
2016年5月生活記録 第9期生 福田桂[2016年07月27日(Wed)]
別れと新たな挑戦。
春学期の後、卒業式まで一週間、空きがあるので、盲ろう者と一緒にピクニックに出掛けたり、パーティーをしたりして過ごした。
また、ワシントンDCを離れる友達がいたり、私も寮を出て一時期、キャンパス外に住むなどで、お互い引っ越しの手伝いをしたりした。毎日のように一緒に過ごしてきた人達なので、別れる時は、やはり寂しい気持ちになった。私もまもなく、ここを離れることになる。
ギャロデット大学の盲ろう学生は大学、大学院を卒業された。間が悪い私は、彼らの卒業式を見届けず、シカゴへ行ってしまった。
Tactile Mind

【写真】理事会の前に撮影したTM チームメンバーと学生たち
(右の女性研究者除く、全員盲ろう)
ギャロデット大学に本部を置く盲ろう関連の研究ネットッワーク「Tactile Mind(以下TM、タクタイル・マインド)」がある。
盲ろうのコミュニティを始め、プロ・タクタイル手話の開発など、盲ろうのリーダー達と研究者が進めている。
卒業式の前日に、本学の理事会で、継続的な支援とネットワークの必要性をTMチームの研究者がプレゼンをする為、盲ろう学生とOBが集結し、一緒に出席した。内容については、いくつかの課題が残ったが、学長がプロ・タクタイルの関心を持っていただいたことが印象的でした。
去る6月2日、TMチームの代表者としてJelica Nuccio氏(*DeafBlindのリーダー)と研究者 Clifton Langdon博士がホワイトハウスでプレゼンをされたとのニュースが、ギャロデット大学のホームページに掲載された。
Gallaudet University - News
「Tactile Mind gives presentation at White House」
http://www.gallaudet.edu/news/tactile-mind-at-white-house.html
ソーシャルワーク学部での優等学位生達が、ギャロデット大学における盲ろう啓発のために作成したビデオを紹介する。この動画、私も出演している。
(入学する盲ろう学生の為、理解とコミュニティを広めて行くことが、私たちの願い)
DeafBlind Awareness (3分8秒)
シカゴへ視察旅行
盲ろうの友人がシカゴのライトハウスに勤めているので、週末に盲ろう者のイベントがあると情報を頂いたので、シカゴのライトハウスに行った。
シカゴは盲ろうの団体がなく、定期的に盲人と集まっている。今回は、食事会を開いた。
日本もろうベースの盲ろう者と盲ベースの盲ろう者と一緒に活動をしており、似ている点があるので身近に感じた。
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【写真】ライトハウス内の売店の入り口付近。カーペットにライトハウスのロゴがある(写真の中央)。
カーペットの上には入り口のドアで、ドアを通り過ぎると売店がある。売店には視覚障がい者向けの商品が多く揃っている。
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【写真】子供向けのおもちゃ。すべての商品に点字が付いている。
おまけ
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【写真】シカゴ名物の極厚ピザ。
空港で食べたピザは、厚さ2cmくらいの深型のプライパンのような感じの生地。
その上にたっぷりのチーズとソースをのせて、牛肉を丸めたようなものをのせている。
サマークラス(履修クラス ECO 201 - Introduction to Macroeconomics)
DCに戻ると、すぐに3週間に及ぶマークラスが始まった。
クラスでは、経済学入門を選択した。経済学入門を選択した理由は、、、
実は、ビザの関係で、サマークラスを受講しなければ7月中、強制送還!!!
しかし、私は、夏にはかねてからの計画があり、受講できるクラスを選択した。
日本の盲ろうの友人から「将来、盲ろうと国際関係に携わって」と頼まれ、それに近いクラスを考え、苦手分野の経済学を選んだ。
最初は左も右もわからず、頭がパニックの状態でした。
授業については、インフレと雇用、消費、国民所得、金利など含めたマクロ経済などの概要を学び、基本的な経済学を学んだ。また、授業後、クイズ問題をオンラインで回答するのでした。そのなかでクラスメートと励まし合い助け合ったことは、留学最後に良い思い出になった。
《参考》
*DeafBlind = アメリカ人なので個人の権利を尊重している。
「盲ろう」と呼称するのは日本だけです。