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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
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2012年2月生活記録 (第4期生 福永 梢)[2012年03月15日(Thu)]

●○● 車検を信用するなかれ ●○●

 【車検=車の定期点検】だから【車検にクリア=2年間大丈夫だとお味噌がついた】だと思っていた。カリフォルニアと違って、ワシントンDCは2年おきに車検(Car Inspection)を義務化しているくらいだから、余計そう思っていた。が、この方程式は日本だけのものだったらしい。
 1月末にバッテリー切れで車が動かなくなったのだが、去年の秋に車検に受かっていたためそれと気付かなかった。教授から信頼できる車の修理店を紹介してもらい、ついでに点検(Tuning up)に出した。これをきっかけに点検は自己責任で3ヶ月ごとに行うものなのだと知った。2年間点検していないことに教授や同級生からあぜんとされのだが、一番あぜんとしたのは修理屋さんだった。小さい部品2つとオイル交換以外、何も悪いところが見つからなかったからだ。オイルが古すぎてエンジン修理もしくは交換で3000ドルいくかもとささやかれたところを、100ドルっぽちで終わった。さすが、私の車。 今回は運がよかったにすぎない。研修が始まる前に気付けてよかった。これからは気をつけようと思う。

○●○ さまざまな「ろう」のあり方 Different ways of being deaf○●○

 ろうカウンセリング(Counseling Deaf People)クラスで、「ろう」の定義と概念について学ぶことがあった。人によっては受け入れがたいかもしれないし、将来のろう・難聴の子どもたちを考えるときとても大切なことでもあると思う。

@文化的な視点と医学的な視点は引き離して考えられない。
 文化的な視点をもつグループと、医学的な視点をもつグループに分かれて、討論を行った。「ろう社会、ろう文化、ろう言語(手話)」という主張と、障害基礎年金をもらったり障害者割引を使ったりする行為。聴こえる人の社会の中にとどまる理由。いろいろな矛盾が明らかになったところで、この両視点は引き離して考えられないという結論にいたった。

Aかばい守られていない一部の“ろう”
 Audism(聴こえを理由に差別や不当な扱いをすること)を訴える2つの論文を読み、クラス内で比較検討を行った。1つはMJ氏(Bienvenu MJ)が1991年に書いたものである。デフファミリーに生まれ、自身もろうである。「We」や「I」を使った文章で、ろう文化、ろう社会、手話の価値を訴えており、とても読みやすい。もう一方は、2004年にバウマン・氏(H-Dirksen Bauman)によって書かれたもので、こちらは哲学や論理こてこてで読みにくい。ちなみにバウマン氏は手話が上手な聴こえる人である。要は「手話は言語ではない」という論理には穴がありますよと指摘して、Audismに新しい定義を付け加えた論文だ。同時に、“敵を知り己を知れば百戦危うからず”を説いてもいる。しかしこれら論文2つとも、重複ろうや白人以外のろうについてまったく触れていない。これはのちに述べるDeafhoodでも同じだという(MJ談)。

B聴こえに何らかの難しさがある人はみんな、ろう社会の一員
 MJビアンヴニュ(Bienvenu MJ)氏による講義で、「ろう」の条件について話があった。イギリスのパディ・ラッド(Paddy Ladd)氏によって作られた造語、【Deafhood】。ラッド氏によると、ミラノ会議で口話教育に変わる前まで、ろう者は読み書き能力が聴こえる人並にあり、地位の高い職業にも就いていたとされている。この説に基づいて、手話が第一言語であること、ろうであることが「文化的なろう」の条件だとする主張がある。しかし、MJ氏によると、実際の条件はもっとゆるいそうだ。聴こえなかったり聴こえにくかったり聞き取りにくかったりするなど、聴こえに何らかの難しさがある人はすべて「ろう」。

 「ろう」を難聴/人工内耳者、後天的ろう者、重複ろう者、聴者と区別するのはなぜか。これら3つの議論を通してその理由を追及していく中で、多くのことを学んだ。特に以下の3つはカウンセラーとして必要なスキルにつながると思う。
■自分たちの中にある根拠のない思い込みに気付くこと
■賛成しなくてもいいから、一見好ましくないと感じる考え方でも理解しようとすること
■「ろう」は今も昔もひとくくりにはできないものであること


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