2012年3月生活記録(第4期生 福永 梢)[2012年04月03日(Tue)]
*★ バージニア・ビーチ@春休み ★*
春秋学期にはそれぞれ1週間の休みがある。留学3年目にして慣れてきたのか、ようやく「ああ〜あたし今休んでる〜」と休みらしく過ごす余裕が出てきた。秋学期はペンシルバニア州のアーミッシュ村へ、今学期はドライブと兼ねてバージニア州のバージニア・ビーチへ行ってきた。こちらはDCから車で3時間南下したところにあり、前に恩師と初めて行って以来2年ぶりだ。今回はいろいろな観光場所にも行ってみた。 研究論文の思わぬ書き直しで予定よりずっと短い滞在だったものの、とても癒された2日間だった。
↑旧ケープ・ヘンリー灯台(Old Cape Henry Lighthouse)
約400年前の1607年、英国民が上陸した場所にある。
1792年にアメリカ合衆国連邦によって初めて作られた公共建築物。
約400年前の1607年、英国民が上陸した場所にある。
1792年にアメリカ合衆国連邦によって初めて作られた公共建築物。
↑リンハーヴェン・ハウス(Lynnhaven House)
1725年に建てられて以来、80%が原型のまま。
このおうちのほか、ヴァージニア・ビーチ周辺には
1805〜1810年、1719年に建てられた家が残っている。
1725年に建てられて以来、80%が原型のまま。
このおうちのほか、ヴァージニア・ビーチ周辺には
1805〜1810年、1719年に建てられた家が残っている。
↑泊まったホテル前の海
*◆ DCCA Conference ◆*
3月3日、コロンビア特別区カウンセリング協会(District of Colombia Counseling Association/DCCA)の第47回年次会議がギャロデット大学で行われた。午前中はパネルディスカッション、午後は(前半)カウンセリング免許について議論、(後半)ワークショップが催された。
パネルディスカッションでは、米国スクールカウンセラー協会(American School Counselor Association/ASCA)から各分野の担当者が招かれた。スクールカウンセラーの役割と仕事を全国で統一するために作られた「ナショナル・モデル(National Model)」、スクールカウンセラーのための倫理規定(Code of Ethics)などについて、現場で働くスクールカウンセラーならではの見方を知ることができた。ワークショップは2つあった(@思春期におけるアンギャー・マネジメント(怒りの抑制)、A危機カウンセリングと災害予防)。私はアンギャー・マネジメントのほうに参加し、怒りをコントロールするテクニックを学んだ。特に、頭脳ゲームを用いたものは私にとって新しかった。子どもが怒りでいっぱいになって、カウンセラーのところへやってくる。怒りが激しすぎて、何があったのかうまく表現できない。そこで、頭脳ゲームをしばらくする。物事を理論的に考えることに集中していると、怒りによる緊張がほぐれてきて、ぽつぽつと話し出すらしい。頭脳ゲームはカウンセラーがやろうよと持ちこむのではなく、部屋にあらかじめおもちゃコーナーを作っておくのだという。子どもに選ばせることで、自分で感情を処理する力だけでなく、カウンセラーへの信頼を育てることにつながるとのことだった。
同時に、ろう・難聴のカウンセラーへの理解や認識がまだ浅いという厳しい現実も見えた。例えばパネルディスカッションで、各研修は障がい者も参加できるよう配慮をしていると説明があった。とある現役のろうカウンセラーがここで質問「ではなぜ、プロのろうカウンセラーやセラピストをゲストに招いた研修がないのですか?」。その説明者はこれに対して答えず、過去に車いすに配慮してスロープを設置したという話をし始めた。そしてそのままパネルディスカッションが終わった。ギャロデット大学の学生の中には内心憤慨する人もいたが、質問したろうカウンセラーは通訳者を連れてその説明者に声をかけ、根気よく話し合いをしていた。ろうカウンセリングでの「一見好ましくないと感じる考え方でもまずは理解しようとすること」を思い出した。大切なのはこうした現実に対してどう反応するかなんだろうなあと、また1つ勉強になった。
参加者100人未満の小さな会議で、私は1日中ほとんどお手伝いにまわっていたが、学ぶことは多かった。6月下旬にはミネソタ州のミネポリス市でASCAの年次学会がある。もし参加することになったらまた報告したい。




