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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2013年7・8月生活記録(第4期生 福永梢)[2013年09月23日(Mon)]



メリカスクールカウンセラー学会 2013

  7月頭の3日間、アメリカスクールカウンセラー協会(American School Counselor Association: ASCA)の学会に行ってきた。場所は、ワシントンDCから車で3時間行ったところ、フィラデルフィアである。一般向けの学会であるが、十分参考にできるし勉強にもなった。例えば親に対応するとき、子どもを対象としたカウンセリングで使う技術を応用するという講演。今まで思ってもみなかったアイデアで、目から鱗(うろこ)であった。いろいろな技術が紹介されたが、その1つとしてイスを使う方法を紹介したい。子どもが駄々をこねていて困っている、何を考えているのかわからないとお母さんが不満をもらしたとする。そこで自分にとって大事なものだと思って、子ども用の小さなイスを手前に持ってもらう。仕事、新しく生まれた赤ちゃん、または離婚したあとできた新しい彼氏など、自分にとって大事なものだからこそ、イスを簡単には下ろせない。カウンセラーが子どもの立場になって、お母さんに近づく。そうすると、イスが邪魔して子どもは近づけない。ここでお母さんは子どもの視点がわかるのである。このイスを使った技術は、聴こえる、聴こえないに関係なく使える。

conference poster 2013.jpg

↑2013年開催の各学会を掲示板にまとめました。


  このほか、フロリダ州での実践例もとてもよかった。学校、親、コミュニティの連携に成功した例なのだが、その方法が目新しかった。「子どもは信用できる大人、こうなりたいと思える大人が必要である。しかし、学校で出会う大人は教職員に限られている。近所、地域のスポーツクラブ、友達の家族など、本当はふだんの生活でいろいろな大人に会っている。いいモデルは学校の外にいっぱいいる。子どもには、その多様な大人と触れ合う環境が必要だ」という信念にもとづいているという。まずは親との連携。親の中には、英語ができる、サッカーがうまいなど、何かしら特技をもっている人がいる。例えば英語の授業で補助教員が必要なとき、英語ができる親にお願いする。放課後に来てもらって、交流する(補講、勉強会、絵画塾、サッカー指導など)。続いてのコミュニティは、なんと教会を通したという。もともとその学校には黒人の生徒が多く、黒人には教会に通う習慣があることから思いついたという。そして教会の人たちは自ら進んで助ける傾向があるため、連携をもちやすい。教会との連携を通して、さらにネットワークを広げたそうだ。このようにして、連携を徐々に固めていったのだという。この実践例はろう・難聴の子どもやろう学校にも当てはまるし、必要だと思う。ろう・難聴の子どもも社会の中の1人である。社会に対する責任とは何か、しっかり考えることはとても大事だと思う。

  以上でASCA学会は終わったが、実は次楽しみにしている学会がある。それは全米ろう専門カウンセラー協会(National Counselors of the Deaf Association; NCDA)の学会で、来年4月ワシントン州で開催される。年1回開催のASCA学会と違い、NCDA学会は3年に1回しか開催されない。とても貴重である。機会があれば、是非行きたい。



  8月15日に留学支援が終わるため、今回が最後の生活記録となります。あとは大学院1年間を残すのみで、来年卒業する予定です。それに合わせて帰国報告会を行う予定なので、そのときにまた改めてお話したいと思います。これまでの5年半、支援して下さった日本財団、日本ASL協会、そのほかのみなさん、本当にありがとうございました。このご恩は、将来自分なりの形でお返しするつもりです。楽しみにしていて下さい。

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