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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2012年3月生活記録 第4期生 武田太一[2012年04月15日(Sun)]



2月はプレ実習で忙しかった分、この3月は比較的のんびり過ごせたのではないかと思う。春休みも挟んでいたため、たっぷりと休息を取ることが出来た。春休みの間は宿題などの遅れを取り戻そうと思っていたが、結局出来ずじまいだった。時間管理能力をつけることや集中力を高めることは自分にとって一生の課題ではないかと思う。

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さくら晴れ


○英語とアメリカ手話
英語の獲得について長年議論が交わされているろう教育では、数学、理科、社会などの科目の時間で英語の読み方などに行き詰まると本来ならその科目の内容に時間を費やすべきところを、英語指導に費やしてしまう問題に突き当たる。手話が第一言語である(もちろん様々な事情により第一言語でない場合も考慮する必要があることは踏まえている。)ろう児にはそれぞれの科目に応じた中身を手話で教える必要があり、英語の読み書きに関する問題に行き詰まった時は、英語の時間に譲るべきである。また英語を教える実践例として英語を読んで、アメリカ手話で内容を話す時は英語を読みながらアメリカ手話で話してはいけないというルールを作っておく。英語の教科書を読みながらアメリカ手話で話すと英語対応手話になってしまって、本当に内容が理解出来たかどうか確認が出来ない。教科書に書かれている内容が理解出来たかどうかを確認する際は、教科書の文章を読んだ後は閉じておいて、頭の中で理解出来た内容を手話で表現するという方法が好ましい。日本語と日本手話にも同じ過程が当てはまるかどうか実践してみたいところである。

○行動に問題がある生徒への対応
日本でも主流となっている応用行動分析(Applied Behavior Analysis)について学んでいる。教室における生徒の問題行動には様々なケースがあり、それぞれのケースに応じた対応を考えていくものである。この分析によって得られたデータを基に、“○○があるときは問題行動××が起こるだろう”と分かっているのであれば、その○○をしないようにするなど事前に防げるものは防ぐ。自分の場合はろう重複児/者に関わって来た経験があるおかげで、講義内で紹介される様々なケースと自分の経験が重なることが多い。毎回講義の度に教授や学生たちと経験談を議論し合うのが楽しみである。

○ヴィゴツキー理論
ロシアの心理学者である彼の理論の1つに最接近発達領域(The zone of proximal development)というのがある。これは子どもたちが現時点での能力やスキルを見極めて、先生たちは次のステップに進むために、無理のない範囲で課題を提供する。例えば1ケタのかけ算がまだまだ身についていない生徒に2ケタのかけ算の課題を与えるようなものである。これを考えると、各州が定めたカリキュラム(日本だと学習指導要領にあたる)は本当に生徒の能力に適したものになっているか、無理をやらせていないか様々な議論が出てきそうなものである。

○ワークショップ
プレゼンテーション技術と、手話通訳技術についてのワークショップに参加して来た。これは手話通訳者向けのワークショップではあるのだが、ボストン大学で開催される上に、プレゼン技術については自分も学びたいことなので、ボランティアという形で参加させていただいた。今までのプレゼンは1つのスライドにポイントを箇条書きで簡潔にまとめて、2分程度で話すなどの古いやり方である。その方法となると聴衆にとっても退屈になる上に、逆にスライドに多くのデータが盛り込んであると必要な情報が伝わりにくくなる。今回のワークショップではまずプレゼンしたい内容をブレインストーミングし、アイデアをグループ化して話の段取りを考えていく。その次にスライド作りに入るのだが、このスライド作りはイラストのみで行う。必要に応じて単語や文章を入れていくのだが、基本的にはビジュアルを重視したプレゼンとなっている。これとは別に配布資料を作成しておき、プレゼン時は主にイラスト中心のスライドを見ながら話を聞くことが出来るため、情報がすんなり入ってくるという流れである。そもそも人間の右脳はイラストなどの情報、左脳は言語などの情報を知覚する機能が備わっているため、スライドにある情報=文字情報と話者の話を同時に理解することが難しい。今回のワークショップで得た経験を基に、今後のプレゼンには工夫をしていきたいと思う。

○誕生日
今年もまた1つ歳を取った。毎週ボランティアしに行っている聾学校で園児たちにお祝いをしてもらい、園児たち手作りのケーキやプレゼントを頂いた。歳を重ねるたびに老いを感じるのは否めないが、こうしたサプライズはいくつになっても嬉しいものであると思いたい。

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子どもたちに作ってもらったケーキとプレゼントバースデー
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