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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2015年10月生活記録 第7期生 中川美幸[2015年11月17日(Tue)]
こんにちは。10月になった途端、ここギャロデット大学では毛布を引き出すほど寒くなりました。家族に不幸があって、一週間だけ日本に緊急一時帰国しましたが、家族に最後のお別れをすることが出来ました。

私が一週間実習先を休んだ時、生徒たちが励ましの手紙を書いてくれました。本当に素敵な手紙で、今でもリュックに入れて持ち歩いています★ある生徒のメッセージ「あなたの大切な家族は“天使”になって、あなたのそばにいます」という言葉にうるるとなりました。
tammy class 1-2G kendall.jpg

講義
☆ EDU320 保育環境 Early Childhood Environments
子供の環境が大変良いどうか、理論にあっているかどうかを観察する宿題で、友人の子供とショッピングモールで遊ぶ機会を頂きました!彼女は好奇心いっぱいで、私の観察したかったところを全部回ってくれました!!アメリカは素敵と思っていたのですが、どこでもまだまだです・・・小さな子供の目の前で、高い山の上で姉妹が押し合って妹が落ちました。さらに妹が他人の乳幼児の上に落ちたんです。なのに、家族は誰一人出てきませんでした。これって、、??と疑問に思いました。


☆ EDU711 読み書きの応用 アメリカ手話/英語 バイリンガル 教室 カリキュラム Literacy Applications in ASL/English Bilingual Classrooms K-12
このクラスはアメリカでたった一つしかないクラスです。色々な英語−アメリカ手話の教え方を様々なテキストの中から読み漁って、まとめながら進めていくのです。
その中の一つがビデオを読んで議論することでした。
皆さんも雰囲気が掴めるのではないかと思います。
http://videocatalog.gallaudet.edu/?video=11168


スクリーンショット 2015-11-15 12.16.24 AM.png
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クラスの資料から
手話で英語を教えるために、手話の知識も必要だということをこのクラスで何回も言われています。例えば、Xという指文字から何が出来るかというと、脳、歯、時間、人形などのいろんな単語がでてきます。日本でも1−2−3で何を作ろうという手遊びや指文字遊びがあります。それと似ているのですが、アメリカでは、きちんと言語として教えるべきだと言っています。

☆ EDU793 教育実習 Practicum
10月は驚きの発見ばかりでした。例えば、日本では小学1、2年は年齢に合わせて教えるのですが、ケンダルでは1、2年生混合で、午前中は言語のレベルに合わせ、3つに別れて英語(読み書き)を教えているのです。私が教えている生徒は8人で、デフファミリーが5人、聞こえるファミリーが3人です。1人はフランス語とフランス手話を使います。

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小学部では、ハロウィーンイベントはやりません。それでも、ギャロデット大学のアラン学長と奥さんが私たち小学部の児童(幼稚部年長組から小学2年)を招待してくれたので、みんなでアラン学長夫婦と一緒にかぼちゃを掘ってジャック・オ・ランタンを作りました。皆一同すごく楽しんでいました。アラン学長夫婦にとっては、子供達と触れ合う最後の日なのです。皆で手紙を渡して、バイバイしました。
https://www.facebook.com/KDESwildcats/photos/a.396420336995.178440.194492606995/10153949844211996/?type=3
ケンダルろう学校のFacebookに載っていました★私はどこでしょうか?

ケンダルろう学校で驚いたことの一つは、声を出してもいいというテーブルやスペースがあるのです。それはいいのですが、私のお手伝いが必要だと言われてそこへ行くと、「来ないで!ここは話すための場所よ。」と他のクラスの児童にいつも言われます。それでも、懲りずにうちの児童に手話で話しかけたら、手話で教えてくれました。他のクラスの一部の児童はまだ手話で話しかけてくれませんが、、、、

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ケンダルろう学校ではグループで15分スピーチの時間があります。聞こえない児童は唇を読み取り、難聴の児童は補聴器で聞き取っています。でも、ゲームなどを教えるのがとても上手なので、児童たちは彼女の指導に熱中しています。


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ケンダルろう学校では、英語の教科書はありませんでした。その代わり、2週間ごとのテーマや学習基準(日本でいう学習指導要領)に合わせた色々な本を借りてきて、皆で読んだり、議論したりしていました。算数と理科は教科書があります。不思議ですよね。


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日本でもアメリカでも同じなんだなあと感動したことは、子供達は絵本が大好きだということです。しかし、私の児童達は小学部1−2年生なので、そろそろ絵本を卒業して書物に移行しなければならず、ほとんどが、絵本と本を一冊ずつ借りていました。
この絵本は私の大のお気に入りです。かわいいいいいいいですよね。

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ほぼ毎日、おやつの時間に児童たちは手話による絵本を読んでいます。素敵な手話に素敵な絵本で、私もはまってしまいました。でも、電子書籍について論文を作っている私は、少しあれれれと思うこともあったので、卒業プロジェクトに使わせてもらおうと思っています。

★ 卒論★
いよいよ、卒論に近いけど卒論ではない、卒業プロジェクト(Capstone)なるものが始まりました。Capstoneについて調べてみたら色々な意味が有り、あるところに「最後の一仕上げ(a final touch)」と書いてありました。こちらの方が納得です。つまり、私の大学院生活の最後の一仕上げが一年間も掛かるのです、、、私の卒業プロジェクトテーマは前にも何回か載せた、絵本読み聞かせにしました。絵本読み聞かせは私の専門でもあり、ろう学校でも家庭でも絵本読み聞かせに苦心する親たちがいること、もっと子供達が楽しんで手話から日本語を学ぶためにはどうすればいいかとずっと考えていました。大学院入学時から担当に何回か提案したのですが却下され、卒論担当が変わった際に、幼稚部や図書館で絵本読み聞かせを何度も経験されているJ先生がゴーサインをくれたので、早速チューターとともに、先生と相談して決めた論文を読み漁り、新しい提案を作成しています。今までに12冊も読み込み、これはいい!!と思うものを探し当てるのがかなり大変で、実習と重なっていることもあって、諦めようかと思いましたが、個人指導の方のお陰で、なんとか、第一原稿を書き終えることが出来ました。私の大好きな絵本(e-book)を作成しているプロジェクトのM先生に相談して、私の卒業プロジェクトの提案レポートを出したところ、あなた方が試しに作ってみたらどうですかと言われました。上手くいくかどうかは分かりませんが、自分の卒業プロジェクトを上手く活かしながら日本で何が出来るかを考えていきたいです。(担当の先生の推薦で、来年ある教育関係の会議で私の論文の発表を頼まれましたが、果たしてどうなるやら、、、、)

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私の卒業プロジェクトでこんなにも沢山の論文を読みました(涙)

★ ベビーシッター★
先月から、障害学生支援センターの仕事を減らして、一歳半前後のろう幼児のベビーシッターを始めました。聞こえない赤ちゃんを教えたことはあっても、生活面を共にするのは初めてです!その子からどうやって、大切な言葉を教えるか、どうして泣いているのかなどの多くのことを学びました。彼女の言語獲得は確実に伸びていっています。本当に貴重な経験をさせて貰っていると思っています。これは絶対、日本での仕事や夢実現に結びつくと思います。
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