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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2014年9月生活記録 第10期生 山本綾乃[2014年10月14日(Tue)]
太陽が顔を出す時間が短くなり、季節の変わり目を感じています。
月末には、渡米後初めて恵みの雨が降り、気持ちよかったです。
カリフォルニアは水不足なので、水を大切に使おうという意識が高いです。
IMG_2450.JPG
(秋は夕暮れ:道ばたに落ちていた紅葉と松ぼっくり)

9月の学習内容を報告します。

Grammar
現在形から現在完了形まで学習しました。
中高時代の英語の復習という形で受けています。
しばしばテストがあるので、その都度授業の確認ができます。


Reading & Writing
「ハンバーガー」というキーワードを頭に入れて
様々なエッセイを読んだり、書いたりしています。

エッセイをハンバーガーに例えると
自分の言葉がパンで、引用文が肉やサラダと解釈します。
このハンバーガーをたくさん作ることで
よりおいしい(内容の濃い)エッセイが出来上がるのです。

自分の意見に、より近い表現ができるように
英語力やアイデアを高める練習をしています。


Deaf Culture
”聞こえない自分と向き合う”
これがこの授業の大きなテーマです。
現在、デフカルチャーとADA法(アメリカ障害者法)を同時進行で学習しています。

自分の経験を言葉で表現したり
他者の話に耳を傾けたりして
聞こえない自分を様々な角度から見つめる大切な機会となっています。

今月の発見は、デフアイデンティティにも種類があるということでした。
私は今まで、アイデンティティがあるかないかという視点で捉えていましたが
細かく見ると、様々なカテゴリーがあるのです。

ろうと聴、両方の文化に入ることを楽しむ人
両方とも楽しめるが、ろう文化の方が心地よい人
どちらかというと聴文化の方が刺激的な人
どちらにも入れない人
ろう者といっても、家族、学校、職場など
彼らをとりまく環境によって異なるのです。
大切なのは、いま自分がどのカテゴリーに属するかを知り
情報を集めた上で、選択し、説明できることです。

ADA法(アメリカ障害者法)
ADA法が実際に施行されているかを検証するために
病院や警察、交通会社、健康センターなどに問い合わせます。

私のテーマは「学校」です。
アメリカの通常学校に通うろう児は
すべての授業に手話通訳を付ける体制が整備されています。
しかし、その通訳者の質はほんものなのだろうか。
手話が「できる」と手話を「極める」とでは
ろう児の理解や学力も変わってくると思います。
質の高い通訳を起用できているのだろうか。
それを検証するために、これから三つの地域の通常学校に問い合わせる予定です。


Deaf Community
Tom教授が書いた本を用いて、デフカルチャーを学んでいます。

1、相手を呼ぶとき、電気をパチパチ(つけたり消したり)します。
またテーブルや床を叩いて呼びます。
このようにろう者は、光や振動を使ってお互いを呼び合うのです。
私が最も注意してほしいことは、肩を叩く時です。
いきなり背後から肩を叩かれると驚いてしまいます。
人々がたくさん集まるイベントなら予想がつくのでまだしも
集中して机に向かっている時はすごく驚いてしまいます。
この場合は私の視野に手を出して呼びかけてくれるとありがたいです。

2、ろう者は、一度集まると長い時間会話し続けます。
手話サークルやろう者のイベントなど
活動終了後もその場に留まり、手話で楽しそうに話す彼らを見たことはありませんか。
それには理由があるのです。
ろう者のほとんどは聞こえる両親の元に誕生します。
聴者の家族に囲まれ、昔は手話が禁止されていました。
さらに電話ができず、遠隔でのコミュニケーションが困難でした。
そのため、集まった時に会話を楽しむだけでなく、次回会う約束をするのです。
いつどこで誰と何をするのか、そういった細かい情報を確認しあうのです。
現在は、メールやテレビ電話が普及していますが、
やはり実際に相手と面と向かって話す楽しさには勝てないようです。
昔ながらの伝統が続いているのではないかという解釈です。

他にも多くの例があるので、毎月紹介していきたいと思います。

一つ注意しなければいけないことは
ろう者と聴者が共存して生きていくために
それぞれの文化を尊重し合う必要があることを
常に心に留めておくことです。

その他

Welcome Back Day
新学期が始まってから一ヶ月が過ぎ
先日、新入生歓迎会が行われました。
オーロニ大学の学長のあいさつから始まり
教授や新入生の紹介
テレビ電話、健康センター、図書関係、ギャロデット大学など
様々なプログラムの説明がありました。
これからのオーロニ大学での生活がますます楽しみになりました。

IMG_1286.JPG
(オーロニ大学の先生方)


Deaf movie
フリーモントろう学校で
ろう者の映画が上映されました。
IMG_1308.JPG
(映画上映の様子)

あらすじ
ろうの少年は、学校や家族に恵まれず
苦しい思いをしていました。
アニメに出るろう者のヒーローが、唯一彼の支えでした。
とある日、ヒーローが学校にやってきました。
少年は手話を使って堂々と発言します。
同級生は手話に興味を持ち、次第に仲良くなるという話です。

一般学校にインテグレートするろう児が
友達や質の高い教育に恵まれず
苦しい思いをするのは世界中どこも同じ課題です。
ろう者の問題を取り上げた内容でありながらも
ユーモアやラブストーリーを忘れないアメリカらしい映画でした。

教育現場では、教師の対応が大切になります。
今回の映画では、ろう者を学校に招き、授業を行うこと
読み取り通訳をあえて行わず、分からない環境を作ることの工夫がありました。

自分の役割とは何だろうか。
今後の留学生活で、この課題を解決するための
引き出しを一つずつ増やしていきたいです。
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