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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2015年9月生活記録 第10期生 山本綾乃[2015年10月09日(Fri)]

”やっぱりハリーポッターのような学校だ…!”
IMG_1984.JPG
(魔法の学校のような学内)

ギャロデット大学の門を再びくぐり抜けた時のこの感動。
憧れの大学院へ入学して早くも一ヶ月が過ぎました。
1年間のカリフォルニアでの経験があるので、新生活にはすぐになじむことができました。

8月末に引っ越して来た時はとても暑かったのですが、
9月末には冬の訪れを告げているかのように風が冷たくなり
台風の影響で集中豪雨のような大雨も降りました。
毎日温かな笑顔のカリフォルニアの空と比べて
ワシントンD.C.は、空も次々と表情を変えて忙しそうです。

IMG_1989.JPG
(教育学部棟には新入生の写真が飾られている)

ブラックボード
今回はアメリカの大学の特徴を、少しお話ししたいと思います。
アメリカの大学は入学試験ではなく、書類審査で合否が決まります。
入学後は必修単位などを取りながら、学位取得いわゆる卒業を目指して大量の課題と戦う毎日です。
その課題のやりとりについて、これがまた面白いのです。
「ブラックボード」というオンライン電子黒板を中心に授業がすすめられます。
当初この仕組みはオーロニ大学だけだと思っていましたが、ギャロデット大学も同じでした。
とうやら全米の大学では広く使われているようです。
ブラックボードには、授業予定や課題内容、提出、連絡、成績など全て貴重な情報が詰まっています。
そのため毎日チェックする必要があります。
Screen Shot 2015-10-09 at 12.20.53 AM.png
(ブラックボードのトップ画像)

講義内容
さて前置きが長くなりましたが、院での講義内容を報告します。

院の講義は討論中心のため、講義の前に本を読んだり、ビデオを見たりして予習する必要があります。
ひとつの講義が週に一回、一コマ三時間で進められます。
基本的にどの講義も本が三冊、一章ごとに、ある講義はビデオや手話つきパワーポイント
さらに、レポート課題もあるので、時間に余裕をもって予習する必要があります。


それぞれの講義の内容を報告します。

1、EDU600
K-12 Curriculum and Instructional Technology(指導案)

ステップを踏みながら、指導案を作っています。
その他プレジ( 動くパワーポイント)やホームページ(練習のため非公開)、手話動画を作ります。
指導案作りに関しては、日本でも教育学部を専攻していたので、以前の経験を思い出しながら進めていますが、形式が違うため、初めは課題の目的が正直理解できませんでした。またホームページや手話動画は初めてなので、教授のアシスタント学生からチューターを受けながら理解するようにしています。


2、EDU785
Field Experience and Seminar(フィードワーク)

ギャロデット内で行われた職業ガイダンスに参加、そこにはインターンシップを希望する学生が多く集まりました。ろう学校のブースもいくつかあり、説明を聞きました。手話、口話、バイリンガル、重複など様々な方針の学校があります。特に重複の学校は、教育ではなくカウンセリングを専攻している学生を募集していました。子どものニーズに合わせて専門者を雇用する姿勢は大切だと思いました。
その他、10月からの学校見学に向けて、グループで質問を考えました。


3、EDU701
Deaf Learners and Education in Bilingual Communities(バイリンガル教育)

今回は、ろうコミュニティがテーマで、ろう教育の歴史やミラノ会議、デフフッッド(Deafhood)などについて話し合いました。デフフッドとはろう者がろう者であること。ろうアイデンティティやろう文化に触れ、聞こえない自分に自信を持っていこうという前向きな考え方です。
以下の本はろう教育について深く書いてある本です。耳の仕組みや教育方法、ろう団体など貴重な情報が豊富で勉強になります。
IMG_2001.JPG
(上:ろう教育に関する教科書、下:4つの講義で指定されているすべての教科書)


4、EDU631
Literacy Teaching and Learning(リテラシー教育)

この講義は7人という少人数で、学生と教授との距離が最も近く感じられます。
読み書きをテーマに、教科書を読んで感じた疑問を、ブラックボートへあらかじめ投稿し、
その質問をもとにみんなで話し合います。例えば、ろう児に絵本の読み聞かせをする際に注意する点は何か。ろう盲児にはどんな配慮が必要か。などです。
現在は学習評価表を作っています。私は「書くこと」をテーマに、様々な児童の文章の例を見て、どんなことにつまづき、どんな支援が必要なのか調査しています。


心をととのえる。
慌ただしい毎日の中で、心をととのえる貴重な時間も作っています。
その中の二つを紹介します。

1、映画
毎週末、学内で映画が無料上映されています。
パソコンで映画を見ようとしても様々な環境要因が邪魔をしてなかなか落ち着いて見ることができません。そのような中、まるで映画館のような場所で見る時間は集中力を引き出してくれます。英語の勉強にもなり一石二鳥です。
今月は「Ferris Bueller's Day Off」「Paddington」「The Normal Heart」の映画を見ました。
後者はエイズやHIVに関する内容です。アメリカには、エイズ/HIV感染者がたくさんいるのが事実です。そのため性教育も盛んです。やや過激でストレートですが、人間の身体を知る、理解するための大切な映像だと感じました。

2、ランニング
日本での学部時代も週に一回ほど実家の周りを走っていました。
カリフォルニアでも勉強の息抜きにホームステイ先の周りを走っていたし、
ギャロデットに来てからも心が疲れた時はグラウンドを走っています。
まさか異国でも走るとは想像もしなかったので、きっと生涯続くのだと思っています。
私にとって風に向かって走るということは、自分と対話し様々な出来事を整理する助けとなっています。

IMG_1327.JPG
(学内のグラウンド)

これから二年間、どんな生活になるのでしょうか。
ハリーポッターの主役であるハリーのように、たくさんの冒険をして
学習面も生活面も人間として大きく成長していけるよう真剣に頑張りたいと思います。

gallaudet.jpg
(黄色のマークはアメリカ手話と英語のバイリンガル教育を表している)
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https://blog.canpan.info/deaf-ryugaku/archive/880
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