生活報告記録 5月生活報告 富田 望[2010年06月15日(Tue)]
もう早いもので六月である。五月下旬には、久々に日本へ帰国し、友達や家族との再会を楽しんだ。
EDU 665 Introduction to Children’s Literature
初めはEDU745 Method of Developing Literatureを受講する予定だったのだが、生徒の数が足りないということで、キャンセルされ、その代わりがこのクラスである。夏学期だからか、秋学期、春学期と比べると、アットホームな雰囲気である。
このクラスの目的は、K1からK12までの生徒、小学、中学生のリテラシー能力の発達のしくみ、またその応用を学ぶことである。クラスが始まって一週間になるが、リテラシー能力の発達を促すための工夫といっても、色々あるが、具体的にいえが、教師がいかに本の評価、セレクション、またコンテンツをインストラクショナルセッテイングに取り入れていくかに集中している。肝心の本のセレクションであるが、このクラスでは毎日、2冊の本、または絵本を各ジャンルに合わせて持ってくることが課題になっており、今までに、様々なメディアやテクニックを使った絵を取り入れた絵本や、ポエム、また文化を反映している本などに、触れた。これからの予定ではノンフィクションの本やファンタジーなどの本に触れていく予定である。本をセレクションするといっても、どこで賞を貰ったからこの本は良いと評価するのではなくて、自分でこの本はどうして良いのか、またこの本をどのように使っていくのかといった具体的な内容にも触れていくので、常に自分の立場に置き換えるようにしている。また、個人課題で、book sharingという課題があり、実際に子供達乃前でAmerican Sign Language(ASL)でお話をするというのがある。実際に自分が子ども達の前でお話をするので、セオリーのみの議論だけで終わるのではなく、クラス内で話し合った内容を、実際に応用できるかどうかの技量も問われてくる。私の場合は18日にあり、先週からASLの練習をしているが、実際にうまくできるかどうか、心配である。
今までに課題の関係で読んだ本の中で、日本の教育現場にも応用できるような本があり、言語はもちろん英語であるが、歴史の授業などにも使えるような本が沢山ある。今回はその一部を紹介したい。
“Out of the Dust” 著 KAREN HESSE
1930年代の大恐慌時代、オクラホマはダストボールと呼ばれる砂嵐に悩まされていた。この本の主人公Billie Joは、農家の父と、ピアノが上手な母と一緒に住む10歳前半の普通の女の子、ある日、たまたまストーブの火がバケツの中の灯油に引火し、そのバケツを外へ出そうとして、母と衝突し、母は全身、大やけど、彼女も両手に大やけどを負う。この本は彼女のポエムの日記のようなものだろうか、その時の彼女の気持ちや、出来事がリアルに描写されている。そして繰り返される”Out of the Dust”という言葉。とてもシンプルな英語で、なおかつ強い印象を与える文章である。
この本は英語の教材にも向いているだろうし、ポエムを教えるにはいい本であろう。
七月末には5日間の短期集中講座があり、ハードな内容だと聞いている。講師はCSUN(California State University Northridge)から来られるTodd Cuzbekという人で、ろう教育界では名の知られている講師であるから、楽しみである。
これから本格的に暑さも増していくが、体調管理だけはきちんとしていきたい。