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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
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2011年7月生活記録 (第5期生 川俣郁美)[2011年08月19日(Fri)]

☆ライオンズ集合写真☆ 
緑Tシャツ:参加者、水色Tシャツ:研修生、
青Tシャツ:指導員、えんじ色Tシャツ:ボランティア



◆◇デフキッズキャンプ ボランティア◇◆◇
7月24日から30日までライオンズウィルダーネスキャンプという、デフキッズキャンプにボランティアとして参加してきた。キャンプの場所は北カリフォルニアある、ネバダシティというところで開催された。デフキャンプに参加した子ども達の年齢は7歳〜17歳で、合計45人。子ども達のほとんどはろう、難聴で、日常のコミュニケーション方法は手話、口話など様々だった。ライオンズウィルダーネスキャンプでは主に手話を使うことになっている。

親元を離れて一週間豊かな自然の中で仲間と生活することで、自然に親しみ、自然を理解すると同時に、子ども達の自立心を養う。また、仲間と一緒にいろいろな事にチャレンジしたり、乗り越える事によって、新しい友達を作ったり、仲間との絆を深めたり、思いやる心、協調性、社会のルールを学ぶ。
また、今日、メインストリーミング学校に通うろう・難聴児は増加傾向にある。中には、ろう・難聴児は学校でたったひとりだったり、少数のみの児童も多くいる。キャンプなどの行事に参加し、他の地域のろう・難聴児と交流を図ることで、アイデンティティの確立や同じ聞こえない仲間とのネットワークを広げることができ、また、成人ろう・難聴者がロールモデルとなることで、子ども達の将来に希望を与えることができる。


◆◇Aちゃんに教えてもらったこと◇◆◇
私の担当は、 A ちゃんのサポートであった。Aちゃんは 、脳性まひのために、手がうまく動かせない(片手はほとんど動かせない。軽い物は握る事ができる。)ので、手を使った細かい作業をするのが苦手である。自分でできる事は自分で、できないことは、どうやったらできるようになるのか、どういうサポートが必要なのか、Aちゃんと一緒に考えて工夫しながら、Aちゃんのサポートをするように意識しながら励んだ。

例えば、毎朝起床後、キャビンを出る前に寝袋をたたまなければならない。Aちゃんに手伝ってと言われ、見てみると、Aちゃんは寝袋のファスナーを閉めようとしていた。彼女は片手でファスナーのつまみは掴めるのだが、もう片方の手でファスナーの端っこを強く押さえられず、うまく閉められない。「ファスナーの端っこに座って、お尻で押さえて、ファスナーを 閉めてみたらどう?」と提案し、やってみるとファスナーの端っこをしっかり押さえる事ができ、スムーズにファスナーの開け閉めができるようになった。それからAちゃんは寝袋をきれいに3つに折り畳んで、私の方を振り向き、にーっと笑いながら指文字で「YAY(やったー)」と言った。わたしも「YAY!」と言ってハイタッチを交わした。何もかもやってあげるのではなく、あくまでも、側面からサポートする、というスタンスでサポートをすることがいかに大切かを、Aちゃんに教えてもらった。


◆◇Counselor-In-Training Program
       キャンプ指導員研修プログラム◇◆◇

このキャンプにはCounselor-In-Trainingプログラム(アメリカのキャンプでは、班ごとの指導員を「カウンセラー」と呼ぶらしい。) という、プログラムがある。これは、後々キャンプ指導員になりたい16・17歳の学生が(指導員は18歳以上)研修と言う形で参加し、指導員としての知識やスキルを高めるプログラムだ。聞けば、ほとんどのキャンプにこのプログラムがあるらしい。 リーダーとしての経験を若いうちから積むことができ、また、次世代にうまくバトンを渡すことができる重要なプログラムだと思った。


◆◇子どもとの対話から見るアメリカ社会◇◆◇

子ども達と話していると、「お父さんのガールフレンドが…」「私の両親は離婚した」「僕の両親はもうすぐ離婚する」「僕の義理のお姉ちゃんが…」「 本当のお母さんはアルコール・薬物中毒で私を育てられないから、今の両親が引き取ってくれたの。」という話をさらりと話す子どもが何人かいた。留学当初、知り合って間もなく家庭背景をオープンに話すアメリカ人の友人がたくさんいたので、驚いたが、 まさか子どもからも聞くとは思いもしなかったので、唖然とした。それだけ、離婚・再婚・養子縁組が社会的に受け入れられているということだろう。


◆◇また来年、ライオンズ◇◆◇
キャンプ最終日、何人かの子ども達がわたしのところに来て、「また来年ね!」と言って帰っていくのを見て、キャンプを楽しんでくれたのだな、とうれしくなるとともに、一年後の子ども達の成長が楽しみになった。 来年もぜひ参加したい。


手形作り。
湿らせた砂に手を押し込んで型を作り、
その上に石膏を流し込んで完成!


マイ手形☆


子ども達の作品☆
CDの上に小石、枝などをデコレーションして
作ったミニキャンプファイヤー。




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