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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2012年10月生活記録 第4期生 武田太一[2012年11月03日(Sat)]



 昼間は聾学校、夜間は大学と慌ただしい日々を過ごしていると、1ヶ月が本当にあっという間に過ぎていく。平日は規則正しい生活を送れているが、休日になるとそれが崩れてしまうため、月曜日にまた生活リズムを立て直すという繰り返しである。休日もある程度のリズムで過ごせるようになればいいのだが、なかなかうまくいかないところである。

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聾学校での仕事の一部アート


アメリカの特別支援教育
今学期は特別支援教育コースのクラスをいくつか取っているので、必然的に様々な用語や話題が共通して出てくる。改めてアメリカの特別支援教育について自分がまとめられる範囲でまとめてみた。

Individuals with Disabilities Education Act/個別障害者教育法
通称IDEAと呼ばれるこの法律は、1975年に制定された全障害者教育法(EHA)が前者となって、1997年に施行されたものである。その後数回の改訂版が出され、2011年に最新版が出ている。これまで障害児教育の対象となる年齢が6~18歳であったのに対し、現在は0〜21歳までに引き延ばされている。つまり障害児の出生(新生児集中治療室に入れられている新生児を含む)から早期介入、就学前教育(3~4歳)、幼稚園(5歳)、小学校〜高校(6~18歳)、職業訓練(19~21歳)まで幅広くカバーしているのである。個々の障害に応じて幅広いサービスを提供することができるのだが、そのためには障害児であることの診断が必要になってくる。IDEAでカバーしている障害は13種類あり、以下の通りになっている。

自閉症
盲ろう

聴覚障害
重複障害
視覚障害
身体障害
他の健康障害(ADHDがこれに含む)
情緒障害
外傷性脳損傷
言語障害
学習障害
知的障害

ここで疑問になるのが、聾と聴覚障害が区別されていることである。これは表向きには聴力レベルで分けられているのだが、アメリカ社会では聾コミュニティにおける支援団体と、聴覚障害コミュニティにおける支援団体が異なることから、この2つを区別しているのであろう。全米でIDEAのもとで教育がなされているのだが、実質的には州ごとにさらに異なってくる。例えば、先述した聾と聴覚障害は同じカテゴリーとみなしてサービスを提供するなどがある。

診断がなされた後は、サービスを提供するためのプランを立てる必要があり、これが個別教育計画(Individual Educational Plan: IEP)と呼ばれる。3歳未満の障害児に対しては個別家族サポート計画(Individual Family Support Plan: IFSP)が提供され、子どもが3歳になる前にIEPへの移行準備が進められる。ただしこの移行サポートが十分でないと、支援が必要な障害児に対して幼児期の間にサービスが受けられないというケースも現れてくる。これは0-2歳の障害児に対するサービスは健康局のもとで提供され、3歳以上は教育局のもとで提供されるため、両方の局で連携が出来ていないことから起こるものである。

また先述したように、州ごとで支援サービスが異なるため、サービスが不十分な州から、サービスの整っている州に引っ越してくるケースも珍しくない。児童に対して障害を持っているかどうかの診断(血液検査、行動観察など)も州によって多種多様であり、ある州では6つの障害診断しか出来ないのに対し、他の州だと30以上の診断が出来る場合もある。その診断にかかる費用について以前は州が負担していたが、予算の都合上で現在は家族の健康保険から支払うことが多い。

このようにサービスを受けるために様々なステップが必要であり、特に障害児を初めて抱える家族にとっては圧倒されそうになる。そのため家族に対してのサポート団体やピアの存在も重要になってくる。またIEPのもとでサービスを受けるためには1年あるいは3年おきにミーティングに出席する必要があり、親の負担は計り知れない。

講義で様々なケースについて議論することが多く、自分の経験と重なることもあれば、初めて聞く話も多い。今は経験の方が追いついていないので、今後も経験を積み重ねて、個々のケースに応じて必要なサポートを提供する側に立てればと思う。

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大学のエレベーター表示カメラ


自然災害
ボストンで地震とハリケーン被害があった。地震は北のメイン州が震源地であり、ボストンでは微震程度であったが、滅多に地震が起こらない東海岸では珍しいものであった。また10月末にハリケーンが発生し、自分のところには被害はなかったものの、あちこちで停電や倒木など被害が発生した。改めて自分の身を守るためにはどうすればいいか考えさせられる機会になった。

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今年のハロウィンはシンプルにモバQ
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