• もっと見る
聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
« 2011年2月生活記録 (第5期生 川俣郁美) | Main | 2011年3月生活記録 第4期生 武田太一 »
2006/4/28ブログ開設時からのアクセス数
UL5キャッシング
最新記事
カテゴリアーカイブ
リンク集
最新コメント
月別アーカイブ
https://blog.canpan.info/deaf-ryugaku/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/deaf-ryugaku/index2_0.xml
2011年3月生活記録 (第4期生 福永梢)[2011年04月10日(Sun)]

  3月になっても雪やひょうが降る。ひょうはあまり経験したことがないのだが、とても痛かった。そういえば、小雨の中ジェットコースターに乗って顔面が痛かったという思い出がある。ひょうだったら相当痛いんだろうな、どれくらいかなななどどうでもいいことを思う。自分では絶対実験したくないものである。

。0○ グループワークから学ぶこと ○0。

  ひょうの実験は絶対しないが、心理学研究入門クラスでいろいろな研究法、統計を習っている。このクラスはグループでやる課題が多い。例えばグループ発表は今まで何回かやったことがあるが、レポートもグループで作るのは初めてだ。グループ発表と違って、レポートは個人のスタイルや好みが入る。研究目的が同じでもどういうふうに仮説をサポートするのか、どういう流れでレポートを書くのか、どうやって研究を進めるのか、個人で違うので限られた時間内でまとめるのがとても難しい。個人差には個々の理解力や習熟度の違い、学科の違いから出る時間割の違いも含まれる。そのため話し合いに追いつけなかったり、分担された作業を終えるのに時間がかかったりするメンバーが出てくる。個人作業を好むメンバーは他メンバーに不満がたまりやすくなる。


↑図解の一例:研究レポートの流れ
(メンバー同士でそれぞれの案を理解するだけでなく、
メンバー間で方向性を共有するのにも役立っている)


  こうした中でグループをうまく機能させるために、グループの中での自分の立ち位置というものをよく考えさせられる。グループの目標にしっかり気を向けて、自己を調整する。自分の意思や弱みをどこまで抑えるか、自分の知識や強みをどこまで貢献するか。はじめはそのバランスがうまくいかなくて大変だったが、メンバーそれぞれの特徴を知るたびにうまくできるようになってきた。同時に、自分の強みと弱みをよく知っておく大切さも実感する。グループの中で、私は図解力と知識面に強くて言語力が弱い。そのため、パワーポイントの仕上げや研究計画作りのまとめ役をする一方で、発表前にASLと英語のチェックをしてもらったり発表中の質問の意味がわからないとき説明してもらったりした。グループ発表は成功し、あとはレポートを残すのみ。それぞれの個性がどう調和してどんなレポートができるのか、大変ではあるが、完成が楽しみである。

。0○ ろう社会とプライバシーの保護 ○0。

  カウンセリング入門クラスでは、ろう・難聴者へのカウンセリングにおける課題について話があった。これは心理学研究入門クラスでも議論になった。研究においてもカウンセリングにおいても、ろう・難聴者が対象者の場合、プライバシーの保護が難しいのである。聴こえる人にも「世間は狭い」という経験はある。しかし、人口や情報保障からろう・難聴者の「世間」はもっと狭い。その上、ろう・難聴者を専門とするカウンセラーが少ないし、その専門カウンセリングを受けられる場所もかなり限られている。つまり、顔見知りや噂に聞いている人を患者にもったり、患者同士が知り合いだったりすることがしょっちゅう起こるのである。自分のプライバシー、患者のプライバシーと境界線をしっかり引く能力が求められる。カウンセラーとしての専門度の高さが見えてきて、本当に勉強になる。

この記事のURL
https://blog.canpan.info/deaf-ryugaku/archive/480
トラックバック
※トラックバックの受付は終了しました
 
コメントする
コメント