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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2013年4 月生活記録 (第5期生 川俣郁美)[2013年06月10日(Mon)]
◆◇助成金申請書◇◆◇
ソーシャルワークのクラスで助成金申請書(Grant Proposal)の書き方を学んだ。私は実習先のクライアントは障がいを持つ受刑者が多い。何度か刑務所を訪ねたとえきに、刑務官に障がい者はどのくらいいるか訪ねたのだが、「わからない」の一点張り。論文をあさってみたのがだが、ちゃんとした調査がされた文献が見つからなかった。そこで、刑務所内の障がい者の現状調査の助成金申請書を書くことにした。 研究資金を申請するには、まず研究計画書(Research Proposal)を書かなければならない。助成金申請の目的・研究の目的・背景(過去の研究文献)・問題、なぜ研究が必要なのか・方法・被験者の選出方法・流れ、スケジュール・使用する器材・予想される結果と効果・課題・評価方法、基準・予算案など、具体化されていなければならない。また、この研究結果がどのような効果をもたらすか、こんな問題が解決・改善される、こんなことに貢献できる、といった研究の必要性を強く訴える、説得力のある申請書が求められる。書くのに大変苦労したが、クラスで中間発表をして先生やクラスメイトのアドバイスやフィードバックをもらったりして、なんとか書き上げることができた。それでもまだ実際に助成金申請できるレベルの申請書ではないので、引き続き取組んでいきたい。


◆◇世界を震わせたDPN◇◆◇
今年、聾史にとって重要な運動Deaf President Now (DPN, 今こそ聾の学長を)がギャロデット大学で起こってから25周年を迎えた。25周年を記念して、ギャロデットは今学期数多くのイベントが催された。最後のイベントでは、Wilma Newhoudt-Druchen氏とBruno Druchen氏による講演が行われた。Wilma Newhoudt-Druchen氏は南アフリカ出身のろう女性で、ギャロデット大で修士号(ソーシャルワーク学部)を取得した。現在、南アメリカの国会議員と世界ろう連盟の副理事長を務めており、ろう者の人権向上に力をいれている。Bruno Druchen氏もろう者で、現在南アフリカろうあ連盟の理事長をしている。
Wilma氏によると世界中のろう者人口のうち、83%のろう者は教育を受けられずにいるそうだ。その多くは発展途上国のろう者ということだが、先進国にも十分な教育を受けられずにいるろう者は沢山いる。バイリンガル教育を受けられるろう者はたったの3%だけだそうだ。この3%という数字を大きくする為に、世界ろうあ連盟は国連障がい者権利条約の啓発に力をいれている。

「ろう者は聞くこと以外はなんでもできる (DPN後、ギャロデット大学初のろう者の学長となったキング・ジョーダン氏の言葉)」ことを証明し、世界を震わせたDPNは、 25年たった今でも世界中のろう者に勇気と希望を与え続けている。一人一人がそれぞれの能力・強みを最大限に活かし、一丸となってよりよい社会が築けるよう、これからもDPN精神を忘れず前進していきたい。


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左からHurwitz夫人、Hurwitz学長、Wilma氏、Bruno氏



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