいいのかすごく悩みました。
ろう者の友達にも聞きヒントを得たり、文章で整理したりしながら撮影を進めてまいりました。

11月_1.jpeg

耳が聞こえない私のために、代替でできる方法を提案してくださった先生には感謝しきれません。
おかげさまで、手話撮影を通じて視覚言語と音声言語の違いや手話の多様な表現力など
深く知る良い機会になりました。普段なかなかできない経験にもなりました。

【TMI】
崇実大学の校門前にて、恒例のクリスマスツリーが装飾し始めました。
とても綺麗ですね。
11月_3.jpeg

また、11月27日には異例の大雪が降りました。
その時の写真がこちらです。大学校内で撮りました。
11月_6.png

韓国は基本的に地下鉄なので、交通麻痺になるのは地上を走るバスか車くらいです。
なので、その日はごく普通に学校に行きました。
急に寒くなってきているので、みなさんもお身体には気をつけてくださいね。

以上です。





Posted by 森本 at 17:30 | 奨学生生活記録 | この記事のURL
2024年10月「10月から11月は資料収集の時間」金本小夜(19期生)[2024年11月09日(Sat)]
こんにちは。
早くも11月ですね。日本もそろそろ寒くなってきた頃でしょうか?ロンドンは10月以降、緩やかに冬に向かっていて、最近は最低気温が10℃に届かなくなりました。気のせいか雨が降る日や霧が出る日も増えて、しばらく青い空を見ていない気がします…

この時期イギリスは10月31日にハロウィンを、11月5日にガイ・フォークスの日を祝います。ガイ・フォークス、聞きなれない名前だと思いますが、彼は17世紀初頭に実在した人物で、ロンドンの国会議事堂を爆破して、国家を転覆させようと計画した一味の一人でした。でもすんでのところで見つかってしまい爆破計画は頓挫、ガイも処刑されてしまいます。ですが、今でもこの日を記念して、(火薬にまつわる日でもあったことから)イギリス中で花火をあげ、かがり火を燃やしてお祝いする風習が残っているのです。
ちなみに面白いルールなのですが、この時期だけイギリスは17時以降、個人の家で焚き火をすることが許されています。ロンドンにいる日本人の知人はこれにかこつけて焚き火をして、毎年焼き芋をすることを楽しみにしているそうで、私もお芋さんをもらうことができました笑(実は焚き火で作った焼き芋を食べたのは初めてかもしれません…!)

勉学の方については、先月、メインの指導教官と話し合い、副指導教官を替えることが決定しました。まだ次の指導教官は決まっていないのですが、もう少しろう文化に理解のある先生になったらいいな、と私からは希望を出しています。
それから指導教官の方針で日本の障害学に関する資料をまとめる課題もあったのですが、いや、日本の資料を集める困難さよ… 国外にいると、いかに資料がデジタル化されていることが便利かを思い知りますね。
これは一時帰国を本格的に考えないといけないな、とカレンダーと睨めっこしているところです。

来月はもう12月。時間が過ぎゆくのは本当にあっという間ですね。
もっと色々な成果を出したい焦りがありますが、自分の気持ちに負けず一歩一歩着実に勉強を進めていけたらと思っています。
Posted by 金本 at 08:20 | 奨学生生活記録 | この記事のURL
2024年10月「Deaf Climbing Timeless」森本恵実(20期生)生活記録[2024年11月08日(Fri)]
2024年10月「Deaf Climbing Timeless」森本恵実(20期生)生活記録

みなさん、こんにちは。
10月分の生活記録を書きます。

私が先日国際手話の受講でお世話になった
チョンウム福祉館の管轄下のもと、ろう者による様々な活動が行われていました。
その中のひとつ、私が加入していたクライミング活動で、
今月はクライミングについて書いていこうと思います。

今年の3月から「Deaf Climbing Timeless」という活動が始動され、
私は7月より加入し、短いながらも3ヶ月間参加してまいりました。

クライミング_2.jpeg

こちらの2つの活動目標のもと、クライミング活動が行われました。

1. クライミング大会に参加し、健聴者による聴覚障害者の認識の改善に図る
2. 各々で身についた技術を、他の聴覚障害者に伝授することで、聴覚障害者がクライミングに対する関心の促進をさせる

1ヶ月に2〜3回ほど集まりがございました。

活動メンバー数について
結成当初は9名でしたが、最終的には13名まで増えました。
そしてある日には、健聴者によるクライミングチームと合同での交流が行われました。

クライミング_1.jpeg

手話通訳者を介し、健聴者の方々とコミュニケーションをとってまいりました。

10月26日(土)には、チョンウム福祉館が開催したオウリム祭りがありました。
オウリムとは、韓国語で「調和」を意味します。

そこでは、
聴覚障害青年の集い&聴覚障害関連体験ブース、
講演&トークコンサート、
聴覚障害者バリスタ全国大会:本選
が行われました。

クライミング.png

オウリム祭りは手話文化祭や学園祭のようなイベントでした。

こういった活動を通じて、特にろう青年たちが積極的に
参加、貢献していくことができる社会へ導いていくことが、
このオウリム祭りの意義なのではないかと思いました。

以上です。
Posted by 森本 at 19:59 | 奨学生生活記録 | この記事のURL
2024年9月「最近面白かった本の話など」金本小夜(19期生)[2024年10月08日(Tue)]
こんにちは。
今日久しぶりに奨学金の留学担当の方とお話ししたのですが、私がロンドンの最高気温15℃くらいです、と言ったら、日本の最低気温今日は17℃でした、と言われてお互い「えっ︎」となりました。改めて違う国にいるのだなぁと実感します。

秋といえば食欲の秋ですが(あくまで私は笑)、イギリスも季節ごとに美味しい食材などはやはりあって、最近はカボチャやサツマイモやナス、リンゴなどが安く出回るようになりました。とはいえやはり微妙に日本のものと違っていて、カボチャでも、日本のような坊ちゃんカボチャではなく、瓢箪のような形をしたバターナッツカボチャが主流だったり、サツマイモも日本のとは違い、中がニンジンみたいなオレンジ色をしたものだったり、そして調理法も日本のものと少し違ってくるので、ご飯を作るたびに発見があって面白いです。バターナッツカボチャは煮物にすると水っぽくなるのでブレンダーでスープにしたり、西洋ナスは日本のナスと違って硬いので、先にものすごい量の油を吸わせて柔らかくすると食べられるようになることを発見したり、と試行錯誤しています。
そういえば日本の大学院の昔の先輩が、勉強が行き詰まると安易な達成感を得たくなって料理がしたくなる、と言っていましたが、私も台所によく立つのはそのせいかもしれません…

先月はとにかくライティングの直し作業が入りまくり、あとは来年ある学会の申し込みをしたりという自宅作業ばかりだったのであまり面白い体験はしていないのですが、次の学会では児童文学とデフについて発表したいと思って色々読んでいたらたくさんの面白い本に出会ったのでその紹介を少ししようかなと思います。私、物語ならなんでも読むんですが一番好きなジャンルはファンタジーなんですよね。日本には全然デフ関連のファンタジーがなく、児童文学もものすごく少ないので博士論文の章立てから泣く泣く外した程でしたが、英語圏ではデフや手話を題材としたファンタジーが溢れかえっていてびっくりしました。

一押しだったのはフランシス・ハーディングの『Deep Light』(2009)。深淵の光、とでも訳しましょうか。舞台は架空の島国ミリアード。太古の昔いた神々は滅び去り、今はその遺跡を海から探し出す時代、という設定なのですが、海に潜る作業が多いこの国の人々には聴覚障害を持つ人が多く、彼らは「海に愛された者」として国の人々の尊敬を集めています。聴覚障害人口が多いので人々の大半が口話と手話のバイリンガルで、物語のメインキャラクターとなるセルフィンという女の子もその一人。健聴者の主人公の男の子ハークと、手話で会話をしながら、頭の回転の速さと持ち前の勇敢さで物語を推し進めていきます。
ハーディングの本は日本では『嘘の木』や『カッコーの歌』などの翻訳本が出ていますが、『Deep Light』はまだなんですよねぇ。デフが障害として描かれていない!というのがやはり現代のファンタジーらしい新しさだと思います。彼らはあくまでマイノリティ。聴覚障害の原因を物語に絡めている点でファンタジーとしてはよくできた作品だと思いました。

現代的!と感じたのはL・M・ラムの『Dragonfall』。昔々、人間はドラゴンから魔法を盗み、ドラゴンは今なおその恨みを忘れていない…というこの世界。主人公アルカディは両親を病気で亡くし、泥棒を生業とする難聴者。ですがこの世界は全世界の共通語として手話が採択されており、主人公がコミュニケーションで困ることはあまりありません。また性別を決めてかかることは不躾とされており、代名詞で使われるのがもっぱらThey。HeやHerは特別な相手にしか明かしません。アルカディはドラゴンのエメリンと共に、自らの祖父の汚名を晴らすため、冒険に繰り出します。
デフが障害ではない、という点ではDeep Lightと同じ。LGBTQと聴覚障害の要素を両方を盛り込んだ感じが少し政治的とさえ感じられるのは難点ですが、その現代的な要素を中世的なファンタジー世界と組み合わせてみたというのはとても斬新さを感じました。

世界観が面白いと感じたのはJohn Varleyの短編小説『The Persistence of Vision』(1978)。題は残像という意味です。舞台はアメリカの架空の都市ケラー。たまたま旅の途中でそこに行き着いた主人公は、その街の住人が全員ろう盲であることに気が付きます。そして彼らはいわゆる第六感のような、ろうで盲でないと感知できない力を使ってコミュニケーションを取るのです。主人公は彼らの会話に完全に参加することができないと悟り、最終的には彼らの仲間になるため視覚と聴覚を捨てる決意をしますーー。
実はこれは障害文学についての研究書で紹介されていて気になった本でした。同じ身体要素を持つ者同士でしか共有できない感覚がある、というのはおそらく確かにそうで、主人公が最後に今の自分の身体の状態を捨てる、という展開は50年前の文学作品とは思えない新しさがありました。障害を持つことで超人的な力を得るという展開は私は実はあまり好きではないのですが、この物語ではこれがごく自然に語られていたのも、魅力的な要素の一つだったなと思います。

まだまだありますが、今はまだ私の読書スピードが追いついていないので、今回はこれくらいで。実は「deaf, fantasy」のキーワードで検索するとデフキャラクターの登場する本一覧というページが出てきてそこではとりあえず60冊ほど紹介されていたんですよね…
今月はライティングの課題が終わったらイギリスらしく美味しい紅茶でも飲みながら新しい好きな本を思いっきり読みたいです!
Posted by 金本 at 21:35 | 奨学生生活記録 | この記事のURL
2024年9月「国際手話プログラム」森本恵実(20期生)生活記録[2024年10月08日(Tue)]
みなさん、こんにちは。9月分の生活記録を書きます。
夏が終わり秋の涼しさを感じる季節となりましたね。
9月から再び大学生活が始まり、今学期より3年生になりました。

今から2ヶ月ほどさかのぼって4月から7月の3ヶ月間、
チョンウム福祉館で国際手話のプログラムがあり、それを受講してまいりました。
その時の様子について書いていこうと思います。

元々日本にいた時から国際手話に興味があって
少しだけ勉強したことはあったのですが、語学留学のため断念したことがありました。
ですが、韓国で国際手話のプログラムがあるとお聞きしました。

韓国手話で国際手話を学ぶのか』という不安がありましたが、
このプログラムを受けてみることへの意義があると思い参加してきました。
その結果、わたくし受講者で唯一の皆勤賞をいただきました。
(皆勤賞が左のホワイトチョコレートです。笑)

国際手話_翻訳.png

韓国生活を通じて様々なろう者に会っていくうちに、国際手話ができる人の数の多さに驚きました。韓国にも多くの外国人ろう者が来韓することも多く、それに順応していこうとする韓国人ろう者の姿を実感する場面も多くありました。

今後のろう社会のあり方を考えた時、日本国内や韓国国内だけでなく、世界各国のろう者同士で影響を与え合い発展していくろう社会になっていく可能性が高いのではないだろうか。だからこそ、さまざまな国籍のろう者と多様な主題で円滑なコミュニケーションを取りながら自分の視野を広げるためには、国際手話を習得した方が良いのかなと思いました。

国際手話の受講について、週に1回、総計12回、韓国人ろう者の講師より韓国手話で国際手話を教わります。受講が進むにつれ、国際手話で国際手話を教わる形式に変わりました。受講最終日には、アメリカ在住のろう者とZOOMを繋げて、国際手話でお話しする機会がありました。覚えたての手話を使うのはとても難しかったです。

国際手話_モザイク.png

この国際手話の受講を通じて、ろう者対象への教え方や運営の実態などについて知ることができ、非常に有益な経験になりました。

【TMI】
9月11日は、私の誕生日でした。語学堂留学時代を含め韓国で3回目の誕生日を迎えました。まさか3回も韓国で誕生日を迎えるとは思いませんでした。少なくともあと1回は韓国で迎えるのだろう…
国際手話_5.jpeg

以上です。


Posted by 森本 at 01:06 | 奨学生生活記録 | この記事のURL
2024年8月「夏休み!」金本小夜(19期生)[2024年09月09日(Mon)]
更新が遅くなってしまいました!すみません!
もう九月になりましたね。日本もそろそろ暑さに陰りが見えてきた頃でしょうか。
イギリスはもうだいぶ寒い、と言ってもいいくらいで、今週は20℃を越す日が2日しかなく、シェアハウスも朝夜暖房がつくようになりました。町に出るとダウンのコートを着てる人もいて、もう冬支度を始めなくては、と頭の隅で考え始めています。

8月は、私個人は特に休む予定もなく、いつも通り読書と執筆のルーティンをこなしていたつもりでしたが、世間が夏休みだったので、日本から数人友達や知人が来たりして、いつもよりも外出の多い月となりました。
カンタベリーに行って大聖堂を巡礼したり(イギリス文学の父と言われるチョーサーの代表作は『カンタベリー物語』というのです)、ロンドン北東にある、日本でもお馴染みのウィリアム・モリスのギャラリーに行ったりして、イギリスらしいことをちょっとやりました(笑)
中でも楽しかったのはいくつか劇を見に行ったことで、シェイクスピアの『アントニーとクレオパトラ』、同じくシェイクスピアの『真夏の夜の夢』、そしてジブリの『千と千尋の神隠し』にも行きました!『千と千尋の神隠し』、全部日本人のキャストで、日本語での上演(英語字幕)だったのに場内がイギリス人で溢れかえっていてびっくりです。ジブリ、イギリスでも大人気ですね!

ですが私が今回ブログのメインとして特にご報告したいのは、グローブ座上演の『アントニーとクレオパトラ』の方です。これ、イギリスで現在活躍中のろうの舞台演出家(兼俳優)のCharlotte Arrowsmith という方が副演出家として名前が出ていたので気になっていたのですが、実際に舞台に行ってみると、なんとイギリス手話と口話英語のバイリンガルという演出だったのです。
物語はローマの軍人アントニーと、エジプトの女王クレオパトラの悲劇の恋物語なのですが、エジプト勢は全員手話を使い、ローマは全員口話という仕様。しかしエジプトに同情的なアントニーは口で話しながらもところどころ手話を織り交ぜたり、と面白い演出がなされていました。最終的に物語は戦争にもつれ込みますが、それも対話の失敗、口話と手話のコミュニケーションの失敗に終わったという解釈もできることを考えるととてもいい演出だったともいます。
舞台はところどころ完全に手話、または口話の場面がありましたが、全てのお客様に対応できるように三方向に字幕が設置され、その字幕も、喋る人によってフォントを変えたり、喋る人が舞台の上座、下座のどちらから登場するかで文字もその方向から現れたり、とろう者も聴者も楽しめるような色々な工夫がなされていました。
ろう者の間でも話題になっていた作品らしく、観客の中にも手話で会話している人たちもいたし、知人のろう者の家族もわざわざイギリスに観にくる予定だと聞きました。
デフシアターやデフアクターの存在は私も知っていましたが、バイリンガル劇に出会ったのは今回初めてです。日本でももうこういう試みはあるのでしょうか。

さて、次はもう10月。また色々ブログに書けるような経験を積めるよう、毎日の生活を頑張ろうと思います。
Posted by 金本 at 04:33 | 奨学生生活記録 | この記事のURL
2024年8月「長い夏休みどんな終幕を迎えたのか」森本恵実(20期生)生活記録[2024年09月08日(Sun)]
みなさん、こんにちは。8月分の生活記録を書きます。
2ヶ月半におよぶ長い夏休みもそろそろ終わりを迎えました。

8月の私の中での大きなイベントとは、韓国ろう青年会のイベントに参加してきたことです。
今回は韓国の4つの地域のろう青年会の合同イベントで、夏らしく釜山の海岸にて行われました。
釜山合同イベント2.png
※合同青年会イベント(旗)

今回のイベントに参加した4つの地域とは、以下の通りとなります。
@京畿ろう青年会 A慶南ろう青年会 
B慶北ろう青年会 C釜山ろう青年会

釜山合同イベント5.png

このイベントに参加したろう者は約60人、そして健聴者が4名ほどいらっしゃいました。
釜山合同イベント1.png
※やあ!夏といえば釜山でしょ!(垂れ幕)

イベント受付時に配布されるアームカバーのカラー別にチームが編成され、レクリエーションを行いました。
釜山合同イベント4.png

チーム別でのレクリエーション終了後には、人生の先輩であるろう者の講演会が始まりました。そのお方について簡潔にお話ししますと、京畿ろう青年会2代目の副会長、韓国ろう青年会3代目の会長を経験されていた方です。そして現在は、忠清南道ろう者協会の協会長をされていらっしゃるそうです。
釜山合同イベント3.png
※PPT :ご静聴ありがとうございました。皆さんは未来のろう社会のリーダーです。
「停滞しているのは死んでいるのも同然だ」


未来のある私たちのためにどのような道を歩んだら良いのか、自身の経験を交えながら講演してくださいました。より充実した未来を構築するためには、常に前に向かって、肯定的な考えを持って行動することが大事であること、自分の人生や行動を見つめ直す良いきっかけになれました。

私自身、韓国生活を始めてようやく1年になりました。やはりこの1年間で挫けてしまいそうな日や目標を諦めたくなるくらい苦しい日も多くありました。そういった大変さを乗り越えながら、目標に向かって努力し続けることが、未来の私にとって大きな糧となるのではないかなと思いました。

最後になりましたが、
今回の合同イベントのインタビューに応じてまいりました。
インスタグラムのリンクを貼っていますので、良かったらご覧ください。

Posted by 森本 at 00:39 | 奨学生生活記録 | この記事のURL
2024年7月「韓国語能力試験(TOPIK)」森本恵実(20期生)生活記録[2024年08月08日(Thu)]
みなさん、こんにちは。7月分の生活記録を書きます。

ただいま夏季休暇中です。
7月14日、韓国語能力試験(TOPIK)があり、2年ぶりに受験しました。
語学堂留学に行く前である2022年7月に受けたのが最後でした。

日常生活で使う韓国語と試験のための韓国語は大きな差があるように思いました。
この2年間で韓国語能力試験(TOPIK)の勉強にはあまり触れていませんでした。
試験の中でよく扱われる題材の知識やそれに関連する単語をたくさん覚えなければなりません。
そのため期末試験が終わり次第、試験対策の勉強に取り掛かりました。
しかし、想像以上の準備不足を痛感しました。

前置きが長くなってしまいましたが、
韓国語能力試験(TOPIK)とは何か、簡単に説明していきたいと思います。

韓国語能力試験(TOPIK)とは?
韓国政府が認定する機関で韓国語を母国語としない人が受ける試験のことです
韓国の企業や大学などで語学力の評価基準として用いられます。
レベルは1級〜6級まであります。TOPIKTとTOPIKUに分けられ、
TOPIKTが1級と2級の初級、TOPIKUが3級〜6級の中上級レベルに対応しています。

ここからは、私が受験したTOPIKUについて、掘り下げていきますね。

TOPIKUの問題は大きく分けて、「聴解」「作文」「読解」の3つとなります。

「聴解」:50問のリスニング問題を解く試験です。
耳の聞こえない人は事前に特別申請をすることで、各個人に合った代替方法を提供してくださいます。
私の場合は重度障害のため、スプリクトによる代替試験を受けました。

「作文」:韓国語の文章を論理的に書く力を求められます。
全部で4問あり、前半は文中の穴埋め問題、後半は図やグラフの結果の整理、
主題に応じて自分の考えを600〜700字を書きなさいといった問題になります。
先日私が受けた時は、「企業の社会的責任」について600字ほど書かなければなりませんでした。
日本語で書くのも結構ムズカシイ…(泣)

「読解」:50問の問題を70分で解きます。
本当に時間との戦いなので、速読しながら内容を理解する力が求められます。

簡潔ですが、このような試験問題となっています。
日本では1年に3回、韓国では1年に6回の受験が可能です。
もし興味のある方いらっしゃいましたら、ぜひ挑戦してみてください!

【TMI】
7月末、韓国人ろう者たちとチョナンから1時間ほどの離島である、
ホド島に行ってきました。船に乗って向かいました。

※ピンク○で囲んでいる島に行きました。
ホド島.jpeg

※船に乗る前の写真

ホド島2.jpeg

ほんの短い時間でしたが、
海で遊んだりサムギョプサル(BBQ?)を食べたりしてゆっくり過ごせました。

以上です。
Posted by 森本 at 17:32 | 奨学生生活記録 | この記事のURL
2024年7月「初めてオンラインじゃない学会に行きました」金本小夜(19期生)[2024年08月08日(Thu)]
みなさんこんにちは。
とうとう8月に入りましたね。
オリンピックも始まりましたが皆さん見ているでしょうか?私は基本ネットでニュースを見る派ですが、今年のオリンピックは開会式の演出の賛否やセーヌ河の水質、「無課金おじさん」など試合結果以外のキーワードがてんこ盛りで、興味深くニュースを追いかけております。日本は審判の微妙な判断に泣かされながらも序盤から金が多く、頑張っているようですね!

8月の序盤には、今年初めに申し込んだうちの最後の学会がありました。今回は初めてオンラインではない学会で、ロンドンの西側にあるブリストルという町まで出掛けていったのですが、やはりリアルでの学会の良さは色々な人と知り合えることで、とても豊かな経験ができたと思います。私も一応発表はしましたが、今回はフェミニズムに焦点を当てた、少し専門外な内容だったので、勉強不足を痛感しました。それでも会場からの質問や意見交換のおかげで、自分の原稿の問題点や掘り下げる点が見えてきたのはやはりリアルならではだなぁと思いました!
一方で現場に行ってみると、会場の設備の良し悪しというのが補聴器に随分影響するなというのも久しぶりにひしひしと感じました…。ヒアリングループがあっても時々不調になって切れてしまったり、機材トラブルで字幕が出なかったりと、たくさん情報があるのはわかっているのに受け取れないというのはなかなか歯がゆいですね。
ちなみに先日、私が長く愛用していたGroup TranscribeというMicrosoftから出ていた字幕アプリまでサービスを終了してしまい、今回使えなかったのは残念でした。これ、時間無制限で利用できて、精度もかなり良かったのですごく残念なんですよね。Otter.aiも使っていますが、こっちは時間制限があるので、ちみちみ惜しんで使わざるを得ず…。もしも英語字幕アプリでいいものご存知の方いたら教えてください。

今回の写真はブリストルの町です。運河がたくさんある可愛い港町で、昔は波止場からアメリカ行きの船も出ていたそう。(何日かかるんだろう)IMG_9602.jpeg
Posted by 金本 at 06:30 | 奨学生生活記録 | この記事のURL
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