CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
« 2012年6月生活記録 (4期生 川上恵) | Main | 第9期留学奨学生、募集中 »
2006/4/28ブログ開設時からのアクセス数
UL5キャッシング
最新記事
カテゴリアーカイブ
リンク集
最新コメント
月別アーカイブ
https://blog.canpan.info/deaf-ryugaku/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/deaf-ryugaku/index2_0.xml
2012年6月生活記録 (第5期生 川俣郁美)[2012年07月18日(Wed)]

◆◇ボランティア@ムンバイ◇◆◇


deaf school.jpeg
ボランティア先にて
(校長の許可を得て掲載しています。)


サマークラスが修了し夏休みにはいった。夏休みは、インドに来ている。6月に二週間、ムンバイにあるSanskardham Rotary聾学校でボランティアをさせてもらったので、今回はそのことについてお話ししたい。
 
Sanskardham Rotary聾学校は1995年、一人の女性(現校長)と2人のろう児を持つ親によって設立された。はじめは、ある学校の一部屋を借りて24人のろう児に教育を行った。生徒数の増加に伴い、教室数を増やした。数々の支援のもと、2008年には新しい校舎を建てた。まだ真新しさを漂わせるこの校舎には、パソコン室、化学室、体育室、多目的室、図書室などがある。幼稚部から短大(ろう者のための短大はマハーラーシュトラ州では初(ムンバイがある州))で構成されており、現在4歳から22歳の生徒が140人在籍している。また、重複障がい児のためのクラスもある。インドにはヒンディー語、英語、タミル語、ベンガル語、マラーティー語、マラヤーラム語など、20以上の公用語があるが、Sanskardham Rotary聾学校では、州の公用語であるマラーティー語に加え、英語とヒンディー語を教えていた。

ボランティアでは、もう1人のギャロデット生と一緒に7,10,11,12,13年生(日本でいう中学1年生、高校1年生から大学1年生)に、ろう文化、盲ろう、ギャロデット大学、英語、ろう文学など、毎日異なるテーマを教えた。生徒は皆、やる気に満ち溢れていていて、私たちのぎこちないインド手話にも真剣に耳を(目を)傾けてくれた。

インドでは、聴者のことを「normal (普通)」と呼ぶのが一般的に浸透している。ろう文化のクラスでは、生徒と一緒に「普通ってなんだろう」から考えはじめ、私たちろう者も「普通」の人である。耳が聞こえないのは障害ではなく、個性のひとつである。聞こえる人は「聴者(hearing)」と呼ぶ。手話通訳や字幕など、社会的な配慮がなされてないとき、そこに障害が生じる。ということを話し合った。
 
また、質問を投げかけると、複数の生徒が同時に発言したり、発言者を見ない(聞かない)生徒が多々いたので、同じ内容の発言が繰り返されることがよくあった。発言は一度に1人のみ、前に来て発言するかみんなが見えるように円になるように座ること、発言する前にはみんなが自分(発言者)を見ていることを確することなどを促進し、同じ内容の発言が繰り返さないようにした。そうすることで、生徒みんながディスカッションに参加できるようになり、ディスカッションの質も高まった。

最終日には聴者を「普通」と呼ぶ生徒がいなくなった。また、しっかり発言者を見るようになった。発言者の手話が見えないときは、自分から積極的に発言者が見える位置に移動したり、発言者に移動してもらうようお願いしていた。今後も生徒にこの姿勢を維持してもらえればと思う。二週間のボランティアを通して、教えることの重要さ、難しさ、楽しさを学んだ。

お昼休みには、ことわざや著名人の名言を読み、その意味を話しあった。 使ったことわざと名言をいくつか紹介したい。

"As long as we have deaf people on earth, we will have signs. And as long as we have our films, we can preserve signs in their old purity. It is my hope that we will all love and guard our beautiful sign language as the noblest gift God has given to deaf people."
--George W. Veditz, (1913). “The Preservation of the Sign Language”. (translated from American Sign Language by Carol Padden and Eric Malzkuhn)
「ろう者が地球にいるかぎり、手話は存在する。私たちの映像がある限り、私たちは昔の手話をしっかり守りぬくことができる。ろう者に与えられた神からの崇高な贈り物として、この美しい手話を、私達みんなで愛し、守りぬくことが、私の願いである。」ジョージ•ヴィディッツ
(1913年に第7代全米ろう協会会長ジョージ•ヴィディッツにより手話で収録れた貴重な映像から)

You cannot judge a book by its cover. 
表紙を見てその本の価値を判断してはならない。
(見た目だけで、物事や人の価値を判断してはならない。)




◆◇デフエンターテインメント◇◆◇


Deaf Entertainment Poster.jpg


週末には偶然、ろう者によるエンターテインメントショーがムンバイで行われたので、鑑賞してきた。小さなイベントかと思ったら、500人ほどの入場があり、驚いた。インド手話読み取り力が貧しいために、よくわからない部分もあったが、パントマイムに始まり、短編映画、手話ソング、物語など、笑いあり泣きありの楽しいショーであった。イベントが終わっても劇場や出入り口付近で、閉場になっても駐車場で長々と楽しそうにおしゃべりしているろう者をみて、ろう文化は世界共通だと思わずにはいられなかった。ろう者は日常生活で手話で話せる人に会う機会が少ない。そのため、このように手話で話せる人が集まるイベントでは、おしゃべりに延々と花が咲く。私もその輪に混じって、インド人との交流を楽しんだ。



taji mahal.jpeg
インドの代名詞、タージマハール


snake.jpeg
いつか見たドラえもんのワンシーン


thali.jpeg
北インドの郷土料理、ターリー






この記事のURL
https://blog.canpan.info/deaf-ryugaku/archive/582
トラックバック
※トラックバックの受付は終了しました
 
コメントする
コメント