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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
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2007年6月 生活記録(第2期生 高山 亨太)[2007年07月02日(Mon)]
 かなり忙しかったサマースクールも6月8日に全て終了した。最後の週は4つのレポートと最終試験、最終レポートが課せられたので地獄のような日々であったが、終了してみれば充実感を感じられ、たくさんのことを学ぶことが出来たのだと感じることが出来た。これまでに日本で聴覚障害の仕組みや聴覚生理学を学ぶ機会はあったが、一貫して学ぶことはなかったため、今回のサマースクールで基礎から実際のリハビリテーションや支援方法などといった応用まで学ぶことが出来たことは、今後、聴覚障害福祉に関わる専門職の養成や臨床の場で大いに役に立つだろう。また聴覚障害福祉に関わるすべての保健・医療・福祉専門職は、必ず聴覚障害に関する最低限の基礎知識を学ぶ必要があると、改めてサマースクールを通じて学んだ聴覚障害そのものの奥深さから考えさせられた。結果的に最終試験の結果、Aという成績をもらえたことは、今後ダブルマスター(2つの修士号取得者)を目指す自分にとって大きな自信となった。またオージオロジーに興味を持ったので、これからもオージオロジーを理論的・実践的に追究していきたいと思う。聴覚障害者に関わる専門職としては、コミュニケーション方法の1つとして手話が出来た方が有意義なことはいうまでもないが、特にオージオロジーを知っている専門職と知らない専門職では支援に関わり、聴覚障害者本人の聞こえ方やコミュニケーション方法、さらに今後の予見を検討するときに話にならないほど力量の差が出ることは明確であろう。

 サマースクールが終了した次の日の9日に、ワシントンD.Cのダレス空港から日本へ帰国の便についた。10日の午後に成田空港に到着し、その後筑波大学のあるつくば市に滞在し、またその後実家のある神奈川県に帰郷するなどつかの間の帰国を楽しむことが出来た。帰国した本来の目的は、自分の留学ビザが5月13日付けで切れ、ビザの規則として有効期限から1ヶ月以内に帰国するか、または期限までに新しいビザの更新をしなければならないことになっているため、日本で新しいビザの発行を受けるためであった。2001年のニューヨークで起きたテロ事件以来、アメリカの移民や留学に関する規則や監視が厳しくなっていることもあり、期限を過ぎて滞在した場合に再入国や留学の継続が認められない可能性もあるため、ビザの有効期限や規則には注意して必要に応じて帰国するなどしなければならないことになっている。今後、留学などを希望されている方などは、必ず留学や移民に関する規則や留意事項を一度、アメリカ大使館のホームページで確認して欲しい。ビザの更新のためには、留学前にアメリカ大使館へビザの申請をしたように、同じ方法でアメリカ大使館に再度申請しなければならないのである。夏から留学する学生が多いのは、承知の通りである、アメリカ大使館でのビザ申請に関わる面接予約は1ヶ月待ちという状況なのである。今後は、7月11日の面接日までにビザ申請に関わる書類をそろえ、当日の面接後の2週間後に預けたパスポートなどの書類とともに新しいビザが手元に届くといった流れとなっている。その後は、すぐにアメリカ本土へ調査のために飛び立ちたいと考えている。必要な書類とは、パスポート、大使館指定の申請書類、受け入れ先からの受け入れ証明(合格通知など)、受け入れ先から送付される書類、留学生活を維持できることを証明できる財政証明、SEVESへの支払い証明などが必要になるので、余裕を持って準備しないとあとであたふたすることになる。

 帰国した後、母校の筑波大学の看護学系などにて聴覚障害についての講義をする機会があった。これまでにも講義した経験はあるが、今回はアメリカのギャローデット大学で学んだ聴覚障害に関する理論やオージオロジーの理論、実践をふまえた上で講義することが出来た。学生からは「わかりやすい」、「聴覚障害に関する誤解が解けた」、「今後、自分が専門家になったときにどのような知識が必要なのかわかった」などと好評であった。改めて、ギャローデット大学に留学したその成果を感じることが出来た一時でもあった。今後とも帰国する際に、講演会や講義などの機会があれば積極的に引き受けていきたい。
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