
2016年10月 生活記録 【第12期生 西 雄也】[2016年11月01日(Tue)]
秋になるとこれまでより気温が下がり、日本の秋並みに冷えてきました。そして全然降らなかった雨が降るようになってきました。昼間晴れている時は日差しが強く、半袖でも大丈夫な程暑いですが…。
ここカリフォルニアでは日本の梅雨(夏)とは違って秋、冬の時期に雨が多くなるようです。
元々ドライな気候なのでジメジメすることなく、雨が降っても傘をさして歩いている人を見かけることが多くないです。
最近、アメリカでは大統領選挙が間近になり、その話題があちこちで挙げられている状態です。テレビを観てみるとトランプとクリントンが討論を交わしており、日本とは違ったスタイルや表現があり、討論の会話もストレートに表現しています。イベントのような上映もあったりするので、観ている方も面白いものだと感じました。(字幕を読み取れるほどの英語力はまだまだですが…)そして、沢山の若い人から大人までよく大統領選についての話題が出てくるので、日本との大きな違いを見せつけられました。アメリカに対する愛国心なのか、大統領が誰になるかで国勢の運命や情勢が左右されるという事を国民の多くが認識しており、テレビのメディアからもその雰囲気が醸し出されているようです。
◆進学準備
10月に差し掛かるころには進学に向けて色々な大学・大学院の準備や情報収集等で慌ただしくなります。そこでOhlone College Newark Campus(分校。オーロニ大学から車で約15分の所)で開催されたTransfer Day(編入説明会)に参加してきました。ここでは様々な大学がブースを設けており、自分の興味ある大学の情報収集を行うことを目的としています。色々な大学のパンフレットを入手したり、手話通訳を介して担当の方に質問したりしました。他にも、後にオーロニ大学でギャロデット大学の紹介の為の講演が開催されたので参加し、貴重な情報を得ることができました。

↑ Netwark Campus内の編入説明会ブース
◆フリーモントろう学校見学
デフアーティストで有名なDavid Call先生がフリーモントろう学校に在籍しているという情報を頂いたので、本人とアポイントメントをとり、David先生とお会することができました。その時は小学部のクラスを見学する機会を作っていただき、この日の指導内容は、メキシコでは有名な『Day of the Dead(死者の日)』をテーマとし、「骸骨」をモチーフにした作品作りの指導を進めていました。授業終了後は、校内に掲示されている小〜高等部の生徒たちが制作した何点かの美術作品 を沢山紹介していただきました。高等部のクラスの様子も見学したかったのですが、この日は大学のクラスの時間上調整が難しかったので、次回はなんとか調整をし、再訪問する予定です。

↑ David Call先生と

↑David Call先生の作品

↑フリーモントろう学校内に飾られていたデフアート
(他にも色々な作品が展示されていました)
◆クラス
10月に入る頃にはこれまでより一層宿題の量が増えてきました。
Writingクラスでは本格的にエッセイを書き始め、来週までにエッセイをまとめ、次週までに次の章(全部で40〜50ページ)を読んでくるようにという感じで、ペースが速まっています。わからない単語を一つ一つ調べると効率よく進められないので、これまでとはまたひと際違った勉強の工夫が必要になります。
Deaf Cultureでは、ADA法ができた背景には黒人差別に対する運動から学んだという話や、ADA法が施行されてからは昔よりろう者や障害者に対する状況が良くなったが、まだまだ「平等」になる為の合理的配慮は十分ではない。多くの課題が残されているということについて議論を進めました。他にも「ろう者」「難聴者」の違いについての議論があり、要するに口話が出来る出来ない、手話が出来る出来ない、補聴器をつけて聞こえるから難聴、などのくくりで決まるものではない。時代によって状況は変わる、もっと深い意味があり、そのポイントや背景には「Culture(文化)」が絡むという。それについて深く掘り下げながら柔軟に考える点も必要になるという感じで議論が深まり、楽しく授業を受けることができました。
Deaf Communityのクラスでは他の施設の見学へ行く機会があり、サンフランシスコ図書館へ訪問しました。そこにはデフサービスセンターというろう者専用の本があるスペースがあり、アメリカのあらゆる場所からろう者に関する書籍や、ろう者が執筆したろう者に関する本、そして他国のろう者に関する本(日本の本はみんなの手話など)の本が多数置いてありました。そして、そこの空間はろう者が描いたアートが飾られていたり、本棚の高さがろう者に合った空間づくりの工夫が施されていました。

↑サンフランシスコ図書館内にあるデフライブラリー
(本棚の高さを見てみると、ろう者がお互いの顔や手話が見えるように意識してつくられていますね。)
◆ハロウィーン
10月に入ってからは、ハロウィーンの時期が近付いている為、あちこちのスーパーでは大きな赤いかぼちゃが沢山店頭に並んでおり、色々な家にハロウィーンをテーマにした飾りが飾られているのを見かけました。そして、ハロウィーンの日(10月31日)が近づくとハロウィーンのイベントが増え、オーロニ大学内でも学生や職員たちが仮装をするというイベントが開催されたので、参加し楽しむことができました。

↑オーロニ大学の職員達の仮装姿
授業の中で知ったのですが、元々ハロウィーンはメキシコが最初に生まれた民族行事だそうです(最初の発祥はアメリカかと思っていました…)。『Day of the Dead(死者の日)』をもとに作られたイベントだそうで、亡くなった人の魂がこの世に帰ってくる、そして死者を敬い、祝うために作られたイベントであると共に仮装をして悪霊を払うという意味合いがあるようです。後に、アメリカやヨーロッパなどでイベントの一つとして広まり、「死=怖がらせる」のも入れて楽しんでいますね。