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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2016年9月生活記録 第10期生 山本綾乃[2016年10月05日(Wed)]
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9月からケンダルろう学校の放課後プログラムのスタッフとして仕事をさせていただいています。
KDES.jpg

今年5月末、ケンダルろう学校が放課後プログラムスタッフの募集をしていることを知りました。秋学期以降教育実習があるか分からない状況の中で、これはチャンス!と早速申し込みました。書類審査とインタビューに通過し、無事スタッフになることができました。

放課後プログラムとはいえ、子どもとかかわる責任重大な仕事であることから、このプログラムが開始する前に、三日間きっちりと事前説明会がありました。

主に3歳から小学生までの子どもたちが集まります。さすがアメリカ、人種多様です。肌の色も髪の色もさまざま。しかしみんながお互いを受け入れ、楽しく遊んでいることに感動しました。彼らにとっては当たり前のことですが、日本で育った私にとっては新鮮な環境です。
これから一年間どんな活動になるのか楽しみです。
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(スタッフ着用のTシャツ)

さて今学期履修した講義について報告します。
昨年一年間と大きく違うのは、今学期の講義は全て必修講義ではなく、自分の興味ある講義です。そのため、学びのモチベーションがさらに上がります。

EDU_767__: Capstone
修士論文の講義です。主に自分で調べ、まとめ、教授に提出、確認する流れとなっています。
私の研究テーマは一言でいうと”IEP”です。
IEPとはIndidual Education Plan、つまり個別教育計画です。日本の学校にも個別教育計画はありますが、アメリカの学校にも同様の考え方があります。全学期の講義や教育実習の中で、アメリカのろう学校にはIEP Meetingというものがあり、様々な専門職がひとりの子どものために集まり、計画を作っていくという取り組みです。
子ども、保護者、教職員、カウンセラー、医療機関関係者など子どもを取り巻く様々な方々との情報交換や、統一した教育を円滑に進めるための方法を学びたい私にとって、このテーマが最適だと考えました。
IEP meeting Image.jpg
(IEP会議のイメージ)

EDU 639: Elementary School Teaching Methods in Mathematics
初等科算数指導法の講義です。学部時代にも同じ講義を取りましたが、算数を楽しく教えるために必要な知識や教材などの情報を得るために受講することにしました。教授がなんと前学期お世話になったメリーランドろう学校小学部5年生の担任の先生なので、生の情報を得ることが出来て嬉しいです。
ゲーム感覚で楽しめる様々な教材を紹介してもらいました。いくつか紹介します。

1、セブン エイト ナイン
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("7ate(8)9'"というゲーム。ウノ形式、右上にある数字を足したり引いたりした数字を出すというルール)

2、ジェンガ
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(おなじみのジェンガにかけ算を加えたゲーム。答えが当たったら自分のもの、外れたら上に重ねておく、最後に数の多い方の勝ちというルール)

EDU665: Children Literacy
絵本や児童書を分析する講義です。教授の指定する児童書だけでなく、毎回、自分のお気に入りの絵本、伝統文化の本、多様性の本など図書館などから借りて情報交換します。
驚いたことは、学校や図書館で使用することが認められない絵本が多いことです。多様性あふれるアメリカは、宗教、文化、性などに対してシビアなのです。

EDU 735: Introduction to Special Education and the IEP process
これはアメリカの教育法、個別教育計画の過程について学ぶ講義です。
ADA法やIDEA法など様々な法律が出てきますが、同級生と一緒に整理しながら理解しています。
保護者の話を聞いたり、IEP会議に参加したりもします。自分の修論と最も関係のある講義となりそうで楽しみです。

その他、学内の行事に参加しました。
AMY教授のメモリアル儀式
9月16日、教育学部のAmy教授のメモリアル儀式がありました。
ろう者であるAmy教授は、ろう教育にとってかけがえのない存在でしたが、今年の夏突然若くして亡くなられてしまいました。全米からご家族、親戚その他関係者が大勢集まり、彼女の偉大さを改めて実感しました。安らかにお眠りください。

ギャロデット大学新学長の就任式
ギャロデット大学初の女性ろう者学長。さらに彼女には奥さんがいます。
マイノリティー要素を多く持った学長ならでは。留学生にも理解があり、私たちのイベントにも顔を出して下さる素敵な方です。これからのギャロデット大学の更なる発展に期待大です。
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(昨年度の卒業生を送る会に、学長がおいでになり、お祝いの言葉を述べて下さいました)
この記事のURL
https://blog.canpan.info/deaf-ryugaku/archive/993
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