2010年6月生活記録(岡田)[2010年07月11日(Sun)]
報告が遅れてしまいましたが、先日Santa Clara University, Higher Education Administrationを卒業しました。留学を開始してから3年になろうかとしていますが、その間ご支援応援いただきありがとうございました。現在は論文とインターンシップの最後のプロジェクトが残っているので、夏の間にこれらを片付け、秋に帰国する予定です。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
さて、すでに何人かに聞かれたのですが、「何で卒業したのに論文?」という疑問をお持ちかもしれません。そこはアメリカ的というかなんというか、一人一人のプロセスがバラバラで、かつ各自のゴールを尊重するお国柄というのか、卒業見込みで卒業式に参加できるシステムがあるのです。私の大学の場合は、卒業に必要な単位をすべて取得済みであることと、教授からの論文が終わる見込みであるという書類があることを要件として卒業式に参加できます。つまり、正確に言うと卒業式への参加であって、学位の授与、すなわち卒業ではないのですが、一応卒業ということで。
卒業式後は、東海岸でのカンファレンスへの参加や、論文のインタビューを2週間ほどしてきました。
ACPAというStudent Affairsの専門職の団体があるのですが、その団体が今回、学生プログラムのAssessmentに関するワークショップを3日間にわたってノースカロライナで開いたのでこれに参加してきました。特に障害学生支援プログラムに関するものではないですが、大学の一プログラムである以上、単に困っている学生を支援すればよいのではなく、プログラムが大学全体からきちんと支援を得続けるためにも、無駄な出費なく、最大限の効果を生み出さなければなりません。そしてその結果を目に見える形でどうまとめていくかというAssessmentはアメリカでは常識となっています。また、大学全体としての、Outcomeをどうやって評価して、どのような結果となったのかというのが、最近では特に重視され、5−6年に一度行われる大学に認証評価にとっても重要になっています。
このAssessmentの重要性を感じつつも、残念ながら私のプロブラムでは、Assessmentに絞ったクラスがなかったので、この機会に手法や実践例を学べ、有意義でした。また特定のトピックでトレーニングが行われましたが、それぞれのワークショップは、一応は完結しながらも、3日間全体でどのように結びつけていくかという、運営面でもいろいろとアイディアを得ることができましたので、この点からも帰国後につなげていくことができると感じました。
2つ目のカンファレンスはNYで開かれたConnecticut大学主催の障害学生支援に関するものでした。今論文を書いていますが、その先行研究の著者の何人かがこの大学で研究されていて、直接お会いできるのを楽しみにしていました。実はこの大学は、アメリカでも珍しい障害学生支援プログラム運営者のための大学院レベルのコースをオンラインで提供している大学です。私の今の論文と、留学全体の目標は、日本の障害学生支援全体がもっと底上げしていくのに貢献することと、その1つの手段として、日本で障害学生支援担当者のための教育プログラムを作ることですが、そのためにもこのプログラムの内容や設立した目的、チャレンジなどを聞きたいと思っています。今までもEmailでのコミュニケーションでいろいろと資料をいただいたりはしていましたが、そのためにも、直接お会いしてみたかったのです。
幸運にも、私が今一番参考にしている先行研究の著者であり、そのプロ不ラムの責任者でもある方と少しお話ができ、帰国前に大学を訪問させていただく方向になりました。可能であれば来月にでも訪問させていただき、深くお話を伺いたいと考えています。
その他スケジュールを調整しながら論文のためのインタビューを5本ほど行ってきました。障害学生支援室職員の専門性というトピックで書いていますが、実際に働いている人から専門スキルや資質などを伺うことができ、だいぶ1つのモデル像が出来上がってきました。これをまとめるのもまた大変な作業になりますが、日本で議論していく際のフレームワークとして役立てるように可能な限りリアルにまとめて行きたいと思います。
そして、2週間の旅の最後には、AHEADの元代表の方にお会いしました。AHEADについては過去に書いているので、そちらをご覧ください。たまたま私の指導教授がその方と知り合いだった関係で、運よくお会いすることができたのです。その方は95年ころ代表を務めていらしたのですが、そのころAHEADは大きな転換点を迎えていました。その当時のお話と、そもそもAHEADがどう形成されてきたのか、必要なことはなんだったのか、と伺うことができました。今日本でも少しずつ高等教育における障害学生支援が進んでいますが、その内部にいる人々がどのように、イニシアチブを取ってきたのか、実際にそれを見てきた方からお話を伺えたことは貴重な経験でした。
以前から感じていますが、アメリカでは現場の実務者も、自分の経験や事例を積極的に発表し、共有していこうという姿勢が強いです。そしてその中からネットワークが形成され、それが形のある組織につながっていくというのが、AHEADの形成からも読み取れます。今日本ではやっとネットワークを構築していこうといういう段階になってきましたが、そこから少しでも先に進めるよう、残り2ヶ月できる限り多くの経験を積み、日本に帰った後もしっかり貢献していきたいと感じています。
さて、すでに何人かに聞かれたのですが、「何で卒業したのに論文?」という疑問をお持ちかもしれません。そこはアメリカ的というかなんというか、一人一人のプロセスがバラバラで、かつ各自のゴールを尊重するお国柄というのか、卒業見込みで卒業式に参加できるシステムがあるのです。私の大学の場合は、卒業に必要な単位をすべて取得済みであることと、教授からの論文が終わる見込みであるという書類があることを要件として卒業式に参加できます。つまり、正確に言うと卒業式への参加であって、学位の授与、すなわち卒業ではないのですが、一応卒業ということで。
卒業式後は、東海岸でのカンファレンスへの参加や、論文のインタビューを2週間ほどしてきました。
ACPAというStudent Affairsの専門職の団体があるのですが、その団体が今回、学生プログラムのAssessmentに関するワークショップを3日間にわたってノースカロライナで開いたのでこれに参加してきました。特に障害学生支援プログラムに関するものではないですが、大学の一プログラムである以上、単に困っている学生を支援すればよいのではなく、プログラムが大学全体からきちんと支援を得続けるためにも、無駄な出費なく、最大限の効果を生み出さなければなりません。そしてその結果を目に見える形でどうまとめていくかというAssessmentはアメリカでは常識となっています。また、大学全体としての、Outcomeをどうやって評価して、どのような結果となったのかというのが、最近では特に重視され、5−6年に一度行われる大学に認証評価にとっても重要になっています。
このAssessmentの重要性を感じつつも、残念ながら私のプロブラムでは、Assessmentに絞ったクラスがなかったので、この機会に手法や実践例を学べ、有意義でした。また特定のトピックでトレーニングが行われましたが、それぞれのワークショップは、一応は完結しながらも、3日間全体でどのように結びつけていくかという、運営面でもいろいろとアイディアを得ることができましたので、この点からも帰国後につなげていくことができると感じました。
2つ目のカンファレンスはNYで開かれたConnecticut大学主催の障害学生支援に関するものでした。今論文を書いていますが、その先行研究の著者の何人かがこの大学で研究されていて、直接お会いできるのを楽しみにしていました。実はこの大学は、アメリカでも珍しい障害学生支援プログラム運営者のための大学院レベルのコースをオンラインで提供している大学です。私の今の論文と、留学全体の目標は、日本の障害学生支援全体がもっと底上げしていくのに貢献することと、その1つの手段として、日本で障害学生支援担当者のための教育プログラムを作ることですが、そのためにもこのプログラムの内容や設立した目的、チャレンジなどを聞きたいと思っています。今までもEmailでのコミュニケーションでいろいろと資料をいただいたりはしていましたが、そのためにも、直接お会いしてみたかったのです。
幸運にも、私が今一番参考にしている先行研究の著者であり、そのプロ不ラムの責任者でもある方と少しお話ができ、帰国前に大学を訪問させていただく方向になりました。可能であれば来月にでも訪問させていただき、深くお話を伺いたいと考えています。
その他スケジュールを調整しながら論文のためのインタビューを5本ほど行ってきました。障害学生支援室職員の専門性というトピックで書いていますが、実際に働いている人から専門スキルや資質などを伺うことができ、だいぶ1つのモデル像が出来上がってきました。これをまとめるのもまた大変な作業になりますが、日本で議論していく際のフレームワークとして役立てるように可能な限りリアルにまとめて行きたいと思います。
そして、2週間の旅の最後には、AHEADの元代表の方にお会いしました。AHEADについては過去に書いているので、そちらをご覧ください。たまたま私の指導教授がその方と知り合いだった関係で、運よくお会いすることができたのです。その方は95年ころ代表を務めていらしたのですが、そのころAHEADは大きな転換点を迎えていました。その当時のお話と、そもそもAHEADがどう形成されてきたのか、必要なことはなんだったのか、と伺うことができました。今日本でも少しずつ高等教育における障害学生支援が進んでいますが、その内部にいる人々がどのように、イニシアチブを取ってきたのか、実際にそれを見てきた方からお話を伺えたことは貴重な経験でした。
以前から感じていますが、アメリカでは現場の実務者も、自分の経験や事例を積極的に発表し、共有していこうという姿勢が強いです。そしてその中からネットワークが形成され、それが形のある組織につながっていくというのが、AHEADの形成からも読み取れます。今日本ではやっとネットワークを構築していこうといういう段階になってきましたが、そこから少しでも先に進めるよう、残り2ヶ月できる限り多くの経験を積み、日本に帰った後もしっかり貢献していきたいと感じています。