2013年6月生活記録 (第5期生 川俣郁美)[2013年08月03日(Sat)]
◆◇夏休み @日本◇◆◇
夏休みは日本に帰国している。滞在期間は2ヶ月半で、留学中過去最長である。どこにでもある24時間営業のコンビニ(製品の豊富さ•便利さも進化していてビックリ)や、料理のウマさ•豊富さ、サービスの良さ、レストランで出てくるおしぼり、トイレの清潔さ、など、細かいところにいちいち感動しながら、日本の良さを再発見しながら、日本に戻ってきた喜びを日々噛み締めている。
テレビを付けた時に、一部CMに字幕がつくようになっていたこと、一部政見放送に手話通訳がつくようになっていたことにも感動を覚えた。日本も少しずつ、着実に、障害者権利条約の批准に近づいてきているのだと感じた。ろう者•難聴者への情報保障の必要性が少しずつ認識され、より充実した情報保障がなされるようになってほしいと思う。
先月の生活記録で書いたように、日本滞在中は、全日本ろうあ連盟本部事務所と栃木県聴覚障害者協会で約一ヶ月ずつ研修を受けている。まだ日本のろう社会の歴史、現状、長所•短所、課題点などをよく理解していないので、大学院が始まる前に学んでおきたいと思ったからである。大学院では、学んだ知識や技術をどう日本で活かせるかを考えながら、学業に励めるようにしたい。今月は全国ろうあ連盟本部事務局での研修について書きたい。
◆◇全日本ろうあ連盟本部事務局での研修◇◆◇
事務局では、各担当者の業務を手伝わせてもらうだけではなく、各担当者(情報コミュニケーション委員会、福祉•労働委員会、国際委員会、出版•事業委員会、翻訳、スポーツ委員会、組織委員会、手話通訳コーディネーター、秘書、会計、 他)から組織概要や業務内容、これまでの活動実績、課題などを説明してもらったり、様々な会議の傍聴をさせてもらったりと、毎日が学びと発見で充実している。研修を通して、ろう者の生活の質向上のために見えないところでいろいろな活動をしていると感じた。法律や制度を変えようと思う時、それはすぐに変えることはできない、地道な活動をしながら、ゆっくり着実に改善していく。その粘り強さを強く感じた。
◆◇日本弁護士連合会の院内集会◇◆◇
6月に、研修の一環で日弁連院内集会傍聴の機会に恵まれた。障害者差別解消法衆議院可決を受け、民主・自民・公明党が法案可決に向け、どう取り組んできたか、またこれからの取り組みなどについてのパネルディスカッションを傍聴した。2006年から2009年までの間に障害者関連の法律が5つ制定・改正されたそうだ。この障害者差別解消法も後ほど参議院でも全会一致し、成立した。この法律は障害者基本法の差別禁止規定が具体化されたもので、 3年後の2016年に施行されるそうだ。「合理的配慮の提供」については、公営組織は法的義務、民営は努力義務であるが、障害者権利条約批准に一歩近づいたことには間違いない。今後、「差別」の事例を集め、合理的配慮のガイドラインを作成するそうだが、そのガイドライン作成に当事者が参画し、意見がしっかり反映されて、中身の濃い法律を作ってほしい。
◆◇全国ろう者大会in山形◇◆◇
6月19日〜21日に山形で行われた全国ろう者大会に参加してきた。全国ろうあ者大会に参加するのは実に4年ぶりである。全国各地から約2500人に及ぶろう者・難聴者・聴者が集い、幅広い人たちと意見交換・情報共有・ネットワーク形成ができ、とても有意義な大会であった。私が参加した分科会「運動」では、全日本ろうあ連盟理事や行政関係者、大学教授などから、国連障害者権利条約批准のために必要とされる障害者総合支援法、手話言語法(仮称)、情報コミュニケーション法(仮称) 、障害者差別禁止法の概要、またそれらの法律がどう私たちの生活に反映されるか、法律の重要性を学んだ。最終日のアトラクション「ろう者聴者の常識・非常識」や「一日だけの庄崎学校」では、楽しみながらろう文化のおもしろさ・素晴らしさに気づくことができ、ろう者としてのアイデンティティを育むとともに、ろう文化をさらに大切にしたいと感じた。全国各地の人が毎年集って今年のスローガン・活動指針を決め、みんなで確認しあい、ろう者の生活の質向上のための知識を学び、一丸となって精進していくきっかけとなるこの大会。このような大会を60年以上も続けてきたおかげで、今日、ろう者•難聴者がより参画しやすい社会になってきていると実感すると同時に、今後さらなる前進を図るために毎年開催してほしいと思った。




