• もっと見る
聴覚障害者留学
 
 このブログは、2004年度より特定非営利活動法人(NPO)日本ASL協会が日本財団の助成の下実施しております「日本財団聴覚障害者海外奨学金事業」の奨学生がアメリカ留学の様子および帰国後の活動などについてお届けするものです。
 コメントでいただくご質問はブログに書かれている内容の範囲のみでお願いします。それ以外の留学に関するご質問は日本ASL協会の留学担当にお問い合わせ下さい。
« 第7期生留学奨学生募集締切済 | Main | 2010年8月生活記録 (4期生 川上恵) »
2006/4/28ブログ開設時からのアクセス数
UL5キャッシング
最新記事
カテゴリアーカイブ
リンク集
最新コメント
月別アーカイブ
https://blog.canpan.info/deaf-ryugaku/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/deaf-ryugaku/index2_0.xml
2010年8月生活記録 (第4期生 福永 梢)[2010年09月07日(Tue)]
 夏休みが終わりにさしかかり、朝晩が冷えてきた。油断して一度風邪を引いたので、毛布を引っ張り出し、衣替えもしておいた。今年の夏休みは、アルバイトをすることのほかに、韓国焼肉を食べに行くことを目標としていた。どちらも果たしたので、ゆったりとした週末に別れを告げるのは正直気が引けるが、自分に喝を入れていこうと思う。


日本の書物

 ろう関連の発行紙コーナーを整頓していると、日本発行物もいくつかあった。聴覚障害、Audiology Japan(日本聴覚医学会 学会誌)などがあった。日本聴力障害新聞もまたその1つで、1970年から20年間くらいのものが保管されている。同新聞には、手話放送や自動車運転免許を求める運動、ろう・難聴の弁護士や教師誕生などが取り上げられている。現在の「当たり前」は多くの方々の苦労によってもたらされたものであることをひしひしと感じた。そういえば、今月は8月である。過去の8月6日・9日日付の新聞では、ろう被爆者へのインタビューが一面に載っていた。ちょうど、別コーナーの整頓で「ドンが聴こえなかった人々」(豆塚 猛1991/文理閣 )という写真集を見つけていた。合わせて読んでみると、空襲警報が聞こえなかったなど、情報保障の問題は戦中だけではないことがわかった。戦後は、被爆手帳のことを長年知らず、ろう団体からの説明で初めて知った人が多いという。しかし、証人探しをするには時遅しだったり、差別や偏見などでろう・難聴者と関わろうとする人が少なかったりで、多くが登録できずにいる。技術が進歩した今でも、ろう・難聴者への情報保障はまだ充分とは言い切れない。今後の改善を、世界の平和と共に心から願う。


↑「ドンが聴こえなかった人々」の表紙


手話教材

 Deaf MediaとDeaf DVDのコーナーには、手話教材やろう関連の映画などがそろっている。先月チラッと報告した「オレンジ・デイズ」はここで見つけたものである。手話教材を見ていて、赤ちゃん向けのものまであることには驚いた。赤ちゃんにわかるのかなと驚いていると、担当者が「評価をつけるために集めているのではない。私たち図書館は中立的な視点を保ちながら、ろうに関するものは全部集めることにしているの」と説明してくれた。
 このほか、聴こえる親がろう・難聴の子どもの成長に合わせて手話を覚えられるように作られた手話教材や、妊娠したお母さんとその家族向けに「あなたの子どもが聴こえにくさをもって産まれたら・・・」と仮想させる教育DVDなどもあった。常に客観性が求められる大学という場で、ろう・難聴を学ぶのに適した図書館かもしれない。

新学期に向けて

 いよいよ新学期が始まるが、今回はIVSP学生として迎えることになった。自分の留学目的や将来の目標により合った専攻へ移ることを決め、この1年間、専攻変更に向けて調整したり準備したりすることになった。この機会を与えて下さった方々に大変感謝している。来年カウンセリング学部修士課程に入学することを目指して、新たな1年間を日々精進して参りたい。
この記事のURL
https://blog.canpan.info/deaf-ryugaku/archive/430
トラックバック
※トラックバックの受付は終了しました
 
コメントする
コメント