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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
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2012年7月生活記録 第4期生 武田太一[2012年08月06日(Mon)]



●夏学期2の講義
 Cross-cultural psychology/異文化心理学を受講している。この講義を受講するきっかけは、他の国々から移って来た人たちに対してどのように接していけばいいのか、お互いに異なる文化の摩擦をどう減らしていくか、聾学校での実習などを通して思ったことである。先の夏学期1での研究入門の講義では教育分野を専攻する学生が多かったのに対し、ここではカウンセラー/セラピストを目指す学生の受講が目立った。アメリカでは医療/健康の場面で患者と接する時、人種のるつぼと呼ばれているほど様々な人を対応するわけだから、それぞれの文化に応じた対応が求められているため、必修講義となっているらしい。

 文化の違いと一言では言えるが、実際には多岐に渡る。認知発達の違い、教育評価の違い、性差/性的少数者、言語、健康、感情、幸福感、コミュニケーション、性格、多様性、アイデンティティなど様々なトピックが講義中で繰り広げられた。その中でいくつか印象に残ったことを下に述べる。

 アメリカでアジア留学生が自分の教授を銃殺する事件が起きた。この事件に対し、欧米の見方は留学生自身の精神の弱さを責め、アジアの見方は留学生を取り巻くその環境を責めた。これは欧米が個人主義、アジアが集団主義という属性からくるものである。個人主義は自分と他人を切り離してお互いに独立しているという観点で、何か問題が起こるとその原因を本人の精神のせいにするという内的帰属からくるという考え方がある。それに対し集団主義は、お互いに協調し合う観点を持ち、原因を周りの状況のせいにする外的帰属となる。自分が育って来た環境に応じて物事の見方が異なってくるため、問題が起こったときに誰が責任を負うかという対立が生じる。
 
 美の定義は何だろうか。女性は化粧をしたり、服に気を遣ったり、整形手術したりして美しさを手に入れようとしている。これは自分が気になった相手を誘惑するための手段なのか、自己満足するための手段なのか。確かに自分の美しさを保つために化粧品やエステなどにお金をかけることで、得られるもの(良い仕事、人生のパートナーなど)はあり、自分の自信へと繋がる。ただし、下手をすると死に至るケースもあるため(肌を白くさせるために薬品を使用するなど)、注意は必要である。しかしその反面、美しくなることは果たして本当に必要なことだろうか。例えば男性からしたら派手な化粧に、人工的な顔は好まれるのだろうか。人の好みは千差万別である。また国によっては化粧の必要性が分からない。アメリカのメイクアーティストがどこかの国に化粧の素晴らしさを伝えるためにやってきたものの、全く話が伝わらず衝撃を受けたという話もある。

 日本は単一民族だから文化の違いはあまり感じないのかもしれないが、方言や社会的地位、性差、金持ちと貧乏、障害、性的少数者など異なる要素はいくらでもある。そこから生じる差別をどう解決するかは、その違いを理解すること、受け入れることから始まらなければならない。決して自分とは異なる人たちを見下すようなことがあってはならない。

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時々道路を渡る鳥あせあせ(飛び散る汗)


●アメリカ手話講師
 昨年に続いて名古屋外国語大学のボストン大学における短期研修でアメリカ手話講師を務めることになった。昨年はチームで指導していたのだが、今年はほぼ自分1人である。昨年の反省や経験を活かしつつ、何とか順調に進めている。たった3週間ほどの講義ではあるが、学生たちと楽しみながら指導していきたい。

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たまに来るスコール雨


●8月の予定
 夏学期とアメリカ手話指導が8月半ばで終わる予定であり、その後はMTEL(マサチューセッツ州の教員免許試験)に初挑戦してみる。ほとんど勉強出来ていない状況なのだが、ろう教育に必要なのは3種類の試験でそのうちの1つを手始めに受講してみることにした。英語力が問われる試験なので今までに培った英語力がアメリカで通用出来ているのかどうか力試しする機会でもある。その後は秋学期までのちょっとした休みを堪能していきたい。

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やっぱり甘ったるいケーキふらふら
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