2012年4月生活記録 第4期生 武田太一[2012年05月05日(Sat)]
春学期がようやく終えようとしている。この2年間でろう教育の講義は大方取った。ろう教育コースで残る講義は論文と実習である。次年度は特別支援教育コースの講義をいくつか受講する予定であり、特別支援教育の担当の先生とも相談し既に履修登録を済ませてある。まだ先の話ではあるが、今からでも準備出来るものはしておきたいと思う。

卵からかえったひよこ
●障害児
インテグレーションの場合、クラス内に障害児がいると学習の遅れがあったり、行動に問題があったりすると「この子は障害を持っているから、仕方ない」ということで甘やかされる傾向にある。聾学校においても重複児に対して同じような状況がたびたび起こる。しかしどんな障害を持っていても教育を受ける権利は対等であるべきではないだろうか。行動に問題があるのであれば、なぜその問題が起こるのか分析した上で、どのようなサポートが必要なのか考えていく必要がある。アメリカにいると、ろう教育を含め特別支援教育分野で働く教諭は個別教育プランを学習指導案とは別に作成する必要があり、いわば二重の大変さが伴うかもしれないが、彼らの教育を受ける権利のためにも今後やり遂げていきたい。
●人工内耳
人工内耳装用児が増えていているが、果たして教育成果は得られているのだろうか。確かに人工内耳を装用することで、「聞こえるようになること/話せるようになること」は成果を上げている。しかし、いくつかの研究結果によると、人工内耳装用児の学習レベルは聴児に比べればまだ劣っている。聞くこと、話すことの訓練に時間を費やしている分、学習能力が身についていないのである。人工内耳を装用している子どもたちにも手話による言語獲得が必要であり、視覚優位で生活している聾児たちにとって視覚言語である手話は全ての基盤になる。つまり必要性があれば、手話で聴覚訓練や口話訓練をすることも可能であり、実際に手話によるサポートのもとで成果が出ている例もある。保護者は人工内耳の手術を決意する際に、「聞こえるようになること/話せるようになること」だけでいいのかよく考えてもらいたい。
3月の暑い日の海
●書記言語獲得
日本でもアメリカでも聾児の書記言語能力が問題になっている。特に文法の誤りが見られるのは英語でも同じであり、先生たちは文法を中心に教える傾向にある。しかしある研究によると文法を中心に教えても、生徒の文法力はあまり向上しない。これに対し、効果的なのは本やエッセイなど様々な文章を見せることが大事という考え方がある。普段からいろんな文章を見ることで生活の中で使われている自然な表現方法を知ることから、生徒の書記言語能力につながるという。小さい頃から絵本の読み聞かせをはじめ、いかに活字に慣れ親しむかということが肝心である。もちろん生徒の中には文章を読むのが嫌いな子もいるだろう。どうしたら本を読むことが好きになれるか、あるいは本を読むことで何かを考えようとする機会を与えられるか、先生はそれを考えていかなければならないと実感した。
●今後の予定
最終レポートを終えた後はしばらく休みを堪能し(その間に大学でのアルバイトやボランティアはあるが)、夏学期が始まろうとしている。この夏学期は前半に調査方法論、後半で異文化心理学を受講する。ゆったりとしたスケジュールで過ごしていきたい。
遅いバースデイケーキ




