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聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
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2010年12月生活記録 (4期生 川上恵)[2010年12月31日(Fri)]
   今月は、プレセンテーションの準備やレポート作成など忙しい日々が続き、先月の生活報告で書いたように時間の早さを感じた。その間、提出しなければならない一つのレポートが紛失してしまったというハプニングがあったのだが、なんとか解決でき、無事にテストを終えることができた。テスト期間中に続いていた緊張感が抜けてしまったせいか冬休みが入った途端、どっと疲れが出てしまった。冬休みに入って余裕が出たので睡眠をたっぷりと取りこれまでの疲れを取れることができた。

(Oral Tradition in the Deaf Community)
  「Oral Tradition in the Deaf Community」のクラスは、「Deaf Studies」の必須科目の一つである。そのクラスは、オンラインクラスだったのもあって、10月下旬に追加履修をし、7週間を集中的に受講した。最初、そのクラスのタイトルを見たとき、口話教育に関するクラスと思ったのだが、そうではなかった。アメリカ手話に例えるとASLストーリー、ABCストーリーなどを分析する内容である。文字表記体による出版物など、記録する媒体がない点で、アフリカの口承文学とアメリカ手話の文学は共通した特徴がある。口承とは、文字体系などの表記のない文明の中で、文学などを人から人、世代から次の世代への語り継ぐ方法のことである。アフリカでは様々な種族や民族などが多いことから、文字体系がないということが多く、その殆どは口承文化だそうだ。日本でもなにらかの機会で、学校や寮生活を通して、また友人、もしくはDVDやユーチューブなどのインターネット媒介を通して、日本手話ストーリーを見る機会などがあるだろう。クラスでは「Personal Experience (個人経験)、「Folklore (伝承)」「Deaf Humor (ろうジョーク)」、「Visual Vernacular(手話とジェスチャーが一緒になったもの)」等を学んだ。米国国内で活躍されていた、もしくはされているろう者達のASLストーリービデオ鑑賞し、分析してそれから議論する方法で進められた。興味深い事に年代とその時代のろう教育の影響によって、手話の表現の変化が明らかに目にみえてわかる。又、表現者の作品を見ればみるほど、その特徴も分かってくる。米国だけでなく、外国で作られた作品なども取り入られていたが、ほとんどヨーロッパ中心であった。
  宿題は、自らビデオを撮って提出するので、その度にテーマを合わせた創作ストーリーを考えなければならなかった。提出する際には他の生徒達にも見せなければならないので、初めは苦手だと思いつつ、やってみたら意外と面白かった。ABCストーリーに日本文化を取り入れて工夫したり、子供心に戻りながらイメージを膨らませて、ストーリーを作ったりなど、これまでとは違う気持ちで宿題を楽しむことができた。そういった種類の宿題であれば、どのろう大人でも、ろう児でも、本来持っているはずである視覚的な力を引き出せることができるいいきっかけになるのではないだろうか。期末テストは、10分間のビデオを撮らなければならず、質問に相応しい回答ができるように、どのような表現をすればよいのか一苦労した。コミュニケーションレベルならまだよいが、レポート提出となるとまた別の話である。何回か撮り直した後に提出した。そのおかげで思ったより良い成績を取れることができてよかった。
  具体的なテクノロジー技術というと、「Mythread」というプログラムを使っている。そのプログラムはビデオを投稿したり、ビデオコメントを入れることができる。そのためユタ州内の大学で教鞭を取っている先生のレクチャーを「Mythread」を通して見ることが出来るというメリットがある。オンラインクラスは、チャットで議論をするイメージがあったのだが、このクラスを通してろう者なりのオンラインクラスがあるのだなと感心した。日本国内でも遠い距離内に住んでいる人達のために、そういったオンラインクラスがあれば、地域の格差なく平等に受けることができるという点で必要性が高いのではないかと思う。

(今年に振り返ってみて)
  今年を振り返ると、それなりの失敗や挫折感があって、落胆してしまうことが度々あった。その反面、その経験を重ねながら自分の原点を見つめなおすようにし、少しずつであるが、自分自身に自信を持てるようになった一年でもあった。来年は新たな目標を作って、新しい自分を何かの形で見せることができるようにしたい。日本財団、日本ASL協会の関係者様、応援していただける皆さんのおかげで今年も無事に過ごすことができました。皆様がよいお年に迎えることができますよう、心よりお祈り申し上げます。来年もどうぞ宜しくお願い致します。
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