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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
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5月の生活記録/池上真(一期生)[2006年06月20日(Tue)]
□ 夏休みの予定と今までの経過

 夏休みが始まってから1ヵ月が経過した。期末試験終了以来、多くの学生が一斉に実家に帰省する中、ギャロデットのキャンパスライフというところで働いている。そして、今月の初めからは、サマースクールにも通い始め、ロースクールの出願に必要なLSAT(Law School Admission Test)の試験対策に取り組んでいる。

□ キャンパスライフでの仕事

 夏休み開始と同時に、ギャロデットのキャンパスライフというところで働いている。たまたまそこで知り合いが働いていて、その人にお願いして、上司との面接を経て、現在に至っている。Visitor Housingのアシスタントとして、見学者を含む訪問者のためにベッドメイキングをするのが、主な業務内容である。その他にも、ある寮の地下一階にあるリネン室から、キャンパス内に散らばっている、合せて6つあるそれぞれの学生寮まで、大量のリネン(シーツ、カバー、枕、ブランケット、タオル)を運んだり、訪問者からの宿泊申込の受付に関する事務の補助をしたり、Visitor Housingと各寮をつなぐパイプ役として、パンフレットや領収書、エンターキーなどを受け渡ししたり、バスルームの掃除をしたりするなど、業務の内容はかなり幅広い。
 5月の第二週目は、ギャロデット大学において卒業式が盛大に行われ、多くの卒業生の家族の宿泊が集中したため、特に多忙を極めたほか、今月初めも、「リードアメリカ(Lead America)」というワークショップのために全米各地から400人近くもの多くの10代の若い学生が一斉に集まり、そのための準備に追われるなど、キャンパスの芝生で日を浴びるのが惜しいほどの忙しさであるが、同僚や各寮のアシスタントの多くがアメリカ人であり、学期中とは違った人間関係から学ぶことの多い日々である。

□ サマースクール(LSATの準備)

 6月の初めから、サマースクールにも通い始め、LSATに必要な英語の勉強をしている。LSATとは、ロースクールに入学を希望する者が受けなければならないテストであり、LSATのスコアは、ロースクール側にとって、合否を判断する際の重要な要素の一つとされている。第一回目のレッスンでは、本番と同じ形式による実力診断テストが行われたが、周到な準備が必要であることを痛感させられた。特に、語彙力の乏しさである。LSATは、読解[Reading Comprehension]、分析的解釈[Analytical Reasoning]、論理的解釈[Logical Reasoning]という3つのタイプの問題があるが、それぞれの問題の解き方を覚えていくと同時に、語彙力を強化していく必要がある。

□ 普段の生活について

 夏休みの開始と同時に、学生寮からギャロデットの近くのアパートに引っ越した。ギャロデットの周りには、日本のようなコンビニやファミレスがない。大学のカフェテリアはやや高めなので、そこに頼ってばかりいると、赤字が出ると考え、ほぼ毎日毎食自炊の生活を送っている。日本に一時帰国した友人にもらった、この長い夏休みの間に賞味期限が切れそうな日本食を使い、冷蔵庫の中にあるものを組み合わせつつ、未熟者ながら、料理にいそしむ日々である
 また、食材や日用品の買出しもアパート暮らしならではの仕事である。DCに隣接するメリーランド州やバージニア州にある巨大なショッピングモールに行って、必要な食材や日用品を買い足している。冒頭にも述べた通り、この時期は多くの学生が実家に帰省しているが、幸運なことに、学期中から頼みとしていた友人がサマースクールやアルバイトでキャンパスに残っていたため、彼らにお願いして車で連れて行ってもらうことが出来た。DCは、地下鉄やバスなどの公共の交通機関が発達しており、移動手段にはさほど困らないが、買出しとなると別の話である。いくつかのモールは駅から離れたところに位置しており、車がないと生活が大変不便であることを改めて実感した。たっぷり時間のあるこの夏休みのうちに、自動車の運転免許を取得したほうが良いのではないかと思う今日この頃である。

□ その他(ジョージタウン病院での出来事)

 ある日の夜、友人が突然頭痛を起こし、知り合いにお願いして、車で一緒に病院へ付き添ったのだが、その病院においてびっくりしたことが二つあった。一つは、救急外来の中に手話によるコミュニケーションが可能な医者がいたこと、もう一つは、僕たちが病院に到着してから約一時間後に手話通訳者が来たことである。今回のような、突然の、理由の分からない肉体的苦痛を抱えているときに、そばに手話通訳者がいると、患者本人が安心して治療を受けることが出来るのみならず、その家族や友人も医者の説明や指示を理解することが出来、安心するということを、身を以って経験した。ADAの威力を垣間見る思いでした。(ちなみに、友人は、薬と点滴による治療により順調に回復し、翌日には、無事に退院することが出来ました。)
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コメント
池上さんへ

頑張っておられるようで何よりです。 そちらでの暮らしの様子が良くわかり、楽しく読ませていただきました。 病院での手話通訳の話、一時間後に手話通訳者が来たっていうのはすごいですね。 それから、料理もうまくなりそうで良かったですね。拍手

バイトもなかなか大変そうですが、ASLでのコミュニケーションにはもうかなり慣れたのでしょうね。

LSAT大変そうですけど頑張ってくださいね。 陰ながら応援してます。

こちらはここ数日サッカーばかりです。サッカー

石井
Posted by:石井  at 2006年06月20日(Tue) 14:33